( ^ω^)達はみっちり詰まっているようです

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/05(金) 01:16:59.44 ID:wDrg0NM00
13:17『ボクの場合』

(;^ω^)「ハッ……ハッ……」

ボクは、プリン片手に走っていた。
まだ夏は終っていないと最後の悪足掻き見せる太陽の下、休日の住宅街を全力で走っていた。
通行人や車を必死で避けながら、脇目も振らずに走っていた。

(;^ω^)「何で……プリン一つでこんな目に逢わなきゃならないんだお……」

愚痴を零しながらも足は止めない。少しでも足を止めれば掴まってしまう。
だからボクは走り続けなければならない。
後ろから迫り来る、

ξ#゚听)ξ「待てコラァァァァァァァァッ!」

怒り狂う嫁という存在から逃げる為に。



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/05(金) 01:18:38.35 ID:wDrg0NM00
(;゚ω゚)「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!」

ξ#゚听)ξ「止まれやコラァァァァァァッ!」

プリン三個セットの内一つを食べただけでここまで切れるなんて誰が予想できようか。
確かに食べたのは最後の一つ。何らかの補正が掛かっていても仕方が無い。
しかし、何故だ。

何故、時々恐いけど温厚な嫁がその程度の事でここまで怒り狂う。
何故、料理上手でプリンを本当に幸せそうに食べる嫁がここまで切れる。
何故、三食プリンでも構わないと豪語する優しい嫁がここまで殺気立つ。
何故、笑顔の似合う、バケツプリンを余裕で完食する嫁が髪を振り乱しながら僕を追いかける。

……うん、絶対切れるってちょっと考えれば分かるじゃん。
プリンラストONEを食ってる自分の姿を見られたらどうなるか、簡単に予想出来るじゃん。

(;^ω^)「……じゃなくて!ツン、頼むから落ち着いてくれお!」

ξ#゚听)ξ「ドリルで穿ってやんよぉぉぉぉぉぉっ!キュィィィィン!」

彼女の叫びと共に、側頭部に生えた一対のドリルが唸りを上げる。
どうやらDQNが気安く言う切れるのレベルはとっくの昔に通り越しているらしい。
今の彼女との交渉は、どんなネゴシエーターにも無理だろう。
止めれるとすれば、超一流菓子職人くらいしか浮かばない。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/05(金) 01:20:16.13 ID:wDrg0NM00
(;^ω^)「ガチで勘弁してくれお!」

ξ#゚听)ξ「オレサマ!オマエ!マルカジリ!」

訂正、お菓子現物じゃないと止まりそうにありません。

嫁との距離はおよそ30m程度。
男女の筋力差を考えれば、このまま走り続けていれば振り切れるかもしれない。
だが……果たして嫁を相手にして振り切れるだろうか。

(;^ω^)(……まず無理だお)

脳裏に浮かぶは高校時代の嫁。
ボクと共に陸上部に所属し、長距離走で高校記録を塗り替えた嫁。
結婚して第一線を退いたと言えども、その肉体は微塵も衰えていない。
生活を共にしている自分が言うのだから間違いない。

(;^ω^)(……どこか、隠れる場所は無いかお……)

嫁が落ち着くまでの時間を稼げる場所。
普通の場所じゃ駄目だ。
できる事なら嫁が気にも留めないような……



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/05(金) 01:21:18.16 ID:wDrg0NM00
(;∵)(……ピコーン!)

一つ、あった。
それは、通常であれば異質な存在。
だが、ここらに住んでいる人であれば全く気にしない存在。
日課である早朝ジョギングの最中に見つけた、道端に放置されたロッカー。
其れが確かこの曲がり角の先に……

(;^ω^)「あったお!」

ボクはロッカーを開くと、躊躇する事なくその身を中に滑り込ませた。

13:25『副題:まず、内藤ホライゾンをぶち込みます』



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