( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

993:1レス :2008/02/03(日) 23:00:03.93 ID:g/Jy7A1K0
川 ゚ -゚)「そろそろ起きて」

クーは起きてすぐ、隣に寝ているモララーに声を掛けた。返事はない。
カーテンからもれる薄暗い光のなかで彼女は、
布団から起き上がったまま隣の布団を見つめていた。
しばらくそうしていたが、やがてあきらめたように起き上がった。

まだ眠っているのだろう。モララーは朝に弱いからな。
あせらずゆっくりと、透明な水のように彼女は思う。

2人分の朝食を用意してから、まだ寝ているモララーに声を掛ける。返事はない。
モララーは朝に弱いからな。
彼女は再び心の中でその言葉を口にする。
食べ終わり、早々に仕度をする。
彼女の勤め先は都心にあり、このアパートからは少し遠かった。

川 ゚ -゚)「行って来ます。モララーも遅れるなよ」

相変わらず返事はない。彼女は玄関の扉を閉める。

1週間前にモララーは、踏み切り事故で帰らぬ人となった。
朝の遅い時間帯の電車が踏み切りに進入してきた車と衝突した。
その日に限って、モララーは朝寝坊をしていた。
もう少し早く出ていればそんな事故には逢わないはずだった。

彼女はそれを知ったとき我を失い、そして気付いたとき、彼は彼女の前に再び姿を現した。
以来彼との生活は続いていた。以前と同じ、2人だけの生活。
少し無口になったけれど、優しい彼のままだ。

彼女が去った部屋の中で、物言わぬ写真立ての中のモララーが笑っていた。



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