('A`)ドクオが初めての夏を過ごすようです

1: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:32:58.90 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「あっちぃ……」

俺の名前はドクオ。17才の蠍座だ。

( ^ω^)「ドクオも泳ぐお!気持ち良いお!」

川で浮かんでいるコイツは内藤ホライゾン、通称ブーン。

('A`)「よーし、俺のバタフライを見て腰抜かすなよ!」

俺は、勢い良く川に飛び込む。



2: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:34:20.92 ID:pD4WZ2CnO
暑い季節に蝉が鳴き、動物が道路を横切る。
自然の多い、のどかな町並。唯一のコンビニは夜の12時に閉まる。そんな田舎町、ニュー速に俺は半年程前に引っ越して来た。



3: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:35:58.98 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ブハァ!ブハァ!」
( ^ω^)「キメェwwww」

空を見上げると太陽がサンサンと輝いている。

('A`)「ふー、こりゃ気持ち良い」
(; ^ω^)「溺れてるみたいだったお」
('A`)「ウルセー」
(´・ω・`)「都会育ちのドクオ君、泳げる川は珍しいかい?」

釣竿を構えてるコイツはショボン。

ブーンとショボンは、俺がニュー速に引っ越してきてから最初に出来た友達だ。



4: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:39:02.62 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ニュー速川サイコー」
(´・ω・`)「フフフ、それはどーも」
('A`)「ショボンは入らねーのか?」
(´・ω・`)「今日は生理なの♪」
('A`)「アホか」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」

草木に囲まれた、川と呼ぶには少しだけ底のあるニュー速川。自然と人間が共存している、そんな場所。



5: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:40:24.75 ID:pD4WZ2CnO

何時間くらい泳いだのだろうか。

('A`)「ふぅー……そろそろ出るかな」
(´ ω `)「そうだね。明日は夏休み前の実力テストだしね」
( ^ω^)「無茶だお」
('A`)「ブーンは馬鹿だからな〜」
( ^ω^)「学校のテストじゃ本気だしてないだけだお。やれば出来る子なんだお」
('A`)「自分で言うのもどーかと思うぞ」

俺達は、そんな馬鹿話をしながらニュー速川を出る。



8: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:41:39.86 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ゆっくり〜ゆっくり〜くだってく〜♪」

俺はブーンの自転車の後ろに乗りながら、ゆずの夏色を口ずさむ。

( ^ω^)「登り坂だお」
('A`)「ゆっくり〜ゆっくり〜登ってく〜♪」
( #^ω^)「降りろ」



9: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:44:52.80 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「だが断る」
(´・ω・`)「ドクオは意外と歌が上手いんだな」
('A`)「ありがとよ」


そして一軒のラーメン屋の前に自転車を置いて、俺達はのれんをくぐる。

(`・ω・´)「いらっしゃい!……って、なんだお前らか」

彼はシャキンさん。このラーメン屋の店長。

(´・ω・`)「ただいま〜父さん」

そしてショボンの親父さんだ。



10: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:46:40.75 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ちわーっす」
( ^ω^)「おじさん、味噌ラーメン大盛一つだお!」
(;'A`)そ「早っ!」
( ^ω^)「おじさんの味噌ラーメンは日本一だお!」
(`・ω・´)「ありがとうよ!二人も早く座りな!」

そして俺とショボンは普通盛りの味噌ラーメンを頼む。


( ^ω^)'A`)´・ω・`)「うめ――――!」

('A`)「ハフッ、ハフッ、ウマー」
( ^ω^)「おかわりだお!」
(;'A`)そ「早っ!……デジャブ?」
(`・ω・´)「はっはっは!たーんとお食べ」

結局、ブーンは2回もおかわりをした。



11: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:48:43.93 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ごちそーさま」
( ^ω^)「お腹いっぱいだお」


ラーメンも食べ終わり、他愛のない話が盛り上がる頃には、何人か客が入り始めていた。

(´・ω・`)「父さん、そろそろ手伝うよ」

ショボンがそう言いながら立ち上がった。

('A`)「おう、じゃあ俺らは帰るわ。」
(`・ω・´)「またおいでよ!」
( ^ω^)「ご馳走様でしたお」
(´・ω・`)「それじゃあ二人共、また明日学校でね」
('A`)「じゃあな」



12: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:50:21.48 ID:pD4WZ2CnO
ショボンとシャキンさんに別れを告げ、俺達は店を後にした。

( ^ω^)「家まで乗っけて行くお」
('A`)「おっ、スマンな」

そう言いながら自転車の後ろに乗る。

( ^ω^)「ドクオも自転車買った方が良いお」
('A`)「自転車か……彼女が出来たら買うよ」
( ^ω^)「じゃあ一生、買えないお」
('A`)「黙れ小僧」

沈みかけの太陽が、空をオレンジに染める。

( ^ω^)「到着だお」
('A`)「おう、今日は色々とサンキュな」
( ^ω^)「気にするなお」
('A`)「それじゃまた明日な」
( ^ω^)「バイバイだお」

そう言い残してブーンは自転車をもの凄いスピードで漕いで行く。



13: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:52:30.59 ID:pD4WZ2CnO
俺は高校二年まで運営シティーで暮らしていた。だが俺は、半年前にじぃちゃんのいるニュー速町に引っ越してきた。

('A`)「ただいまー」
/ ,' 3「おかえりドクオ。飯が出来てるぞ」
('A`)「後で食うよ」

そう言いながらTVの電源を入れる。
TVには自動車事故のニュースが出ている。
両親を思い出す。
親父が運転席でオフクロが助手席。買い物帰りの交差点でトラックと衝突。トラック側の信号無視だった。

('A`)「……チッ」

TVの電源を切り、リモコンを置く。



15: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:54:25.51 ID:pD4WZ2CnO
/ ,' 3「学校は楽しいかい?」
('A`)「あ、あぁ。馬鹿な奴らばっかりだけどね、楽しいよ」
/ ,' 3「それは良かった」

じぃちゃんは顔をしわくちゃにしながら笑う。

/ ,' 3「好きな子は出来たか?」
('A`)「なっ……!?」
/ ,' 3「早くドクオのガールフレンドが見たいのぅ」
('A`)「止めてくれよじぃちゃん」

じぃちゃんは俺を何かと気遣ってくれて、元気付けてくれる。



16: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:56:08.15 ID:pD4WZ2CnO
('A`) (もう9時か)

俺は立ち上がって風呂場に足を運ぶ。

('A`)「風呂沸かしてくるよ」

軽く掃除した後、湯を入れて早々と風呂に入る。今日一日の疲れと汚れを洗い落とす。

カポーン

('A`)「ふぅーさっぱり」

濡れた体をタオルで拭く。

('A`)「今日は疲れたし、もう寝るわ」
/ ,' 3「おー、そうか」
('A`)「んじゃ、じぃちゃんおやすみ」
/ ,' 3「おやすみ」


('A`)「よいしょっ、と」

布団の上で横になる。



18: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 18:58:25.54 ID:pD4WZ2CnO
/ ,' 3「ドクオ」

ドアの向こうからじぃちゃんの声がする。

('A`)「ん?どーした、じぃちゃん」
/ ,' 3「ドクオさえ良ければずっとこの町にいて良いんだぞ?」
('A`)「……あぁ。」

ありがとう、じぃちゃん。

/ ,' 3「じゃあおやすみ」
('A`)「おやすみ」

じぃちゃんと二度目のおやすみをする。



19: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:01:05.89 ID:pD4WZ2CnO
('A`) (ずっとこの町か……)

半年前……


( ´∀`)「今日から、このクラスの一員となるドクオ君だモナ。みんな仲良くするモナ」

ここはニュー速VIP高校。なんも無い普通の高校だ。

('A`)「……どうも。ドクオです」
( ´∀`)「じゃあ、ドクオ君の席は……」
( ^ω^)「先生!ブーンの隣が空いてるお!」
( ´∀`)「お、じゃあーあのピザの隣の席に座ってくれモナ」
( ^ω^)「ちょwwww」
('A`) (アイツ……変わった奴だな)

俺は先生に言われた通りの席に着く。



20: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:02:33.00 ID:pD4WZ2CnO
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾン!ブーンって呼ぶお!ドクオよろしくだお!」
('A`) (いきなり呼び捨てかよ)
('A`)「あぁ、よろしく」
( ^ω^)「ドクオは前までどこに住んでたんだお?」
('A`)「……運営シティー」
( ^ω^)「大都会だお!凄いお!」
('A`)「凄くなんかねーよ」
( ^ω^)「どんな所だったお?」
('A`)「……別に」

両親の死を思い出した。あの悲しみと怒りが……。

('A`)「……」
( ^ω^)「今日は僕が校内を案内するお」
('A`)「……」
('A`) (ほっといてくれよ)
( ^ω^)「ん?」



21: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:05:23.40 ID:pD4WZ2CnO
( ・∀・)「さー授業始めるよー」

先生が教室に入って来た。一時間目の授業が始まるのだろう。


( ・∀・)「じゃあーここの問題を……ドクオ君!デビュー戦だ!前に出てやってみて」
('A`)「あ、はい」
('A`) (前の学校でやったな)
('A`) (なんとなくわかるかも)

俺はスラスラと答えを黒板に書く。

( ・∀・)「スバラシイ。正解だ」
『おー!』
『やるねー!』

<ヽ`∀´>「転校生はカッコ良いニダねー!」

なんだアイツは?人を小馬鹿にしたような……関わらなければ良いか。

<ヽ`∀´>「おい!無視ニダか?」



24: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:09:40.62 ID:pD4WZ2CnO
( ・∀・)「おいニダー!うるさいぞ!」
('A`)「……」
<ヽ`∀´> (ウリを無視してるニダ)
<ヽ`∀´> (良い度胸ニダ)
( ^ω^)「……」

キーンコーン

( ^ω^)「ファーブルスコファー」

『ワイワイガヤガヤ』
( ^ω^)「……おっ!もう昼休みかお」
( ^ω^)「ドクオー!昼休みお!……おっ?」



25: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:11:40.22 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「ふぅ」

屋上には誰もいなかった。立ち入り禁止だからか?

('A`)「良い天気だ」

空は青々としていて、グラウンドは桜で彩られている。

('A`) (このパン、味気無いな)

『バタン!』

('A`) (なんだ?)

突然、屋上の扉が音を立てて開かれる。



26: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:14:19.21 ID:pD4WZ2CnO
<ヽ`∀´>「ニダニダ」
('A`) (なんだコイツ)

俺はエラ野郎に目を向けることなく扉に向かう。その時……

('A`)「!!!」

ニダーの右拳が俺の"みぞおち"に入る。

('A`)「グ……」

苦しい。呼吸が出来ず、膝を着いてしまう。

<ヽ`∀´>「ニダァ!」
('A`)「!?」

ニダーの左拳が側頭部辺りに振り下ろされる。頭がガンガンする。

<ヽ`∀´>「ウリを無視するとは良い度胸ニダ」

胸ぐらを掴まれ、体が浮き上がる。



29: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:18:09.92 ID:pD4WZ2CnO
<ヽ`∀´>「転校生のクセに生意気ニダ!」

どーゆう理屈だ。

<ヽ`∀´>「痛い目見るニダ」

もぅ痛ぇよ。

( ^ω^)「何してるお!!!」
<ヽ`∀´>「ブーン?」

……ブーン?

( ^ω^)「ドクオ!大丈夫かお!」

声が頭に響く。痛ぇ。

<ヽ`∀´>「この転校生は生意気だから制裁が必要なんだニダ!」
(# ^ω^)「ニダー……貴様には、地獄すら生ぬるい」

……やめろ

(# ^ω^)「フゥォオー……アタァ!」

ドカッ!バキッ!ボス!ボス!ボス!



30: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:20:32.22 ID:pD4WZ2CnO
((#)ω(#)「ブー……ン」
<ヽ`∀´>「ウリの相手じゃないニダ!」

ボコボコじゃねーか……

((#)ω(#)「ドクオ……逃げ……るお」

勝手にボコられて何が逃げろだ……もう俺に構うなよ
<ヽ`∀´>「二人まとめて地獄におk」

『ニダー』

<ヽ`∀´>「だ、誰ニダ」
(´・ω・`)「随分とカッコ良いことしてるね」
((#)ω^)「ショボン!」

ショ……ボン?誰だ?

(´・ω・`)「ドクオ君、大丈夫かい?」
('A`)「あ、あぁ」
(´・ω・`)「ブーンも頑張ったね」
((#)ω^)「おっ」



31: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:23:24.94 ID:pD4WZ2CnO
<ヽ`∀´>「ナメるなニダ!」

ニダーがショボンに襲いかかる。だがニダーの攻撃は、ことごとくショボンにかわされる。
そして、ニダーの右ストレートを待っていたかのように、ショボンがカウンターで合わす。

<ヽ`∀´>「ニィダ!」

ニダーの鼻から下が鼻血で真っ赤に染まる。

(´・ω・`)「しっ」

怯んだニダーに、すかさず繰り出したショボンの後ろ回し蹴りがニダーの顔面にヒットする。



33: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:26:46.67 ID:pD4WZ2CnO
さっきまでうるさかったニダーが、後ろに吹き飛んで動かなくなった。

(´・ω・`)「さぁ、二人共立てるかい?」
( ^ω^)「ホイミ使ったから大丈夫だお」
('A`)「……」
(´・ω・`)「ドクオ君、どうしたんだい?」

('A`)「こいつは……ニダーは大丈夫なのか?」

<ヽ`∀´>「……」
( ^ω^)「ドクオは優しいお」
(´・ω・`)「うん、きっと大丈夫だよ。さぁ、ドクオ君は立てるかい?」

('A`)「……ありがとう。でももぅ俺には構わないでくれ」

( ^ω^)「なっ!なんでだお!?」



35: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:31:55.24 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「俺、なんか見た感じで暗いだろ?」

うつ向きながら俺は喋る。

('A`)「結果的にブーンにまで怪我させちまうし」

('A`)「それに俺は一人が良いn」
( ^ω^)「嘘だお!一人が良い人間なんていないお!」
(´・ω・`) (ブーン)
( ^ω^)「うさぎさんは、寂しいと死んじゃうお」

('A`) (うさぎ関係ねーよ)

( ^ω^)「それにブーンはドクオと友達になりたいんだお」
('A`)「俺と……」

友達?
両親が死んでから、鬱気味になった俺と友達になろうなんて奴は、今までいなかった。



39:わかりました :2007/07/29(日) 19:34:37.41 ID:pD4WZ2CnO
(´ ω `)「……」
( ^ω^)「だからブーンと友達になるお」
(´ ω `)「紹介が遅れたね。僕はショボン。よろしく」

良いのか?……俺でも。
ショボンの手を借りて、立ち上がる。

('A`)「……俺はドクオ。よろしく。」
( ^ω^)「よろしくだお!」
(´ ω `)「よろしくね」
('A`)「……」
('∀`)「へへ」

なんか久々に笑ったな、俺。

(´ ω `)「そーと決まれウチでお祝いだね」
( ^ω^)「お腹ペコペコだお」
('A`)「……」

ここで俺は思った疑問をぶつける。



40: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:37:45.60 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「……そー言えば、ブーンは内藤ホライゾンって名前なんだろ?なんでブーンなんだ?」
( ^ω^)「おっ?良くぞ聞いてくれましたお!それは僕がこう両手を広げて……」

ブーン  /⌒ヽ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
    |  /
     ( ヽノ
    ノ>ノ
  三 レレ


('A`)「!?」

……なんだこいつは……



41: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:40:43.60 ID:pD4WZ2CnO
( ^ω^)「さあ!行くお!」
('A`)「ま、待てよ!」

タッタッタ……

(´・ω・`)「フフフ」
(´・ω・`)「……」


タッタッタ


('A`)「その後、ウチの両親が死んじゃってること聞いてブーンとショボンが泣いてくれたんだっけか」

俺はまだ眠れないでいた。

('A`)「でも、なんでじぃちゃんは今更こっちに俺を呼び寄せたんだろう」



42: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:42:34.31 ID:pD4WZ2CnO
ウチの両親が死んだのは7、8年前のことだ。まだ小学校の中学年くらいだったか……。親戚の家で世話になってた俺は、次第に暗く、学校でも孤立した存在になっていった。それが高校二年の冬頃に……。

('A`)「ニュー速町に来ないか?……って」

もっと早くに来ていたら、ブーンやショボン達ともっと一緒にいれたのにな。

('A`)「……あ。じぃちゃんの作った飯、食ってねーや」
('A`) (明日の朝食にしよう)
('A`) (明日も早いし、もぅ寝よう)



43: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:44:54.69 ID:pD4WZ2CnO
次の日の朝

('A`)「ごちそーさん」

食器を片付けて玄関に向かう。

('A`)「それじゃー行ってきます。」
/ ,' 3「気を付けるんじゃぞ」
('A`)「はーい」

ドアを開けると太陽の日差しが存分に射し込んで来る。

('A`)「今日も良い天気だ」

ウキウキしながら学校に向かう。校門の前まで続く坂道も中盤さしかかった頃、後ろから聞き覚えのある声がする。

( ^ω^)「おいすー」
('A`)「おっす」
ξ゚听)ξ「あら、おはよう」



44: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:46:44.27 ID:pD4WZ2CnO
ブーンの自転車の後ろに乗っているのはツンデレ。普段はツンツンしてるからツンと呼ばれている。

('A`)「相変わらず二人で登校か」
ξ///)ξ「なっ!べ、別にそんなんじゃないから!」

たまーにデレっとする所が可愛かったりもする。

('A`)「はいはい」
( ^ω^)「ドクオも急ぐお」

そう言い残し、ブーンが立ち漕ぎで坂道を登って行く。

('A`)「やっべ、もうこんな時間か」

俺も急いで坂道を登って行く。



45: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:50:40.05 ID:pD4WZ2CnO
キーンコーン

('A`)「セーフ」
(´・ω・`)「おはようドクオ」

ショボンは、何故かいつも俺より早く登校してる。

('A`)「おっす」
(´・ω・`)「今日のテストを乗り切れば、明日から夏休みだね」

('A`) (ニュー速に来てからの初めての夏休みか)

(´・ω・`)「どうしたんだい?」
('A`)「ん?いや、なんでもねーよ。夏休み楽しみだなって」
ξ゚听)ξ「遅いわよー」

ツンは既に自分の席に座っている。

('A`)「自転車、卑怯」



47: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:55:47.18 ID:pD4WZ2CnO

軽く抗議してみる。

ξ゚听)ξ「ドクオも自転車乗って来れば良いじゃない」
('A`)「持ってねーんだよ」
ξ゚听)ξ「……ふーん」
('A`)「なんだよ」
ξ゚听)ξ「別になんでもないわよ」

('A`)「……なんだよ」

なんなんだろう、そう思いながらも自分の席に着く。

川 ゚ -゚)「ドクオおはよう」
('A`)「あ、おはよう」



48: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 19:58:10.98 ID:pD4WZ2CnO
隣の席で、俺に挨拶をしてくれた彼女はクー。このクラスの委員長。美人で成績優秀。ツンとは小学校に上がる前からの仲らしい。そーいえば俺、あんまし話したことが無いな……

川 ゚ -゚)「今日のテストが終われば夏休みだな」
('A`)「あ、あぁそうだな」
川 ゚ -゚)「ドクオは夏休みの予定なんか立ててるのか?」
('A`)「ん?いや、特に予定なんか無いけど」
川 ゚ -゚)「そうか」
('A`)「?」

なんなんだよ今日は……でも、なんで夏休みの予定なんか聞いてきたんだ?

(*'A`) (俺に惚れたか?)

そんな訳無いか……。



49: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:00:16.58 ID:pD4WZ2CnO
( ´∀`)「さぁテスト始めるモナ」

このテストを乗り切れば夏休みだな。

('A`) (適当に済ませちゃうか)


二時間後。
キーンコーン

( ´∀`)「終わりモナー。後ろから答案回すモナ」
('A`)「うっし、上出来」

勉強してない割には結構、出来たな。

(´・ω・`)「お疲れ様。どうだった?」
('A`)「んー、誰かさんよりは良いかな」

見ると誰かさんが唸り声をあげている。

( ^ω^)「うっ、うっ。何故だ……何故だお」

だいぶ凹んでるな。



52: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:03:49.50 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「まぁ気にするなよ。テストの点数だけが全てじゃないさ」
( ^ω^)「ドクオ……お前は良い奴だお」
('A`)「さっ、パッパと大掃除して早く遊びに行こうぜ。せっかくの夏休みだ」
( ^ω^)「そうだお!夏休みだお!」

なんて元気な奴だ……もうさっきのこと忘れてる。

ξ゚听)ξ「あんた達はもう遊びに行く話をしてるのね」

ツンがブーンの前に仁王立ちしている。

( ^ω^)「夏休みのために生きてきたようなもんだお」
('A`)「大した男だよ、お前さんは」



55: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:07:42.23 ID:pD4WZ2CnO
ξ゚听)ξ「全く……今日はどこに行くつもり?」

( ^ω^)「今日は暑いからいつもの川だお」
ξ゚听)ξ「そう……」

( ^ω^)「ツンどうしたお?」
ξ゚听)ξ「いや、あんたがどーしても花火したいって言うんなら付き合ってやっても良いわよ」

('A`) (なんでツンは素直に"ブーンと"花火がしたいって言えねーのかな)

(* ^ω^)「それはグッドアイディアだお!さすがツンだお!」
ξ///)ξ「なっ!べ、別にアンタと花火がしたい訳じゃないんだからね!ブーンがどーしてもって言うから!」



56:>>53上手いですね :2007/07/29(日) 20:11:52.41 ID:pD4WZ2CnO
(* ^ω^) (ツンと花火、楽しみだお)

二人共、デレデレしてる。

ξ゚听)ξ「あっ、クー?」
川 ゚ -゚)「ん?どうしたツン」

たまたま近くを通ったクーにツンが話しかける。

ξ゚听)ξ「今夜、花火するんだけどクーも来れない?」

川 ゚ -゚)「花火か……良いね、お供しようか」

( ^ω^)「花火は大人数でやるに限るお!」

('A`) (クーも来るのか……)

(´・ω・`)「君達も手伝ってよね」

そこには、ほうきとチリトリを装備したショボンがいた。

( ^ω^)「ショボン!今夜は花火だお!」



57: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:14:06.59 ID:pD4WZ2CnO
(´・ω・`)「聞こえてたよ。その話は、掃除が終わってからだ」

本当にショボンは、先生よりも先生らしいな。意外と教師が似合ってるかもな。
俺達は早々と掃除を終わらせて、先生からありがたいお言葉と、宿題を頂いて夏休みに入る。

( ^ω^)「じゃあ6時にショボンの店に集合だお」
川 ゚ -゚)「わかった」

クーの家は俺達の家とは逆方向にある。

ξ゚听)ξ「それじゃクー、また後でね」
川 ゚ -゚)「じゃあな」



59: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:16:58.62 ID:pD4WZ2CnO
クーと別れて、俺達も帰り道を歩く。
今夜の予定や、休み中に何をするかで話が盛り上がる。宿題の話は出て来なかった。

(´・ω・`)「それじゃ6時に席取って待ってるよ」
( ^ω^)「ラーメン楽しみにしてるお」
ξ#゚听)ξ「今夜のメインは花火でしょ!」

ブーンがツンにポカポカと殴られている。

('A`)「仲の良いこと」



60: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:19:20.77 ID:pD4WZ2CnO

ショボンと別れても、ブーンとツンは自転車の無い俺を気遣って、一緒に歩いてくれた。

気付くと家の前に着いていた。

( ^ω^)「じゃあまた後で」
('A`)「また後でな」
ξ゚听)ξ「遅れるんじゃないわよ」
('A`)「へい」

ツンは自転車の後ろに乗ると、ブーンは相変わらずの脚力で自転車を飛ばしていく。

('A`)「ただいまー」
/ ,' 3「おーおかえり。今日は早かったのう」
('A`)「今日はテストと掃除だけだったからね」

俺は適当に昼飯を済まして、居間に寝転がる。



61: 名無しさん@そうだ選挙に行こう :2007/07/29(日) 20:21:24.12 ID:pD4WZ2CnO

('A`)「じぃちゃん今日の晩御飯は、外で食うからいらないわ」
/ ,' 3「どっか行くのかぃ?」
('A`)「うん、ちょっとクラスの奴らと花火するんだ」
/ ,' 3「じゃあ家のバケツを持って行くと良い。後始末はしっかりするんじゃぞ?」
('A`)「うん」

6時まで暇を持て余している俺は、特にすることもなく、ゴロゴロする。

('A`) (あっ、そう言えば)

俺は帰り道に考えていたことを聞いてみる。

('A`)「じぃちゃん?」
/ ,' 3「ん?どうしたんじゃ?」
('A`)「家に自転車って……ある?」
/ ,' 3「自転車?」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:23:24.67 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「うん、自転車」





/ ,' 3「あるぞ?」
('A`)「mjd?」

家のじぃちゃんは、自転車に乗らないから無いものだと思っていた。

/ ,' 3「確か……外の物置にあったはずじゃ。取りに行こうか」

そう言ってじぃちゃんは外の物置に向かう。
俺もじぃちゃんの後を追う。

/ ,' 3「ほら、あったぞぃ」

物置の扉が開いている。
そこには、埃被った少し……レトロな感じの自転車があった。

('A`) (ちょっとボロいな)
/ ,' 3「タイヤの空気を入れればまだ乗れるじゃろう」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:25:37.75 ID:pD4WZ2CnO
俺は空気入れを受取り、前タイヤから空気を押し込む。
必死にポンプを押したり引いたりしている時にじぃちゃんが口を開く。

/ ,' 3「これはお前の父ちゃんが乗ってた自転車じゃぞぃ」
('A`)「えっ!?」


/ ,' 3「ほら、見てみなさい」

そう言うとじぃちゃんは、泥避けの辺りの埃を拭う。そこには

('A`)「親父……」

そこには確かに
兄者
と親父の名前が書いてあった。

/ ,' 3「その下を見てみなさい」

更にその下には小さな字で
弟者
と書いてある。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:27:23.97 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「弟者おじさんの名前」
/ ,' 3「ふぉっふぉっふぉ。いつも二人乗りしながら女の子を追っかけていたわぃ」

じぃちゃんは笑いながら昔話をする。
俺はそれがなんだか……
嬉しかった。
理由なんかわからないけど……じぃちゃんが親父の話をするのも久しぶりだったし。

/ ,' 3「ほら、手が止まっておるぞ?」
('A`)「あっ」

俺は気付くとじぃちゃんの話に聞き入っていた。

/ ,' 3「じゃあ先に家に戻ってるぞぃ。大切に使うんじゃぞ?」



66:はい、流石兄弟です :2007/07/29(日) 20:30:07.32 ID:pD4WZ2CnO
そう言い残してじぃちゃんは、機嫌の良さそうに家に戻って行った。

('A`)「よーし!パッパと済ましちゃうか!」

俺は先程よりも気合いを入れてポンプを上下させる。そして持ってきた雑巾で丹念に拭いてやる。

('A`)「ピッカピカだぜ」

そこにはちょっとボロいが、親父と弟者おじさんと俺の自転車があった。

('A`)「じぃちゃん完璧だぜ!」

俺は急いで居間にいるじぃちゃんの元に駆け寄る。

/ ,' 3「ふぉっふぉっふぉ!良かったのぅ」
('A`)「じぃちゃんありがとな」
/ ,' 3「なぁに。ワシは何もしとらんよ」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:32:15.53 ID:pD4WZ2CnO
チラリと時計を見ると4時を回った所だった。

('A`) (まだ6時まで時間あるな……)
('A`)「じぃちゃん、もぅ出かけてくるね」
/ ,' 3「行ってらっしゃい。気を付けるんじゃぞ」
('A`)「ありがとう!行ってきまーす!」

俺はいつもより陽気な行ってきますを言う。
カゴに小さいバケツを入れて、自転車にまたがる。

('A`)「行くぞ!黒王号!」

俺は自転車をゆっくりと漕ぎ出す。
そう言えばニュー速に来てからまだ行ったことのない所が多い気がする。



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:33:47.50 ID:pD4WZ2CnO
俺は、学校の前を通る坂道をそのまま真っ直ぐ進む。

学校より先に行ったことの無い俺は、少しだけドキドキしていた。

('A`)「すっげー……」

そこは隣町が一望出来る、丘の上に無理矢理コンクリートの道を乗せたような道だった。

('A`)「気持ち良い」

丘に風が吹き抜ける。今日みたいな暑い日には心地好い風だ。

('A`)「良い眺めだなー」

なんかここからなら飛べそうな気がする。怪我するから飛ばないが。

『……ドクオか?』
('A`)「えっ?」
川 ゚ -゚)「よう」
('A`)「……クー」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:36:03.84 ID:pD4WZ2CnO
意外だった。本当に意外だった。こんな所で会うなんて。

川 ゚ -゚)「奇遇だな、こんな所で会うなんて。」
('A`)「本当だよ……でもなんでクーがここに?」
川 ゚ -゚)「だって……」

クーが指を指すその先には一軒の白い壁の家が。

川 ゚ -゚)「あれが私の家だもん」
('A`)「へぇ?」

アホみたいな声を上げてしまった。

('A`)「あの白い壁の?」
川 ゚ -゚)「その通り」
('A`)「そっか……良い家だな」

恐らく、クー家の二階の窓からは、この丘よりももっと高い位置から隣の町を眺めれるだろう。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:38:53.35 ID:pD4WZ2CnO
川 ゚ -゚)「どうしたんだ?こんな所まで来て」
('A`)「んー暇だったからちょっとな」

川 ゚ -゚)「そうか……ちょっと家に寄って行かないか?」
(*'A`)「えっ?」
川 ゚ -゚)「ショボンの店まで送ってくれ」
('A`) (……そうゆうことか)
川 ゚ -゚)「飲み物くらい出すぞ」

俺はお言葉に甘えて?お邪魔することにした。



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:41:16.32 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「お邪魔しまーす」
川 ゚ -゚)「まだ親は仕事でいないんだ。二階に上がって、一番左の部屋にいてくれ」

俺は言われた通り階段を上り、一番左の部屋に入る。

('A`)「これは!」

そこには、ピンクや赤で彩られた正真正銘、女の子の部屋。ベッドの上にはぬいぐるみが座っている。

(*'A`)「……」

実は俺、女の子の部屋に入るの初めてなんです。

(*'A`)「……下着干してないのかな」



川 ゚ -゚)「何をしてるんだ?」
(;'A`)「うわぁっ!」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:43:18.79 ID:pD4WZ2CnO
俺の後ろには、カップを二つ乗せたお盆を持つ、クーの姿があった。

(;'A`) (……もしかして聞かれた!?)
川 ゚ -゚)「遠慮しないで入って良いぞ」
(;'A`)「あ、あぁ。そうだな」

良かった。聞かれてないようだ。

川 ゚ -゚)「さぁ、飲んでくれ」
('A`)「いただきます」

俺は目の前のテーブルの上に置かれたコーヒーを口にする。

川 ゚ -゚)「スマンな」
('A`)「ん?突然、どうしたんだ?」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:46:21.85 ID:pD4WZ2CnO
川 ゚ -゚)「下着干してなくて」

('A`)「ブッ!」
(;'A`)「あっ、いや、あのうスマン」

テーブルの上にコーヒーを溢してしまった。俺は急いでティッシュで拭く。

(;'A`) (聞いてたのかよ)
(;'A`)「じょ、冗談ダヨ。言ってみたかったんダヨ」
川 ゚ -゚)「ふーん……」
(;'A`)「あっ、窓だ!窓がある!行ってみよう!」

気まずくなった俺は、窓から外を覗く。

('A`)「あっ」

クーの部屋の窓だったのか。思った通りの良い眺めだ。
……あの山の向こうには何があるんだろう。



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:49:51.12 ID:pD4WZ2CnO
川 ゚ -゚)「下着でも見えたのか?」
(;'A`)「わ、悪かったよ。勘弁してくれよ」
川 ゚ -゚)「フフフ、からかってすまない」

俺とクーは、窓を覗く。


……なぜだろう。

('A`)「なぜだろう」
川 ゚ -゚)「ドクオどうした?」
(;'A`)「あっ」

しまった……口に出てたか。

いや、その、なんつーか……

('A`)「……俺はこの町が好きなんだ」

('A`)「昔、住んでいた所は自然なんか無い、人工物に囲まれた街だった。」

('A`)「だからこの町の……川や、山、草木が……人が」

('A`)「大好きなんだ」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:54:44.63 ID:pD4WZ2CnO
('A`)「でも、そこの道路を見て思った」

川 ゚ -゚)「……」

('A`)「わざわざコンクリートで道を作る必要があるのか?」

('A`)「なんでわざわざ……」

('A`)「この町の良い所を……」

気が付くと俺は一人で喋っていた。

('A`)「なんかごめんな……一人で喋っちまって」
川 ゚ -゚)「……いや、良いんだ」

時計を見るともう5時半だった。

川 - )「そろそろ行こうか」
('A`)「そうだな。遅れたらツンがうるさそうだし」

クーは何故か悲しい顔をしていた。



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/29(日) 20:57:35.24 ID:pD4WZ2CnO
俺とクーはショボンの店に向かう。俺が自転車を漕いで、クーが後ろに乗る。

(*'A`) (女の子を自転車の後ろに乗せる夢が叶ったぜ)

川 ゚ -゚)「大丈夫か?重くないか?」
('A`)「なぁに、大丈夫だよ。それにもうすぐ……」

俺達を乗せた自転車が坂道を下る。スピードが出過ぎないようにブレーキで調節する。

('A`)「楽チン楽チン」

坂道の勢いを借りて、俺達はショボンの店の前まで走る。



戻る中編