ξ゚听)ξはいたずらっ子のようです

1: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:07:04.58 ID:CnzcQItg0

( -ω-)「zzz」 

ξ゚听)ξ「…」

キュッ、キュ(風船を捻る音)

( -ω-)「zzz」 

ξ゚听)ξ「……」

キューッ、キュッ(風船をひねry)

パン!!

( -ω-)「zzz」



3: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:07:49.19 ID:CnzcQItg0

ξ#゚听)ξ「…」
がしっ!
こちょこちょ……

( -ω-)「zzz……おっ」 

(;^ω^)「……おっおwwwwwく、くすぐったっ、ツン!」

ξ゚听)ξ「ブーン、おはよ」こちょこちょ

(;^ω^)「ちょっwwwくすぐらっwwwwないで!」

ξ*゚ー゚)ξ「嬉しいくせにー」こちょこちょ


ξ゚听)ξはいたずらっ子のようです



10: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:16:32.89 ID:CnzcQItg0
登場人物

ブーン
http://www.uploda.org/uporg1038838.jpg
ツン
http://www.uploda.org/uporg1038844.jpg
クー
http://www.uploda.org/uporg1038851.jpg
ドクオ(スルー推奨)
http://www.uploda.org/uporg1038857.jpg

全部取り逃し…本当に申し訳ないです…。

11: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:17:38.42 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「ねむ……おはようだお」

ξ゚听)ξ「うん。おはよう」

時計をみると……いつも通り6時。
クー先輩が卒業してから、ツンは毎日6時にはブーンの家に来るようになったんだお。

( ^ω^)「さむ……まだまだ寒いお」

ξ゚听)ξ「4月なのにね」

( ^ω^)「ところでツン」

ξ゚听)ξ「?」

( ^ω^)「クローゼットに仕舞ってあったブーンの制服が夏服になってるんだけど、なんでか知ってるかお?」

ξ゚听)ξ「さすがブーン。もう夏服でも大丈夫なのね」

(;^ω^)「…」



12: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:18:28.66 ID:CnzcQItg0

何者かによって部屋の外に丁寧に折りたたまれて出されていた冬服に袖を通して
廊下で着替えるのも日課となったブーンが部屋に入ると、ツンがブーンの本棚の……

(;^ω^)「ちょっww漫画のカバーを入れ替えないでくれおwww」

ξ゚听)ξ「え?なに?ん?」

(;^ω^)「おっお」

ξ゚听)ξ「あ」

( ^ω^)「?」

ξ゚听)ξ「なんかある。これ……なに?」

( ^ω^)「!」

ツンが本棚の後ろから取り出したのは古い大きなアルバム。
でも分厚くて、ブーンは頻繁に出し入れしていたアルバムだお。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/26(水) 22:19:04.64 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「なんだと思うお?」

ξ゚听)ξ「わかんない。鍵……なんで鍵閉めてるのよ」

( ^ω^)「いたずらっ子にいたずらされないようにだお」

ξ゚听)ξ「……」
めりめり…

Σ(;^ω^)「ちょっ、無理に開けようとしないでくれお」

ξ#゚听)ξ「なによなによ!どうせエッチなものなんでしょ!」

( ^ω^)「ち、違うお!」

ξ゚听)ξ「じゃあなによ?」

( ^ω^)「気になるかお?」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「こっち来るお」



14: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:19:34.31 ID:CnzcQItg0

ツンをブーンのベッドに座らせて、机の中から……だれだお。ブーンの机に落ち葉を詰めたのは。
そうじゃなくて、机の引き出しの敷板の下の……ほら、ここに鍵があるんだお。

ξ゚听)ξ「なによそれ怪しいわね」

( ^ω^)「おっお。アルバム貸してくれお」

ξ゚听)ξ「はい」

カチャ

ξ゚听)ξ「……?」

( ^ω^)「今までツンに貰った絵だお。」

ξ゚听)ξ「え?」

ブーンの宝物。
小さい頃から、ツンが描く度にブーンにくれてた絵。それをこうやってアルバムに挟んでおいたんだお。

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「ブーンが嫌だっていうのに無理矢理変な帽子を被らされて、それをツンが描いた絵だお」

ξ゚听)ξ「…」



16: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:20:38.86 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「こっちは小学校の遠足でツンが描いてた風景画だお。水色がなくて池が真っ白なままだお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「これは中学の時に、文化祭にツンが出した絵だお。なにかの賞に出すんだと思ったら、ブーンにくれたからびっくりしたお」

ξ゚听)ξ「これ、お祭りに行ったときに撮った写真の絵」

( ^ω^)「お?そうだお。ツンに命令されて射的でいっぱい景品とったときの絵だお」

ξ゚听)ξ「これは天体観測した時の……」

( ^ω^)「おっお」

ξ゚听)ξ「全部……保管しててくれたの?」

( ^ω^)「もちろんだお。ツンからもらった大切な絵だお。一枚たりともなくした絵はないお」

ξ゚听)ξ「……ブーン」

( ^ω^)「ん?」



18: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:21:50.29 ID:CnzcQItg0

ξ*゚听)ξ「ば、ばか。ブーンのバカ!こんなの幾らでも描いてあげるのに、保存なんかしなくていいのよ!」

( ^ω^)「そんなこと言われても、ブーンが勝手にそうしてるだけだお。ツンには関係ないんだお」

ξ*゚ー゚)ξ「なによその言い草!ブーンの……バカ!」
ぽふっ!
(;^ω^)「ちょっ、重いお。なんだお」

ξ゚听)ξ「うるさいうるさい!べ、別にブーンのために描いてたわけじゃないんだからね!」

( ^ω^)「はいはいお」

ツンを膝にのせて、二人でアルバムを捲るお。
あの日、ツンがブーンに大学を受験するって言ってくれたあの日から……ツンとの距離はどんどん近くなって
本当のコトを言うと、このままツンとバイバイするのは……

ξ゚听)ξ「ブーン?」

( ^ω^)「?ど、どうしたお?」

ξ゚听)ξ「なにぼーっとしてんのよ?えいっ」
こちょこちょ
(;^ω^)「おっおww」



21: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:22:47.31 ID:CnzcQItg0

ううん。
ブーンはなんにも変わらないお。
ツンが自分の進みたい道に進むんだから、ブーンがそれを応援しないでどうするお。

ξ゚听)ξ「いっぱい描いてたんだね。私」

( ^ω^)「うん。ツンはそれを全部ブーンにくれたんだお」

ξ゚听)ξ「ブ、ブーンが描いてって言うから」

( ^ω^)「そうだっけかお?」

ξ゚听)ξ「そうなの」

( ^ω^)「じゃあそうだお」

ξ*゚ー゚)ξ「…」

( ^ω^)「ツンはこれからも、いっぱい絵を描くんだお」

ξ*^ー^)ξ「うん。残念ながらブーンにはみせられませんけどねー?」

( ^ω^)「おっおww」



23: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:24:36.60 ID:CnzcQItg0

そうこうしてると登校時間になってたお。
そういえば今年に入ってブーンは一度も自分の自転車のサドルを見ていないお。
ツンの自転車に跨ろうとすると、今日はツンが漕ぐって言ってきかないお。

ξ゚听)ξ「ほらブーン後ろ」

(;^ω^)「大丈夫かお?」

ξ゚听)ξ「大丈夫。何歳だと思ってるのよ?」

( ^ω^)「じゃあお願いしますお」

ξ゚听)ξ「うん」
ガシャ

ξ゚听)ξ「あれ……ブーン太った?重い」

( ^ω^)「それはいつと比べてるんだお。急激には変わってないお」

ξ゚听)ξ「しばらく後ろに乗せないうちに大きくなって……」

( ^ω^)「さっきツンを抱っこしたときは、若干のどっしり感を――」
ギュゥゥ

Σ(  ;゚ω゚  )「いだだだっ!ご、ごめんなさいだお!嘘だお!ほっぺだるだるになるお!」



24: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:25:57.26 ID:CnzcQItg0

キコキコ
ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「…」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「あの」

ξ゚听)ξ「うん?」

( ^ω^)「どこに向かってるんだお」

ξ゚听)ξ「海」

(;^ω^)「学校はどうしたお!?」

ξ゚听)ξ「いいじゃない。たまには遅刻するの」

(;^ω^)「自転車漕がせろってこういうことかお」

ξ゚听)ξ「う、動くなー!バランス崩れるでしょ!」

(;^ω^)「うおっww」


('A`)「なんだあいつら。なんで逆方向?」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/09/26(水) 22:28:04.79 ID:CnzcQItg0


ξ゚听)ξ「?」

( ^ω^)「どうしたんだお?」

ξ゚听)ξ「なんか、今ドクオの気配が」

( ^ω^)「?気のせいだお」

ξ゚听)ξ「そうね」


海はもう、波の花はひとつも浮いてないお。
ただ風が吹いてるだけの寂しい海になってたお。

ξ゚听)ξ「なんにもないなぁ」

( ^ω^)「仕方ないお」

ξ゚听)ξ「……また年末かぁ」

( ^ω^)「おっお。すぐにまた見れるお」

ξ゚听)ξ「すぐなんて嫌よ。ゆっくりでいいの」



27: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:30:16.44 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「なんでもない」

( ^ω^)「そういえばツン」

ξ゚听)ξ「?」

( ^ω^)「去年描いてた、波の花の絵はどうしたんだお?」

ξ゚听)ξ「……あぁ、あれ?」

( ^ω^)「最近見かけないお。でも完成してる様子も……」

ξ゚听)ξ「受験に向けて忙しいからね。ストップしてるの」

( ^ω^)「そうかお」

ξ゚听)ξ「…」

( ^ω^)「ん?考えてみたら……この海をツンが描いてる絵がないお」

ξ゚听)ξ「!」



29: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:33:09.58 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「あれ?おかしいお……でも見せてもらった記憶が……あれれ?」

ξ゚听)ξ「き、気のせいよ!いっぱい描いてるわよ!忘れっぽいなぁブーンは」

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「さ、学校行くわよ!遅刻したって知らないから!」

(;^ω^)「え?ブーンは走るの!?」

ξ゚听)ξ「じゃあ学校でね」

(;^ω^)「ちょっ、ツーン!!」

ξ゚听)ξ「仕方ないから鞄は持っていってあげるわ!」

(;^ω^)「そういう問題じゃないおー!」



ξ゚听)ξ「……波の花の絵か……そっか」



30: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:35:54.40 ID:CnzcQItg0


さすがに冷や汗が出たお。
バス亭でツンが待っててくれたけど、そこからは漕がされて学校についたときにはもうクタクタだったお。
おかげで先に靴箱に入っていったツンに上靴を奪われて、取り返す前に教室に走られて、鉢合わせになった先生に
「おめーの席ねーからぁ!!」とか言われたお。ってなんでブーンんだけなんだお?

ξ゚听)ξ「先生に怒られてたね」

(;^ω^)「なんでブーンだけなんだお」

ξ゚听)ξ「私ギリギリセーフだったもん。で、ブーンはゆっくり歩いてきてますよって言っといた」

(;^ω^)「それだお」

('A`)「ヘビーウェーイチャンピオーン」

( ^ω^)「その掛け声はなんだお。おはようだお」

('A`)「はい、おはようさん」

ξ゚听)ξ「おはよう」

('A`)「おはよう。ほらツン、クー先輩からなんか小包。大学の資料とかなんとか」

ξ゚听)ξ「え?あ、うん。ありがとう」



38: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:39:48.36 ID:CnzcQItg0

('A`)「それじゃ、ゴッドブレスユー」


ξ゚听)ξ「……なんでドクオを介して?」

( ^ω^)「部長だからじゃないかお?」

ξ゚听)ξ「あ、そういうことかな」

( ^ω^)「多分」

ξ゚听)ξ「開けてみよっと」
ゴソゴソ

(;^ω^)「おわ、なんかいっぱいプリント出てきたお……」

ξ゚听)ξ「それに参考書?あ、クー先輩が使ってたんだって……わー」

( ^ω^)「ほんとに先輩には頭が上がらないお。あとでありがとうの電話しとくんだお?」

ξ゚听)ξ「もちろん」


昼休みになると、中庭でツンと二人でクー先輩からの贈り物を広げてみたお。
大学の資料、過去問題集。過去の平面構成の資料。あとは大学周辺地図やブーンには見せてくれなかったけどツン宛ての手紙。
さすがに大きな街だから、地図を見てるだけでも飽きないお。



39: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:41:04.50 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「すごいお。この街なんて比較することすらできないお」

ξ゚听)ξ「都会っ子になれるわね。クー先輩水が不味くって大変だって」

( ^ω^)「おっお」

ξ゚听)ξ「ちょっと先輩にお礼の電話してくるね」

( ^ω^)「言ってらっしゃいだお」


( ^ω^)「……ほんとに大きな街だお」

( ^ω^)「ツン、一人で大丈夫なのかお?心配だけど……ううん、きっと大丈夫だお」

('A`)「ブーン、なにしてるんだ?もしくはなにをしていないんだ?」

( ^ω^)「ドクオ。地図眺めてたんだお」

('A`)「海図?」

(;^ω^)「地図っつってんだろうが」

('A`)「ごめんごめん。海賊王に見えたからさ」



40: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:41:53.54 ID:CnzcQItg0

そういえばドクオが冬に送ってた漫画。
見事に新人賞を勝ち取ってたお。なんだか異例の若さとか言われてたお。
高校生が描く任侠漫画って……まあとにかくすごいお。

('A`)「おぉ、さすが都会。クー先輩の大学だけじゃなくていろいろあるなこれ」

( ^ω^)「大きなマンションやショッピングモール、専門学校なんかも沢山だお」

('A`)「俺も来年なぁ……あー」

( ^ω^)「頑張れお」

('A`)「まあ頑張るよ。で、お前どーすんの?」

( ^ω^)「だからブーンはここに残るお。ここでみんなが帰ってくるのを待ってるお」

('A`)「いやん。田舎にこんな可愛い子を残して俺寂しいわぁ」

( ^ω^)「友達やめていいかお?」

ξ゚听)ξ「ただいま。先輩元気そうだったわ」

('A`)「おかえり。ご飯は炊けてないしお風呂も沸いてないわよ。そのうえ私は」



41: 甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:42:55.84 ID:CnzcQItg0

( ^ω^)「…」

ξ゚听)ξ「…」

('A`)「……二次元が大好きです……」

( ^ω^)「もう昼休み終わるお。教室に帰るお」

ξ゚听)ξ「はいじゃあブーン。資料持ってきてね」

( ^ω^)「おっお」

パサ。

( ^ω^)「おっ?一枚落ちたお」

( ^ω^)「……?」



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