らき☆すたでSAWのゲームが行われるようです
- 108: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 21:54:56.34 ID:TsySYMjTO
- それはいつも通りの、何のへんてつも無い…退屈な一日の筈だった…
そう…退屈な一日の…。
「…立木…白石……泉……いずみ〜?…なんやアイツまた遅刻かいな…。」
泉こなたと柊つかさの担任の黒井ななこは、今日も、平凡な一日を過ごす筈だった…。
「そういやぁ、柊もおらへんなぁ…泉が遅刻するのはいつもの事やけど、柊が遅刻するのは珍しいなぁ…。
- 113: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:01:05.87 ID:TsySYMjTO
- 「まあ、ええわ…もしアイツラが来よったら、後で職員室にくるように……。」
「黒井先生…お電話が入っております…至急職員室まで起こし下さい。」
そこまで言った所で放送が入り、ななこはそそくさと教室を後にした。
電話が来たという事は、どうせ泉が仮病使って病欠する旨でも連絡して来たのだろう…。
アイツ……今日こそガツンと言ったらんと…。
ななこは、意気揚々と受話器を手に取った。
- 118: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:08:55.42 ID:TsySYMjTO
- ななこは電話を取るや否や大声で言った。
「泉!もう仮病は通用せんで!何回目やと思っとるんや…遅れてもいいから、はようこ…。」
「……黒井…ななこだな。」
予想外にも、電話の相手が男だったのでななこは少々驚いて赤面した。
あちゃー…まちごうた…。
「ああ…えろうすんません…いやぁ、ウチの生徒とまちごうてしまいまして…。」
「泉こなた…だな。彼女は預かった。それから柊つかさ、高良みゆきも…。」
「……え…?」
「コイツラは預かった…と言ったんだが…?」
- 123: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:17:05.92 ID:TsySYMjTO
- 「失礼ですが…どなたですか…?」
「お前が生理の日に夜な夜な…街に出て、塾帰りの少年達に何をしているか知ってる者だ。…よくも無垢な少年達にあんな真似が出来たもんだな。
欲求不満の捌け口に使うとは…教師失格だな。」
それを聞いた途端にななの顔が青ざめた…。
どうしてそれを……。
- 131: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:24:34.97 ID:TsySYMjTO
- 「一体なにが…望みなんや…。」
「…今から俺が指定する場所に行って簡単なゲームをするだけだ。それに勝てばお前の学校の生徒を解放して、お前の罪は水に流してやろう……いいな…。」
勿論ななこに拒否権は無かった…。
「……はい…。」
ななこはそれに従った。
- 136: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:37:29.95 ID:TsySYMjTO
- …通路にて…。
五人は互いに距離を取って薄暗い通路を歩いて行った。
誰も口を開かない…気だるい沈黙が辺り包む。
先頭を歩くみゆきは相変わらず、うなだれたままだ…。
そしてかがみは未だにすすり泣いていた。
私達の友情ってこの程度の物だったの…?こんなのって…あんまりだよ…。
こなたはうなだれた頭を上げるとつかさの方を向いた。
いつもの気丈な姉の弱い一面を目の当たりにしたショックからだろうか…やはり表情は重かった…。
- 148: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 22:51:46.12 ID:TsySYMjTO
- 暫く進むと、その先は突き当たりになっていた。
突き当たりにはやはり鉄の扉がある…。
だが、あけるのは躊躇われた…。
また…この先には悲劇が待ち構えているかもしれない…。
みゆきは軽く深呼吸をすると、鉄の扉をゆっくりと開けた。
途端にかび臭い、湿った空気が中から漏れて来る…。
だが予想に反し、部屋の中には何も無かった。
四方をコンクリートで囲み、天井からの裸電球だけが唯一の明かりの殺風景な何も無いへや…。
みゆきがズカズカと中へ入ると、何かを拾い上げた。
カセットテープ…
- 155: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 23:02:23.63 ID:TsySYMjTO
- 例のごとくみゆきがそれをレコーダーに入れて再生する。
「ようこそ。この部屋がゲームの一つの区切りだ…。だが生憎、解毒剤のありかは分からないようだな…だから私から特別にヒントをやろう…。
解毒剤は四人のうちの一人の体内に隠しておいた…勿論解毒剤を手に入れる為にはその一人に犠牲になってもらわなくてはならないんだが…。小早川ゆたかを助けたはずなら、誰かは分かっているはずだ…。だが助けられなかった場合は…。」
みゆきはそこで耐えられなくなって、テープを止めた…。
恐怖の為か、目を見開き、肩で息をしていた。
他の四人も同様に、混乱し、恐怖し、今にも泣き叫びそうだった…。
なんて…なんて残酷な話であろうか…
- 173: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 23:20:41.19 ID:TsySYMjTO
- みゆきが震える指で、ゆっくりと…再び再生ボタンを押した。
「最後の一人になるまで、殺し合うしかないだろうな…もし最後の一人の体内の中に入っていたら……その時は…ご想像にお任せしよう…今まで得てきたヒントを最大限に活用する時がきたのだ…。それでは…ゲーム開始。」
あとは無音…。
みゆきは相変わらずテープレコーダーを握りしめて震えていた。
この疑心暗鬼の極限状態で四人は、ついに真のゲームを体験しているのだ…。
いつ何時…誰に襲われるやも知れない…裏切られるかもしれない…。
本当のゲームが始まった。
- 188: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 23:33:11.56 ID:TsySYMjTO
- ひよりは何とか四人を落ち着かせようと、出来るだけ声のトーンを押さえて言った。
「高良先輩…気をしっかり持つっす…きっと探し出す方法があるはずっす…。」
だがみゆきからの返事はなかった…。
「高良先輩…。」
ひよりがみゆきの肩に手をかけようとした、その刹那…みゆきが振り向きざまに手を振り払った。
裸電球に照らされ、赤黒い銀色の光がギラギラと反射する。
あっけにとられていた、ひよりの喉から鮮血がほとばしる。
みゆきの手にはナイフが握られていた。
- 191: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 23:39:32.42 ID:TsySYMjTO
- 「がっ……ガハッ…!なんで…?」
ひよりは反射的に喉元を押さえると、止血を試みた。
だが血が後から後から出てきて止まらない。
目を見開いて後退るひよりの腹に、みゆきはナイフを突き入れた。
「…ア"ッ…待って……ゴホッ…嫌だ…よ」
みゆきはひよりを押し倒すと馬乗りになり、所構わずメッタ刺しにした。
- 204: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/24(月) 23:50:28.80 ID:TsySYMjTO
- 「アッ…カハッ……ハッ…」
ナイフを突き入れられるごとに、ひよりの口からか弱い息遣いが漏れた。
そしてみゆきはナイフを下腹に刺すと、徐々に腹を切り開いていった…。
「ンンンンン…。」
もはや悲鳴すらあげられないのか、ひよりは小さなうめき声を上げると、力尽きた…。
みゆきは全身を返り血で真っ赤にしながら切り開いた腹の中に手を突っ込み、解毒剤がないか探った。
だがあるのは生暖かい臓器と溢れでた血と胆汁のぬめりだけだった。
「…私だけは…私だけは生き残ってやる…絶対!」
みゆきはナイフを持ち直すと三人の方を向いた。
しかし、そこはもぬけの殻だった。
既に三人は逃げ出したようだ…。
みゆきは素早く立ち上がると、三人を追いかけるべく走り出した。
- 217: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:06:22.47 ID:BQskxjIFO
- かがみはつかさと手を繋ぎながら必死で走った。
こなたも後につづく。
もう何も考えられなかった。
すこしでも思考を展開すれば確実に狂ってしまう。
だが今の状況は確実に狂気以外の何物でもなかった。
昨日まであんなに仲が良かった友達が、今やナイフを振り回し、自分達を殺そうとしている…。
そんな狂った状況のなか、こなたはふ、と思った。
これはジグソウのゲームでも何でもなく、みゆきさんが仕組んだ自作自演の殺人ショーなのではないか…。
それでみゆきさんに関わる全ての不可解な行動に合点がいく。
最初のテープレコーダーしかり、みなみを殺した時もしかり…。
それに本当は毒なんて仕込んでないんじゃ…。
- 231: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:23:33.47 ID:BQskxjIFO
- そんな事を考えている内に、後ろから高笑いが聞こえて来た。
みゆきが迫ってきている。
「あっ!」
その時、こなたが何も無い平坦な地面で転んでしまった。
「こなた!」
慌てて戻ろうとする、かがみをつかさが押し留め、走り出した。
こなたは急いで追い付こうと、立ち上がった…。途端に足首に激痛が走る。
どうやら足をくじいてしまったようだ。
「待ってよ、つかさ!かがみ!怖いよ、助けてよ。」
こなたは必死で走り出そうとするが、到底無理だった。
囮に使われた…なんで…どうして…。
こなたは暗闇の通路に一人取り残された。
- 247: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:35:47.72 ID:BQskxjIFO
- 「つかさ…かがみ…酷いよ…。」
こなたは足を引きずりながら手探りで移動した。
徐々に背後の足音が大きくなって来ている。
みゆきが近付いて来ているのだ…。
こなたは足の激痛に声が出ないように歯をくいしばりながら、壁にそって移動を続けた。
この静かな通路で少しでも音を立てたら…終りだ。
こなたは手近にあった扉に入ると、みゆきが見逃してくれる事をひたすら祈り、ドアの隙間から通路の様子を伺った。
- 256: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:44:46.84 ID:BQskxjIFO
- 暫くして、全身をひよりの血で真っ赤にしたみゆきが、通路の暗がりから姿を現した。
そして扉の前で急に立ち止まり、直立の姿勢のまま、目をギョロギョロと動かし、辺りの様子を探っていた。
こなたは思わず声が出てしまわないように口を手で押さえ、再度ドアの隙間から通路の様子を伺った。
前を向いていた仏頂面のみゆきがこちらに向き直り、ただじっとこちらを見つめていた…。
- 265: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:49:44.12 ID:BQskxjIFO
- 「………フッ…」
あまりの出来事にこなたは思わず息を漏らしてしまった。
途端にそれを察知したみゆきがこちらに近付いて来る。
- 269: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 00:54:37.60 ID:BQskxjIFO
- 止めて……こないで…みゆきさん…。
こなたは暗闇の中で蹲り、必死で祈った。
ガタン、とみゆきが扉に手をかける音がした…
その時、通路の奥から何か重い物をを倒したような音が聞こえた。
静寂が辺りを包んだ…。
そして扉の向こうからパタパタとみゆきの足音が聞こえ、徐々に遠ざかって行った。
きっとかがみとつかさが注意を引いてくれたんだ…。
- 278: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 01:10:10.64 ID:BQskxjIFO
- 埼玉県…郊外のとある廃工場地下…。
黒井ななこは指定された場所へとやって来た。
そこは寂れた廃工場群の一画で、滅多にひとが訪れないへんぴな場所だ。
わざわざ自分に探りをいれて、脅すとは一体何が目的なのだろうか…。
金だろうか…いや…体も要求されるかも…。
ななこは内心不安で仕方が無かった。
工場の地下はひんやりと湿った空気が漂い、血のような不快極まりない錆の臭いがした。
暫く地下を歩いていると、急に鉄の扉が開き、腕を捕まれて、無理矢理部屋に入れられた。
- 282: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 01:16:33.94 ID:BQskxjIFO
- 「ちょ…ちょっと…!分かったから離してや!」
ななこは腕を振り払うと改めて、その人影の姿を見つめた。
黒いローブを被っていて、人相までは把握できなかった。
「私は知ってるぞ…お前の罪を…。」
その怪しげな人物はそう言うと、ポケットから写真を取り出した…。
そこには、夜道で少年に声をかけるななこの姿が写っていた。
そして二人は手を繋ぐと、公園まで歩いていき、トイレの中へと消えて行く過程が移し出されていた。
- 290: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 01:22:44.22 ID:BQskxjIFO
- 次の写真では血まみれの手をハンカチで拭きながら、トイレから足早に出てきたななこの姿が…。
「自らの快楽の為に罪もない少年を去勢したね……同一の事件がここ二年で連続して9件…酷いもんだ…なぁ、黒井先生。」
黒いローブの人物がななこに詰め寄る。
その人物からはむせかえるような錆の臭いがした。
「一体…何が望みなん……?」
ななこは顔を引き釣らせながら尋ねた。
「まずは服を脱げ…」
- 301: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 01:32:53.18 ID:BQskxjIFO
- 「……分かった…言うとおりにするさかい…ばらさんといて…お願いや…。」
そういうとななこはスーツを脱ぎ、ワイシャツのボタンを一つずつ外していった。
27歳と…本人は年を気にしているが、それを感じさせない、引き締まった、裸体が露になる…。
「下もだ…。」
ななこは恥ずかしげに小さくうなづくと、ズボンとパンティを躊躇いがちに脱いだ。
「こ…これでええんやろ……次はどないしたらええの?」
「そこにあるベッドに寝ろ…」
全く予想通りの言葉が帰って来た。
ななこは言う通りにした
- 315: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 01:45:26.31 ID:BQskxjIFO
- ななこは裸体をベッドに横たえると、目を瞑った…。
これから何をされるのか…。もはや想像がつく。
案の定、生温い手が下腹部に置かれた。
そしてそこを撫で回す。
その手がヘソ、みぞおち、と徐々に上に登って来て、乳房に到達し、形の良い乳房を鷲掴みにしてこねくりまわす。
気色悪い快感にななこは必死で耐えた。
「な…なぁ、後生やから…早く…終らせて…。」
「ああ…いいとも。」
人影がそう言うと、ななこの首筋に鋭い痛みが走った。
「イタッ…何?」
驚いて目を開けたななこの目に飛び込んできたのは、注射器…麻酔か何かを注射されたようだ…。
途端にななこの意識がもうろうとし、そして、完全に意識を喪失してしまった。
その人物は暫くななこをみつめてから、ローブをななこの脇に脱ぎ捨てた。
「ゲームを楽しめ、黒井ななこ…」
人影はそう言うと、部屋から出ていき、二度と戻っては来なかった。
- 338: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 02:03:44.24 ID:BQskxjIFO
- 通路にて…
かがみは呆然と立ち尽くすつかさを尻目に、通路に放置されていた、大きめの本棚を倒した。
途端にホコリと物凄い轟音をあげながら、本棚は盛大に床に倒れた。
「これでいいわ…後は逃げるだけよ…。」
そういうとかがみは通路の奥へと再び走りだした。
依然としてつかさは不機嫌そうな表情をしていた。
「こんな事してもどうせこなちゃんは助からないよ。」
つかさがボソリと呟いた。
「前から、あんまり好きじゃなかったな…こなちゃん…。」
- 362: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 02:17:28.36 ID:BQskxjIFO
- こなたは暫く、様子見の為に、暗闇の中で蹲っていた。
かがみとつかさの陽動のお陰で、難を逃れたが、またいつ帰って来るかも分からない…
あの体格差だ…もし対峙したとして、こなたではみゆきに到底敵わないだろう…。
下手に動かない方がいい。
こなたは改めて、その部屋を見回した。
一寸先も見えない闇だ…。
だがよく目を凝らすと、徐々に部屋の詳細が見えて来た。
部屋の中央の椅子に誰かが座っていた。
こなたは戦慄した。
- 382: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 02:32:09.37 ID:BQskxjIFO
- 「だれ…?だれかいるの…?」
恐怖に震える声でこなたが尋ねた。
「こなたサン……どしてココに…。」
タンが絡んだような具合の悪そうなのを除けば、聞き覚えのある声が聞こえて来た。
この声は……パティ…。
「パティ…パティなの…?」
「そです…パトリシアマーティンでス。」
声を発する度に相変わらずゴボゴボと不快な音が混じる…様子がおかしい。
- 399: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 02:39:58.61 ID:BQskxjIFO
- 「パティ…なんか変だよ…?そっちに…行くね…。」
こなたはそっと立ち上がるとパティの元へとゆっくり歩いて行った。
「ダメッ……見ないでクダサイ…ワタシ…ハダカなので恥ずかしいですネ…。」
恥ずかしがっているのか…こなたが近寄る事をタンが絡んだ声でかたくなに拒む…。
「パティ…怪我してるの?」
「チョット…ほんのチョットです…。」
そう言った直後、パティはまるで末期の結核患者のような湿っぽいせきをして、何かを吐き出した。
臭いから察するに、それは血だった。
- 410: ◆g4b7GjYsgg :2007/12/25(火) 02:49:03.69 ID:BQskxjIFO
- こなたは急いで、パティの元へと駆け寄った。
そして暗闇の中で目を凝らし、パティを見つめ、ショックのあまり絶句した…。
全裸で椅子に座っているパティの体の至るところに裂傷や切傷が散在し、手足はほぼ全部の指の爪が剥がされ、椅子の手すりと、床に五寸釘で打ち付けられていた…。
顔にも切傷が多数あり、一番酷いのが、目を黒くて太い糸で縫いつけられていた事だった…。
狂ってる…拷問を受けた事は明らかだった…。
「パティ…どうして…こんなに……。」
「…こなたサン……だから近付いてほしくなかったんです…ワタシこんな姿アナタにみられたくなかったですネ…。」
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