( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

488: 刃は月を写すようです :2008/02/02(土) 02:53:18.79 ID:i//Ye5Nj0
錦の衣を妖しく閃かせて女が跳ぶ。
裾から除く白く、細い腿に見とれる暇は、当然ない。
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( ゚∀゚)「ち、いい加減往生際悪いぜ。もう少し諦めがいいとこっちも助かるんだがな!」

朧月に掛かる長い髪。幼さを残すその顔の額から除くのは、ねじくれた一対のドス黒い角。

ζ(゚ー゚*ζ「アナタも、いい加減しつこいわよね。
       人間風情がアタシに敵うはずがないって、お仲間を何人殺されれば気付けるの?」

微かに照らされた橋の欄干には真新しい血。
昨日笑い合い、酒を酌み交わし、語り合ったはらから達の腸が発する夥しい血臭。
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( ゚∀゚)「悪ぃが俺は物分かりが悪いので有名でね。
     お前こそ、いつまで逃げ切れると思ってる? おとなしく縛についた方が安らかに死ねるぜ?」

ζ(゚ー゚*ζ「ご冗談を。あんた一人で一体何ができるって言うの?」
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( ゚∀゚)「できるさ。人心を惑わし弄び、挙げ句に食い散らかすバケモノども。
     てめーら鬼どもににきっつーいお灸を据えてやるくらいなら、いくらでもな!」

答えると同時に大きく一歩。脇構えに構えた刀を、地面すれすれから逆袈裟に薙ぐ。
しかし白刃は豪奢な桂の袖を掠め、煌めく糸屑の軌跡を橋下の流れに散らすにとどまる。
鬼、ゆるりと欄干に降り立ち、嘲笑。

ζ(゚ー゚*ζ「ご冗談を。アンタなんかに大人しく斬られるアタシじゃないですよーだ♪」

普段なら心休まるせせらぎの音でさえ、今は先に逝ったはらから達の怨嗟の声。
刀身にぼやける三日月は雲の合間に、中空に、雲の間に高く尖る。
俺の長い、長い夜は、まだ明ける気配を見せてくれない。



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