( ^ω^)ブーンが機械と戦うようです

107: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 09:48:33.28 ID:eyrOJZPq0
  
3日目

( ゚д゚ )「ギコは正しい判断をした」

ジョルジュ隊と共に帰ってきた内藤に、ミルナは冷静に告げた。
そのあまりの冷静さに、内藤は思わず殴りかかりそうになった。

( ゚д゚ )「ギコは正しい判断でもって、任務を達成した」

内藤の表情を読み取って、再びミルナが断じる。
それでも、内藤は到底その言葉を信じることはできなかった。

(#゚ω゚)「ギコは自分の技術が未熟だから、だから危険な作戦を実行したお」
( ゚д゚ )「ああ。だから、それは正しい判断だと……」
(#゚ω゚)「違うお!! ギコは言ってたお、艦長ならもっとうまく仕掛けられたって!!」

(,,゚Д゚)『ジョルジュや艦長なら、もっと上手く仕掛けられんだけどな』
(,,゚Д゚)『いや……マズったみたいだ。やっぱ俺じゃ役不足か』


ギコの言葉が脳裏に浮かぶ。同時に、あの小さな黙祷の表情も。
彼は判っていた。あそこまで危険な作戦でなければ成功しないほど、自分では成功率が低いことを。

(#゚ω゚)「あんたならもっと上手く出来たし、ギコも死ななかった!! 違うかお!!」
/ ,' 3「内藤……」

掴みかからんばかりに興奮する内藤を押しとどめようと、荒巻が身を乗り出す。
それをミルナが目顔で制した。



108: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 09:52:42.42 ID:eyrOJZPq0
  
( ゚д゚ )「私は死ぬわけにはいかないのだ。どうしてもな」
(#゚ω゚)「……そんなに命がおしいのかお」
( ゚д゚ )「違うな。命がおしいのなら、このような闘争は最初から初めておらんさ」

回りくどく率直に核心に触れない話し方は、どうやらこの男の癖らしい。
嫌な話し方だと、内藤は感じた。まっすぐなギコを好ましく思っただけに、その思いは強い。

(#゚ω゚)「どういうことか、はっきり話すお」
( ゚д゚ )「そうしたいのはやまやまだが、今は時間がおしい」

そう言って、彼はブリッジを大股で出て行こうとする。

(#゚ω゚)「逃げるのかお!!」

思わず声が出た内藤に、ミルナの足がピタリと止まる。

(   )「ギコは……自分の行動を信じて行動した」
/ ,' 3「ミルナ……」

静かに声を発するミルナに何を感じたのか、荒巻が気遣わしげに声をかける。
その時気づいた。背を向けたミルナの手が、固く強く握りしめられていることに。

(   )「その行動が最善だった。我々が信じてやらなければ、誰がギコを認めるのだ」

背を向けたミルナの顔を伺うことは出来ない。
ミルナの心の内にあるのは何だろうか。喪失感、寂寥感、そして重くなる責任感。
そのどれでもあるように感じ、どれでもないように思う。彼の背中は無言で気遣いを拒否していた。
再び歩き始めたミルナにかける言葉を、内藤は見つけることができなかった。



109: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 09:54:55.25 ID:eyrOJZPq0
  
翌日。この世界で目覚めて3日目。
内藤は照明のつく少し前から、寝転がって昨日のことを思い返していた。

/ ,' 3『あの時タシーロ号に乗艦している中で、ギコが最も手空きじゃった』

内藤に荒巻が説明を始める。ミルナと違い、いきなり核心をついた話し方で荒巻は口を開いた。

/ ,' 3『操舵手の兄者は数p単位で操艦ができる技能者。あやつを失えば、タシーロ号は動かん』
/ ,' 3『儂は爆発物はさっぱりじゃし、タシーロ号や他の機械を修理する必要がある』
/ ,' 3『艦長は艦長で、ある理由から死ぬのはVIPが壊滅する時と決まっておる』

さらりと言われたその一言に、内藤はゾッとした。
理詰めで穏やかな物腰の荒巻が断言すると、壊滅や死といった言葉の恐怖は何倍にも感じられた。

/ ,' 3『そしてソナー係は、ジョルジュ隊で出ておった弟者も務めることができるのじゃよ』
( ´ω`)『もういいお……』

もう十分理解した。その先を説明して貰わなければならないほど、自分は子供でいたくない。
代わりのいる者が進んで危険にあたる。ミルナの下した命令は、組織としては当然の選択だ。

( ´ω`)「なんで……なんで……」

何故、ギコは死ななければならなかったのか。そう考えそうになって、内藤は勢いよく首を振った。
新人の自分を、ジョルジュ隊を、VIPを守るためにギコは行動した。
その行動に『if』を持ち出すことは、今の内藤には生理的に出来そうにもなかった。

――ガ コンッ

ここに来て3回目の衝撃が、鉄板で出来たベッドを激しく揺らした。
やがてチリチリと音を立てて照明が点灯する。今日も現実世界での一日が始まった。



110: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:03:59.12 ID:eyrOJZPq0
  
( ゚д゚ )「今から本艦は南に向かい、トレーダーと接触する」

ブリッジに招集された内藤他VIPのメンバーに対して、ミルナは宣言するように言った。
他より広いとはいえそこそこの体格を持つ男ばかりが集まると、さすがにブリッジは手狭に感じる。
しかも汗くさい。潜水艦では水が貴重なのでシャワーは数日に一度だというが、内藤は刺激臭に顔をしかめた。
もっとも、その刺激臭の一端をすでに自分自身が担っていることは自覚しているのだが。

( ゚д゚ )「今回の接触の目的は、補修資材の取引と生鮮食料、そして燃料棒だ」
/ ,' 3「大坑道での発掘は、昨日の戦闘によって警備強化されているために難しいのでな」

ミルナの横に立つ荒巻が説明を入れる。どうやらその説明は内藤に向けられたものらしい。

/ ,' 3「ちょうど燃料棒も心許なくなっていたところじゃし、まぁ丁度いい」
( ゚д゚ )「あまり気乗りはしないだろうが……必要なことだ。承知してくれ」

全員が大きく頷く。それを見て、ミルナは各人に持ち場に戻るように命じた。



111: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:07:26.44 ID:eyrOJZPq0
  
( ^ω^)「トレーダーってなんなのかお?」

わからないことだらけなので仕方がないのだが、最近は質問ばかりしている気がする。
そんな内藤に対して、すっかり説明役が板についてきた荒巻が説明を始めた。

/ ,' 3「トレーダーというのは、言葉の通り交易者のことじゃよ」

言葉の通りと言われても、内藤はその言葉自体が初耳だった。

/ ,' 3「お前さん、まさかとは思ったが相当のアホじゃの」
(;^ω^)「正直すまんかった」
/ ,' 3「まあええじゃろ。英語じゃ英語」

ポケットから取り出したチョークのようなもので、荒巻は壁に[Trader]と書いた。
コツコツとその文字を叩きながら、荒巻は続ける。

/ ,' 3「こやつらは機械と人間、双方に対して完全な中立を保っている奴らじゃ」
/ ,' 3「多少……いや、かなり排他的で利己的ではあるし、独特な奴らなので付き合いは難しいがな」
/ ,' 3「それでも交易によって得られる情報と資源は、我々にとって重要なのじゃ」

特に燃料棒はタシーロ号の燃料であり、これを得るにはトレーダーを通すしかないのだという。

( ^ω^)ノ「おっお? 先生質問だお」
/ ,' 3「何かね内藤君」
( ^ω^)「機械と人間に対して中立と言ったけど、じゃあトレーダーは何なのかお?」
/ ,' 3「うむ、いい質問じゃ。しかし、その答えは到着してからのお楽しみじゃの」

荒巻の目がいたずらっぽく輝いた。



112: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:10:14.69 ID:eyrOJZPq0
  
――トレーダー交易港。
整備もろくにされていない旧時代の港湾が、トレーダーとの交易場所だった。
率直に言って、内藤の驚きはかなりのものだった。トレーダーの姿形にだ。
猫がいる。犬がいる。ウサギがいる。は虫類とおぼしきものまでいる。
それら全てが二足歩行で歩き回り、様々な物資を運んでいる。
完全に動物の顔をしている者もいれば、かなり人間に近い顔の者もいる。
半人半獣と半獣半人の混ざり合ったファンタジックな世界が、内藤の目の前にあった。

( ^ω^)「おっおっおっ!! 猫耳ktkrwwwwwwwwwww」
/ ,' 3「うひょひょ!! うさぴょんのにこっ毛がたまらんのう!!」
(*゚∀゚)「おっぱい!! おっぱい!!」
( ゚д゚ )「貴様らという奴は……」

人目も憚らずトレーダーに見とれる三人に、ミルナが額に手を当てて沈痛な表情を見せる。
トレーダーというのは、人工的に誕生させられたキメラの生き残りだ。
とりわけ人と獣を配合した種が根強く生存し、特殊な身体能力を基に生計を立てていた。
燃料棒の生成や高磁場地域での活動、酸性雨地域でのレアメタル発掘。
マンパワーにより獲得された各種資源を、機械と人間に交易品として提供し、報酬を受け取る。
報酬は大坑道や他の地域で発掘される精密機器や嗜好品であることが多い。

( ゚∀゚)「いやー、やっぱりここは何度来てもいいもんだな!!」
/ ,' 3「うさぴょんのモフモフした口元を見るたびに心が洗われるわい」
( ^ω^)「なんという聖地……まさか現実にリアル猫耳が拝めるとは」

もっとも、若干三名ほどにはそういった背景など、何処吹く風のようであるが。



113: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:23:39.72 ID:eyrOJZPq0
  
(゚Д゚)「あまりそう言った目で見るのはやめてもらおうか」
(;^ω^)「お、ごめんだおミルナさん……あるええぇぇぇぇぇ!?」

(゚Д゚)( ゚д゚ )

(;^ω^)「み、ミルナさんが二人いるお!?」
/ ,' 3「おお、こりゃすみませんな」

驚愕の内藤を余所に、荒巻がミルナ(?)に話しかける。

(゚Д゚)「ふん。お前達はいつ見てもかわらん」
/ ,' 3「まあ、それが我々の意志の堅さだとでも思ってもらいましょうか、ウマーさん」
(゚Д゚)「相変わらず口の回る奴だ。私はお前の様な奴が……」
/ ,' 3「一番嫌いなんだ、というのは聞き飽きましたな」
(゚Д゚)「ふん。賢しらな小僧っ子が」

憎々しげにウマーと呼ばれた男が吐き捨てる。
明確な悪意をもったその表情を受けてもなお、荒巻は飄々としている。意外と大人物かもしれない。

( ゚д゚ )「ウマー。これが報酬と要求物資のリストだ」
(゚Д゚)「ふん、どれ……今回はまた随分としょっぱいな」
( ゚д゚ )「発掘途中の襲撃があったのでな」
(゚Д゚)「全部は応えられんかもしれんぞ。それでもいいならついてこい」

お前達はしばらく散歩していろ。そう言い残して、ウマーとミルナは倉庫らしき建物に入っていった。



115: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:38:30.59 ID:glrn5BlZ0
  
(;^ω^)「びっくりしたお……きっと世界に三人いるそっくりさんの一人なんだお」
/ ,' 3「何を言っとるか。あの二人は兄弟なのだから、似ていて当然じゃ」
( ゚ω゚)「な、なんだってー!?」

ウマーとミルナ。似すぎた二人は兄弟で、ほぼ同じ遺伝子を持っているそうだ。
若干ミルナが人間の遺伝子を強く含んでいることを除けば、他はほぼ同じ。
ちなみにウマーが兄で年齢差は20歳ほど。彼らには誕生日という習慣がないので正確にはわからない。
驚くべき事に、ウマーがおよそ100歳ほど。ミルナは80歳ほどだという。
彼らトレーダー種(様々な種をまとめてこう呼ぶらしい)には長命のものが多い。
彼らの長となっている象種の老人などは、400年ほど生きている。

( ^ω^)「そうだったのかお……まさかミルナさんが人間じゃなかったなんて」
/ ,' 3「これが、艦長が死ねない理由じゃ。トレーダーとのコネがなければ、我々の活動は終わる」

緩んだ顔を若干引き締めて、荒巻が答える。
確かに。今でもトレーダーは遠巻きにこちらを見るだけで、声を掛けることはおろか近づこうともしない。
排他的とは聞いたが、まさかここまで毛嫌いされているとは思いもしなかった。
この上ミルナという窓口がいなくなれば、彼らとのコンタクトは飛躍的に難しくなるだろう。
交易者と名乗ってはいても、全ては彼らの心一つなのだから。



118: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:47:05.67 ID:glrn5BlZ0
  
   「ちょっと。そんな顔で皆を見るんじゃないわよ」
( ^ω^)「お?」

ぼんやりとトレーダー達を眺めていた内藤達に、鋭い声がかけられた。
そちらを見ると、毛並みの長い猫種の娘がこちらを睨みつけていた。

ξ゚听)ξ「にやにやとこちらを見ないでって言ってるの!!」

すらりとした肢体に薄く巻いた布が適度なふくらみを見せる美しい娘だ。
金色に輝く毛並みが軽くカールしているのは、野性味の中にどことなく気品を感じさせる。
どちらかというと人間に近い顔立ち。切れ長の目つきは怒りの炎に燃えている。

/ ,' 3「おや、ツンちゃん。久しぶりじゃの」
( ゚∀゚)「ぃようツン、おひさー」
ξ゚听)ξ「ふん。こっちはアンタ達なんかもう見たくもなかったわよ」

ツンと呼ばれた娘は、名前通りにツンツンとした態度で腕を組んでこちらをじろり。
可愛いだけに、その仕草には迫力が感じられた。



120: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 10:55:49.49 ID:glrn5BlZ0
  
ξ゚听)ξ「ここに来るたびにニヤニヤニヤニヤと……特にアンタ!!」

びしっと内藤を指さす。

ξ゚听)ξ「見ない顔ね。新入り?」
( ^ω^)「初めましてだお、ボクは内藤ホライz」
ξ゚听)ξ「アンタの名前なんかどーでもいいわよ」

ざっくりと内藤の自己紹介を切り捨てる。

ξ゚听)ξ「見てて情けないぐらい鼻の下を伸ばして、不快極まりないのよ」
(;^ω^)「おっおっおっ」

容赦ない毒舌に、内藤はたじろいだ。
確かにニヤニヤしながら見ていたのは悪かったが、それにしてももの凄い嫌悪感が見て取れる。
尋常ではない怒りに、内藤は恐怖すら覚えた。

/ ,' 3「すまんの。こやつはまだ先日目覚めたばかりで、よくわかっておらんのじゃ」
ξ゚听)ξ「そんな危険な奴を、予備知識も無しにここに連れてこないで」
/ ,' 3「まあそう言うな。長い付き合いになるかもしれんのじゃ、後学のためと思ってくれ」
ξ゚听)ξ「長い付き合いなんかするつもりもないわ」

ツンの返す言葉は端的かつきつかった。とりつく島もないとはこのことだ。



122: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 11:10:03.48 ID:glrn5BlZ0
  
(;^ω^)「ご、ごめんだお」

ツンの怒りに押されて、内藤は取りあえず謝罪の言葉を述べた。
しかし、ツンは更に怒りの表情を深める。

ξ゚听)ξ「アンタ、そのごめんってのはどういう意味な訳?」
(;^ω^)「い、意味?」
ξ゚听)ξ「何も知らずに、とりあえず謝ればいいって気持ちが見え見えなのよ」

そんな薄っぺらな謝罪ならしない方がマシだわ。そう言って、ツンはきびすを返して歩み去った。

(;^ω^)「どうやら嫌われてしまったようだお……」
/ ,' 3「まあ、あの娘はああいう娘じゃからな。仕方ないじゃろ」

そういう荒巻は何かを知っているようだった。
しかし、事前に教えなかったということは、内藤が自分で答えを見つけることを望んでいるのだろう。
荒巻は説明好きだが、本当に必要なことは自分で見つけさせる。そういう性格のようだ。

/ ,' 3「さて。わしらはちょっと休憩するが、おまえさんはどうするね」
( ゚∀゚)「ジェシカちゃんの休憩所に行こうぜ!! ツンよりも胸が立派なんだ!!」

ジェシカの休憩所というのは、港で働く者の休憩場所だという。
簡単な食事と飲み物ぐらいなら、人間にも出してくれるらしい。
ちなみにジェシカというのは、牛種のトレーダーだそうだ。それは胸も立派になろうというもの。

( ^ω^)(っていうか、ジョルジュは胸以外に興味がないのかお)

思えばツンに対しては興奮する素振りを見せなかった。
まあ、確かにツンの胸は平均。良く言えば美乳といったところだが。



123: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 11:19:28.70 ID:glrn5BlZ0
  
(*゚∀゚)「お前も行こうぜ!! なっ!!」
(;^ω^)「い、いや。遠慮するお」

内藤はその時気づいた。
ジョルジュは興奮を隠そうともせずに息を弾ませている。
先ほど荒巻はウハウハと、自分はニヤニヤと眺めていた。
自分とジョルジュ、それに荒巻。同じように見えるのに、きっと何かが違うのだ。
そして、その違いがおそらくツンを不快にさせた。もしかしたら、傷つけた。
その違いは、自分の無知から来るものだろう。ならば自分は知る義務がある。

( ^ω^)「ボク、ツンさんに謝ってくるお!!」

ジョルジュから逃げるようにして、内藤は走り出した。
久しぶりに走ったのでその足下は若干危なっかしかったが、それでも元気よく。

( ゚∀゚)「……ったく、世話がやけるぜ」
/ ,' 3「ほっほ。お前さんも最初はあんなもんじゃったろうが」
( ゚∀゚)「まーな。ジェシカちゃんに嫌われちゃ、そりゃ必死にもなるだろうよ」

内藤が走り去った後、二人が苦笑する。
知らないことは、ある時は罪だ。だが、知ろうとすることは無知であることよりは正しい。
二人は若い内藤の背を、ほんの少しだけ後押ししたのだった。

/ ,' 3「さて、これからどうするね?」
( ゚∀゚)「もちろん、ジェシカちゃんの所へ行くに決まってるだろ!!」
/ ,' 3「なんじゃ。結局お前さんはそれか。嫌われとるのによう通う気になるもんじゃな」
( ゚∀゚)「いやいや、枯れたじいさんにはわからんだろうが、あの娘は実は気があると見た!!」

先ほどの年長者としての顔はどこへやら。二人はやかましく笑いながら、休憩所に足を向けた。



125: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 11:34:23.32 ID:glrn5BlZ0
  
(;^ω^)「ばっちり見失ったお……」

あわてて飛び出した内藤。方向も定めなかったのだから、こうなるのは自明の理といえた。
ここは港を囲むように建設された建物を数棟ほど越えた場所。
港を離れるにつれて、周囲の人工物は段々と少なくなり、それに反比例して緑が増えていく。
とはいえ建物がないわけではない。木造の家屋や田畑、果樹園と思われる木が周囲に見られる。
人工物を建設する資材や労働力がないわけではないだろう。
トレーダーは本来、こうした生活を好んでいるのかもしれない。港は仕方なく旧時代の設備を使っているのか。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」
(;;゚ω゚)「うぽうっ!?」

横合いから突然かけられた声に、内藤は奇声をあげながら数pほど飛び上がって驚いた。
現われたのは小さなトレーダー。猫種と思われるが、細かいことはわからない。
標準的な身長である内藤の腰辺りまでしかない。子供なのだろうか?

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ??」

くり、と首を傾げて、内藤を愛らしく見上げてくる。もしかしたら話せないのかもしれない。
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら内藤の周囲を回る彼(もしくは彼女)に、内藤はダメもとで聞いてみた。

( ^ω^)「はじめましてだお、ボクは内藤ホライズンだお」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」
( ^ω^)「え、えーと。ぽっぽくん?ぽっぽちゃん?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」
( ^ω^)「じ、じゃあぽっぽちゃん」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぉ??」

くり、と首を傾げる動作。どうやらこちらの言葉は理解しているようだ。……そう信じたい。



127: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 11:39:46.92 ID:glrn5BlZ0
  
( ^ω^)「ボクはツンさんっていう子を探してるんだお。どこに居るか知らないかお?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」

相変わらずぴょんぴょんとびはねるぽっぽ(仮名)は、こくこくと頷く。
やはり言葉は通じているらしい。しかも、ツンの居場所も知っているようだ。

( ^ω^)「知ってるのかお!! よかったら案内して欲しいお!!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぉ!!」

ぼいんっと一際大きく飛び跳ねながら、短すぎる手で胸を叩く。
案内を承諾してくれたらしい。
そのままぽっぽはピョンピョンと飛び跳ねながら、脇にある小さな道に入っていく。

(;^ω^)「ちょwwwwwwwテラ唐突だおwwwwwww」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!! ぽっぽ!!」

楽しそうに飛び跳ねながら、一人と一匹の姿は森の中に消えていった。



129: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 11:41:19.37 ID:glrn5BlZ0
  
( ^ω^)「ボクはツンさんっていう子を探してるんだお。どこに居るか知らないかお?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」

相変わらずぴょんぴょんとびはねるぽっぽ(仮名)は、こくこくと頷く。
やはり言葉は通じているらしい。しかも、ツンの居場所も知っているようだ。

( ^ω^)「知ってるのかお!! よかったら案内して欲しいお!!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぉ!!」

ぼいんっと一際大きく飛び跳ねながら、短すぎる手で胸を叩く。
案内を承諾してくれたらしい。
そのままぽっぽはピョンピョンと飛び跳ねながら、脇にある小さな道に入っていく。

(;^ω^)「ちょwwwwwwwテラ唐突だおwwwwwww」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!! ぽっぽ!!」

楽しそうに飛び跳ねながら、一人と一匹の姿は森の中に消えていった。



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