(ヽ゚ω゚)ブーンが拒食症になったようです

276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/05(木) 23:13:08.51 ID:+R46SHcM0
  
( ´ω`)(よく寝たお・・)
ブーンが目覚めるとすでに夜中だった
(;´ω`)「寝過ぎたお・・・とりあえずシャワーあびるお・・」
ブーンは着替えをもって、風呂へ向かった
そこでやっぱり目に付くのは、体重計だった
( ´ω`)「・・・・そういや、昨日食べ過ぎたお」
ブーンはおそるおそる体重計に乗ってみた
( ゚ω゚)「!!!!!・・・・2キロも増えてる・・・・!!!!!」
ブーンは思わずその場で尻餅をついた
(;゚ω゚)「や、やばいお・・・せっかく痩せたのに・・・これ以上ツンに嫌われるお・・・」
ブーンは風呂を中止し、ふらふらと居間へ行きソファに倒れた



288: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:17:20.74 ID:+R46SHcM0
  
(;゚ω゚)(やばいおやばいお・・・最悪だお・・・・もう食べちゃだめだお・・・)
ブーンは背中をまるめ、がくがくと震えだした
だが
ぐるるるるるるうr・・・・
ブーンの腹は容赦なく鳴り始めた
昨日の食事のおかげで、胃が正常に働き始めたのだ
(;゚ω゚)(だめだお・・・・ダメだお・・・・)
ブーンは腹をなぐった
渾身の力をこめ、おもわず胃液を吐き出すほど殴った
だが、それでも腹は鳴りやまない
二ヶ月前はこれで大丈夫だったのに・・・
(;゚ω゚)(だめだだめだだめだだめだ・・・・・・・!!!!!)
ブーンは必死に自分と戦い、
ぷちっと切れた



301: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:22:12.85 ID:+R46SHcM0
  
( ω )(・・・・・)
ブーンは立ち上がり、冷蔵庫からありとあらゆるものを取り出した
ついでに、冷凍庫のものも全て解凍した
戸棚にはさすがに何も入っていなかった
( ω )(食べてもいいお。もうどうでもいいお)
部屋中にいい匂いがした
冷凍ご飯、ハンバーグ、エビフライ、サラダ、ベーコン、ポタージュ、漬け物、カボチャの煮染め、ショウガ焼きの残り・・・
さらにはカップラーメンにもお湯を入れまくり、3分と待たずにふたをあけた
( ω )「むしゃむしゃむしゃばぐばぐばぐばぐばぐ!!!!!」
ブーンは無心になり、ものすごい勢いで食べ続けた
箸を使うのもめんどくさく、スプーンで、素手で食べられるものは左手の素手で食べた
両方の手を使って食べるのは初めてだった
( ω )(もういいお!くえればいいお!どうでもいいおおお!!!)



320: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:27:45.97 ID:+R46SHcM0
  
ブーンはこれらを全て一時間で食べきった
食材がなくなると、ブーンは両手をだらんとぶら下げ、大きく息を吐いた
( ω )「・・・・・」
( ゚ω゚)「・・・・・ん?」
ブーンはふと、我に返った
(;゚ω゚)「僕は・・・なんてことを・・・・」
ブーンはようやく自分の胃の苦しさと、現状を目の当たりにした
昨日以上のゴミ 食い散らかされた食卓
犬が食べたとも言っても分からぬほど、荒れていた
(;゚ω゚)「やばいお食べ過ぎたおまた太るおおおおおお!!!!!」
ブーンは口をおさえ、トイレへ直行した
(;゚ω゚)(全て吐けば問題無いお!)
便器のふたを開けると、ブーンはのどに指をつっこんだ



338: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:34:21.79 ID:+R46SHcM0
  
腹にいっぱい詰め込んでいたせいか、すんなりと胃の中の物は出てきた
滝、と例えると滝に失礼だろうが、ブーンは修学旅行で見た大きな滝を思い出した
とどまることを知らず、次々と流れ出てくる滝
さっき食べたラーメンが、消化されていない エビフライのしっぽもそのまま出てきた
(;゚ω゚)「うっ・・・!」
途中、ハンバーグが喉に詰まって死にかけたが、それでもブーンは吐くのを辞めなかった
(;゚ω゚)(の、喉がひりひりするお・・・)
全て出すまでの我慢だ
ブーンは必死ではき続け、トイレをつまらせないように時折流しながら顔を真っ赤にして吐いた
そしてついに、ブーンの口からは胃液しか出なくなった
(ヽ゚ω゚)「はあ・・・はあ・・・・」
ブーンは涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった
口がすっぱいものでいっぱいになった



355: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:42:06.71 ID:+R46SHcM0
  
(;ヽ゚ω゚)「苦しかったお・・・」
最後のものを流し、ブーンは口をゆすぎに洗面所へ行った
(ヽ´ω`)(そういえば吐いたのなんて、小学校以来だお・・・)
小学校の時、まだ生きていた父と母と3人で焼き肉に行き、調子に乗ったブーンが食べ過ぎて吐いてしまった
その時も苦しかった でも、今はそれ以上に苦しい
口をゆすいでも、まだ口の中に味が残った
(ヽ´ω`)(まだ胃の中に残っている気がするお・・・)
ブーンは口を濯いで鏡の中の自分を見た
髪の毛はぼさぼさ、目は充血していて口の周りは真っ赤に荒れていた
(ヽ;ω;)「ぼ、僕はかーちゃんと食べ物にとんでもないことしてしまったお・・・」
(ヽ;ω;)「命を捧げてくれた豚さん達に・・・・うう・・・」
ブーンは鏡を見ながら泣いた 
いっそ自分を殺してくれ 
19年の人生で、ブーンは初めて死にたいと思った



403: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/05(木) 23:54:37.17 ID:+R46SHcM0
  
久しぶりに携帯電話の電源を入れると、ドクオからメールが届いていた
('A`)『おーい生きてるか?お前がツンに振られたって知らなかったよ・・・ごめんな』
('A`)『励ましてやるからよ、飲みいかないか?おごってやるぞw』
('A`)『お前の大好きなアップルパイが購買で再販になったぞ。早く学校来い』
(ヽ゚ω゚)「・・・・・」
あれからブーンは食事もとらず、水も取らずに部屋にこもっていた
三日目にもなると意識がうすれ、眠っている時間が増えた
それでも部屋から出られない 自分はこのまま死んだ方がいい
ブーンは布団の中で餓死するのを待っていた
J( 'ー`)し「ブーン、入るわよ」
母が入ってきても、ブーンは反応しなかった
J( 'ー`)し「ブーン・・・あなたももう大人だから黙ってみていたけど、そろそろかーちゃん限界だよ」
(ヽ゚ω゚)「・・・・何がだお」
J( 'ー`)し「病院へ行きましょう。病院に行って、ゆっくり休みましょう」
(ヽ゚ω゚)「びょ、病院!?」
ブーンはがばっと布団から起きあがった
J( 'ー`)し「そう、病院。ブーン、鬱病っぽいから」
(ヽ゚ω゚)「ブーンは病気じゃないお!!!!!!!」
ブーンは目を血走らせて怒鳴った
J( 'ー`)し「で、でもブーン。あなた、ここ二ヶ月で随分痩せちゃって・・学校で何かあったんじゃないかって・・・」
(ヽ゚ω゚)「違うお!ダイエットだお!そりゃ僕も学校では色々あるお!でもかーちゃんが口出すすんなだお!!でてけええええ!」
ブーンは枕や目覚まし時計など、手当たり次第母になげつけた
幸い、あたったのは枕だけだったが、母は涙をこらえて部屋を出ていった
J( 'ー`)し「ブーン・・・かーちゃん分かってあげられなくてごめんね・・・」
(ヽ゚ω゚)「はあ・・・は・・・はあ・・・・・」
ブーンにはもう正気と言うものがなかった



433: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:02:26.74 ID:7Rx9I6Wd0
  
夜中、ブーンはふらふらと無意識に台所に向かっていた
( ω )(・・・・食べ物・・・)
戸棚には数日前までなかったパンやお菓子、冷蔵庫にも食料が元に戻っていた
( ω )(喰うお・・・・・吐けばいいんだお・・・・)
ブーンは大好きなアップルパンを手に取った
その時、
(;ヽ゚ω゚)「は!・・・・僕はまた・・・」
ブーンは間一髪で正気に戻った
(;ヽ゚ω゚)「だめだお、だめだお!」
ブーンは戸棚にパンを戻そうとしたが、手がパンを離さない
( ω )(喰っても・・・・我慢出来ないお・・)
(;ヽ゚ω゚)「!だめだおおおお!」
ブーンは思い切ってパンを全て取り出し、ゴミ袋へ放り込んだ
それだけじゃたりず、冷蔵庫の食料も、ブーンが食べれると思ったものも全て放り込み、
最後にコーラやジュースや水を流してゴミ袋をしばった
(ヽ゚ω゚)「こんなものおおおおお!!!」
ブーンはゴミ袋を踏みつけた 力の限り踏みつけた
まるでなにかの恨みでもはらすかのようにひたすら踏み続けた



459: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:09:13.19 ID:7Rx9I6Wd0
  
それから一ヶ月
ブーンは母と食料から逃げるために、久々に学校に行くことにした
まず、ドクオにあわねば・・・
ずっとメールをくれていたのに、一通も返していなかったのを、ブーンは悪いと思っていた
謝らなきゃ・・・
ブーンは食堂へ向かった
(ヽω )「おいすー・・・」
('A`)「おお!ようやく来たな失恋登校拒否・・・!?」
('A`;)「おま、なんだそれは!!!!?」
ドクオは我が目を疑った
そこには、親友ブーンのはずなのにブーンとは別人が立っていた
顔はぱんぱんにむくんでいるのに手足は骨のようにやせ細り、顔色は悪い
髪の毛はぼさぼさで艶が無く、目は血走っていた
指なんて、もう折れそうだった
('A`;)「ブーン・・・お前、何があったんだ」
(ヽω )「何もないお。大丈夫だお」
('A`;)「何もなくないだろ!一ヶ月、どうしていたんだよ!」
(ヽω )「・・・・」
ブーンは、この一ヶ月を思い出した



509: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:16:40.39 ID:7Rx9I6Wd0
  
一ヶ月
ブーンはあいかわらず過食嘔吐衝動と戦っていた
食べたい 吐きたい 痩せたい 食べたくない
(;ヽ゚ω゚)「うえっ・・・えっ・・・・はあ・・はあ・・」
たまに我慢できなく、過食嘔吐してしまう時もあった
過食嘔吐か拒食 ブーンの生活は極端だった
(ヽ゚ω゚)(でもこつを覚えたお・・・前より吐きやすいお・・・)
ブーンはいらない知恵を身につけていた
水を大量に飲みながらだと吐きやすく、最初にラーメンなど麺類を食べるとすごくスムーズ出せた
逆に、米などはいくら吐いても一切でてこなかった
実際、米を食べた次の日は体重が増えていた
(ヽ;ω;)(無駄だって分かっても、食欲おさまらないお・・・体重も増えたくないお・・・)
ブーンは葛藤と絶望を繰り返し、気が付けば一ヶ月たっていた



539: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:20:36.66 ID:7Rx9I6Wd0
  
(ヽω )「ドクオ、メールかえさなくってごめんお・・・」
('A`;)「んなこといーよ!お前・・・まさか躁鬱病か?」
ブーンは首を横に振った
(ヽω )「鬱病って手首を切ったりするんだお・・・そんな痛そうなこと出来ないお」
('A`;)「じゃあお前一体・・・」
(ヽω )「ツンに会ってくるお」
('A`;)「ブーン!」



597: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:27:59.59 ID:7Rx9I6Wd0
  
(ヽω )(ツン・・・ツン・・・・)
ブーンはぼやける視界で、ツンをさがした
環境科学学部は遠い 今のブーンには相当な体力の消耗になる
(ヽω )(ついたお。ツンさがすお・・・)
ブーンは教室をきょろきょろと探した
ブーンは気が付いていなかった。ブーンを見る人達の異様な目。まるで化け物でも見るかのような、軽蔑と恐怖の目。
(ヽω )「あの、ツンは・・・」
ブーンは適当な人に声をかけた
(;-@∀@)「ひ!・・・は、はい、ツンちゃんですね!すぐ呼びますよ!」
(ヽω )「おねがいしますだお・・・」
(ヽω )(ツン・・・)
ブーンはすわっていられなくなり、ドアの所に座り込んだ
やがて彼がツンを連れてきた
カッシャーン・・・・
ツンは持っていた携帯電話を、床にするっと落としてしまった
ξ゚听)ξ「ぶー・・・ん・・・なの?」
(ヽω )「ツン・・・・」



650: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:35:29.74 ID:7Rx9I6Wd0
  
二人はあの第4校舎の裏、噴水の前に来ていた
ξ゚听)ξ「・・・・」
(ヽω )「・・・・」
あのときと同じように、ブーンはベンチにすわってツンは立っていた
違うのは、ツンの髪の長さとブーンの姿形だけだった
噴水が間欠泉のように吹き出ていて、周りには雀が集まって遊んでいた
ξ゚听)ξ「ブーン・・・何があったの?」
ツンが問いかけても、ブーンはだまって噴水を眺めていた
ξ゚听)ξ「そんな痩せ方異常よ!あきらかに栄養失調じゃないの・・・」
(ヽω )「・・・・」
ξ゚听)ξ「ねえ、何があったの?ドクオに聞いたけど、最近学校に来ていなかったみたいじゃない」
(ヽω )「・・・・」
ξ゚听)ξ「ブーン!」
(ヽω )「・・・・・・ツン」
ξ゚听)ξ「・・・何よ」
(ヽω )「会いたかったお」
ξ゚听)ξ「!!」



710: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:47:18.97 ID:7Rx9I6Wd0
  
ξ゚听)ξ「あんたまさか・・私にふられたショックで・・?」
(ヽω )「・・・・」
ξ゚听)ξ「私が、デブっていったからこんなんになっちゃったの・・・?」
ツンは体が震えた 目からは涙があふれ、その場に膝をついた
ξ;;)ξ「ごめん、ごめんねブーン・・・私のせいで・・・」
地面に涙がこぼれた。
これがどっかのストーカーだったらいい。自分には関係ない
だが最愛だった恋人が、自分のせいでこんな骸骨にまでなるなんて
ツンはまるで人を殺した気持ちになった
ξ;;)ξ「ごめんねブーン。私、本当はブーンのこと嫌いになっていなかったの・・・。でも、太ったあなたはと付き合っていたら、みんなに笑われるから・・・・
痩せて教室に尋ねてくれた時も、本当はやり直せるかなって思ったけど・・・みんなの目があって・・あんな態度とっちゃって・・・」
ブーンは静かに微笑んだ
(ヽω )「ツンのせいじゃないお」
ツンは顔を上げた ブーンがよろめきながらも、自分に近づいてきてくれ、肩をだいてくれた
(ヽ^ω^「ツンが照れ屋なのは知ってたお。これは僕自身が悪かったんだお・・・」
その手は異常に冷たくて、細くて、握り返すと砕けてしまいそうだった
でも、ツンにとってはなによりの待っていたものだった
例えそれが理想の腕とは違っても、ツンは悲しくて嬉しかった
ξ;;)ξ「ブーン・・・ブーン!ごめんね・・・!」
ツンがブーンを抱きしめた瞬間、
ブーンが、ツンに寄りかかるように倒れた



751: ◆ozOtJW9BFA :2006/10/06(金) 00:51:25.57 ID:7Rx9I6Wd0
  
ξ゚听)ξ「ブーン!」
ツンがブーンを揺り起こしたが、すでにブーンの意識は無かった
ξ;;)ξ「誰か、誰か来て!ブーンが!」
ツンは叫び、ブーンの肩を担いで運びだそうとした
ξ゚听)ξ「!」
ツンは改めてブーンの軽さに驚いた
自分以下、いやそれ以上
どうしてこんなになるまで放っておいたのだろう
とにかく、早く助けなきゃブーンが死んでしまう
ツンは力の限りに、人混みまでブーンを担いで走った



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