流石兄弟が再び殺人ゲームに参加するようです
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:33:13.05 ID:yV8TszJ20
- 31.
靴に石や泥を詰めて重量をかけ安定させる。
この方法でどうにか地雷をやり過ごし、二人はヤマイモを手にボートへ戻った。
∧_∧
弟(´<_` )「無事なのは何よりだが靴がかたっぽなくなってしまった」
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兄( ´_ゝ`)「これで下駄でも作ったらどうだ?」
兄者は暇を見ては研いでおいたナタを見せた。
それを受け取った弟者は湖畔の小屋から適当な板を拾って来て足の大きさに切った。
それを足に紐で固定する。歯がないから歩きにくそうだ。
生のヤマイモをかじっていると夜が明けた。
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弟(´<_` )「ボリボリ。うう、粘る…」
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兄( ´_ゝ`)「ポン酢が欲しいところだな」
∧_∧
弟(´<_` )「うむ(おかしいな、ショボンから連絡がない…)」
いつもなら今時分に来る筈なのだが。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:33:54.03 ID:yV8TszJ20
- 32.
向こうも忙しいのだろうと思い、その時はあまり気にしなかった。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「ところで弟者、ペンションの屋上に風呂を作らないか」
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弟(´<_` )「露天風呂か?」
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兄( ´_ゝ`)「ジャグジーとか言うやつだ。星を見ながら入れるように…」
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弟(´<_` )「まあ、生きて帰ってから考えよう」
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兄( ´_ゝ`)「ずっと計画していたんだ。こいつを俺たちのペンションの目玉にしよう」
∧_∧
弟(´<_` )「好きにしてくれ」
それからずっと兄者はペンションについて語り続けたので弟者は寝付けなかった。
迷惑だと思いながらも何故か子供のように夢を語る兄者が少し好ましい。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「…という計画なんだがどう思う?」
∧_∧
弟(´<_` )「いいんじゃないか。そろそろ少し眠らせてくれ」
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:34:27.49 ID:yV8TszJ20
- 33.
そして翌日。残り24時間と少し。
昼ごろから激しい雨が降った。
雨水を掻き出すのに手一杯で休むどころではない。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「くそ、シートかなんか探しておけば良かった!」
∧_∧
弟(´<_` )「どうする兄者。このままじゃボートが沈むぞ」
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「夕方まで我慢だ。暗くなったら屋根のあるところへ移ろう」
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弟(´<_` )「やれやれ」
とにかくあと丸一日しのげばクリアだ。
暗くなってから二人は上陸した。
念の為にボートも揚げて引っくり返してある。また後で使えるようにだ。
ショットガンに弾が入っているのを確認し、二人は村へ向かった。
雨音が強くチェーンソーの音が聞こえづらいのが最大の心配だった。
- 44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:35:10.62 ID:yV8TszJ20
- 34.
キノコの苗床になっているような木造の建物ばかりだった。
雨漏りどころから少しの衝撃で屋根が落ちて来そうだ。
夜半を過ぎても安全な寝床が見つからず、二人は焦った。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「まずいな。夜が明けてしまう」
∧_∧
弟(´<_` )「ん、兄者。何か聞こえるぞ」
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兄( ´_ゝ`)「ゴミ袋か!?」
∧_∧
弟(´<_` )「いや空から…兄者、ヘリだ!」
雨雲に閉ざされた暗闇の中をけたたましいエンジン音を響かせて一機のヘリが飛んでいる。
目指しているのは二人のいる場所だ。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「まだ終了までかなりあるぞ、何しに来たんだ?」
∧_∧
弟(´<_` )「そうか、ショボンだ兄者! 助けに来てくれたんだ」」
ヘリは大きく手を振る二人の頭上にやって来ると、空中で停止して扉を開いた。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:35:33.32 ID:yV8TszJ20
- 35.
ヘリの落とすライトが二人を照らしている。
逆光の中でショボンが身を乗り出しているのが見えた。
∧_∧
弟(´<_` )「助かった。おーいショボン! ここだ!」
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「待て弟者。何か変だぞ」
ショボンはヘリから落ちた。
自分の意思で飛び降りた様子ではなく突き落とされたような感じだった。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「なっ…何だ!? どうなってる」
∧_∧
弟(´<_` )「ショボン!」
二人はぬかるみに落ちたショボンに駆け寄った。
ひどく殴られた後のあるショボンは弱々しく眼を開いて二人を見た。
( ´・ω・` )「申し訳ありません、情報が漏洩して…奴ら、私をモンスター化して…」
- 47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:36:21.43 ID:yV8TszJ20
- 36.
ショボンの上着には次のような言葉が書いてあった。
『ルール違反の罰則…ゲーム終了時間の無期限延期』
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兄( ´_ゝ`)「何てこった…」
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弟(´<_` )「おいショボン、俺たちはどうすればいい!?」
( ´・ω・` )「うう…」
ショボンの眼から正気が消えつつある。モンスター化寸前だ。
∧_∧
弟(´<_` )「おい!」
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「弟者、マズい。ゴミ袋だ」
どこかでチェーンソーの音がする。どんどん接近してくる。
どうやらヘリの落としたライトの光を見付けたらしい。
弟者は担いでいたショットガンを下ろして肩付けした。
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:37:09.39 ID:yV8TszJ20
- 37.
雨と夜闇で視界はゼロに等しいが、チェーンソーの音とわめき声を頼りに狙いを付ける。
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「ショボン、ここから脱出する方法はないのか?」
( ´・ω・` )「…こ、肛門…」
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「何だって?」
蚊の鳴くような声に兄者は耳を澄ませ、血の泡を吹くショボンの口元に近付ける。
( ´・ω・` )「ボートで…か、川が氾濫するのを…待っ…」
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兄( ´_ゝ`)「どういうことだ…?」
弟者はまもなく現れたゴミ袋の輪郭に向かって引き金を引いた。
散弾を浴びたゴミ袋は衝撃で吹っ飛び、仰向けに倒れる。
∧_∧
弟(´<_` )「やったぜ! …いてて、肩がしびれる…」
( ゚ρ゚ )「ア゛ア゛ア゛ア゛…」
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弟(´<_` )「生きてる!? くそっ」
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:37:37.28 ID:yV8TszJ20
- 38.
のそのそと起き上がったゴミ袋はチェーンソーを振り上げた。
弟者がもう一発食らわせると再び倒れた。
また唸り声を上げて立ち上がる。
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弟(´<_` )「ダメだ兄者、応えてない!」
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兄( ´_ゝ`)「ちょっと待て…」
弟者が新たな弾を装填する傍ら、兄者はショボンのズボンに手を入れた。
尻のあたりに触れるとぬるりとした感触と何か硬いものがある。
汚物まみれの小さなビニール袋が出てきた。
肛門に入れておいたものが恐怖で脱糞して出てきたものらしい。
( ´・ω・` )「殺して下さい…人間でいるうちに、殺して…」
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兄( ´_ゝ`)「…わかった。許せ、ショボン。お前は立派だった」
兄者は聖水を取り出してショボンの腕に突き立てた。
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:38:06.12 ID:yV8TszJ20
- 39.
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兄( ´_ゝ`)「行こう、弟者」
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弟(´<_` )「ショボンは?」
∧_∧
兄( ´_ゝ`)「死んだ」
ゴミ袋が来ているものは防弾繊維の服らしい。弾が通らない。
追い付かれそうになる度に振り返って弾を浴びせ、二人は夜の村を逃げ回った。
どこかに隠れるには距離が詰まり過ぎている。
隠れるところを見られてすぐに見つかってしまうだろう。
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兄( ´_ゝ`)「ぜえ、ぜえ、畜生」
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弟(´<_` )「兄者、弾がなくなる! あと四発だぞ」
その時、二人は村の消防署の前を通りかかった。
昔の名残で建物のすぐ隣に半鐘の下がった鉄塔が立っている。
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/06(木) 20:38:42.76 ID:yV8TszJ20
- 40.
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兄( ´_ゝ`)「あれに昇ろう、弟者」
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弟(´<_` )「え? 袋のネズミになってしまうぞ」
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兄( ´_ゝ`)「奴が上がってきたら顔面にゼロ距離射撃でブチ込んでやれ」
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弟(´<_` )「効くのか?」
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兄( ´_ゝ`)「わからん」
弟者がショットガンを構えてゴミ袋を狙い、そのうちに兄者がはしごを上がる。
( ゚ρ゚ )「ア゛ア゛ア゛――ッ!」
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弟(´<_` )「しつこい野郎だ、食らえ!」
一発撃ち込んでゴミ袋の動きを止める。
その隙に弟者はショットガンを背負ってはしごを上がった。
しかしモンスターは弟者の予想よりもはるかに早く復活を遂げた。
跳ね起きてチェーンソーを彼の足に振り下ろす。
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