('A`)ドクオが宇宙を駆け抜けるようです

62: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:08:20.07 ID:IR8Bb/F10
  
第05話 コンビネーション・アタック!

ドクオ機とショボン機の持つ火器が砲火の轟音を上げた。


( ,,゚Д゚)「隠れてやがった!? チィ!!」


ギコはシールドを構えて、自分の身を覆う。


『ドドドドド!!!』

( ,,゚Д゚)「ウッ、グゥゥゥウ!!」


同時に砲弾を受けた衝撃が機体を揺らした。

左腕ごとシールドが吹き飛び、敵のゲルググは右腕のみとなってしまった。
しかし、ドクオとショボンの猛攻は止まらない。
全弾を撃ち尽くすようにトリガーを引き続ける二人。
モビルスーツもその操作を受け、武器を使い続ける。


敵「た、隊長ぉ―――!! ギャアア!!!」


敵のリック・ドム2機が火線に入り、砲弾の直撃を受けて爆発した。



64: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:10:44.34 ID:IR8Bb/F10
  
( ,,゚Д゚)「やられた!? クソッ!」


ギコは火線を避けながら、ビームを撃つ。


(;'A`)「なに!? クッ……!」


ゲルググのビームはジム・コマンドのビームガンを撃ち抜き、ドクオは即座に捨て、弾切れを起こしていたバズーカも投げた。


( ,,゚Д゚)「弾切れと見た」


ショボンもキャノンの弾切れを起こして、マシンガンのリロードを行っている。
ギコは好機と見て、リロード中のショボンへ特攻した。


( ,,゚Д゚)「敵討ちだ! 一朝一夕の部下だが、殺されては俺の名に傷がつくんでね!」

(;´゜ω゜`)「うっ、うわぁああ!」

(;'A`)「何やってる! 動け!」


ライフルを捨て、ビームナギナタを引き抜き、ショボンに斬りかかったギコをドクオが止めた。



66: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:12:42.35 ID:IR8Bb/F10
  
ドクオもビームサーベルで応戦し、互いにぶつかり合ったビーム刃が火花を散らす。


(;´゜ω゜`)「あ……あぁ……」


ドクオの機体の一つ向うに、自分を殺そうとしているヤツがいる。
その恐怖で全身が萎縮してしまって、動けない。


('A`)「やっと実感したみたいだな!? 実戦を!」

(;´゜ω゜`)「た、大尉……?」

('A`)「学校じゃ習わん事だ! よぉく覚えておけぇ!」


叫んで、ドクオはギコを押し出した。



68: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:14:06.88 ID:IR8Bb/F10
  
( ,,゚Д゚)「やるな……」

(;'A`)「退く気はないのか……」


片腕ながらも、敵はナギナタを構え続け、戦闘の威圧感、殺気と言うものを放ち続けている。


('A`)( ,,゚Д゚)「ウォオオオオ!」


二人の咆哮が同時に響き、再びサーベルがぶつかり合う


( ,,゚Д゚)「ヌゥン!」


ギコはナギナタを引くと、逆刃を発生させ、切り上げた

それをドクオは紙一重で避け、ジムのバルカンを一斉射させる。
ギコは右に流れると、またナギナタを振る。



69: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:15:28.92 ID:IR8Bb/F10
  
ドクオが振れば、ギコが阻止し、ギコが振れば、ドクオが阻止する。
その度に火花が散り、ビーム粒子のぶつかる音がショボン機のコックピットにまで響いてくる。


(;´・ω・`)「すごい……これがエース同士の……戦い」


ゲルググのパイロットがエースということは分かりきっている。
連邦軍のエースであるドクオの攻撃を、片腕で凌ぎ、反撃もしているのだから。

ソレを理解する間にも、一撃、二撃、三撃と攻撃が繰り出され、
二人の動きは一層敏捷に、早くなっている気がする。

支援するにも、早すぎて動きが捉えられず、ショボンはただの見物人に成り下がっていた。


(;'A`)「このまま長引けば増援が来る……どうする!?」


ドクオは鍔迫り合いをしながら、周りを見る。
幸い、本隊同士の戦いで、コチラは目立ってはいないらしいが、気を抜けない。



70: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:16:54.25 ID:IR8Bb/F10
  
( ,,゚Д゚)「隙が見えた!」

(;'A`)「しまった!」


周囲を警戒するその挙動が、無意識のうちに隙を作り出していた。
敵は左キックをドクオの横腹に入れ、そのまま蹴り飛ばす。


('A`)「グゥウウ……」


ドクオは姿勢制御を掛けながら、ゲルググと距離を取ろうとするが、ギコはすでに追い討ちを掛けていた。


( ,,゚Д゚)「とったぁ―――!」


横一線に振られたナギナタを、ドクオはサーベルを縦にして防いだ。
しかし、敵はクルリと回転すると、逆刃でまた横に振った。
この素早い攻撃を、防ぐことができない。

ドクオはシールドでナギナタを防御しようとしたが、ビーム刃の熱でシールドは溶解し、
そのままジム・コマンドの左手を、シールドもろとも切り裂かれた。



71: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:17:34.60 ID:IR8Bb/F10
  
シールドと左手を斬られる隙に、ドクオは後ろへ下がり、
真っ二つにはならなかったが、相手との状態が同じになってしまう。

だが、一息をつけない。
眼前までにゲルググが迫ってきているからだ。

『ガシャアアアン!』

鋼鉄と鋼鉄がぶつかって、無機質な音を出した。
ゲルググがそのまま突っ込み、ジムと正面衝突する。


( ,,゚Д゚)「ジムのパイロット! よくやったが、ここまでだ!」

(;'A`)「クソッタレ……死ねるかよ……こんな所で……」


接触回線で話しかけてきた敵に対して、ドクオは小さくしか言えない。
目の前で構えられたナギナタがドクオに絶望を見せている。


( ,,゚Д゚)「終わりだ!」


ギコはナギナタをコックピットに突き刺そうとした。



73: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:18:37.66 ID:IR8Bb/F10
  
終わった……。

それが、ドクオの脳裏に過ぎた。
その時だ。
『ザシュ!』という突き刺された音ではなく、また『ガシャアアアン!』という無機質な音が響く。


(;´゜ω゜`)「う、うぉおおおおお!」

( ,,゚Д゚)「なっ!? なにぃいいい!」


ドクオの意識が戻ると、もう5秒は時間が過ぎていた。
ハッと目を動かし、ゲルググを探した。目の前にいなかったからだ。


('A`)「ショ、ショボン!?」

(´・ω・`)「やります! 僕だって!」

( ,,゚Д゚)「見物人が出てくるか!」


ショボンのジム・キャノンがゲルググを引き離し、そのまま捕まえていた。



74: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:19:21.35 ID:IR8Bb/F10
  
('A`)「……そのまま捕まえてろよ!」

(´・ω・`)「はい!」

( ,,゚Д゚)「させん!」


ショボンがサーベルを構えなおすと、ギコはショボンを投げ飛ばし、上へと逃げた。
ドクオはすぐにそれを追った。

そして、ショボンも動いた。

ドクオの後ろから、ショボンはマシンガンを撃つ。
これは、十分な牽制になる。


('A`)「挟み撃ちをかける! ちゃんと動けよ!」

(´・ω・`)「そちらも!」

('A`)「了解!」


ショボンがギコを誘導するようにマシンガンを撃つ。



76: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:20:24.29 ID:IR8Bb/F10
  
( ,,゚Д゚)「バカな! 俺がかく乱されている!?」

(´・ω・`)「行きましたよ! 大尉!」

('A`)「ウオオオオオオ!」


回り込んだドクオが、ビームサーベルを思いっきり振り下ろした。


( ,,゚Д゚)「バカなぁああああ!!!」


ゲルググが縦に裂かれ、真っ二つになる。

断末魔の叫びと共に、ギコの体は蒸発し、
ゲルググの爆発で彼の痕跡さえも消え去った。



77: ◆A57zIoS2yk :2006/09/30(土) 22:21:30.11 ID:IR8Bb/F10
  
('A`) (´・ω・`)「ハァハァハァ……」


二人は大きく息を吸っては吐いて、緊張し切った体に酸素を送り続けた。


(´・ω・`)「大尉ほどの人でも、疲れるんですね」

('A`)「バカタレ……」


この後、二人は帰還し、ドクオはジムが破壊された為待機。

ショボンは補給を済ませると、再び出撃し、ザク2機、敵戦闘機3機を撃破すると言う功績を挙げた。


('A`)「…………」


ショボンがこの激しい戦いを生き残った。
そればかりか戦果をも挙げ、自分を助けてくれた。

コイツがパートナーになる。

帰還したショボンを迎えたドクオは、この感覚を覚えた。
それが、また胸をくすぐった。


第05話 コンビネーション・アタック! 終



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