( ^ω^)ブーンが機械と戦うようです

137: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:13:22.30 ID:glrn5BlZ0
  
(;^ω^)「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ、ぷひー」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっぽ!!」

のたのたぴょんぴょんと、一人と一匹が森の中を進んでいく。
最初のうちは胸程まであった下生えの草も、森の中に進むにつれて低くなっていった。
その分歩きやすくはなったが、今度はうずたかく積もった落ち葉に足が取られてしまう。
脇道にそれてから30分ほど。山道を上って下ってまた上って。
道なき道を進むうちに、内藤はすっかり衰弱してしまっていた。

(;^ω^)「ぽ、ぽっぽちゃんは小さい割に元気だおね」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぉ☆」

誉められたと思ったのか、ぽっぽが嬉しそうに一際高く跳ね上がる。
そしてそのまま横にあった谷を滑り落ちていった。

(;^ω^)「ま、待ってだお……あうっ!?」

落ち葉に足が滑って、斜面を転げ落ちてしまう内藤。
木の枝にひっかかり、肌にとげとげしたものがチクチクと刺さるのがわかる。

( ;ω;)「うごごごご、な、なかなか痛いお……」
(*‘ω‘ *)「しぃーっ」

痛みにうめく内藤を、口に手を当てようとしたぽっぽが制する。
静かにしろと言いたいのだろうが、短すぎる手は全く口元に当たっていない。
思わず吹き出しそうになった内藤の耳に、低く遠く、一定のリズムが聞こえてきた。



139: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:17:22.86 ID:glrn5BlZ0
  
ドンドンともドロドロとも判別のつかない音は、谷の底にあった岩壁の奥から聞こえてくるようだ。
辺りを見回すと、人一人がやっと入れるかどうかの穴を見つけた。
音はそこから出入りする風にのって聞こえる。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ」

くいくいと可愛らしい手でその穴を指し示すぽっぽ。
内藤が覗くと、その穴の中には思いがけず広い空洞があった。
家が一軒丸ごと入りそうな洞穴の中には、無数の明かりが灯されている。
松明だろうか。原始的な音楽と相まって風に揺らぐその姿は、幻想的の一言だ。
内部はおおむね丸く広がっており、奥まった部分に一段高くなった場所がある。
そこに、黒い塊が横たわっていた。



141: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:27:40.95 ID:glrn5BlZ0
  
象だ。目が慣れるにつれて、内藤はその正体に気づいた。
おそらくはトレーダー族の長であるところの象に違いない。
人間よりはほぼ完全に象に近い姿をした長は、ゆったりと息をしながら壇上に横たわっている。
その姿勢が一番楽なのだろう。怠惰とも取れるその姿勢は、しかし一種の威厳を感じさせる。
その長の周囲、三人ほどが叩く原始的な打楽器が、先ほどから聞こえていた音の源のようだ。
今もドロドロと低い音を奏で、不気味ながらも重苦しい儀式の雰囲気を醸し出している。

( ^ω^)(あ、ツンさんだお!!……多分)

集団の中からおもむろに立ち上がった姿を内藤は認めた。
多分、とつけたのは、その姿が先ほどのツンのそれとはあまりにもかけ離れていたからだ。
緩やかに、たよりなく風に揺れる純白の薄布を身に纏い、ツンと思われる娘は壇上に向かう。
金色の毛並みが松明の赤を反射して、艶めかしい荘厳さに彩られていた。
細く通った鼻筋と、ツンととがった顎、切れ長の目。
猛々しい気迫を放っていた表情は欠片もなく、神々しい姿は受肉した女神と形容する他ない。

( ^ω^)(綺麗だお……)

目的も忘れて見とれていた内藤は、そこで初めて長の後ろにあるものに気がついた。
位置的に何かのご神体を祀る場所であろうそこには、この場にそぐわない物体が鎮座している。

( ^ω^)(あれは……何かのカプセルかお?)

SF小説などで冷凍睡眠に用いられるような半透明の人間大カプセル。
それが松明の光をうけて、鈍く光を放っていた。



142: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:41:10.47 ID:glrn5BlZ0
  
――ドン!!

一際大きく打ち鳴らされた太鼓の音に、内藤の意識は再び儀式に戻された。
壇上に上がったツンが、片手をあげている。
静まりかえった洞窟内に、手を下ろしたツンの厳かな声が響き渡る。

ξ゚听)ξ「今日のこの良き日に、この場を設けることが出来たことを祖先に感謝します」

――オー……

低く響く同意の声が収まると、ツンが再び口を開く。

ξ゚听)ξ「我らはあえて名乗らず、敵対せず、祖先の教えに従い今日の糧に感謝します」
ξ゚听)ξ「我らの歴史は迫害の歴史。しかし、卑下することなく明日の光に感謝します」

ツンの口上は淀みなく流れ、今までに幾度と無く紡がれた言葉であることが想像できた。

ξ゚听)ξ「我らは全ての迫害を受容し、この平和を勝ち取りました」
ξ゚听)ξ「祖先の苦しみは我らの苦しみ。そして今の日々のはじまり」
ξ゚听)ξ「それを努々忘れぬよう、我らは全ての元凶を祀り、彼の日に思いを馳せましょう」

――オオーオオォ……

深く、静かに。洞窟内にいた数多くのトレーダー達が一斉に頭を垂れた。
長に向かっての要にも見えるが、それは間違いだ。おそらくはその背後、あのカプセルに向けたものだろう。
ツンも同じく背後に振り向き、腰を折ってカプセルに頭を垂れる。
その動作は元凶という存在に対するものにしては、多分に尊敬の念が込められているように感じる。



144: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:45:57.04 ID:glrn5BlZ0
  
( ^ω^)「一体、あれはなんなんだお……それに迫害の歴史って……」

一連の動きを見ていた内藤が、小さく呟く。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」

くいくいと袖を引くぽっぽを見ると、岩壁の更に向こうにある開けた場所を指し示していた。
もう何となくその意味はわかる。今の独り言に対する答えが、その先にあるのだろう。

( ^ω^)「ボクはツンさんに謝らないといけないんだお。そのために、ボクは知らなきゃならないんだお」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ??」

くり、と首を傾げる仕草。可愛いだけだったその仕草は、今だけは内藤の意志を確認るかのようだった。

( ^ω^)「ボクは知ることを欲しているお。案内して、くれるかお?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!!」

大きく頷くと、ぽっぽは勢いよく先に飛び跳ねて案内を始めた。



145: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 12:54:01.48 ID:glrn5BlZ0
  
今度の案内は、すぐに終わった。
先ほどの洞窟の壁と思しき岩壁をぐるりと回った開けた場所に、唐突に現われた人工物。
周囲の緑から完全に浮く形で、何かの施設が建っていた。
永きに渡り風雨に晒されたのだろう、その壁面はかつて持っていた滑らかさは失われ、ささくれ立っている。
平均的な平屋ほどの小さな建物は、静かに時を越えてそこにあった。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽ」

扉の前でぽっぽが飛びはねる。中に入れということだろうか。
言われなくとも、内藤は入るつもりだった。
知らない場所に入る禁忌感がないではないが、今の内藤には入る必要があると感じられた。
塗装の落ちた取っ手を持ち、ゆっくりと両開きの扉を開く。
錆の浮いた蝶番は、軋みをあげて扉を内に開いた。

( ^ω^)「これは……倉庫、なのかお」

中はがらんとした空間だった。
ただし、過密なほどにコンテナが積まれ、小さな道しか残っていないほどに詰まっている。
内藤は手近な場所と高さにあったコンテナに手を掛け、上蓋を外して中を覗き込んでみた。

(;゚ω゚)「こ、これはっっっっ!!??」



147: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:04:26.96 ID:glrn5BlZ0
  
中にあった物。それは若干色あせたものの、極彩色ペーパーブック。
内藤が生きていた世界でも、幾度と無く目にした物。いわゆるエロ本、だった。

( ^ω^)「うはwwwwwwwwwうはwwwwwwwwwお宝だおwwwwwwww」

興奮して内藤はページをめくる。
内容はコスプレ物らしい。特に表紙も飾っていた猫耳メイドの可愛さといったらなく……

( ゚ω゚)「……」

そこでやっと気づいた。
猫耳メイドではない。これはトレーダー族の猫種の娘だ。
服を脱ぐ様子が連続した写真で現われ、薄い毛並みに覆われた肢体が露わになっていく。
豊満とは言えないが美しい形をした胸は綺麗で艶めかしく、ジョルジュでなくとも男なら反応してしまう。
そして、人間の男がその胸に手を伸ばして鷲づかみにし、最後の下着を取り去ろうとする。
そこで、内藤は本を閉じた。
コンテナの中には同じような本が詰め込まれている。映像記録媒体と思しきケースも。

( ゚ω゚)「ここは……こんな物ばっかりがあるのかお」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ……」

静かに肯定するぽっぽ。
最初に少しでも喜んでしまった自分に、内藤は激しく嫌悪感を覚えた。
トレーダー族は人工的に生み出されたキメラの子孫。
人工的に生み出された彼らの祖先がどんな扱いを受けたのか?
放射線耐性や磁場異常での活動などの特殊な身体能力やここにあるコンテナが、その答えを雄弁に物語っている。

( ゚ω゚)「ここは……トレーダー達の迫害の歴史そのものだったのかお……」



150: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:20:01.97 ID:glrn5BlZ0
  
ξ゚听)ξ「その通りよ」
( ゚ω゚)「!!」

背後からかけられた声に振り向くと、最初に見た服に着替えたツンが立っていた。
挑むような目つきは、単純な怒りによるものではない。内藤をまっすぐに見据えている。

ξ゚听)ξ「私達の祖先は、人を基に人に作られて人の扱いを受けなかった」
ξ゚听)ξ「私達の歴史は迫害の歴史。今ある日々は数多の祖先の屍の上に成り立っている」

あのカプセルは祖先の一人が生まれた物だと、ツンは締めくくった。
それ以上何も語らず、彼女は黙するばかり。
内藤はその沈黙を受けて、ただ沈黙するしかなかった。

ξ゚听)ξ『見てて情けないぐらい鼻の下を伸ばして、不快極まりないのよ』
ξ゚听)ξ『何も知らずに、とりあえず謝ればいいって気持ちが見え見えなのよ』

つい先ほど叩き付けられた言葉が鮮明に蘇る。
彼女の不快感はトレーダー族の不快感。
祖先の受けた苦しみを知らずに薄っぺらな謝罪をした内藤は憎しみの対象。
人間に対する排他的な姿勢は、数百年前から続く遺恨。
それでも内藤は

( ´ω`)「ごめんだお……」

謝ることしかできなかった。



153: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:26:02.47 ID:glrn5BlZ0
  
ツンの目に怒りが閃く。金色の毛並みが立ち上る怒りの気配にさかだったように見えた。

ξ゚听)ξ「あんたは……この期に及んでまだそんなことをっ!!」
(;^ω^)「で、でも!! 皆かっこいいお!!」
ξ゚听)ξ「ッ!?」

頭が真っ白になった内藤は、思ったことをそのまま口走った。

(;^ω^)「過去の人間は、トレーダーの人に酷いことをしたお」
(;^ω^)「でも、トレーダーの人達はそれを乗り越えて、こんな場所までつくって」
(;^ω^)「過去の歴史を受け入れて、それでも強く生きているお!!」
(;^ω^)「ツンさんだけじゃなく、他の皆もそうだお!! 皆が皆、綺麗でたくましいお!!」
(;^ω^)「ボクはツンさんと他のトレーダーの人達を尊敬するお!!」
ξ;゚听)ξ「そ、そんな……今更アンタ達人間がどの面下げてッ!!」
(;^ω^)「そんな昔のことしらんお!!」

爆弾発言。開き直った内藤の言葉に、ツンの怒りが爆発する。

ξ#゚听)ξ「あん……たって奴はぁっっ!!」

猫科特有の威嚇音を上げて、ツンが内藤に飛びかかる仕草を見せた。

ξ#゚听)ξ「それ以上戯言を繰り返すなら、その首かみ切ってやるわよ!!」
(#^ω^)「やれるもんならやってみろお!! そんな過去のことはしらんお!!」
ξ#゚听)ξ「ぶ ち こ ろ す ッ !!」

ツンが激しい威嚇音を発しながら内藤を押し倒す。
長く伸びた犬歯を内藤の首に定めて接近させる。内藤の白い喉がかっきられようとしたその時。

(#^ω^)「ボクはツンさんが好きだおッ!!」



155: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:35:26.86 ID:glrn5BlZ0
  
ξ゚听)ξ「な……っ」

ひっぱたかれたように顔を上げるツン。
そんなツンを見もせずに、内藤は好き勝手に言葉を続ける。

(#^ω^)「ボクはこの前目が覚めたばっかりだお!! こっちの歴史なんてしらんお!!」
(#^ω^)「昔のことはわかった、けど、ボクの目の前にいるのはトレーダー族の祖先じゃないお!!」
(#^ω^)「ボクが謝ったのは嫌らしい目でツンを見てしまったことに対する意味だけだお!!」
(#^ω^)「ボクが謝るのはツンだけで、目の前にいるのもツンだけで、好きなのもツンだおっ!!」

喚くだけ喚いて、内藤は息を荒げて地面に頭をつけた。
興奮している胸の内を表すかのように、内藤の胸が激しく上下する。
その上に馬乗りになりながら、ツンは――赤面していた。

(;^ω^)「……お?」
ξ////)ξ「さ……さ……」
(;^ω^)「ど、どうかしたのかお、ツン」
ξ#゚听)ξ「さんを付けなさいよ、馴れ馴れしいッ!!」

――バリィッ!!

(メ゚ω゚)「ぶおぉぉぉぉぉぉっ!?」

鋭い爪で顔を思い切りひっかかれて内藤はのたうちまわる内藤から、ツンはひらりと飛び退った。



159: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:45:10.36 ID:glrn5BlZ0
  
(メ;ω;)「ひ、ひどいお……ボクの顔が傷だらけだお」
ξ゚听)ξ「ふ、ふん。ちょっとは見られた顔になったんじゃない?」

顔にかかった毛を払いながら、ツンがふてぶてしく返す。未だに少し赤い顔を隠すように、ツンは内藤に背を向けた。

ξ゚听)ξ「ほら、行くわよ」
(メ;ω;)「おっおっおっ?」
ξ゚听)ξ「あれからどれぐらい時間たってると思ってるのよ。いい加減取引も終わってるでしょ」

最初に港を離れてから、すでに2時間ほど。確かにそろそろ頃合いだろうか。

ξ゚听)ξ「ここから一人で帰れるっていうなら、まあ私は止めないけどね」
(;^ω^)「おっおっお、一人じゃないお、ぽっぽちゃんが……」

言いながら内藤が周囲を見回す。が、あたりに小さなトレーダーの姿はなかった。

( ^ω^)「あ、あれ? ぽっぽちゃんがいないお。ぽっぽちゃーん!!」
ξ゚听)ξ「はぁ? アンタ何いってんのよ。最初からアンタ一人だったでしょ」
(;^ω^)「いやでも、ぽっぽしか話さない小さなトレーダーの子供が案内してくれて……」
ξ゚听)ξ「小さな……ぽっぽしか話さない子供?」

内藤の言葉に、小さな引っかかりを示すツン。

( ^ω^)「ツン、知ってるのかお?」
ξ゚听)ξ「ふん、知らないわよ。それより!! 気安く呼ぶなっていってんでしょ!!」
(;^ω^)「ご、ごめんだお」

言い争いながら森を出て行く二人の背中を茂みの中から小さな影が見送る。
満足したように一つ頷くと、影は大きく跳ねて、消えた。



161: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 13:57:14.64 ID:glrn5BlZ0
  
港に戻ると、休憩所から出てきたジョルジュと荒巻、取引を終えたミルナが内藤を待っていた。

( ゚∀゚)「だーっはっはっは!! 内藤、なんだその傷!! ツンにやられたのか!!」
(メ^ω^)「笑ってるジョルジュだって、そのほっぺたの紅葉の理由を話すがいいお」

指さして笑うジョルジュの顔には赤く張り手の跡がくっきりとついている。
だがジョルジュはそんなことはお構いなしに、ひたすら内藤を笑うことにしたようだった。

/ ,' 3「案内ありがとう。手間を掛けさせてすまんの」
ξ゚听)ξ「まったく。良い迷惑だったわよ」

そっぽを向きながら苦々しくツンが呟く。

ξ゚听)ξ「ミルナさん」
( ゚д゚ )「なんだ、ツン」
ξ゚听)ξ「あの新入り……ちんぽっぽに会ったかもしれない」
( ゚д゚ )「ほう……」
ξ゚听)ξ「確信はないけどね。」
( ゚д゚ )「いや、十分にあり得ることだ。教えてくれてありがとう」

そう言って、ミルナはツンの柔らかい毛並みをぐりぐりと撫でる。
ツンは珍しく幼い仕草で、表情を和らげた。



162: 機械 ◆DIF7VGYZpU :2006/09/30(土) 14:02:26.56 ID:glrn5BlZ0
  
( ゚д゚ )「よし、物資の積み込みも終了した。出発するぞ」
/ ,' 3「はいはい。もう挨拶はよろしいのですかな?」
( ゚д゚ )「ああ。ウマーにはもう済ませてある」
( ゚∀゚)「あー、笑った笑った。内藤、それ絆創膏とか貼るなよ」
(#^ω^)「絶対にお断りだお」

港に接岸したタシーロ号に、VIPメンバーが乗り込む。
その背中に、ツンが声をかけた。

ξ゚听)ξ「ちょっと。内藤……とか言ったわね」
( ^ω^)「お?」
ξ゚听)ξ「次は、いつ来るの」
( ^ω^)「わかんないお……でも、絶対また会いに来るお!!」
ξ////)ξ「ば、馬鹿!! 私は会いたくないから、来る日は隠れてようかと……それだけで……」

なんであんたなんかのために隠れなきゃならないのよ!!
そう逆ギレして、ツンは走り去ってしまった。

(;^ω^)「やっぱり嫌われてしまったようだお……」
(;゚∀゚)「お前……それ本気で言ってるのか?」
( ^ω^)「何のことだお?」
/ ,' 3「若いっちゅうのは、ええのぅ」

タシーロ号は港との連結を解除。つかの間の休息を経て、VIPは再び海に旅立つ。

( ^ω^)「でも、また来たいお」

潜行するまでの間、内藤はハッチから遠ざかるトレーダー港を見つめて呟いた。
その願いが案外すぐ叶うことを。それも、あまり良くない形で実現することを。
内藤はまだ知らない。知るよしもなかった。



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