('、`*川新聞部が嘘吐きを探すようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:25:07.59 ID:qez0fIjeO

休日は寝て過ごすのがペニサスの習慣。
今日は日曜日だから、彼女はパクったままの毛布を被り部室で睡眠を貪っていた。

(-、-*川「……ヵッォ……ぉゃっょヵッォ……」

椅子並べベッドという場所の所為か浅い眠りのようで、彼女は夢を見ているらしい。
内容はまぁ……どうでもいいだろう。

(-、-*川「ぉヵヵぉぃιぃ……?」

(-、-*川「そりゃァ美味しいよねッ!!
      だってお姉ちゃんのお肉だもんッ!!!1!」

現在他の部員達は、個展会場の片付けを行っている。
この女は平気な顔して手伝っていないが、帰らないだけまだマシなのかもしれない。

(-、-*川「ペロ……これは青酸カrぐぁぁ……」

先日行われた文化祭だが、バスケ部対野球部の乱闘事件以外は目立った障害は無かった。
まぁ体育館付近に居た人達には影響があっただろうが。

(-、-*川「3分間待ってやる……」

結果的には、前々からの目玉でもあった学生ライブが物の見事に大盛況。
その良い煽りも受けたのか、VIP高校学園祭は成功を収めたという意見の方が強い。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:27:46.23 ID:qez0fIjeO

(-、-*川「……時間だ、答えを聞こう」

まぁ乱闘の首謀者のせいで、後半気が気じゃなかったのも数人は居る。
そんな彼女らには、今年は最悪の文化祭だったのかもしれない。

('、`♯川「バルスッ!!」

ζ(゚ー゚;ζ「うわッ!?」

そんな彼女らの1人、デレ。

片付けも終わり部長を呼びに来たのだが、起こす直前に崩壊の呪文を唱えられた。
幸いここは地に足を付く学校で、ペニサスは飛行石を持っていなかったからデレの目は無事だ。

持っていたらペニサスにゲンコツが飛んでいただろう。

('、`*川「ん……あぁ……夢か」

ζ(゚ー゚;ζ「ビックリさせないで下さいよ……」

3つ4つの違う世界を彷徨っていたようだが、なんとか部長は帰って来れた。
次は自宅に帰るのだが、どうにも彼女は寝足りないらしい。

大きな欠伸の後デレに手を借り立ち上がると、ペニサスは鍵を閉めた部室を後にした。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:29:27.10 ID:qez0fIjeO








 第10話「絵盗難事件」









8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:31:22.97 ID:qez0fIjeO


(#゚;;-゚) 「あまりに数が多かったようで、
      部員達は自宅謹慎で済まされたようです。
      ですがギコ先輩だけ、1週間の停学を喰らったみたいです」

l从・∀・ノ!リ人「ギコにゃんは筆頭だし、それはしょうがないのじゃ〜」

ζ(゚ー゚;ζ「……ギコ……にゃん?」

('、`*川「流石でぃちゃん仕事が早い。
     他に文化祭で特筆するような事はあった?」

l从・∀・ノ!リノシ「はいはーい!
        なんか美術部の個展で、絵が盗まれたようなのじゃ!」

('、`*川「盗まれた? なに、有名画家の絵でも飾ってたの?」

l从・∀・ノ!リ人「うんにゃ、部員が書いた絵なのじゃ。
       んでもってその絵、とある女生徒がモデルの絵らしいのじゃ」

(#゚;;-゚) 「……また変な事件だな」

ζ(゚ー゚*ζ「そんな絵を盗って何するんだろう……?」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:33:17.68 ID:qez0fIjeO

('、`*川「んー……他は?」

(#゚;;-゚) 「私からはありません」

ζ(゚ー゚*ζ「すみません、私は何も……」

l从・∀・ノ!リ人「妹者も以上なのじゃー」

('、`*川「んじゃ、その絵の事件を頭文字Dで追って。
     妹者ちゃんは乱闘事件のまとめ、よろしこー」

月、火が振り替え休日になった為、今日は水曜日。
いくら日程にズレが生じても、木曜には刊行をしなければならない。

まぁ文化祭という一大行事。
適当なネタならゴロゴロ転がっていて、載せ放題の新聞祭りだ。

それでもなるべく面白い事件を探すのが、ペニサスが治める新聞部の基本方針。

稀に例外はあれども、今回はその方針に乗っ取り行動をしていた。

ζ(゚ー゚*ζ「そんな訳で私達は美術部にやって来たのだ」

(#゚;;-゚) 「……誰に言ってるんですか?」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:35:38.58 ID:qez0fIjeO

天然デレは、美術室にトラウマは残ってないらしい。
もしかしたら押し隠しているのかもしれないが。

結局の所は分からないのだが、もう少し部長は部員に気を使うべきである。
頭文字Dを言いたかっただけではないのか。

(#゚;;-゚) 「まずは例の絵について聞きましょうか。
      誰が書いたのか、誰を書いたのか、その辺りですかね」

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ私は部長さんに話を聞いてくるね」

(#゚;;-゚) 「了解です」

トトト……と小走りで、デレは部長を捜し階下に向かった。

(;#゚;;-゚) 「……え? なんで下?」

でぃは一人美術部部室こと、美術室の前に取り残された。
周囲では、防音された音楽室からの楽器音が、静かに鳴り響いている。

(#゚;;-゚) 「……あ、今日は部長集会か。
      部長があまりに自然体で忘れてた」

いつも自分がやる事を明言しないペニサスだからか、今日が集会日だという事を失念していた。
文化祭の後処理で中々伸びそうだが、とりあえずでぃは美術室に入り、取材を始めた。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:37:44.72 ID:qez0fIjeO






('、`*川「すいやせん、遅れやしたー……」

(*゚ー゚)「……時間は守って下さい、新聞部部長さん」

('、`*川「ごめんなさい生徒会長さん」

(*゚ー゚)「……早く座って」

('、`*川「ほーい」

ご大層に一室を設けられた会議室。
広い部屋の中央部を穴とし、長机を円形に並べた集会スタイルを取っている。

そこにズラリと並び座るのは、各部の部長達。
そして彼らを束ねる為に、一段高い机に座る生徒会長。

今日も今日とて、学校を闇に染める集会が始まった。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:40:07.02 ID:qez0fIjeO

(*゚ー゚)「はい、まずは領収書の件から。
     お前ら舐めてんのか。
     学生の分際で打ち上げの領収書とか貰ってきてんじゃねぇよ」

('、`*川「打ち上げとか行ってねー」

(*゚∀゚)「アタシらは行ったよ? ファミレスだけど」

从 ゚∀从「打ち上げ(笑)」

(*゚ー゚)「あと明らかに部費をオーバーしてる部があります。
     あんま調子こいてんじゃねぇぞ」

「……なんか機嫌悪くないか、会長」

「彼氏が謹慎喰らったからだろ?」

(*゚ー゚)「あと文化祭での収入はキッチリと提出する事。
     1円でもズレていた場合はその部を潰します」

('、`*川「収入なんか入ってねー」

(*゚∀゚)「アタシらは入ったよ? もうたんまりと」

从 ゚∀从「収入(笑)」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:45:48.45 ID:qez0fIjeO

(*゚ー゚)「出費分もきちんと目を通します。
     適当に領収書とか貰ってきてたら許さねぇからな」

「……お金の事ばっかりね」

「校長から言われたらしいよ」

(*゚ー゚)「ホント学生だからって何でも許されると思ったら大間違いだから。
     それとそこの3人」

('、`*川「ん? 私たち?」

(*゚∀゚)「みたいだねー」

从 ゚∀从「俺もかよ……」

(*゚ー゚)「まず新聞部。終わったら私の所に来なさい」

('、`*川「まーた報道規制? 勘弁してよ……」

(*゚ー゚)「次に写真部。あとで説教だから」

(*゚∀゚)「……領収書、適当過ぎたか」

(*゚ー゚)「最後に科学部。
     来年度は最低3人は活動部員を確保しなさい」

从 ゚∀从「へいへい……」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:49:24.25 ID:qez0fIjeO

(*゚ー゚)「次ッ! 活動内容がズレてきてる部活が――――


その後も部長集会こと、会長による部長共へのお説教会が続いた。

あまりに長く退屈なその時間。
それは、睡魔がハインを襲うには充分事足りていて、結果彼女にはタンコブができた。

(♯゚ー゚)「解散ッ!!」

鉄拳制裁の流れで出した号令で、部長達はため息を付きながらゾロゾロと会議室を出ていく。
その波にさりげなく乗ろうとしたペニサスだったが、
そんなのは余裕で予期していた会長に、あっさりと捕まってしまった。

('、`*川「なにさ……時間無いから自由にやらせてよ」

(*゚ー゚)「まぁ聞きなさい、大事な事なんだから。
     まず学校側から。ジョルジュ君以外なら、記事にしていいそうよ」

('、`*川「あからさまなやり方だな、全く……」

(*゚ー゚)「あと個人的に。ギコ君の事は載せていいけど、
     なるべく格好よく、英雄っぽく頼むわ」

('、`*川「……本当バカップルだね。
     別にやってもいいけどさ、詳しい話聞かせて貰わないと」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:53:36.16 ID:qez0fIjeO

その言葉を聞くと、しぃは近場の椅子に腰を掛けた。
次に足を組むと、どこか懐かしむような表情で、ゆっくりと口を開いた。

(*゚ー゚)「私達の出会いは、1年前に遡るわ……」

('、`*川「誰がアンタのノロケ話なんか聞くのよ。
     乱闘事件の話よ。その場に居たんでしょ?」

(*゚ー゚)「……」

あっさりと切り捨てられる出会いの話。
しぃにとっては宝物でも、ペニサスには塵以下なのだ。

(*゚ー゚)「……まぁ、いいわ。
     貴女に恋の話をしてもしょうがないし、ね」

('、`*川「はいはい。で?」

口端をピクリとさせながら、最近イライラが多くなったな、としぃは思った。
そんなしぃを余所に、手帳を開きながら早く話せと目で訴えるペニサス。

イライラのほとんどの原因に、この女が関係しているのは偶然なのだろうか。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:56:29.83 ID:qez0fIjeO
(*゚ー゚)「まぁ……私が悪いのよ。
     ギコ君についつい、彼の事を話しちゃってね」

('、`*川「駄目な会長だ」

(#*゚ー゚)「……あの日、ジョルジュ君が来た事を知った途端、
      ギコ君は教室を飛び出したわ。
      もともと気に入ってなかったし、上乗せしちゃってたみたいね」

('、`*川「なんで殴ったのさ。そんな喧嘩っ早いの?」

(*゚ー゚)「ギコ君が聞いたのよ。
     何しに来たんだ!ってね。
     それで、ジョルジュ君の返答はこう」

 『溜まってんだよ悪ぃか』

('、`*川「……そんで殴っちゃったの?」

(*゚ー゚)「反省してる感は0だったからね……。
     生徒会で会う時のジョルジュ君とは違ったわ」

('、`*川「それが素なんだろうね。
     ていうかさ、なんでそんなのが生徒会に入ってんのよ」

(*゚ー゚)「さぁ、知らない。
     部下の私生活になんか興味ないわよ」

('、`*川「……駄目な会長だ」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 18:59:23.39 ID:qez0fIjeO

パタンと手帳を閉じ、ペニサスは悩むようにアゴに手を当てた。

('、`*川「んー……ジョルジュの事を出さずに、
     英雄ぽくってのは……かなり難しいな」

(*゚ー゚)「ま、よろしく頼むわよ。
     私はギコ君が悪い事をしたとは思ってないし」

('、`*川「……一応頑張る。もとい頑張らせる」

(*゚ー゚)「さて……と。それじゃ、
     つーにお仕置きしないといけないから、失礼するわ」

優雅に立ち上がると、どこか下ネタっぽい事を言いながらしぃが退室。
ペニサスはその背中を見ながらため息を付くと、めんどくさそうに部室に戻っていった。







29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:01:14.57 ID:qez0fIjeO



l从・∀・ノ!リ人「お、でぃ早かったのじゃー」

(#゚;;-゚) 「部員がほとんど帰っててね……。
      有力な情報も無し。デレさんに期待かな」

('、`*川「あー寒寒寒……」

l从・∀・ノ!リ人「おぉ、部長もお戻りなのじゃー」

('、`*川「もう部長集会なんか行ってやらねぇ……。
     ……あれ? でぃちゃん、デレちゃんは?」

(#゚;;-゚) 「美術部部長に会いに行くと。
      会わなかったんですか?」

('、`*川「……会ってないよ?」

l从・∀・ノ!リ人「デレなら戻ってきてないのじゃ」

(#゚;;-゚) 「……」

('、`*川「……」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:03:41.79 ID:qez0fIjeO

会議室に行ったデレ。
会議室から戻ってきた部長。

チーズならぬ、デレはどこへ消えた。

(;#゚;;-゚) 「ま、まさか……また?」

('、`;川「いや……まさかぁ〜……」

l从・∀・ノ!リ人「……?」

(;#゚;;-゚) 「私……ちょっと捜してきます」

('、`;川「私も行くわ」

最悪もあり得る。
トイレに行ってるだけなのかもしれないが……そっちの方が恐ろしい。

2人がデレを捜しに部室を出ようとすると、勝手に扉は開き、高い声が部室に響いた。

ζ(゚ー゚*ζ「ただいま戻りましたー!」

(#゚;;-゚) 「あ……デレさん……」

('、`;川「よかった……」

l从・∀・ノ!リ人「お帰りなのじゃー」

安堵する2人を余所に、デレは嬉しそうな顔と声で報告をはじめた。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:06:09.16 ID:qez0fIjeO

ζ(゚ー゚*ζ「絵盗難事件、解決しましたッ!」

('、`*川「早ッ」

l从・∀・ノ!リ人「おぉ、まさかデレは敏腕だったのじゃ!?」

(;#゚;;-゚) 「まさかって……」

妹者の失礼発言も、今のデレの耳には届かない。
なぜならば彼女は、浮かれているのだ。

ζ(゚ー゚*ζ「その絵っていうのは部長さんが書いた物で、
      転校生さんをモデルにした絵だったらしいんですよ!」

('、`*川「転校生?」

(#゚;;-゚) 「あ、前にやったインタビューの転校生ですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「はいッ! それで早速その転校生、
      マイケルさんに話を聞きに行ったんですよ!」

l从・∀・ノ!リ人「マイケル? 外人なのじゃ?」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:08:50.63 ID:qez0fIjeO

ζ(゚ー゚*ζ「そしたらマイケルさんったらですよッ!?
      自分の絵は魔界に繋がる扉になるから、
      って持っていっちゃったらしいんですよ!!」

そう言うとデレは、堪え切れなくなった笑いを爆発させた。
クスクスから一気にアハハッと、爆笑だ。

そんな意味の分からない証言と笑いに、3人はポカーンとデレを見つめる。

('、`*川「……なにが面白いの?」

(#゚;;-゚) 「……さぁ」

l从・∀・ノ!リ人「……流石の妹者もわからんのじゃ」

ζ(゚ー゚*ζ「という訳で、事件は解決ですッ!」

なぜだか自慢気に、デレは豊満な胸を張り高々と言った。
まぁ普段役に立つ事も少ないし、彼女もそれを気にしていたのだろうか。

誉めて!と言わんばかりの珍しい表情を見て、とりあえずペニサスはその頭を撫でといた。

('、`*川「……妹者ちゃん、今日遅くまで残ってね」

l从;・∀・ノ!リ人「なッ!? なんで妹者なのじゃ!?」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:10:57.60 ID:qez0fIjeO

(#゚;;-゚) 「……この事件持ってきたの妹者じゃない」

l从;・∀・ノ!リ人「うぐ……まさかこんなヒドイ結末とは、聞いてないのじゃ……」

ζ(゚ー゚*ζ「それじゃあ私、今日は帰りますね!」

('、`*川「え……? あ、うん」

(#゚;;-゚) 「お疲れさまでしたー……」

ζ(゚ー゚*ζ「お先失礼しまーす!」

仕事したんだから早く帰らせろと言わんばかりに、デレは鞄を掴み部室を出ていった。

相当嬉しかったのか、おそらく早々と家に帰りツン辺りに報告でもしたいのだろう。
純粋で可愛らしい考え方ではあるが、煽りを受ける妹者は堪ったモノではない。

l从♯・∀・ノ!リ「不公平なのじゃぁ〜!!」

('、`*川「いつも遊んでるんだから、たまには働きなさい。
     んじゃ、私もお先に」

l从♯・∀・ノ!リ「んがッ!! 部長も帰るのじゃッ!?」

('、`*川「あ、これ。記事編集に使ってね」

愛用の手帳を妹者に渡すと、ペニサスは白いコートを羽織る。



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:13:12.34 ID:qez0fIjeO

(#゚;;-゚) 「……それじゃ私m」

l从♯・∀・ノ!リ「……」

(;#゚;;-゚) 「……」

l从♯・∀・ノ!リ「ゔ〜……」

犬のように深く唸りながら、ジッと自分を見つめる妹者に観念したのか、
でぃはため息を付くと自席へと腰を降ろした。

('、`*川「あ、そういえばでぃちゃん。
     展覧会に誰か来てくれた?」

(#゚;;-゚) 「いえ、誰も。
      少なくとも私が受け付けをやってた時だけですが」

('、`*川「ま、その調子なら誰も来なかったかもね……。
     ……私の企画じゃあないけど、中々傷ついたわ」

(#゚;;-゚) 「来年また頑張りましょう」

('、`*川「……上等な嫌味ね。
     ところでさっきから、妹者ちゃんが睨んでるわよ」

l从♯・∀・ノ!リ「……口じゃなくて手を動かすのじゃ」

(;#゚;;-゚) 「……ごめんなさい」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:14:35.97 ID:qez0fIjeO

('、`*川「それじゃ、頑張ってねー」

マフラーを手早く巻くと、ペニサスは扉を開き廊下に出る。

(#゚;;-゚) 「あ、部長! ちょっと小耳に挟んだんですが!」

でぃが慌てて何かを思いだし叫ぶが、また明日ね〜と手をひらひら振られ返された。

(#゚;;-゚) 「……行っちゃった」

l从・∀・ノ!リ人「なにを言おうとしたのじゃ?」

(#゚;;-゚) 「ん? いや何かね、ジョルジュが家に帰ってないらしいよ」

l从・∀・ノ!リ人「そりゃあんなアホ、流石に親も叱るのじゃ」

(#゚;;-゚) 「うーん……そんな事気にする人じゃない気がするけど……」

考えても答えなどは出てこない。

それよりも目の前に積まれた難題はかなり大きい。
全く使い物にならない絵盗難事件と、英雄ギコの乱闘事件。

早くある程度の記事にしないと、帰り道は真っ暗だ。
2人はそうならない為にも、真剣に作業を開始した。



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/12(月) 19:15:26.42 ID:qez0fIjeO
 VIP高校新聞 46号 11月23日(金)


  【文化祭で大乱闘!?】

 11月17日に行われた、VIP高校文化祭。
広く言えば成功と言えた今年の文化祭だったのだが、
やはり祭りとはテンションが上がりすぎてしまうもの。
悲しい事に、当学校の生徒同士が喧嘩をしてしまうという事件があった。

 事の発端は、ある部の部長同士の喧嘩。
それだけならばまぁ、少なくはない事態だ。
だがお互い部長という立場であり、部員からの信頼も熱い。
そんな人間が喧嘩なんかすれば、部員達も黙ってはいない。
それ故か計数十人による乱闘が始まってしまい、負傷者が多数出る事態となった。

 当然ながら両部の部長、部員には処分が下された。
現場に居た目撃者からの証言では、悪いのは一方だという見方も強い。
だが文化祭には学外の人間が多く来ていて、今事件が及ぼした影響が大きいのも事実なのだ。

 お互いの部にも譲れないものがあったのかもしれないが、
しっかりと今回は反省をしてもらいたいと、筆者は思う。


【部員の一言】今年の冬は寒いです。風邪に気を付けましょう。



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