('A`)ドクオは惚れ薬を浴びてしまうようです
- 5: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/08/29(水) 20:26:47.56 ID:FpgAtUcV0
- ※
時間はあっという間に過ぎ、弁当の時間になった。
('A`)(飯って気分じゃないよ……)
ξ゚听)ξ「ドクオ――!」
ツンが可愛らしいお弁当を持ってこちらにやってくる。
ξ゚听)ξ「ね、一緒に食べよう」
('A`)「あ、ああ……」
いつもは、ブーンとツンと俺の三人で食べていた。
普段ならブーンの机に集まって食べるのだが、ツンは俺の机の前にやってきた。
- 12: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/08/29(水) 20:28:05.80 ID:FpgAtUcV0
ξ゚听)ξ「えへへ、今日のおかずは何かな〜?」
('A`)「な、なぁツン」
ξ゚听)ξ「ん?」
俺はブーンを見る。
弁当箱を抱え、気まずそうな顔をしてこちらを見ている。
そして、意を決したのかブーンがこっちにやってきた。
('A`)「ブーン……」
(;^ω^)「あ、あの。僕も一緒に食べていいかお?」
ブーンは下を向いたまま、小さい声でそう言った。
- 21: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/08/29(水) 20:29:45.84 ID:FpgAtUcV0
……よかった。なんだよ、ちょっと怖かったじゃねえかよ。
俺達の関係がこれくらいで壊れるわけないんだ。
('A`)「な、何だよ他人行儀だなw もちろん、いいに決まって――」
ξ゚听)ξ「ダメッ!!」
ツンが声を張り上げた。
('A`)「な……!?」
ξ゚听)ξ「……」
ツンはブーンを睨み付ける。
……嘘、だろ?
- 34: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/08/29(水) 20:31:50.25 ID:FpgAtUcV0
('A`)「な、何言ってんだよツン。お前そりゃきつすぎだって」
ξ゚听)ξ「私はドクオと二人きりで食べたいの」
ツンは、ブーンを睨んだまま言う。
('A`)「ツン、だからよせって……!」
俺はツンの肩を掴む。
(;^ω^)「ドクオ、大丈夫だお! 気にしてないお!」
- 39: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/08/29(水) 20:32:22.78 ID:FpgAtUcV0
ブーンは引きつった笑顔を浮かべる。
(;^ω^)「僕、空気嫁だお! そりゃ、付き合ってるんだから二人で食べるのが普通だお!」
('A`)「いや、だからそれは……!」
(;^ω^)「僕、ジョルジュ達と食べるから全然大丈夫だお! ……それじゃ!」
- 5: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:15:11.50 ID:iztvMvE70
ブーンはジョルジュ達の席に走っていった。
なんで、だよ。
(;'A`)「……」
ξ゚听)ξ「さ、ドクオ。食べよう」
('A`)「ツン、お前……!」
俺はとっさに、ツンの肩を掴む。
ξ゚听)ξ「きゃっ!」
- 20: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:19:38.76 ID:iztvMvE70
ガシャン!
('A`)「あっ!」
ツンを押した拍子に、弁当が地面に落ちる。
ξ゚听)ξ「ぁ……」
(;'A`)「……」
教室中が沈黙に包まれる。
- 27: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:24:17.29 ID:iztvMvE70
(;'A`)「す、すまん」
ξ゚听)ξ「……ううん、だいじょうぶ」
ツンはしゃがみこみ、ぶちまけられた弁当の中身を一つ一つ拾う。
無表情のまま、淡々と。
(;'A`)「ほんと、ごめん……」
耐え切れなくなり、俺はもう一度謝る。
ξ゚听)ξ「ううん、ほんとに大丈夫だから! あ、あれ?」
ツンは笑顔を浮かべ、そう言った。
しかし、目からは溜まりきった涙が一滴ずつあふれ出ている。
- 36: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:30:29.80 ID:iztvMvE70
ξ;凵G)ξ「あれ? なんで……なんで、私……」
ツンは袖で涙をぬぐう。
だが、それでも涙は止まらない。
ξ;凵G)ξ「ごめっ……私、ちょっと……ヒクッ……」
嗚咽をしながら、ツンは俺に背を向ける。
どうしよう。どうすればいいんだ。
これは、明らかに俺が悪い。だから謝らなきゃ……!
ξ;凵G)ξ「ッ!」
(;'A`)「ツン!」
ツンが、走って教室から出て行く。
- 51: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:42:48.94 ID:iztvMvE70
(;'A`)「……」
俺はどうしていいのかわからず、その場で立ち尽くす。
「ドクオ君! き、君はなんてことをしているのですかっ! 早くツンさんに謝り――ぶぉっ!」
(#゚∀゚)「空気よめっ! この若ハゲ!」
「あwせdrftgyふじこlp」
俺はちらり、とブーンの方を見る。
(;^ω^)「……」
何で、目を逸らすんだよ。
どうして、何も言ってこないんだよ。
その方が、辛いよ。
- 59: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:48:31.29 ID:iztvMvE70
('A`)「俺、ちょっと行ってくるわ」
誰に言ってるのか、自分でもわからない。
ブーンに? それとも、自分に?
頭に浮かぶ自問自答を振り切るように、俺は走って教室を出た。
( ゚∀゚)「ブーン……お前、いいのか?」
( ^ω^)「何がだお? このウインナーうめぇwwww」
( ゚∀゚)「いや、何でも無い」
(あれ? おかしいな。ブーン君はツンさんのことが好きだったのでは?)
(私のデータによると、その情報は正しいですね。ですが、恋というのは時として……)
(#゚∀゚)「お前らも、そういう話は後でやれ、な?」
「「ちょwwwwやめwwwwぐふっ!」」
( ^ω^)(これでいいんだお。これで……)
- 70: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 17:56:14.20 ID:iztvMvE70
- ※
廊下を走り、水道の所へと辿り着く。
そこには、ハンカチで涙を拭いているツンがいた。
('A`)「ツン」
ξ゚听)ξ「あ……ドクオ……」
涙はもう流していないが、ツンの目は、赤くなっていた。
('A`)「ツン、ごめん」
俺は頭を下げ、謝る。
('A`)「弁当なら俺のを食ってくれ。その、本当にごめん」
ξ゚听)ξ「ドクオ……」
ツンは首を横にふり、答える。
ξ゚听)ξ「違うの。私がドクオを怒らせちゃったから……。
だから、謝るのは私の方だよ」
- 75: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 18:01:47.76 ID:iztvMvE70
どうして、俺を庇(かば)うんだ。
どう考えても、悪いのは俺だって。
('A`)「いや、俺が悪かった。ツン、ごめん」
俺が頭を下げる。
ξ゚听)ξ「違うよ。私が悪かったの。……ごめんなさい」
ツンも、頭を下げる。
互いに一歩も譲らない。
そして、ツンと俺の目が合い、自然に笑みがこぼれた。
('A`)「……はは。何か、これじゃコントみたいだな」
ξ゚听)ξ「ほんとだねw」
- 81: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 18:08:14.74 ID:iztvMvE70
ツンの笑顔を見て、少しほっとした。
やっぱ、女の子は泣いてるよりは、笑顔の方が可愛い。
ξ゚ー゚)ξ「ドクオ、それじゃ教室戻ろっか!」
('A`)「お、おう」
ツンが俺の手を握る。
その時、ドクン、と胸の辺りで何かが揺れた。
('A`)(やべ……何、考えてんだ俺)
俺の手のひらを通じて、ツンの体温が伝わってくる。
ドクン、ドクンと。
心拍数が上昇しているのが、わかる。
- 82: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 18:15:11.82 ID:iztvMvE70
明らかに、俺はツンを意識している。
俺は、ツンが好きなのか?
ツンは、ブーンのことが好きだったんじゃないのか?
そして、ブーンもツンのことを……。
('A`)(もう、わけわかんねぇよ)
- 90: 1 ◆tkiF6VoKRk :2007/09/01(土) 18:22:31.65 ID:iztvMvE70
―同時刻・某所―
「……一体、何処にいったんだ?」
白衣を着た少女が、妙な機械を持って何かを探すように歩いている。
「無事であればいいんだが」
そう独り言をぼやいた直後、機械が妙な音を立てた。
「ん、キタ! この反応は……よし、間違いない。オレ天才!」
してやったり、と言った顔でガッツポーズをする少女。
从 ゚∀从「惚れ薬は、ここら辺にあるんだな」
to be contenyu-
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