( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

990:1/1 :2008/02/03(日) 22:49:06.89 ID:nqWxeW/L0
人混みを掻き分け、ホームの階段を昇る。
誰もが同じような顔をして、同じような服を着て、同じような方向へ向かっている。
ガヤガヤとしたこの空間にも、大分慣れてきた。


「お……?」


横断歩道を渡る途中、懐かしい顔を見た――気がする。向こうも僕の視線に気がついていたようだった。

記憶の奥底に沈んでいた思い出が一瞬にして蘇る。この数年で、酷く曖昧になっていた。
彼女がもし、自分の知っている彼女であれば、単純に再会を喜ぶだろう。
自分の知っている彼女でなくとも。それでも構わない。


「……ツン」


彼女と最後に会ったのは、もう五年も前になる。
僕も彼女も、もう大人だ。昔のようにはいかなくなった。それは仕方の無いことだと思う。

そう思いつつも、僕の手には携帯が握られていて。
液晶には彼女のアドレスが浮かんでいた。



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