(´・ω・`) ショボンは帰ってきた風の料理人のようです
- 50: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:00:26.10 ID:eh9BompZO
3話
置き去りに
- 51: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:01:27.25 ID:eh9BompZO
- ※
私は、自身の不甲斐なさに肩を落とした。
専業主婦としての自尊心は、既に崩壊していた。
(;゚ー゚) 「ハンバーグも上手く焼けないなんて」
周りは黒く焦げ、中身は赤かった。
俗に言う、『生焼け』だ。
(;゚ー゚) 「何がいけなかったのかしら?」
- 52: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:02:29.29 ID:eh9BompZO
- 私は料理の本を開いた。
そこには、こう、記してある。
『よく熱したフライパンに、タネを入れ、強火で表面を焼き固める』
(;゚ー゚) 「本の通りにしたんだけどなぁ…」
何故、どこがいけなかったのだろう。
(´・ω・`) 「オーブンを使って中まで火を通せ」
いつかの男だった。
そう、その名は―――
(´・ω・`) 「ひさしぶりだな。風の料理人、ショボンだ」
- 53: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:03:33.94 ID:eh9BompZO
- 私の股間を濡らした男が、再び、私の目の前に現れたのだ。
しかし、今回は濡れそうにない。
(;゚ー゚) 「オーブンはダメ!お菓子作り用よ!」
そう、私の趣味はお菓子作りだ。
肉を焼いたオーブンで、お菓子作りをするなど、考えたくもない。
(´・ω・`) 「なるほど…
ならば、始めから弱火で焼け」
男は信じられないことを言う。
- 55: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:05:04.23 ID:eh9BompZO
- 先程の本には、こうも記されている。
『強火で表面を焼き固め、肉汁を閉じ込める』
(#゚ー゚) 「私にパッサパサのハンバーグを食べろって言うの!?」
私は怒り狂った。そんなもの、美味いはずがない。
(´・ω・`) 「フライパンに油を敷き、タネを並べて、弱火で火を点けろ。
じっくり、中まで火を通せ」
私の怒りなど関係なく、男は話を続ける。
- 57: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:07:51.52 ID:eh9BompZO
- (´・ω・`) 「裏面が焼けたら、ひっくり返して蓋をしろ。
そして、また、じっくり中まで火を通せ」
(´・ω・`) 「中まで焼き上がったら、火を止めろ。
ここからが肝心だ」
(´・ω・`) 「蓋をしたまま、五分程度、放置しろ。
こうすることで、肉汁が落ち着く。
ナイフを入れると、肉汁が溢れ出す。
ジューシーな仕上がりだ」
- 61: たろお ◆agZBhzWYDw :2007/08/21(火) 23:09:53.90 ID:eh9BompZO
- いつの間にか、私の股間は濡れていた。
またしても欲情してしまった私は、叫んだ。
(*゚ー゚) 「抱いて!」
男は一言残して消えた。
(´・ω・`) 「うつるよ」
悲しきかな、男は、性病持ちらしい。
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