ξ゚听)ξはいたずらっ子のようです
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:13:06.21 ID:agJKuQGK0
- キコキコ
(;^ω^)「ふっひひwwwく、くすぐらないでくれおww」
ξ゚听)ξ「そうでもしないとあんた眠っちゃうでしょ」
( ^ω^)「おっほwwww」
ξ゚听)ξ「ちょっ、あぶない!前を見なさいって!」
(;^ω^)「おっほほwwww」
寒冷地仕様ってシールを張られたボクの自転車を置いて
ツンを乗せて雪道を漕いだ。ツンはブーンのくすぐりポイントを熟知してるから、
まっすぐ漕ぐことすら危うい……
ξ゚听)ξ「転んだりしたら怒るから」
( ^ω^)「そうなったらブーンのせいなのかお?」
ξ゚听)ξ「当たり前じゃないの」
( ^ω^)「ツンがくすぐらなきゃry」
こちょこちょ
(;^ω^)「ふもっふwwwwww」
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:14:29.76 ID:agJKuQGK0
- ξ゚听)ξ「あんたの目を覚ましてあげてるんだって言ったでしょ!」
(;^ω^)「わかったからうなじ付近はかんべんしてくれおwwwww」
だんだんと明るくなってきた道の先に、ブーン達の学校が見えてきた。
当たり前だけどまだ誰も居ないみたいで、裏門から入って駐輪場に向かった。
ツンに自転車の鍵を渡すと隠されるからブーンが持っておくんだ。
ツンの自転車なのに。
( ^ω^)「こんな時間に学校へ来てどうするんだお」
ξ゚听)ξ「どうしようかしら……」
(;^ω^)「えぇっ」
ξ゚听)ξ「とりあえず教室の鍵を貰いに行くわよ」
( ^ω^)「わかったお」
職員室には先生が三人いた。ツンは職員室のドアを思いっきりノックすると走って逃げられたお…
先生に静かにしなさいって怒られながら教室に向かう途中で、女子トイレから飛び出してきたツンに驚かされたお。
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:16:06.47 ID:agJKuQGK0
- ( ^ω^)「びっくりするから驚かすのはやめてくれお」
ξ゚听)ξ「ブーンが常に周りを警戒してるかを試してるだけよ」
(;^ω^)「ブーンはゴルゴかなにかかお?」
ξ゚听)ξ「ほら鍵」
ツンに鍵を渡すと、ドアを開けて……閉める。鍵も。
ドア越しにブーンを見て、誇らしげに鍵を指でくるくる回してる。いいから開けてくれお。
( ^ω^)「まだ6時半だお……寒いお」
ξ゚听)ξ「だらしないわね」
( ^ω^)「ツンは寒くないのかお?」
ξ゚听)ξ「割と寒い」
( ^ω^)「どっちだお」
ξ゚听)ξ「絵を描きたいから美術室に行くわよ」
僕らは美術部だ。
ブーンは今まで何度も何度もモデルにされた。難解なポーズばかり要求されるから、ツンはみるみる絵を描くのがうまくなった。
今ではこの学校で一番の画家先生だお。……だからドアを閉めないでくれお。鍵も。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:17:51.03 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「なにを描くんだお?」
ξ゚听)ξ「描きかけの絵があるから、それを完成させるわ」
( ^ω^)「そうかお」
ξ゚听)ξ「じゃあブーン。これに水を汲んでもらえる?」
( ^ω^)「汲んできたお」
ξ゚听)ξ「あ、ごめん自分で汲んででた」
(;^ω^)「ちょっ」
ξ゚听)ξ「隣の準備室からイーゼルを取ってきてちょうだい」
( ^ω^)「わかったお」
ガチャ
(;^ω^)「だから鍵を閉めるなお。というかブーンをここに閉じ込めたらイーゼル渡せないお」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:19:42.41 ID:agJKuQGK0
ツンが今描いている絵は大きな海の絵。
それも冬の海の絵。ブーン達の住んでいる海には、冬になると波の花っていう泡が舞うんだお。
ツンはそれが昔から好きでry
グニョ
(;^ω^)「か、顔に絵の具を塗るなお!」
ξ゚听)ξ「あらごめんなさい。パレットと間違えちゃった」
( ^ω^)「しかも黒かお……」
ξ゚听)ξ「あははww。ほら、とってあげるから動かないで」
( ^ω^)「おっお」
……絵を描いてるときのツンは楽しそうなんだ。
別に普段が楽しそうじゃないとか、ツンは暗い過去がとか、そういうのじゃないけど。
絵を描いてるときのツンは、とっても生き生きしてるんだお。
ξ゚听)ξ「はい、できた」
( ^ω^)「ありがとうだお」
ξ゚听)ξ「べ、別にあんたのためにしてあげたわけじゃないんだからね!」
( ^ω^)「……してあげた?」
アッー
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:21:29.05 ID:agJKuQGK0
窓ガラスに映ったブーンの顔は歌舞伎調になってた。
後ろで嬉しそうに笑ってるツンがいる。……訂正。ツンはブーンにいたずらしてるときが一番生き生きしてるんだお。
('A`)「朝っぱらからなにやってんだ」
( ^ω^)「ドクオ?おはようだお」
('A`)「……誰だお前」
( ^ω^)「ブーンだお」
('A`)「あぁ、五右衛門かなにかかと思った」
ξ゚听)ξ「藍隈だから亡霊かなにかね」
(;^ω^)「そんなことはどうでもいいから顔を洗わせえてくれお」
ドクオは美術部の部長。
といっても最近は絵じゃなくて漫画を描いてて、美術部かどうかも怪しいけど。劇画だけど。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:22:23.61 ID:agJKuQGK0
川 ゚ -゚) 「相変わらずだな。二人とも」
ξ゚听)ξ「あ、クー先輩」
( ^ω^)「おはようございますだお」
川 ゚ -゚) 「……藍隈か」
ξ゚听)ξ「はい。綺麗に塗れてますか?」
川 ゚ -゚) 「塗りはいいかもしれないけど、ブーンは剥身隈のほうが性格とともにあってるぞ」
( ^ω^)「まったく意味がわからないですお」
川 ゚ -゚) 「だからこうだ。ツン、筆を」
ξ゚听)ξ「はい!」
アッー
クー先輩は学年が一つ上の三年生。美大を目指してる受験生。
でももう試験も終わって、あとは発表を待つだけ。だからこうやってたまに遊びに来てくれるんだお。
クー先輩もツンに負けないぐらい絵が綺麗な人だから、絶対に合格してるはずだお。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:22:56.95 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚) 「ほらどうだ。優しそうな顔になっただろう?」
ξ゚听)ξ「あれ?ほんとだ」
川 ゚ -゚) 「どうせ塗るなら本人の性格に近い模様にしてあげないと」
(;^ω^)「どうせで塗らないでほしいお」
('A`)「なんでもいいけど授業始まるぞ……あと会話が全然わからねぇ」
(;^ω^)「うわっ、もうこんな時間だお!」
気がつけばもうあと五分で一時間目。
みんなと居ると時間の流れが速くなってしまう。
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:23:55.86 ID:agJKuQGK0
(;^ω^)「早く教室に戻らないと先生に怒られるお!」
('A`)「ブーンお前、その顔で授業を受ける気か?」
(;^ω^)「おっ!?」
川 ゚ -゚) 「私が教師なら、停学にしてやってもいいぐらいだ」
(;^ω^)「おっおっ!?」
ξ゚听)ξ「顔洗ってから来なさいよね」
(;^ω^)「おーっ!!」
('A`)「おっと、俺も早く行かないと」
川 ゚ -゚) 「私もそうする」
ξ゚听)ξ「先に教室行くわね、ブーン」
(;^ω^)「ちょっwwwww」
みんなはブーンを置いて教室に走っていった。
急いで顔を洗ってブーンも教室に戻らないとry
ガチャ
(;^ω^)「だから鍵を閉めるなおww」
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:26:00.74 ID:agJKuQGK0
美術室から出ると、廊下の端にブーンの鞄を置かれているのが見えた。
それを取って真逆の教室にたどり着くまで5枚のバナナの皮と二箇所のワックス掛けした床を飛び越えて
もう授業が始まってたから教室の後ろのドアから入ろうとしたけど……急いでいた所為で黒板消しトラップに気がつけなかったお。
先生に怒られてる後ろで、ツンがまた嬉しそうに笑ってたお。いつのまにかブーンのシャーペンも奪われてる。
(;^ω^)「ちょっwwシャーペンの芯どこに隠したおww」
ξ゚听)ξ「べ、別にあんたのために隠してあげてるじゃないんだからね!」
(;^ω^)「ますますわけがわからないおww」
騒々しい授業風景とともに、またツンのにやにや笑顔を一日眺められるお。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:27:41.64 ID:agJKuQGK0
ξ゚听)ξ「間に合わなかったわね」
( ^ω^)「鞄を何者かによって移動させられてたお。あとトラップが」
ξ゚听)ξ「それは災難だったわね」
( ^ω^)「おかげさまで廊下に立たされて、一時間目の数学ノート書けなかったお」
ξ゚听)ξ「仕方ないわねぇ。写させてあげるわよ」
( ^ω^)「ありがとうだお」
ξ゚听)ξ「そのかわりジュースおごってよね」
(;^ω^)「なんというwwwww」
ツンのノートは綺麗な字で書いてあった。
あとでわかったけど、実はその授業でやってなかった問題まで写させられてたお……勉強になったからよかったのかな?
そういえば今日はツンに無理やり起こされた所為で、今日はお弁当を持ってくるのを忘れたお……
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:28:42.55 ID:agJKuQGK0
( ヽ^ω^) 「ひどくひもじいお……」
ξ゚听)ξ「あら、お弁当忘れたの?バカねぇ」
(#ヽ^ω^) 「…」
ξ゚听)ξ「ほら。屋上へ行くわよ」
( ヽ^ω^) 「お?」
ξ゚听)ξ「今日は沢山作りすぎたから分けてあげるって言ってるの!いらないならいいわよ」
Σ( ヽ゚ω゚) 「ももっ、貰いますお!」
ξ゚听)ξ「しょうがないわねぇ」
ツンは鞄から大きなお弁当を出した。作りすぎたにしては多いような気がするけど。
それを持たされて、屋上に向かう階段で二回ツンに落とされそうになった。屋上のドアry
ガチャ
( ヽ^ω^) 「だから鍵を閉めないでくれお」
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:29:44.08 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「ツンのお弁当は美味しいお」
ξ////)ξ「ほ、褒めてほしくて作ったんじゃないんだからね」
( ^ω^)「ただ醤油入れにコーラ入れるのはやめてほしいお」
ξ゚听)ξ「あ、ばれた」
( ^ω^)「そう何度も引っかからないお。お茶あるかお?」
ξ゚听)ξ「はい」
ゴクゴク…
……ブシャー!!
(;゙゚ω゚)「ごほごほっ!こ、これはめんつゆだお!」
ξ^ー^)ξ「あははwwwwばーかばーか!」
(;^ω^)「しょっぱ美味いお!うぅ……服もびしょびしょだお」
ξ゚听)ξ「油断してたブーンがいけないのよ。ほら拭きなさい」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:31:29.68 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「……お腹いっぱいだお」
ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「そういえばツンにジュースをおごる約束だったお。なにか買ってくるお」
ξ゚听)ξ「そんなの帰りでいいわよ」
( ^ω^)「そうかお?」
ξ゚听)ξ「いいの」
( ^ω^)「じゃあそうするお」
ξ゚听)ξ「そうだ、今日はブーンが聴きたがってたCD持ってきたの。聴く?」
( ^ω^)「是非聴かせてほしいお」
ξ゚听)ξ「じゃあはい、イヤホン」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚听)ξ「スイッチオン」
ドゴォォォォォォォオ!!!!!!!アーライッ!!!!!!!!!!!
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:34:21.37 ID:agJKuQGK0
(;^ω^)「ひゃあああっ!!??」
ξ゚听)ξ「あら、音量MAXだったわ」
(;^ω^)「ぜ、絶対わざとだお!」
ξ゚听)ξ「人聞き悪いわね。いいから片方貸しなさいよ」
ツンの持ってきてくれたCDはとってもいい歌だったお。
二人でそれを聴きながら、ツンが時々音量を上げようとするのを阻止して食後の昼休み。
('A`)「おまえら……やってくれるぜ」
( ^ω^)「ドクオ!?」
ξ;゚听)ξ「ちょっ!いい、居るなら居るっていいなさいよ!」
('A`)「言うもなにも、先にここでメシ食ってたのは俺だけどな」
(;^ω^)「そんな端っこで食べなくても」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:41:36.22 ID:agJKuQGK0
('A`)「俺は隅が好きなんだよ……見せてもらったぜ、ツンがブーンにあーんしてるのを」
ξ////)ξ「そ、そんなのしてなry」
( ^ω^)「そんなのされてないお」
ξ゚听)ξ「…」
('A`)「……まあいいや。とりあえず見せ付けるのは勘弁してくれよ」
ドクオはそういうと校舎に戻っていった。
……?なんだかツンがちょっとだけ不機嫌になった気がする……
あ、そろそろ昼休みも終わるみたいだ。ブーン達も教室にもry
ガチャ
( ^ω^)「だから鍵を閉めるなって……」
ξ゚听)ξ「ふんっ……」
すたすた…
( ^ω^)「……あれ?おーい!ツン!?」ドンドン!
- 35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:35:40.57 ID:agJKuQGK0
〜放課後〜
( ^ω^)「また先生に怒られたお……ツンはまだなんか怒ってるお」
川 ゚ -゚) 「やぁブーン。なにをしてる?」
( ^ω^)「クー先輩。ブーンの鞄を見なかったかお?」
川 ゚ -゚) 「またツンに隠されたのか」
( ^ω^)「おっお」
川 ゚ -゚) 「美術室じゃないのか?ツンもさっき居たぞ」
( ^ω^)「ツンは怒ってて教えてくれないお」
川 ゚ -゚) 「……やれやれ。ブーンは大変だな」
( ^ω^)「いつものことだお」
クー先輩と美術室に向かうと、ツンが絵を、ドクオが漫画を描いていた。
もうドクオは漫画研究会って名乗ったほうがいいような気がする。ツンは相変わらず不機嫌に色を塗っていたお。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:38:52.10 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「…」
ξ゚听)ξ「ブーン、荒ぶる鷹のポーズ」
(;^ω^)「…」
ξ゚听)ξ「荒ぶる鷹のポーズ」
ヘ○ヘ
|∧ …
/
ξ゚听)ξ「動いたら髪にガムつけるわよ」
(;^ω^)「で、できたら勘弁してほしいお」
ξ゚听)ξ「シャラップ」
('A`)「……なんだかなぁ」
川 ゚ -゚) 「いつも通りじゃないか?」
('A`)「まあ面白いから俺もデッサンしてやろう」
川 ゚ -゚) 「ツンが描いてるのは風景画だけどな」
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:40:01.47 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「…」
ξ゚听)ξ「…」
(;^ω^)「……あの、ブーンを描いてないような気がすry」
ξ゚听)ξ「シャラップ」
('A`)「こっちは描けたぞ」
川 ゚ -゚) 「ふむ。なかなか渋く描かれてるぞブーン」
(;^ω^)「…」
結局一時間荒ぶる鷹を演じた後、ツンは膨れっ面のまま帰ろうとした。
クー先輩とドクオはそそくさと身支度をして帰っていって、また教室に閉じ込められたお。
ツンの鞄が置きっぱなしだったからそれを持ってツンを追いかけるとカクカクフェイントをつけて早歩きで逃げていく。
それはいいけど自転車の鍵はブーンが持ってるんだけど……あぁ、荷台には乗るんだね……
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/11(火) 20:42:34.49 ID:agJKuQGK0
( ^ω^)「……なにを怒ってるんだお?」
ξ゚听)ξ「さぁ」
(;^ω^)「ブーンがなにかしたのかお?なら謝るお」
ξ゚听)ξ「わからないのに謝られても困るわね」
(;^ω^)「…」
ξ゚听)ξ「早く、鍵」
ガチャ
( ^ω^)「…」
ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「地面から足を離してくれお」
ξ゚听)ξ「あら、ごめんなさーい」
(;^ω^)「…」
戻る/次のページ