( ^ω^)が嫉妬するようです
- 98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと27,053秒 :2008/01/10(木) 22:37:17.71 ID:ZNuSlLAs0
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十月も半ばにさしかかったこの日。
僕のクラスでも文化祭の出し物について話し合いを行うこととなった。
( ゚∀゚)「じゃあ、実行委員は俺たち二人で決定で」
ξ゚听)ξ「よろしいかしら?」
文化祭実行委員、すなわち僕らのクラスの中心になって活動する役職には、
クラスのまとめ役である長岡と、これまた女子で一番精力的なツンの両名が選ばれた。
満場一致の決定だった。
ξ゚听)ξ「それじゃ、今から私たちが小さな紙を配るから、
何でもいいから思い浮かんだ案をそこに記述してね。あとで集めるから」
僕は渡された紙きれに「人形劇」と書いて、提出した。特にこれといって理由はなかった。
- 100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと26,553秒 :2008/01/10(木) 22:40:19.55 ID:ZNuSlLAs0
- 実行委員の二人が集まったアイディアを黒板に写している間、僕は文化祭当日のことを想像した。
どうだろう。長岡は、僕と一緒に校内を回ってくれるだろうか。
いや、いくらなんでもそれはないだろう。
彼は誰からも好かれるし、誰にでも好意を払っているから、
さすがに他に友人の居ない僕なんかと歩くなんてことはあるはずがない。
それよりも、長岡という名前から、僕は計らずも先日の会話を想起してしまった。
あの時……彼は確かに僕につながる情報を述べていた。
まだ警察にも発覚されていないのにだ。
前回の事件はもうマスメディア中に知れ渡り、連日大報道されているが、
一般の報道機関よりも早く諸事情を手に入れる彼の行動力と情報収集能力は尋常ではない。
いつの日か、長岡は僕が犯人だと感づくのではないか。
この展開は自分が最も恐れていることだった。
彼の口の早さを考えると、そうなってしまったら犯人が僕であると瞬く間に町内に広まってしまう。
それだけは避けたい。
彼に僕の正体を知られてはいけないのである。
- 102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと26,299秒 :2008/01/10(木) 22:42:29.64 ID:ZNuSlLAs0
- そんな風に思索を繰り広げていると、不意に、あの夜の記憶が脳裏に蘇ってきた。
橋の下で女性を殺害した夜の出来事だ。
思い出した途端、僕は震えを抑えるのに躍起にならなければならなくなった。
殺人を犯してから数日は、自分の行いへの嫌悪と後悔からくる恐怖感が尾を引き、
ただそれだけが僕の心を支配して、こうして人知れず奇病の発作みたいに苦悩してしまう。
でも時間が経つと、今度は人を殺す場面を思い浮かべるたびに、その鮮烈な刹那を求めるようになる。
もう一度誰かを殺してやりたい、あの刺激を得たいという歪な欲望が、
ハイクラスのレーサーが運転する車みたいに、急速に僕の全身を駆け巡るのだ。
そしてその時の感触は、体の内側を幾多の虫がうろうろ這いまわるかのように気味が悪い。
これまでもそうだった。
最初に殺人を実行したのは今年の春頃だったが、当時からこんな状態が続いている。
僕と殺人との間に築かれた関係は、薬物依存者と麻薬のそれとほぼ同じだった。
ξ゚听)ξ「部活をやっていた人は八月まで、委員会をやっていた人も九月までで引退したんだから、
放課後準備をサボるのは絶対に許さないからね!」
ふと我に立ち返ると、ツンが教卓を叩きながらそんなことを喚起していた。
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