吉良吉影が雛見沢にやってきたようです

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:32:04.52 ID:s1J4wEtl0
次の日

プルルルルル

しのぶ「あー、忙しいわ!あなた!じゃない、早人!電話とって!」

早人「はーい」

ガチャッ

「あっ、竜宮と申します…」


早人「礼奈さんが…まだ帰ってきて…ない?」

しのぶ「ゲッ、それは災難ね、早人。道覚えてる?私が案内してあげよっか?」

早人「いや、いい…」



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:34:39.52 ID:s1J4wEtl0
圭一「レナが帰ってきてないって?」

早人「うん」

圭一「そうか…どうしたんだろうなあ。少なくとも、連絡もなしに休むような奴じゃ無いんだが…」


吉良「フフ、それじゃあ行ってくるよ」

しのぶ「どうしたの、あなた、なんだかいつもと違うわね
    今日の朝も味噌汁作ってたし…」

吉良「特に何も変わらないよ、いつもの朝さ」



96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:37:41.28 ID:s1J4wEtl0
昼飯。この会社で食べる二回目の昼飯だ。
昨日は外の町の案内をやりたがる小うるさい先輩達を無視して、適当な店に入った私だからか、
今日は誰一人として誘ってこないようだな

それでいい。誰かと一緒にいたら、そしてもしそれが女性だったならば、

彼女が妬いてしまう

私は近くにあったイタリア料理店に入る。中々おいしいが…杜王町にあったあの店にはかなわないな…



98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:41:29.94 ID:s1J4wEtl0
予想外に回転の早い店だったため、昼食が早く終わった
まだ昼休みは幾分とある。私は図書館へと向かった

調べるのは、雛見沢の歴史…

あの夜彼女は「御三家の一人」と語ったが、一体御三家とはどういったものだろうか
御三家なんて無いとなれば、いよいよアレが本当に口からでまかせだってことに…

「あら、あなた。雛見沢の歴史に興味が?」

少しバストの大きい女性が、笑顔で私に話かけた
まさか話かけられるとはと思っていた私は少し戸惑った

「君は、専門家か何かかい?」

「違うけど、歴史は詳しいわよ。座りましょう」



99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:44:35.88 ID:s1J4wEtl0
今日会ったばかりの、いい年の女性が、
図書館で一緒に歴史の話をしましょうとは…

少し戸惑う展開だが、まあ田舎だとこんなもんか

「嬉しいお誘いですが、辞退します」

「ええ…、そんな。本当は聞きたいんでしょう?」

「彼女が妬いてしまう」

「今はいないわ。それともそれは、私を彼女が妬く程に美人と認めているってことかしら」

「ああ、確かにその通りだ」

少し面白そうな女性だな。
時計を見る。…まだまだ時間はあるか。

「いいだろう。聞かせてもらう。」



100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:47:12.57 ID:s1J4wEtl0
「あら、彼女はいいの?くすくすくす」

「(性格は悪かったか…)歴史の話を聞くだけだからな」

「そうね…」

「どうして、歴史のことを調べようだなんて…?」

「…(何故こんな質問を…?)」

「そうだな…」

「これから住む場所のことを詳しく知りたい…それじゃ駄目か」

「フフ…いいわよ」



102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:50:22.21 ID:s1J4wEtl0
「じゃあまず御三家の所から頼む」

「御三家…公由家、古手家、園崎家のことね…」

「(本当にあったのか…)」

彼女は雄弁と、まるで演説かのようにその歴史を語っていった
―おいおい、結構脱線しているじゃないか。

「その古手家に、古手梨花という子供は」

「そう、いるわよ」

「おかっぱ頭の」

「そうよ、おかっぱ頭」

「スタンド使いの…」

「スタンド?何のことかわからないわ」

「(…。知らない…)」



104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 01:56:01.83 ID:s1J4wEtl0
…ならばこれはッ!

「スタンドを知らないのなら!その背後にあるスタンドは何だッ!」

鷹野の肩にいるのは妙な生物!

「ああ…富竹さんね。私は使えないわよ
 当然…私の肩にあるだろうものだって…見えない」

「富…竹。知っているじゃないか、嘘吐きめ…」

シュンッ

「逃げるのか…私のキラークイーンから…」

私はキラークイーンを出現させる

「(何処からでも…来い…)」

鷹野「彼は姿を現さないわよ、用心深いから…」

吉良「(くっ…この女も、スタンド使いか…?)」

鷹野「そして…逃げたと思いきや直ぐに姿を現す。私を守るナイトだからよ。くすくすくす」

図書館の柱から、お手上げのポーズをしたタンクトップの男が登場する



107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:00:14.16 ID:s1J4wEtl0
富竹「悪いね…僕のこのスタンドには…全くといっていいほど戦闘能力が無いんだ
   ただ、見て、聞いて、撮る。それだけさ」

吉良「信用できないな」

富竹「図書館に登場したら、スタンドを出した怪しい男が自分の彼女と話している
   彼女を守ってあげたいが無策では飛びでられない、せめて話だけは聞きたいと思うのは当然だからね」

吉良「…」

吉良「(この会話…私は怪しい言葉を一言も発していない…)」

吉良「(そして、この二人を倒すということは、この二人を抱える組織、
   おそらく矢を持っているその組織と敵対することになる…)」

吉良「得策ではない…か」

鷹野「主語が無いけど、多分そうよ。くすくすくす」

吉良「いいだろう、行け」

富竹「行こう、鷹野さん」

吉良「ああ…それと…」

鷹野「?」

吉良「話、面白かったよ。また聞きたい」



111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:05:09.54 ID:s1J4wEtl0
くそ…スタンド使いから逃れたと思えば、またスタンド使いか
奴らは恐らく、古手梨花の言うことを信じる、もしくは古手梨花の差し金

しかし―私を殺そうとはしない上に、私を倒せるほどの戦闘能力も無かった…

吉良「奴らは一体…」


羽入「本当に良かったのですか?」

梨花「何がよ」

羽入「昨日の夜―鷹野に、スタンドの秘密を教えた。おまけに古手家の家宝まで」

梨花「四の五の言っている場合じゃないわ。東京は強い味方よ。
   きっと、吉良吉影を捕まえられる…」

羽入「それならば一日早く…」

梨花「あの時点では、ここまで考えが回ってなかったわ。
   でも、既に一人の犠牲が出た。もうここから先は、吉良を倒した後の私の暮らしなんて知ったことじゃないわ
   それに…少し面白そうでしょ?もし圭一がスタンドを使ったら…くすくす」



113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:08:28.75 ID:s1J4wEtl0
夕方―
私は誰よりも早く会社を出る

会社にいるのも、家にいるのも嫌となれば、何処かで時間を潰すか…
この近く、CDショップなど、無いだろうか。CDだなんて私の顔と共に全て失ってしまった
この川尻の好きなCDは、やはり私の耳には合わない…

ブウン…

吉良「警察…?」

私は近くを動いている警察に気付く。全て雛見沢に向かっている

まさか―古手梨花関連…

私は、CDショップ探しをやめ、雛見沢に足を向けることにした



117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:19:42.16 ID:s1J4wEtl0
「で、どうだい、蔵ちゃん」

「一見したら…ただの家出とも見えないこともないこの事件ですが…
 私は長年の勘から、この事件は雛見沢連続怪死事件への…」

「そんなことはわかっとるんじゃ、実際の状況は」

「今の所、三人でバラバラに、村人一人一人に聞き込みをしています
 これで若干、隠し事はしづらいかと思います」

「それでも、こういう状況でもやるのが奴らじゃからなあ…」

「諦めていてはつかめる事件もつかめません。絶対に犯人を見つけだしましょう」



120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:23:58.02 ID:s1J4wEtl0
なんだと思えば…竜宮レナの失踪について…か
これは…警察は何も繋がっていない…と、とっていいものだろう

いや、この聞き込み。当然古手梨花か誰かが、私が怪しいと言う、
それだけでマークされるかもしれない

鷹野三四から聞いた、雛見沢連続怪死事件のこともある、…恐らく、それで、マークがキツくなっている…
でもなければ少女一人の失踪だけでここまでは調べない

考え事をしていれば、もう家についていた

吉良「ただいま」

しのぶ「あなた、おかえりー」

早人「で、それで…、沙都子が、」

しのぶ「うんうん(この子がこんなに楽しそうに話をするの…、久しぶりに見るわ)」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:27:58.67 ID:s1J4wEtl0
早人「あっ、お父さんおかえりー」

吉良「ああ…ただいま」

吉良「(風呂でも浴びるか…いや、警察の動向も気になる…)」

しのぶ「あなた」

ふと見るとしのぶが私の目の前に立っていた

吉良「どうした」

しのぶ「さっき警察が来て、レナちゃんが失踪したって、物騒な世の中だわ」

吉良「(ちゃん付け…)物騒だな…」

しのぶ「早人にはまだ伝えてないけど…」

吉良「しかし…恐らく明日、学校で確実にわかる。
   隠しておくよりかは―確かに、伝えておいたほうがいいかもしれない」



123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/17(日) 02:31:16.32 ID:s1J4wEtl0
しのぶ「あなた、伝えてよ」

吉良「どうして私が……(反論してもこの女が自分で伝えることは無いな)
   いや、いいだろう」


吉良「早人」

早人「あっ、おかえり」

吉良「…」

早人「どうしたの?お父さん」

吉良「(確かにめずらしい程の上機嫌だな…)竜宮礼奈が失踪した」

早人「え!?」

しのぶ「(直球…)」

吉良「明日からは、出るときは一人だ。登下校は前原圭一についていってくれ…」

早人「あっ…あ…」



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