(*゚∀゚)の恋はリメンバーなようです
- 297: ◆sEiA3Q16Vo :09/16(日) 00:33 VPSKirqUO
第十二話・げんてんかいき
从#゚∀从「……ま〜たやったのか、お前は」
パカン、と小気味の良い音が響く。
(*゚∀゚)「痛いよ」
プラスチック製のボードではたかれた頭を抑えながらつーは不満気にうめく。
从#゚∀从「この程度で済む事を感謝しろ。また謹慎食らわすぞ」
(*゚∀゚)「マジで!? やったね! また休暇じゃん!」
从#゚∀从y━・~「……………」
(* ∀ )「………ぁぅ」
先程の様に横に寝かせた状態ではなく、縦にして振り下ろされたボードの一撃を頭頂に受け、つーは沈黙した。
- 298: ◆sEiA3Q16Vo :09/16(日) 00:35 VPSKirqUO
从゚∀从y━・~「……どうも最近のお前の考えが理解できないな」
椅子の背持たれを軋ませながら高岡は肺に紫煙をくぐらせ、天井に向けて大きく吐き出した。
上に流れていく煙は止まることなく空調の風に煽られ霞んでいく。
从゚∀从「ど〜したよ、一体」
金属製の灰皿に乱暴に煙草を押し付けると、背持たれから身を乗り出し挑む様に覗き込む。
(*゚∀゚)「……………」
从゚∀从「黙ってたら分かんね〜だろうが」
頭頂部を抑え、伏せられた目線を下から伺いながら椅子のローラーを転がし、更に近寄る。
(*゚∀゚)「……わ……」
从゚∀从「ん?」
(*゚∀゚)「……わ……」
(*><)「わかんないです!」
頭頂に、振り上げられたボードの角が突き刺さる。
- 299: ◆sEiA3Q16Vo :09/16(日) 00:36 VPSKirqUO
(*゚∀゚)「……………」
从゚∀从「ドクオ……か?」
空調の唸り声が響く中で、高岡はポツリと溢した。
その一言にどれ程の効果があったのか、つーは一度体を大きく震わせると伏し目がちな視線を僅かに揺らす。
从゚∀从「……やっぱり、な」
やれやれと溜め息を突くと、高岡は二本目の煙草を取り出し火を付ける。
彼女の背の壁にある、禁煙と書かれた張り紙は無惨にも黒いマジックで塗り潰されていた。
从゚∀从y━・~「まだるっこしいのは嫌いなんでな、率直に聞くぞ」
くわえた煙草をそのままに、椅子のローラーを走らせ距離を詰め。
从゚∀从y━・~「お前は、“あの”ドクオに惚れているのか?」
(*゚∀゚)「―――――」
その一言が、つーから言葉を失わせた。
- 308: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:06 fAmsmg/0O
“あの”。
その言葉が含むニュアンスは、知る者にとっては複雑な意味合いを持つ。
(*゚∀゚)「な――」
从゚∀从y━・~「阿部から聞いたよ。全部、な」
(*゚∀゚)「……………」
从゚∀从y━・~「未来から来た……っつー何とも信じ難い話なんだけどな」
煙草をくわえ、挑む様に向けられる高岡の視線から逃れる様に、つーはその顔を曇らせうつ向く。
从゚∀从y━・~「あ〜、やっぱマジなのか……」
溜め息と同時に肺に溜めた煙を盛大に吐き出し、空いた手で後ろ頭を豪快に掻き毟る。
(*゚∀゚)「……黙ってたのは謝るよ。だけど――」
从゚∀从「あ〜、よせ、止めろ、謝んな」
つーが絞り出そうとした言葉を、高岡は手で制し無毛にする。
- 309: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:06 fAmsmg/0O
从゚∀从「未来から来ようがどこから来ようがこの際関係無い。人手が足りないここで良く働いて貰って感謝してるし、今更謝った所で何かが変わる訳じゃあない」
椅子を蹴倒す様に立ち上がり、間断無く言葉を紡ぎ続けながら高岡はつーの眼前に歩み寄る。
(*゚∀゚)「お……ぅ」
その迫力に気圧されつーは、ジリジリと後退る。
从゚∀从「今、俺が聞きたいのは、お前が、どいつに、惚れてるか、何だよ」
(*゚∀゚)「ぉ〜……」
壁際に追い詰められ、互いの乳を押し付け合う形で二人は睨み合う。
从゚∀从(……デカイ)
(*゚∀゚)(この圧力は……)
睨み合うが、頭の中では別の方向を向いていた。
- 310: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:07 fAmsmg/0O
从゚∀从「答えろよ」
(*゚∀゚)「……………」
僅かばかりの逡巡。
(*゚∀゚)「……何でそんな事を聞くのさ」
从゚∀从「質問に質問で答えるなよ。テストで0点になるぞ」
(*゚∀゚)「真面目に答えてよ」
从゚∀从「……あ?」
つーの言葉が、高岡の目に僅かな苛立ちを宿らせる。
(*゚∀゚)「関係無いじゃん。アタシが誰に惚れていようと、ドクターには関係無い話じゃん」
从#゚∀从「……何だと?」
(*゚∀゚)「余計な、お世話だよ」
そう冷たく言い放つと体を強引に擦り抜けさせ、出口へと足を向ける。
从#゚∀从「おい待てよ!」
制止する高岡の声を引き離し、そのままの勢いで乱暴に扉を開く。
('A`)「…………あ」
開いた扉の先には、茫然と間の抜けた顔で立ち尽くすドクオが居た。
- 311: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:09 fAmsmg/0O
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/ __⌒ヾ
/ // \JJ
/ //
| ))
ヽ \/ヽ
|⌒\ ヽ|
| ノ\_、 く_
(_> ( )
∴↑ドクオ
__;∴
オッパイナース _= ̄`;
↓ γ ̄ _≡:;
/ ―ニ ̄"'.
/ ノ
/ イ)
/ _ \
| /\ ヽ
j / ヽ |
/ ノ { |
/ / | (_
ヽ_〉 ー―`
('A(#)「う〜わ、ぅ〜ゎ、ぅ〜ゎ…………」
(#゚∀゚)「ッシャゴラァッ!!!」
从゚∀从「お〜、良い右」
- 312: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:11 fAmsmg/0O
('A(#)「……………」
从゚∀从y━・~「お〜い、生きてっか〜?」
('A(#)「何とか……」
高岡は床に仰向けに倒れ込んだドクオを上から見下ろし、煙草を吹かす。
('A(#)「あの人は?」
从゚∀从y━・~「あっちに行ったな」
天井に向けて煙を吐き出し、適当に廊下の向こうを指差す。
从゚∀从y━・~「聞いてたか」
('A(#)「ハイ」
先程まで苛立ちを湛えていた目はその成を潜め、いつの間にか喜色に飛んだ光に満ちていた。
从゚∀从y━・~「……………」
('A(#)「……………」
口元は緩み、からかう様に。
从゚∀从y━・~「惚れてるか?」
やがて高岡は唐突に、そんな言葉を紡ぎ出した。脈絡も無く、突拍子も無かったが。
('A(#)「惚れてます」
ドクオは真っ直ぐその視線を捉え、ハッキリと答えた。
- 313: ◆sEiA3Q16Vo :09/19(水) 23:15 fAmsmg/0O
从゚∀从y━・~「うし」
その答えに満足したのか、高岡は口元を緩めたまま何度も頷く。
从゚∀从y━・~「どこに惚れた?」
しゃがみ込み、にやけた顔のまま声を潜める。
('A(#)「八重歯とオッパイ。後、インスピレーション」
从゚∀从y━・~「正直な奴は好きだぜ?」
ドクオの答えに高岡は破顔し、カラカラと笑う。
从゚∀从y━・~「じゃあやる事は分かってんな?」
('A(#)「……ウス」
从゚∀从y━・~「頑張れ少年、お姉さんは応援してるぞ」
そう言って高岡は立ち上がり、廊下を歩いて行く。
一人倒れたまま残されたドクオは天井を仰ぎ。
('A(#)「“あの”ドクオ……か」
反芻する様に、呟いた。
第十二話・完
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|ー゚)………
|⊂
………完?
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