(*゚∀゚)の恋はリメンバーなようです
- 277: ◆sEiA3Q16Vo :09/08(土) 01:24 f98vTY/UO
(´_ゝ`)「はっし〜れ〜」
(´<_`)「こ〜てつの〜」
(´_ゝ`)「てっいっこ〜く……待て、弟者。そこは高速じゃなかったか?」
(´<_`)「いや、鋼鉄だろ」
(´_ゝ`)「そうだっけ?」
(´<_`)「いや、何か言われてみたら高速の気がしてきた」
(´_ゝ`)「奇遇だな、俺も鋼鉄の気がしてきた」
(´_ゝ`)「……………」
(´<_`)「……………」
(´_ゝ`)「う〜な〜れ〜」
(´<_`)「こ〜そくの〜」
(´_ゝ`)「いや、だからそこは鋼鉄だろ」
(´<_`)「あれ?」
(´_ゝ`)「……じゃあ次、奈落の花行くぞ」
('A`)「いや、別の部屋でやれよお前ら」
第十一話・烈海王は、ツンデレ
- 278: ◆sEiA3Q16Vo :09/08(土) 01:25 f98vTY/UO
(´_ゝ`)「仕方ないだろ、俺の病室のエアコンが壊れたんだから」
('A`)「だから何で俺の部屋に来るんだよ」
(´<_`)「連れない男だ。ひぐらしとジョジョを愛する数少ない人種の一人だろ?」
('A`)「それは否定しない」
(´_ゝ`)「雛見沢に承太郎が引っ越してきたようです。とか分かる人間には良いネタだよな」
('A`)「確かに」
(´<_`)「オヤシロ・ザ・ワールド! とかな」
(´_ゝ`)「は?」
('A`)「お前何言ってんの?」
(´<_`;)「……え?」
(´_ゝ`)「あのな、言って良いネタと悪いネタがある」
('A`)「今のは正直無いわ」
(´<_`;)「ちょ、何だよ二人共……急にどうし――」
(´_ゝ`)「弟者」
('A`)「ジョジョの一巻と、鬼隠しからやり直せ。いや、むしろ引き返した方が良い」
(´_ゝ`)「でなければ死にます」
(´<_`;)「死ぬのかよ」
('A`)「むしろチンコもがれます。罰として」
(´<_`;)「そんな約束していないぞ」
(´_ゝ`)「弟者……」
『東京へ帰れ』
(´<_`)「何この空気」
- 279: ◆sEiA3Q16Vo :09/08(土) 01:26 f98vTY/UO
('A`)「……ったく、さっさと帰れよな」
(´_ゝ`)「折角来てやった友人を追い返すなんて酷いじゃないか。なぁ弟者」
(´<_`)「あぁ、酷い奴だ」
ぞんざいに手を払い、不機嫌そうな顔をするドクオに、二人は互いに顔を近付けこれ見よがしに軽口を叩く。
(#'A`)「……勝手に人の部屋を荒らしておいて何言ってやがる」
(´_ゝ`)「みとめたくないものだなわかさゆえのあやまちとは」
('A`)「そんなセリフはちゃんと俺の目を見て言え」
(´_ゝ`)「……良いのか? 俺にそんな口を効いて」
('A`)「……何だと?」
不意に、兄者を取り巻く空気が一変した。
十分にエアコンによって冷やされた室温が更に低下した様な錯覚を与え、彼の口元には不遜な笑みが浮かび上がっていた。
(´<_`;)「兄者、まさか……」
自身の兄を取り巻く異様な空気と、彼の意思を読み取ったのか、冷えた空気の中でも関わらず弟者の頬を一筋の汗が伝い落ちる。
(´_ゝ`)「そう、そのまさかだよ……弟者」
ソレは、いつの間にか。
彼の手には忽然と。あたかも手品の様に、握られていた。
(´_ゝ`)「HELLSING第九巻だ」
('A`)「ようこそ親友、楽にしていってくれ。良ければエアコンの温度も下げようか」
(´_ゝ`)「執事、バーホーデンのココアを良く練って持って来い。ミルクと砂糖アリアリで」
(´<_`*)「さすがドクオ! おれたちにできないへつらい方を平然とやってのけるッそこにシビれる! あこがれるゥ!」
('A`)「帰れよ、ダボハゼが」
(´<_`)「……………」
- 284: ◆sEiA3Q16Vo :09/09(日) 00:48 BxFzXrRLO
(´_ゝ`)「で、結局の所」
(´<_`)「どうなのよ」
(;'A`)「何がだよ」
枕を背持たれにし、ジジイと眼鏡と後オッパイで構成された本を手にするドクオに、ステレオの様に双子がにじり寄る。
(*´_ゝ`)「とぼけんなYO☆」
(´<_`*)「ネタはとっくに上がっているんだZE☆」
('A`)(うわぁ…殺してェ…)
息を荒げて更に迫る二人に、ドクオは軽い殺意を覚える。
('A`)「何の話だよ」
(*´_ゝ`)「んも〜、焦らしやがっTE☆」
(´<_`*)「いい加減にしなさいっ☆」
('A`)(リンゴォさん……これが『漆黒の意思』ってやつですか?)
(´_ゝ`)「仕方がないな、ウブなドッ君にヒントをやろう」
(´<_`)「出血大サービスだ。耳の穴かっぽじって良く聞きな」
(´_ゝ`)「ヒントは三つだ。ナース・巨乳・八重歯」
(´<_`)「あれれ〜? 僕の出すヒントが無いよ〜?」
('A`)「お前らもう死んじゃえよ、頼むから」
- 285: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 22:18 UJlrKI8/O
(*´_ゝ`)「で、どうなんだよ、実際」
('A`)「……別に、何でも無い話だよ……」
好奇心に満ちた目で迫る兄者を、ドクオは鬱陶しげに押し退け無感情に言い放つ。
(´_ゝ`)「……何でも無い話……だと? 聞いたか、弟者」
その言葉を境に、不意に病室の空気が一変する。
(´<_`)「あぁ、確かに聞いたぞ、兄者」
阿吽の仁王像の如くベッドを挟んで立つ二人の目に、冷徹な光が灯る。
二人が放つ異様な圧力がドクオを押し包み、彼の本能に警鐘を鳴らす。
(´_ゝ`)「ドクオ」
感情を押し殺した声で、兄者が彼の名を呼んだ。
ともすれば自身の肉体を内側から壊してしまう。そんな暴力的な感情が兄者の声の端から漏れ聞こえてくる。
(´_ゝ`)「貴様は言ったな。何でも無い話だ、と」
(;'A`)「あ、あぁ……」
先程と一変した雰囲気を身に纏う兄者の問いに、ドクオは絞り出す様な声で答えた。
(´_ゝ`)「……小僧、貴様は死にたいのか?」
('A`)「…………は?」
- 286: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 22:19 UJlrKI8/O
(´_ゝ`)「分かっちゃいない。貴様は何一つ分かっちゃいないッ!」
('A`)「もしもし?」
(゚<_゚#)「黙れ小僧! 軍曹が喋っている最中だぞ! 貴様のそのブロンドの〇〇〇の様にガバガバの口からクソをひり出す前にサーを付けろッ! 分かったかッ!!!」
('A`)「サー、いつからここは海兵隊のキャンプになりましたか」
(´_ゝ`)「ドクオ、俺が教えてやるよ……」
('A`)「何を」
(*´_ゝ`)b『未 知 な る 世 界 を !』d(´<_`*)
('A`)]「あ、もしもし。えぇ、急患で。救急車を二台お願いします」
- 287: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 22:28 UJlrKI8/O
(#´_ゝ`)「てめ、何だよ! 折角お前の為を思って言ってるのによ!」
(#゚A゚)「訳分かんねぇんだよ! 何だよ未知なる世界ってのはよぉ!」
(´<_`)「まぁとりあえず話だけでも聞けよ」
('A`)「嫌だ、帰れよ」
(´<_`)「沙都子たんの裸体立ち絵画像やるからさ」
('A`)「話を聞こうか」
- 288: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 22:51 UJlrKI8/O
――良いか、ドクオ。猫系のキャラっているよな。
――猫系?
――猫っぽい雰囲気のキャラだよ。沙都子たんとか、藤ねえとか、キラークイーンとか。
――……………。
――大体そういった猫のベクトルを持つキャラには八重歯が備わっている。
――……まぁ、確かに。
――来ないか?
――何がだよ。
――笑顔の中で垣間見える白い八重歯。何かしらの陰鬱な過去を持つ者、純粋である者、生きる事を願う者、ただひたすらに愛する者、運命に立ち向かう者。そんな彼女達が見せる……いや、魅せる屈託のない底抜けの笑顔。それを見てお前は何を思う? 萌えるか? 萌えるよなぁ? それで良いんだよ。男は時には黒髪で高身長のお姉さんの膝枕で甘えてみたいと思う時があるだろう。しかし、しかしだ。男、否! オスには少女の様にあどけない笑顔を見せる者を見てどう思う? 抱き締めてぇよな! 良いんだよ! それで良いんだよォッ!!! お前は間違ってない、世界の全てがお前を否定しても俺は否定しない。何故なら俺も同じ志を持つ一匹のオスだからだ。八重歯キャラはオスの衝動、抱擁して守ってやりたいという欲求をダイレクトに攻め立て、これでもかと言わんばかりに胸の内側をえぐってくれる小悪魔とも言える存在なんだッッッ!!!!!!
- 289: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 22:57 UJlrKI8/O
(*´_ゝ`)「萌えてこないか」
(*'A`)「あ、あぁ……」
肩に掛けた手に汗が滲むほど強く、熱く、兄者は呼び掛けた。
まるで陶酔したかの様にドクオは紅潮した顔のままそれに頷く。
(*´_ゝ`)「それに加えて巨乳ってのはどうだ?」
(*'A`)「良いッ! すっごく良いッ!」
(*´_ゝ`)「だろ!?」
二人の顔は更に紅潮し、呼吸は熱く、早く刻んでいく。
(*´_ゝ`)「更にナースってのはどうよ!?」
('A`)「それは無いわ」
- 290: ◆sEiA3Q16Vo :09/11(火) 23:13 UJlrKI8/O
(;´_ゝ`)「……え?」
('A`)「冷静になって考えてみたらお前の言ってる事って正直気持悪い」
(;´_ゝ`)「な――」
ドクオは冷徹に言い放つ。
急激に氷点下まで冷えきった声と視線が兄者を射抜き、狼狽する彼を更に攻め立てる。
('A`)「ぶっちゃけナース嫌いなんだよな。夜間病棟が原因で」
(´_ゝ`)「また古いネタを」
('A`)「それ以来、ナースは受付けない。白衣の天使なんて存在しないよ」
(;´_ゝ`)「お、弟者……」
ドクオの視線から逃れる様に、先程から口を開かない自らの半身に呼び掛ける。
(*゚∀゚)「随分楽しそうな話をしてるよね」
果たしてそこにいたのは白衣の天使だった。
兄者が呼び掛けた半身は天使の足元で物言わぬ肉塊と化し転がっていた。
('A`)「ナース万歳」
(´_ゝ`)「ナース最高」
(*゚∀゚)「輝けよお前ら」
第十一話・完
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