( ^ω^)俺がブーンを育てるようです

381: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 01:51:11.06 ID:5btKWEZT0

夜は明けた。
肌寒い朝の気候も、それをしのぐ為に温めた朝のコーヒーも、それを飲もうとしているブーンも。
全てが震えているように見える。緊張のせいか、はたまた冬の寒さから来るものか。

今日、俺が出来ることは笑顔でブーンを見送ることだけだ。
ブーンがリラックスできるように、ブーンが笑顔で会場へ向かうことができるように。

それはあまり――容易ではないが。



383: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 01:53:54.20 ID:5btKWEZT0

( ´ω`) 「……」

1 「ブーン」

( ´ω`) 「なんだお?」

1 「受験票、忘れてるぞ」

(;^ω^) 「やばすwwww」

1 「嘘です、ふひひwwww」

( ´ω`) 「……」

1 「……」



387: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 01:57:35.10 ID:5btKWEZT0

1 「ま、まあとりあえずだ。元気出していけよ」

( ´ω`) 「わかったお……」

1 「帰ったらブーンの好きなもん作ってやっから」

( ^ω^) 「お、マジかお!?」

1 「おうwww」

( ^ω^) 「なら、久しぶりにオムライスが食べたいお!」

1 「媚売るなと言ったのはお前じゃなかったか?」

( ^ω^) 「黙れ」

1 「……」



390: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:02:16.35 ID:5btKWEZT0

1 「じゃあ頑張れよ!」

( ^ω^) 「わかってるお」

1 「落ち着いてやれよ!」

( ^ω^) 「大丈夫だお」

1 「風呂は入れよ!」

( ^ω^) 「……」

1 「歯磨けよ!」

( ^ω^) 「じゃ、行って来るお」

1 「いってらっしゃい……」



392: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:05:35.06 ID:5btKWEZT0

1 「ブーン頑張れよ……」

1 「嫁と一緒に応援してるからな……」

1 「おっと、そろそろ出ないと遅刻しちまう」


――
―――



393: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:06:05.97 ID:5btKWEZT0

――VIP高校

( ^ω^) 「さーてと……おっ!」ドンッ

ξ゚听)ξ 「いったー……」

( ^ω^) 「ご、ごめんだお!(可愛い子だお、ぶひひ)」

ξ゚听)ξ 「あんたどこに目つけてんの? ふざけんのも大概にしなさいよ!」

(;^ω^) 「あうあう」

ξ゚听)ξ 「ふん、ほら!あんたの受験票落ちてたじゃない!失くしたらどうすんの!」

( ^ω^) 「は、はぁ。どーもですお」

ξ゚听)ξ 「も、もう私は行くからね!ふんっ!」



398: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:09:29.94 ID:5btKWEZT0

( ^ω^) 「わけわからんお」

('A`) 「あの……」

( ^ω^) 「お?」

('A`) 「トイレって、どっちかわかりますかね?」

( ^ω^) 「申し訳ないけど、知りませんお」

('A`) 「そうですか……うっ、やべぇ……」

(;^ω^) 「……大丈夫ですかお?」

('A`) 「だだだだ大丈夫です! そ、それじゃ!」

( ^ω^) 「変な人ばっかだお……」



407: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:14:24.23 ID:5btKWEZT0

( ´∀`) 「ブーン!」

( ^ω^) 「モナー!」

( ´∀`) 「心細かったモナ!」

( ^ω^) 「さ、早く中に入るお……」


――とうとうブーンの受験が幕を明けた

\(^0^)/ カツアイスルヨー

\(^0^)/ コレダケハイワセテホシイ

\(^0^)/ ジンセイオワタ!

――そして幕を閉じた



412: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:19:20.08 ID:5btKWEZT0

――1の家

ガチャ

1 「ただいまー」

( ^ω^) 「お帰りお……」

1 「どうだった?」

( ^ω^) 「そこそこ、だお。さ、早くモウライスwwwwww」

1 「誤変換乙wwwww」

( ^ω^) 「うっせwwwwww」

1 「待ってろ、すぐ作ってやるから」


――
―――



414: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:22:06.82 ID:5btKWEZT0

それからの日々はゆっくりと過ぎていった。
なにをするわけでもなく、なにかに追われるわけでもなく。
ただただ待つのみ。

合格発表の日を――



415: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:22:29.13 ID:5btKWEZT0

――あきる野中学校

( ^ω^) 「とうとう明日発表日かお」

眉毛 「そんで次の日は卒業式。あ〜も〜やんなっちゃいますな〜」

( ´∀`) 「できればみんな笑顔で卒業したいモナ」

(*゚∀゚) 「ま、もう私は合格したけどねwww」

( ^ω^) 「このやろおwwwww」

( ´∀`) 「このたろおwwwww」

眉毛 「勝手に名前とか出さないほうがいいゾ」

(*゚∀゚) 「謝るさね」ザクッ

( ;ω;) 「ずびっ、すいませんでした……」

( ´∀`) 「サーセンwwwww」



417: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:27:12.52 ID:5btKWEZT0

――放課後

( ^д^)9m 「よお、皆の衆!」

ミ,,゚Д゚彡 「明日は発表だなwwww」

(*゚ー゚) 「やだードキドキする」

( ´∀`) 「てめーは落ちてるモナ」

(*゚∀゚) 「モナー自重」

( ^ω^) 「みんな受かってるといいお!」

眉毛 「そんな展開もありですなぁ〜。あはぁ〜///」



422: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:32:27.71 ID:5btKWEZT0

( ^д^)9m 「ま、どっちにしろ明後日でこのメンバーと会えるのも終わるのか……」

ミ,,゚Д゚彡 「寂しいこと言うなよ。まだ集まって遊ぼうぜ」

眉毛 「いつでも集まるゾ!」

( ´∀`) 「モナ」

(*゚∀゚) 「ま、とにかく今日はこれで!」

(*゚ー゚) 「ばいばい」

( ^ω^) 「ばいぶー!」



423: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:34:43.22 ID:5btKWEZT0

――1の家

( ^ω^) 「……」

1 「……」

( ^ω^)「……」

1 「……」

( ^ω^) 「明日が怖いお……」

1 「大丈夫、絶対合格してるって」

( ^ω^) 「だといいお……」

1 「……」



426: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:36:53.70 ID:5btKWEZT0

( ^ω^) 「もう寝るお……」

1 「ああ……」

……シーン

1 (なあ、嫁)

1 (明日、ブーンにとって人生の分岐点がやってくるみたいだ)

1 (悲しいかな、俺には結果をどうすることもできない)

1 (だから一緒に俺と祈ろう。ただ、ブーンが受かってることを……)



428: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:38:56.10 ID:5btKWEZT0

――翌日、VIP高校

(;´∀`) 「……」

(;^ω^) 「……」

(;´∀`) (さすがに今日ばかりは、ふざけたこと言ってられないモナ)

(;^ω^) (絶対受かっててほしいお)

事務員 「それでは、合格者を掲示します」

バッ!

( ´∀`) 「……」

( ^ω^) 「……」



434: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:42:38.62 ID:5btKWEZT0

ワー!

( ´∀`) ビクッ

( ^ω^)ビクッ

受験生A 「やったー!受かったぞ!」

受験生B 「……うう」

受験生C 「元気出せよ、B。俺と一緒に滑り止めに……あ、受かってたわwwww」

( ´∀`) 「……」

( ^ω^) 「……」



441: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:47:09.38 ID:5btKWEZT0

( ´∀`) 「ブーンが先に見るモナ」

( ^ω^) 「いいや、モナーが先に」

( ´∀`) 「いや、ブーンが」

( ^ω^) 「いやいや、モナー(ry」

( ´∀`) 「……」

( ^ω^) 「……」

( ´∀`) 「一緒に見るモナ」

( ^ω^) 「把握」



443: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:49:24.10 ID:5btKWEZT0

( ´∀`) 「せ〜……」

( ^ω^) 「のっ!」

バッ!

( ´∀`) 「……」

( ^ω^) 「……」








( ;∀;) 「やった!やったモナ!」

( ;ω;) 「う、うう嬉しいお!やったお!嬉しいお!」



455: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:54:36.22 ID:5btKWEZT0

家に帰ってきたブーンは物凄いハイテンションで、一目で合格したことがわかった。
すげー安心した。本当に良かった。

話を聞いてみると、できすぎなことにブーンと仲がいい奴はみんな合格してたらしい。
まさにご都合主義。いや、めでたい。めでたい。



456: 1 ◆bAt3E3sVXo :2007/09/17(月) 02:55:14.84 ID:5btKWEZT0

嫁、ブーンもやっと高校生になれるみたいだ!
生まれたときからのことを思い出すと、すげー信じられんね。
あのときと違って、ブーンは逞しく成長してるぞ!

……嫁にも見せてやりたいな。

ま、辛気臭いのはあれだ。明日はなんたって卒業式だからな!
ブーンの中学校生活最後の日だからな……。

嫁も遠くから、ブーンの晴れ姿を見守っててくれ。
俺は―― 一番近くで見守ってるから。



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