( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

987:>>984乙 題「最後の空のようです」 :2008/02/03(日) 22:41:28.07 ID:rOtjhmt40
子供の頃見上げた空は、いつだって青く、高かった。
それなのに、今日の空は不機嫌で、灰色で、どんより濁っている。
最後くらい――そう恨みがましい言葉を吐こうとして諦め、黙って芝生に寝転がる。
 
(,,゚Д゚)「空か。まじまじ見るのは久しぶりだゴルァ」

(*゚ー゚)「どうしたの? ギコ君。こんな曇りの日に、外で寝ころんで。服、湿っちゃうよ」

その女の視線から眼をそらして、また空に戻す。
空も、彼女も。どちらも見納めだが、今来た方の見納めは、辛かった。

(,,゚Д゚)「うっせーよゴルァ。俺の勝手だ。服だって自分で洗ってる」

(*゚ー゚)「またまた、可愛くないこと言っちゃって」

そう言って頭の横に腰を下ろす。そして言葉もなく、泣き出しそうな空を二人、眺める。何分も。

(*゚ー゚)「――――いいの? 言わなくて」

(,,゚Д゚)「何を」

(*゚ー゚)「ギコ君、行っちゃうんでしょ。この空のもっともっと上の、宇宙の彼方まで。戦争に」

(,,゚Д゚)「知ってたのかゴルァ……参っちまうな。どいつが漏らしたんだか」

そのまま、無言。別れの挨拶も、気の利いた言葉も。実は結構、本命だったんだぜ、なんて茶化して言えるはずもなく。
話し始めたら止まらないだろうが――そろそろ、出発の時間だ。

ゆっくりと立ち上がり、歩き出す。呼ぶ声には答えない。
最後に見上げた空は幼い頃のように晴れ渡っていたが、まぶたの裏で降る雨に霞んでいた。



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