( ^ω^)ブーンが丸痣の謎を追うようです。

31: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 21:26:14.08 ID:Lm2J2Rdn0
('A`)「最初はキスマークかなぁなんて考えてたんだけど、まん丸なんだよな」

( ^ω^)「………」

丸い模様ならあの手にもあった。

そしてあの手は………

( ^ω^)「ドクオ、そのOLさん何履いてたか憶えているかお?」

('A`)「あぁ、確か赤いハイヒール履いてたぜ。だから転んだんだろうな」

( ^ω^)「どっちの足だったかは憶えているかお?」

('A`)「……こっちから見て右だから多分左足だな」

果たしてこれは偶然なのか、ブーンは形を成しつつある何かに恐怖を覚えていた。

( ^ω^)「……わかったお」

('A`)「おぉ、じゃあ俺はもう本当に寝るわ」


電話が終わったあともしばらく、ブーンは立ったままショボンのベッドを見つめていた。



34: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 21:38:48.59 ID:Lm2J2Rdn0
丸いアザとあの気持ち悪い奴との間に、なんらかの関係があるのは確かだった。

( ^ω^)「あの丸いアザは一体何なんだお…」

ドクオが思い出すのも判る気がする。あの丸いアザは一目見ただけで何か変だとわかるのだ。

大きさはそれほど大きくは無いのだが、色が真っ赤なのだ。

あの右手についていた丸いアザもまるで絵の具を塗ったように赤かったのをブーンは思い出した。

( ^ω^)「せめてショボンが何をしていたのかがわかれば…」

そこでショボンの携帯を思い出した。

( ^ω^)「そうだお、メールを見ればいいんだお」

ショボンには悪い気がしたが、ブーンは携帯を開いて最近のメールを探し始めた。



36: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 21:50:47.36 ID:Lm2J2Rdn0
メールを調べてみると、どうやらショボンが一番最近会ったのがジョルジュらしいことがわかった。

( ^ω^)「これならジョルジュがなんか知ってるかもしれないお」

ブーンはジョルジュに電話を掛けた。

( ゚∀゚)「よぉ、ブーン久しぶりだな」

( ^ω^)「うん、久しぶりだお」

ブーンはジョルジュにショボンと会った日の事を聞いた。

( ゚∀゚)「…あの日は確かカラオケに行って、飯食ってそのまま別れたぞ」

( ^ω^)「なんか変わった事は無かったかお?」

( ゚∀゚)「変わった事かぁ…特に何も無かった気がするなぁ」

( ^ω^)「ショボンの右手にアザがあったかとかは憶えてないかお?」

( ゚∀゚)「アザ…あぁ、あったあった。そういえばそんなこともあったな」



39: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 22:02:49.90 ID:Lm2J2Rdn0
( ゚∀゚)「確かカラオケに行く途中だったな。いきなりショボンが立ち止まって喋らなくなってさ」

( ^ω^)「喋らなく?」

( ゚∀゚)「あぁ、その場で黙ったまま動かないからどうしたのかと思ってさ」

( ^ω^)「それでどうなったんだお?」

( ゚∀゚)「それが別にどうもなってないんだ。ショボンは虫か何かが手にぶつかって来た感じがしたって言ってたけど」

( ^ω^)「それってもしかして…」

( ゚∀゚)「それで右手を見てみたら丸いアザみたいなのが出来ててさ。でも痛くないって言うから、そのままカラオケに」

( ^ω^)「…………」

ブーンはしばらく考え込んでいた。

( ゚∀゚)「ブーン?」

( ^ω^)「あ、ありがとう、助かったお」

とりあえずブーンはジョルジュとの電話を終えた。



48: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 22:41:23.91 ID:Lm2J2Rdn0
ブーンはさっきからずっと気になっていた。

何か自分が見逃していることがあるんじゃないかと。

ジョルジュとの電話でそれが1つ見つかった気がする。

(;^ω^)(そんなことあってたまるかお)

ブーンは急いで自分の家に向かった。

バン!

荒々しくドアを開け、なだれ込むように家に入り、脇目も振らずに洗面所に飛び込んだ。

そして、ブーンはゆっくりと自分の顔を眺めた。



49: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 22:51:50.69 ID:Lm2J2Rdn0
( ^ω^)「…………」

そこにはいつもと同じ顔があった。

(;^ω^)「よかったお……」

この間の奇妙な体験とショボンの話が余りにも似ていたから

ブーンは自分もアザが出ているのではないかと焦ったのだ。

( ^ω^)「取り越し苦労だったお」

それから全身くまなく調べたがどこにもアザは出来ていなかった。

( ^ω^)「とりあえず安心したらお腹空いたお」

ブーンはチャーハンを作って食べることにした。



50: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:02:31.25 ID:Lm2J2Rdn0
( ^ω^)「チャーハン、チャーハン、作るおー」

冷蔵庫を開けて何を入れようか考えていたが、卵くらいしか入れれそうなものは無かった。

(;^ω^)「…貧乏チャーハンだお」

それでもチャーハンの素を入れるとそれなりの形にはなった。

ブーンはお昼のバラエティ番組を見ながら、チャーハンを食べていた。

( ^ω^)「そういえば、今晩食うもの無いお」

チャーハンを食べ終えたところでブーンは冷蔵庫の中身を思い出した。

( ^ω^)「よし、買い物行ってくるお」

この間、体調が悪いからと、うなぎしか買ってこなかったのが失敗だった。

ブーンは身支度を済ませて家を出た。



51: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:08:18.11 ID:Lm2J2Rdn0
( ^ω^)「今日は何が安いのかお」

出掛けに持ってきたスーパーのチラシを見ながらブーンは町を歩いていた。

( ^ω^)「魚が安いお…。今日は焼き魚にするお」

ブーンがチラシをポケットにしまって、ふと前を見るとジョルジュがいた。

( ^ω^)「ジョルジュー」

ブーンは呼びかけながらジョルジュの元へ走っていった。

( ^ω^)「ジョルジュ、さっきは助かったお」

( ゚∀゚)「………」

しかし、ブーンが話しかけてもジョルジュはまるで気付いていないようだった。

( ^ω^)「……ジョルジュ?」



53: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:17:32.39 ID:Lm2J2Rdn0
( ゚∀゚)「………」

ジョルジュは無視しているという風でもなく、ただぼんやりとどこかを見ていた。

( ^ω^)「ジョルジュ?どうしたんだお?」

ブーンはジョルジュの肩を叩くが反応が無い。

そしてブーンは見てしまう。

(;^ω^)「―――ッ!」

ジョルジュの左手に丸いアザが出来ているのを。

しかし、そのアザはブーンが前に見たものとは違っていた。

(;^ω^)「アザが黒いお…」



55: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:27:12.02 ID:Lm2J2Rdn0
( ゚∀゚)「…ん?なんだ?」

どうやらジョルジュは気が付いたらしい。

(;^ω^)「ジョ、ジョルジュ…」

( ゚∀゚)「お?ブーンじゃないか。どうした?」

ジョルジュは何も無かったかのようにブーンに話しかけてきた。

ブーンは迷った。ジョルジュにアザのことを言うべきかどうか。

ブーンが見たアザは真っ赤だったんだから、もしかしたらこれは本当にただのアザなのかもしれない。

そう思ってブーンはジョルジュに聞いてみた。

(;^ω^)「ジョルジュ、左手のアザ…」

( ゚∀゚)「左手?あ!なんだコレ!?」

どうやら元からあったというわけではなさそうだった。



57: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:35:44.75 ID:Lm2J2Rdn0
( ゚∀゚)「こりゃあショボンとお揃いになっちまったな」

( ^ω^)「…お揃い?」

そんなはずは無い。ショボンの右手のアザは確かに赤だったはず。

( ^ω^)「ジョルジュ、ショボンの右手に出来たアザの色って…」

( ゚∀゚)「ん?これと同じだよ。真っ黒だったぞ」

(;^ω^)「…………」

どういうことだろう。じゃああの右手はショボンのものじゃなかったとでも言うのだろうか。

( ゚∀゚)「ショボンのとこでも行って見せてくるかな。お揃いだーって」

(;^ω^)「あ…えっと、ジョルジュ」

そういえばジョルジュはまだショボンが消えたことを知らない。

まだ確証を掴んでいない以上、このことを言うのはさすがにまずいだろう。



58: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:46:37.26 ID:Lm2J2Rdn0
( ゚∀゚)「どうした?」

(;^ω^)「ショ、ショボンは今家族で旅行に出掛けてるらしいお」

別に吐かなくてもいい嘘だったかもしれないが、念のため言っておいた。

( ^ω^)「なのに家に携帯を忘れたから、しばらく連絡が取れないって言ってたお」

( ゚∀゚)「ぶはっ!あいつおっちょこちょいすぎるだろ!」

( ^ω^)「あはは、本当だお。……」

もしかしたらショボンは本当に携帯を忘れて旅行に行ったのではないか。

ショボンは今もどこかで元気でいるんじゃないか。

ブーンは自分の嘘と真実をダブらせて、なんだか切なくなった。

( ^ω^)(………ショボン)



60: ◆HGGslycgr6 :2006/02/16(木) 23:56:20.65 ID:Lm2J2Rdn0
( ^ω^)「…ジョルジュ、なんかあったらすぐに電話してくれお。」

( ゚∀゚)「ん?お、おぉなんか知らんがわかったぞ」

ブーンはそのままジョルジュと別れ、すぐにドクオに電話を掛けた。

( ^ω^)「…………」

しかし鳴らせど鳴らせどドクオが出る気配は無い。

( ^ω^)「ドクオまだ寝てるのかお…」

ブーンは諦めてスーパーへ買い物に行くことにした。



64: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 00:11:52.72 ID:vpjj6J9N0
( ^ω^)「さかな、さかな、さかな〜」

ブーンは時代遅れの歌を歌いながら、魚を選んでいた。

( ^ω^)「とりあえず魚は買ったから、あとは野菜だお」

野菜売り場に行く途中通ったお菓子売り場でブーンはダダをこねている子供を見かけた。

( ^ω^)(…そういえば僕もあぁやってカーチャンを困らせたことがあったお)

ブーンは小さい頃を思い出した。

( ^ω^)「…そういえばあの頃カーチャンが作った大根のお味噌汁、懐かしいお」

ブーンは大根と適当な葉野菜を買い物かごに入れて、レジに並んだ。

( ^ω^)(今日帰ったら電話してみるお)

ブーンはどこか少し孤独感を感じていた。



67: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 00:26:03.22 ID:vpjj6J9N0
家に着くと、ブーンは見るわけでもないテレビを点け、夕飯の仕度を始めた。

いつもは作らない味噌汁も今日は久しぶりに作った。

( ^ω^)「カーチャンほどじゃないけどうまく作れたお」

今日は、食卓がいつもより賑やかだった。

けれどもブーンはどこか物足りなさを感じていた。

( ^ω^)「なんか足りないお…」

それが何なのかはわからないが、いつもより豪華な夕飯にもブーンは満たされずにいた。

( ^ω^)「ごちそうさまだお」

それでも用意したご飯はすべて平らげて、後片付けを始めるために食器を持って台所へ向かった。

遠ざかるテレビの音にブーンはもやもやとした不安を感じた。



70: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 00:40:29.73 ID:vpjj6J9N0
( ^ω^)「……カーチャンに電話するお」

ブーンは皿洗いを適当に切り上げて実家に電話を掛けた。

J('ー`)し「はい、もしもし?」

( ^ω^)「カーチャンかお?ブーンだお」

J('ー`)し「あぁ、ブーンなの?久しぶりねぇ。急にどうしたの?」

( ^ω^)「最近電話して無いと思って掛けてみたお」

J('ー`)し「そう。そっちで元気にやってるかい?」

( ^ω^)「元気だお!今日はカーチャンがよく作ってた大根の味噌汁作って食べたお」

J('ー`)し「へぇ、そうなの。カーチャンもブーンの声聞いて元気が出てきたよ」

久しぶりにするカーチャンとの会話はブーンの心を満たしていった。



72: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 00:48:54.45 ID:vpjj6J9N0
カーチャンとの電話が終わると、ブーンはすっかり元気になっていた。

( ^ω^)「カーチャンと話してよかったお」

するとたった今使っていた携帯が、電話が終わるのを待っていたかのように鳴り始めた。

( ^ω^)「はいお?」

('A`)「もしもし?ブーン昼間電話してきたろ?なんだ?」

そういえばジョルジュにあった後ドクオに電話をしていた。

( ^ω^)「あ、あれはドクオにもうちょっと聞きたいことがあったんだお」

('A`)「なんだ?」

( ^ω^)「ドクオが見たOLさんのアザは何色だったか憶えているかお?」

('A`)「ん?たしか…黒だったな。」

( ^ω^)「……わかったお。用件はそれだけだお」

ブーンは電話を切った。



75: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 01:00:29.30 ID:vpjj6J9N0
( ^ω^)「僕が見たあの手のアザとはやっぱり関係ないのかお…」

ブーンはわからなくなっていた。

みんなが見たアザは黒。

ショボンの右手に出たアザの色も黒。

でもブーンが昨日の夜見た右手のアザは赤。

そしてハイヒールを履いた左足。

(;^ω^)「思い出したら恐くなってきたお」

恐い想像が膨らまないうちに、ブーンは早めに寝ることにした。



112: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 19:00:55.54 ID:vpjj6J9N0
( 'ω`)「……お?」

気付くと朝だった。

( ^ω^)「ん〜…久々に良く寝たお」

ブーンはカーテンを勢い良く開け、日光を全身に浴びようとしたが、あいにくの曇天だった。

(;^ω^)「…すがすがしい朝が台無しだお」

ブーンは昨日の残り物を暖めて食べることにした。

いつものように冷凍してあるご飯をレンジで解凍しながら、夕飯の残り物をテーブルに並べる。

すると携帯電話のランプが点滅しているのに気が付いた。



113: ◆HGGslycgr6 :2006/02/17(金) 19:07:38.14 ID:vpjj6J9N0
( ^ω^)「寝てる間に誰かが連絡してきたのかお?」

ブーンは二つ折の携帯を手に取り開く、するととんでもない数の着信が入っていた。

(;^ω^)「に、20件ってどこのどいつがイタズラしたお」

ブーンはプリプリと怒りながら履歴画面を開いた。

0:59ジュルジュ
1:00ジョルジュ
1:02ジョルジュ
1:03ジュルジュ
1:06ジョルジュ
1:07ジョルジュ
1:10ジュルジュ
1:15ジョルジュ
1:19ジョルジュ
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(;^ω^)「ジョ、ジョルジュ!」



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