it ξ゚听)ξはいたずらっ子のようです ξ゚听)ξはいたずらっ子のようです

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:32:59.40 ID:6apTNQg/0

ツンには道が二つある。
一つは、このままこの町に残ってブーンと幸せな今まで通りの日常を送ること。
一つは、この平穏な日常を捨てて遠い大学に通いブーンと離れて絵の勉強をすること。
ツンはまだ、どちらの道も選べないままでした。



( ^ω^)「コンビニについたお」

('A`)「説明的なセリフだな」

( ^ω^)「お?ドクオ」

コンビニの傍にある郵便ポストの前でドクオにあったお。
手には封筒が抱えられていたお。

('A`)「やあおはよう。早速だが殺してもいいか?」

(;^ω^)「いいわけないお」

('A`)「朝っぱらから幸せそうだよなお前ら」

( ^ω^)「あれ?ブーン達をみてたのかお」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:34:22.34 ID:6apTNQg/0

('A`)「生憎見たくないものほど目に入る性質でなぁ。描きたくもない漫画のネタばっかり提供しやがって……」

( ^ω^)「その封筒はなんだお?」

('A`)「漫画ですがなにか?もうすぐ雑誌の賞があるんでな。担当がうるさくて……まあ就職活動だ」

( ^ω^)「どんな漫画だお」

('A`)「ちばてつやもびっくり」

( ^ω^)「?」

('A`)「投函っと」
カポン



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:34:44.06 ID:6apTNQg/0

( ^ω^)「しかしすごいお」

('A`)「なにが?」

( ^ω^)「ドクオだお。よく漫画なんて描けるお」

('A`)「生憎とりえがこれしかないからな。ツンとよろしくヤッてるお前のほうがすごいよ」

(;^ω^)「ちょっ、はったおすお」


('A`)「そういえば今日はクー先輩の合格発表だよな?」

( ^ω^)「そうだお。今クー先輩とあったお」

('A`)「合格したんだってな。めでてーや」

( ^ω^)「……なんで知ってるんだお?」

('A`)「メールで聞いた」

( ^ω^)「…」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:35:40.10 ID:6apTNQg/0

('A`)「……嘘です。見栄張りました。アドレスすら知りません。ごめんなさい」

(;^ω^)「おまっ」

('A`)「俺も誰かにいたずらされてぇー!!」

ドクオがコンビニの中で人目もはばからず発狂したお。
ブーンもいたずらさせたくてされてるわけじゃないのに……どうなんだろう?

('A`)「まあ合格したんならめでたい。折角だからお祝いしようぜ」

( ^ω^)「おっお。それはいいお」

('A`)「よし、部長として部室の開放を許可する。食い物飲み物買い込んで学校行こうぜ」

( ^ω^)「学校開いてるのかお?」

('A`)「さっき行ったら開いてた。だって連絡網廻ってこないんだもん」

(;^ω^)「…」

('A`)「とりあえず使えるように先生に連絡してやんよ」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:36:37.18 ID:6apTNQg/0

ドクオと二人でいっぱい食べ物を買い込んだお。
前の漫画賞で貰ったはした金だって、全部ドクオ持ちにしてくれたお。
なんだかんだでドクオはしっかりしてるんだお。


('A`)「ちょっと重いじゃないの!持ちなさいよ!」

(;^ω^)「言葉遣いがきもいお」

('A`)「ツンの真似しただけじゃねーか」

( ^ω^)「ツンなら小石とかも積めて渡してくるお」

('A`)「はいごめんなさい。自分で持ちます」

( ^ω^)「半分持つお」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:37:31.46 ID:6apTNQg/0


('A`)「めんどくせぇなぁ。俺らも来年卒業かぁ」

( ^ω^)「ドクオはなにかやるのかお?」

('A`)「そうだなぁ。上京して漫画家のアシスタントでもやるよ」

( ^ω^)「おー」

('A`)「そんで毎日A☆KI☆BA巡廻だ。ウヒヒー」

(;^ω^)「…」

('A`)「お前はどーすんだよ」

( ^ω^)「ブーンかお?うー……なんにも考えてないお」

('A`)「あれ?受験すんじゃないのか?」

( ^ω^)「もう勉強なんてうんざりだお。ブーンは地元で細々と暮らすんだお」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:38:34.95 ID:6apTNQg/0

('A`)「?」

( ^ω^)「お?」

('A`)「いや、俺はてっきりツンと同じ大学でも受験すんのかと」

( ^ω^)「ツンと同じ大学?」

('A`)「だから、クー先輩の」

( ^ω^)「……ツンがそう言ったのかお?」

('A`)「いや、そういう流れかと」

( ^ω^)「そうかお……でもツンも地元の大学を受験するって言ってたお」

('A`)「そうなの?もったいねーなぁ。あいつならもっといい大学行けると思うけどなぁ」

( ^ω^)「…」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:39:14.25 ID:6apTNQg/0

ツンがクー先輩と同じ大学……?
でもツンはそんなこと言ってなかったお。確かにブーンと一緒にこの町で暮らすんだって……
でも、ツンのことを考えると……

('A`)「んでもどうすんだよ」

( ^ω^)「なにをだお」

('A`)「だから大学。ツンがあっちの大学行くっつったら」

( ^ω^)「…」

('A`)「ありえないはありえないからな。漫画の引用だが」

( ^ω^)「もちろんブーンは応援するお。ツンのためならブーンは喜んで背中を押すお!」

('A`)「ドヒー。カッコいいねー」

(;^ω^)「なんか腹立つお」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:39:35.39 ID:6apTNQg/0

('A`)「っつーかお前は美術的な道に通おうとは思わないのか?」

( ^ω^)「生憎ドクオ達みたいな才能はブーンにはないお。ブーンはみんなと仲良くしているだけで幸せだお」

('A`)「なんだそのセリフ。不覚にも勃起した」

(;^ω^)「おまっwwwwwww」

そうだお。
ツンが美大に行くっていっても……ブーンには無理だお。
だからブーンはそうなっても、ツンを応援するしかできないお……
でもいいんだお。ツンにはツンの人生があるから……

( ^ω^)「ブーンもツンが受験するなら大賛成だお」

ちょっとだけ、嘘ついたお。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:40:17.68 ID:6apTNQg/0

バス亭に戻ると、ツンがクー先輩に頭撫でられてたお。
なんだかツンは泣いているように見えて、顔を覗こうとしたらニット帽を顔に押さえつけられたお。


(;^ω^)「もごごっ」

('A`)「?」

川 ゚ -゚) 「どうしたんだその荷物。私はジュースを買ってきてといったはずだが」

('A`)「あれだほら、先輩の合格祝いってやつだ」

川 ゚ -゚) 「私の?」

( ^ω^)「そうだお。学校に行ってクー先輩のお祝いだお!」

川 ゚ -゚) 「待て。そんな急に」

('A`)「むりむりかたつむり?」

川 ゚ -゚) 「……君たちがそうしてくれるなら、断る理由はないよ」

( ^ω^)「なら決定だお!すぐに学校に行くお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「?」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:40:58.14 ID:6apTNQg/0

ツンがブーンの手を握って……いたたっ、指の先を押すなお。

川 ゚ -゚) 「じゃあ今日は後輩に甘えるよ。行こう」

('A`)「それじゃ、また学校でな」

( ^ω^)「?みんなで行かないのかお?」

川 ゚ -゚) 「一度帰って親に報告したい」

('A`)「俺はそのなんだ……アニメの予約?」

川 ゚ -゚) 「だからツンと二人で先に行っててくれ」

('A`)「そんな感じ」

( ^ω^)「うん?わかったお」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:42:31.17 ID:6apTNQg/0


('A`)「……これでいいのかね」

川 ゚ -゚) 「あぁ、というかよくわかったな。私があの二人を二人っきりにしたいなんて」

('A`)「漫画家志望だし」

川 ゚ -゚) 「関係あるのかそれは?まぁいい……先に学校に行っておこうか」

('A`)「ういっす」

川 ゚ -゚) 「だからツンと二人で先に行っててくれ」




バス亭にブーン達を残したまま、二人とも一度家に帰ったお。
ふっとベンチを見ると、俯いたままブーンの指を握ってるツンがいたお。



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:43:30.59 ID:6apTNQg/0

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「どうしたんだお?指痛いお」

ξ゚听)ξ「うるさい」

(;^ω^)「…」

ブーンもツンの横に座った。相変わらずツンは指を離さないお……

ξ゚听)ξ「……先輩よかったね」

( ^ω^)「うん」

ξ゚听)ξ「卒業したらすぐに引っ越すって」

( ^ω^)「そうかお……でも仕方ないお」

ξ゚听)ξ「みんなバラバラになっちゃうのかな?」

( ^ω^)「……ドクオも卒業したら上京するって言ってたお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「…」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:43:53.13 ID:6apTNQg/0

ξ゚听)ξ「で、どうするか決めた?」

( ^ω^)「ブーンかお?」

ξ゚听)ξ「や、やっぱり地元で働くの?」

(;^ω^)「おっお」

ξ゚听)ξ「ブーンがそれでいいならいいんだけどね……うん」

( ^ω^)「ツンはどうするんだお?」

ξ゚听)ξ「!わ、私は……前に言ったじゃない。私もここで」

( ^ω^)「ほんとにそれでいいのかお?」

ξ゚听)ξ「えっ?」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:44:18.57 ID:6apTNQg/0

何年ツンといると思ってるんだお。
ツンが泣いたことなんて、ブーンはお見通しだお。
こんなに目を真っ赤にして黙ってるツンを見るたびに……ブーンは話を聞いてあげるんだお。

( ^ω^)「ツンも先輩と同じ大学に行きたいんだお」

ξ゚听)ξ「そ、そんなことないわよ!誰が美大なんて……」

( ^ω^)「それにツンは、もっともっと絵の勉強をするべきだお。それは地元の学校じゃ限界があるお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「なんにも遠慮することないお?ツンも、頑張って大学に行くんだお!」

ξ゚听)ξ「ブーン……」

( ^ω^)「前にも言ったお。ブーンはいつでもツンを応援するんだお。ツンと離れるのは寂しいけど……ツンのためなら我慢するお」

ξ゚听)ξ「べ、べつにそんなんじゃ」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:45:07.23 ID:6apTNQg/0

( ^ω^)「ツンはブーンと離れ離れになって寂しくないのかお?」

ξ゚听)ξ「……教えない」

( ^ω^)「ブーンは寂しいお。でもねツン?」

ツンの頭に手を置く。
ちょっとだけツンがびくってなったけど、ゆっくり頭を撫でると安心した顔をしてくれた。

( ^ω^)「ツンのためなんだお。ツンは……ツンの絵はもっともっと、いろんな人に見せるべきなんだお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「波の花は、ずっとここで舞ってるんだお。ツンと二人で見てきた景色は変わらないんだお」

ξ゚听)ξ「…」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:45:34.63 ID:6apTNQg/0

( ^ω^)「ツンが寂しくなったら、すぐにここに戻ってくるんだお。ブーンはずっと花と一緒に待ってるから」

ξ゚听)ξ「ブーン……」

( ^ω^)「だからブーンは、ツンと離れ離れになっても我慢する。ツンも……頑張って受験するんだお」

ξ゚听)ξ「…」

ξ;凵G)ξ「…」

なにも言わずにツンを抱き寄せた。
抱き寄せる前に、バスがこないことを確認して。

ブーンに見えないように声を殺してツンが泣いてるんだお。だから、ブーンもそれを覗かない。
ブーンはツンを優しく抱いたまま、背中をぽんぽんしてあげるだけだお。
ツンが安心するまでこうしてあげるのが、ブーンの大切な役目なんだお。

ツンも背伸びしてブーンの肩に顔を乗せる。
ツンとのハグはどっちかというと貴重な体験だけど……ブーンは毎回ツンが疲れないようにちょっとしゃがむんだお。
そうしないと、ツンはずーっと抱きついてくるから大変なんだお。
それに……ブーンもツンから放れたくないお。ツンは世界中のどんな暖房器具よりも暖かくて優しいんだお。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:46:12.82 ID:6apTNQg/0

( ^ω^)「…」

ξ;凵G)ξ「ひっく……ぐしっ」

( ^ω^)「落ち着いたかお?」

ξ;凵G)ξ「…」
こちょこちょ

(;^ω^)「ふもっふwwくすぐったいおwwwww」

ξ゚听)ξ「ブーンのばか。女の子泣かせるなんて最低だわっ」
こちょこちょ

( ^ω^)「ご、ごめんなさいだおww謝るからくすぐらないでくれおwww」

ξ*゚听)ξ「だめ。泣かせた罰なんだからしばらくこうしてなさいっ」

ブーンに抱きついたまま、ツンは器用に脇をくすぐってアゴでブーンの肩を攻撃してくるお。
くすぐったくて腕を放そうとするとだめだって言われて……でもツンが嬉しそうだからこれでいいお。



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:47:39.90 ID:6apTNQg/0

ξ゚听)ξ「ブーンのばか。ばかばか」
こちょこちょ

( ^ω^)「おっおwww」

ξ゚听)ξ「……本当に大丈夫なんでしょうね?」

( ^ω^)「?」

ξ゚听)ξ「私がいないからって、気を抜いちゃだめだからね」

( ^ω^)「わかってるお」

ξ゚听)ξ「たまに帰ってきて、寝起きどっきりしてやるからね」

( ^ω^)「まあ……用心しておくお」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:48:24.55 ID:6apTNQg/0

ξ゚听)ξ「もう、ブーンがだらしない大人になるんじゃないかって心配で言い出せなかっただけなんだからね」

(;^ω^)「おっお」

ξ゚听)ξ「ブーンが大丈夫って言うから、私も安心して行くんだからねっ」

( ^ω^)「うん。ブーンは寂しいけど我慢できる子だお」

ξ゚听)ξ「……学校行こっか」

( ^ω^)「お」

学校までの道のりで、何度も何度もツンに手を引かれた。
相変わらず自分の行きたい方角に行こうとするから、ブーンも手を引いて学校まで案内したお。
雪はもう降ってないけど…また来年もこの海の傍をツンと歩けることを神様に祈った。
あとたった一年でもいい。それから何年会えなくてもいい。それまでの間でも……ブーンはツンの傍にいるお。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/19(水) 18:49:51.16 ID:6apTNQg/0

('A`)「おぉ、やっときた」

川 ゚ -゚) 「遅かったじゃないか」

( ^ω^)「おっお。ごめんなさいだお」

ξ゚听)ξ「ごめんなさい。ブーンが寄り道するって言うから」

(;^ω^)「おっ!?」

('A`)「ほらドア閉めろって。風が入ってきて寒い」

( ^ω^)「おっ」

テクテク


ガチャ


(;^ω^)「だから鍵を(ry」



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