(*゚∀゚)の恋はリメンバーなようです
- 108: ◆sEiA3Q16Vo :07/02(月) 23:31 ggxYrnN2O
第5話・ふたりとたしろ
頭上から見下ろすエアコンの駆動音の中、ソファーに腰掛けた二人を陰から見守る医者。
从゚∀从「……………」
彼女の後ろから聞こえる僅かな物音を聞き付けたのか、伏し目がちだったつーが顔を上げ、そちらに目を向ける。
(*゚∀゚)「……………」
高岡と目が合った瞬間、つーの表情が氷つく。
その様子を見ると、高岡は唇の端を釣り上げ、つーに向けて親指を立てた左手を突き出す。
('A`)「何か――(*゚∀゚)「そおぉぉい!!!」
つーの様子をいぶかしんだドクオが、高岡が潜む曲がり角に首を巡らせようとしたその時。
奇声を上げながらつーはドクオの顔を両手で挟み自分の方へ無理矢理ねじ曲げた。
結果として。
(*゚∀゚)「……………」
('A`)「……………」
二人は、互いに触れ合えそうな程の密接な距離で顔を突き合わせる事となった。
- 109: ◆sEiA3Q16Vo :07/02(月) 23:33 ggxYrnN2O
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『アタシは阿部を追い掛けていたと思ったらいつのまにかドクオと一緒のソファーに座っていた』
な…何を言っているのかわからねーと思うがアタシも自分が何をしたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…その場のノリだとか一時のテンションだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
|~l~|i|
|| i川|
`/)∀゚;)
|/ //)
ヽ ///
って、とりあえずポルポルで切り抜け様と思ったけど流石に無理だね。
自分でも何を考えてるんだか今更になって後悔……ってさっきから何かあそこの角から変な声が聞こえ――
|゚∀从
|⊂
うぉおおおぉぉ何見てんだアンタはぁああああああああッッッ!!!
ビッ
|゚∀从bそ
|/
UZEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!!!
何だよやれってかコンチクショウ。いや、マジで勘弁。
('A`)「何か――」
考えている暇もなく。
(*゚∀゚)「そおぉぉい!!!」
振り返ろうとするドクオの顔を掴むと、無理矢理アタシの方を向かせる。そうなると当然、アタシはドクオに近付かなきゃならなくなる訳で。
つまり。
('A`)「……………」
(*゚∀゚)「……………」
ドクオの顔が、アタシの目の前にあったりするのだった。
- 111: ◆sEiA3Q16Vo :07/04(水) 15:27 0XuudHLxO
('A`)「……………」
ドクオの顔は無表情だった。
自らの鼻孔をくすぐる、女性特有の甘い香り。
目と鼻の先とも言える程、密接した距離。
童貞には、未知の領域である。
しかし、彼は眉一つ動かす事なく。その佇まいには、そこはかとなく余裕さえ感じられる。
从゚∀从「あいつ勃起してね?」
(´_ゝ`)「あらホント」
ABE「ビンビンだな」
(´<_`)「阿部殿、ここは我慢だ」
- 112: ◆sEiA3Q16Vo :07/04(水) 15:44 0XuudHLxO
(;'A`)(ここでバレたら……全てが終わるッ!)
そう。
辛うじて接触を逃れた彼の性剣は既にマキシマムな状態だったのだ。
彼に許されたのは、自らの体を微動だにさせず、股間のタートルズを全力をもって鎮める事だけだ。
亀なだけに。
ドクオは思った。
今の俺なら、ノトーリアス・B・I・Gの襲撃すら乗り切れる。股間のタートルズ平穏を与える事など容易い、と。
从゚∀从「悶えてるな」
(´_ゝ`)「男の性だな」
ABE「……………」
(´<_`)「頼む、阿部殿。ツナギのファスナーを上げてくれ」
- 115: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:07 mL2iChhqO
――父さん。
『どうしたんだい? My Sun』
――僕は何の為に産まれたの?
『HAHAHA急に何を言い出すのかと思ったら……何だそんな事か』
――僕は真面目に聞いてるんだよ? 笑わないでちゃんと答えてよ。
『いやいや、お前が昔の俺と同じ事を言い出すものだからな。つい懐かしくなったのさ』
――父さんもお祖父さんに聞いた事があるの?
『あぁ、そうだとも』
――何て言われたの?
『それはだな――』
- 116: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:08 mL2iChhqO
('A`)「自重しろ、My Sun」
(*゚∀゚)「何か言った?」
('A`)「いえ、何も」
依然としてドクオのジョンソン(性的な意味での息子)はガチガチに硬化していた。
硬くなりすぎて股間に血液が集中しすぎて痛みさえ感じ始めていた。
彼のディック(性的な意味での息子)は昔から控え目で、おとなしい子だったがいざとなれば鋼の肉体と鉄の精神で立ち上がり、一転して自己主張が激しくなるのだ。
そして、スティーブン(性的な意味での(ry)は速撃ちで有名だった。開始から僅か一分。
他の追随を許さず、その速さからジェームズブラウンの異名を与えられることとなる。
ポケットモンスター(性的な(ry)は好き嫌いが無い事でも有名だった。
幼女から人妻まで。
彼は千差万別。ありとあらゆるシチュエーションでも立ち上がる。
その鉄の精神は、どの様な苦境ですら切り抜け。
鋼の肉棒は幾度となく立ち上がった。
- 117: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:08 mL2iChhqO
――だが。
今回ばかりはそれが仇となった。
巨乳。ナース。八重歯。
そして、この密着した体勢。
貞淑な白衣の天使たるナース服を、自らの存在を主張し豪快に迫り出した乳。
そこから視線を上げれば、はにかむ口元から覗き見える少しとがった八重歯。
ドイツ軍人ですらうろたえ、陥落するシチュエーションである。
('A`)「今日ハ良イ天気デスネ」
この苦境を乗り切る為に、ドクオは何か話題を作り、切り抜ける事を選ぶ。
天気の話→適当な話題。
完璧な流れを作る事が可能なその計画は――
(*゚∀゚)「梅雨入りで雲ってるよね」
早くも挫折した。
- 118: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:09 mL2iChhqO
(;'A`)「……………」
とにかく、何か話題を作らねば。
互いに黙したこの状況に、ドクオは些か辟易していた。
('A`)「あの……」
何でも良い。
とにかく、何か話さないと。
そう、ドクオが口を僅かに開いた時だった。
ポタリ、と。
唐突に、ドクオの膝に何かが伝い落ちた。微かな感触だったが、この状況で張り詰めていた感覚がそれを捉える。
それは――
(*;∀;)「……………」
目の前の女性が流した、一筋の涙だった。
黙したまま、表情を変えず。
彼女は目に涙を溜め、溢れた涙がもう一度頬を伝った。
- 119: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:10 mL2iChhqO
溢れた涙が綺麗だと思った。
彼はただ、目の前で涙する女性に見惚れていた。
名前も知らず、顔を合わせたのも数える程でしか無い。
二次元の女の子は可愛い。
それは男の理想を具現化し、精神の根底に根差す感覚を刺激するからだ。
三次元という現実から逃避し、自らの欲求を叶える二次元に依存し、溺れる。
だが。
目の前の女性はどうだ?
体を伝わる温もりは現実だ。
流した涙も現実だ。
自身を見つめる瞳もまた現実だ。
心がざわつき、心臓の鼓動は早鐘の様に何度も脈打つ。
未だ体験した事が無い感覚に、ドクオは狼狽した。
頭に血が登り思考が鈍る。
股間の性剣は爆発寸前だ。
(*;∀;)「ドクオ……」
名前を呼ばれた瞬間、また心臓の鼓動が高まる。
女性はうつ向き、垂れた前髪で隠れそうになる口元に苦痛の色を滲ませていた。
- 121: ◆sEiA3Q16Vo :07/06(金) 19:30 mL2iChhqO
不意に、目の前の女性を抱き締めたい衝動に駆られる。
背中に手を回し、その儚げな体を強くその手に抱きたい。
ドクオは僅かに腕を持ち上げる。
ゆっくりと、彼女の肩に手を近付けて行き――
目の前の女性がピクリとも動かない事に気が付く。
(;'A`)「あ、あの……」
(* ∀ )「……………」
うつ向いたまま、彼女は動かない。ドクオの声に反応も見せない。
『志村ー! 下! 下!』
何処かから声が聞こえた。
( , 、)「下?」
その声を特に気にする事なく、ドクオは視線を下げる。
その先には怒張した性剣が。
('A`)
視線を上げる。
(* ∀ )
うつ向いていた。
( , 、)
視線を下げる。
怒張していた。
('A`)
視線を上(ry
('A`)「\(^o^)/」
ボラボラボラボラボラボラボラボラボラーレ・ヴィーアッ!!!
ブギイイァァッ!!!
第5話・完
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