('A`)ドクオが宇宙を駆け抜けるようです

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:22:52.94 ID:IR8Bb/F10
  
第02話 二人だけの小隊


1時間経って、ドクオはブリーフィングルームに直行した。
休憩室でウトウトしてしまって、完全に遅刻だ。

あの女性仕官の忠告は、見事に的中したのである。


('A`)「ドクオ大尉、入ります」


ドクオは敬礼をして、入室した。
そこには、眉間にシワを寄せたシャキン中佐が待っていた。
この人はフレンドリーの艦長だ。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:23:57.45 ID:IR8Bb/F10
  
(`・ω・´)「遅れたな。ディアッカでもしたか?」

('A`)「いえ、尻毛を抜いておりました」

(`・ω・´)「ならいいだろう」

(;'A`)「いいんだ」


ドクオはそう言うと、自分の席に着く。


( ゚∀゚)「エースのパイロットは遅刻しても謝らないのかい?」


嫌味たっぷりに話し掛けてきたのは、同じ大尉のジョルジュだった。


( ゚∀゚)「だけど、新型のパイロットに選ばれたのは俺なんだよ」

('A`)「あぁ、そう」


ジョルジュの嫌味には聞きなれているが、耳障りには変わりない。
その嫌味を耳から通り抜かせるように流すと、ドクオは正面を見た。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:25:32.58 ID:IR8Bb/F10
  
川 ゚ -゚)「始めますよ、中佐?」

(`・ω・´)「あぁ、全員揃っている」

川 ゚ -゚)「そのようで……10分遅れ、ですがね」

('A`)「…………」


ギロリとドクオの方を見ながら言った作戦仕官のクー中尉。
ドクオは心の中で舌打ちをしながら、
彼女が大型モニターのスイッチを入れるのを待った。

『ヴン……』その様な機械音を出しながら、モニターの電源が入り、
このルナ・ツーからソロモン宙域一帯のマップが映し出される。



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:27:06.81 ID:IR8Bb/F10
  
川 ゚ -゚)「我々、連邦艦隊は明朝0900(午前9時)にルナ・ツーを発進。
    ソロモン宙域を目指します。
   
    戦線に到着後、我々フレンドリー艦の中隊は本隊から離脱し、
    Nフィールドを迂回するように陽動戦を仕掛けます」

(`・ω・´)「陽動戦と言っても、前線に出ることは変わらん!
      これが、初の実戦という者もいるだろう!
      しかしだ。ジオンも兵がいない。今では学徒兵までをも使っていると言う話だ。

      そんな軍に負けるわけにはいかん。
      戦力は同等としても、能力は負けてはいられまい!

      ジョルジュ大尉には我が艦、僚艦のモビルスーツ部隊の指揮を任せる」

( ゚∀゚)「了解! フフン♪」

大げさに立ち上がり、ピシャリと敬礼をすると、ジョルジュは満面の笑みでドクオを横目にした。

(`・ω・´)「解散だ! 各員、発進までにやる事はやっておけ!」

一同「ハァッ!」

シャキンの号令で全員が立ち上がると、先程のジョルジュの様な敬礼を見せる。

('A`)「…………」

ドクオはおでこに手を当てた程度の敬礼だった。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:29:30.81 ID:IR8Bb/F10
  
全員がブリーフィングルームから出て行って、もちろんドクオも自室で寝ようと通路を流れていた。


(*゚ー゚)「ドクオ大尉。お疲れ様でした」

('A`)「あ……あぁ」


その通路で待ち伏せをしていたのが、ドクオ達パイロットのオペレーターである、しぃ軍曹だ。
さっきのブリーフィングにも参加していたのだろうが、ドクオは気づいていなかった。


('A`)「何か用か?」

(*゚ー゚)「いえ……シャキン中佐がブリッジに上がるように言っていたので」

('A`)「中佐が……?」

(*゚ー゚)「はい」

('A`)「そうか。行くぞ」

(*゚ー゚)「は、はい」


反対方向のリフト・グリップを握りなおすと、ドクオとしぃはブリッジへ上がって行った。



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:33:43.42 ID:IR8Bb/F10
  
('A`)「入りますよ。用ってなんです?」

(`・ω・´)「あぁ、よく来た。ジョルジュ大尉なんだが……」

('A`)「下手に気を使わなくていいですよ。
    ジョルジュの能力は分かっています。
  

それに、シャキン中佐が俺を信用していないこともね」


(`・ω・´)「ん……んん……」


言葉に困っているシャキンを見ると、図星らしい。
ドクオは腹の中で笑った。


('A`)「俺はいつも通り、単独行動をすればいいんでしょ?
    戦果は上げますよ……」


少々投げやりに言ってしまう自分に気づくが、ドクオは訂正しようとはしない。


(`・ω・´)「いや、ショボン少尉は連れて行け」

('A`)「は? 新人でしょう? 足手まといはジョルジュに任せればいいんです」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/09/30(土) 21:34:24.49 ID:IR8Bb/F10
  
(`・ω・´)「ところが、そうも言えんかもな」

('A`)「…………?」

(`・ω・´)「ショボン少尉はモビルスーツ操縦シミュレーションで、
      5機のザクを撃破している」

('A`)「へぇ……機体は?」

(`・ω・´)「ジムだよ。ビームスプレーガンのな」

('A`)「なるほど。成績はいいと……」

(`・ω・´)「そういう事だ。立派な戦力になってくれるぞ?」

('A`)「その様ですね……失礼します」


ドクオは話を長引かせるのも面倒くさかったので、早々に立ち去る。
ブリッジから少し歩いたところで、不意に言葉が漏れた。


('A`)「成績が良くて生きていけるか……クソッタレ……」


第02話 二人だけの小隊 終



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