( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)

205: お題:電話 :2008/02/01(金) 21:26:33.12 ID:8cjbQ3Rj0
――給湯室――

从#゚∀从「クッソ、あのバカ課長! ちょっと応対間違ったくらいで何が」
从 'A从『ハイン君、君は電話番一つ満足にこなせんのかね?』
从#゚∀从「だ! あのクソボケ、見てやがれ……」ピポパ

从#゚∀从】「おう、アタシだ。今から言う番号に仲間全員でかけてくれや。ああ報復だ、悪いな。頼むぜ!」

从#゚∀从「フヒヒ……見てろよあのハゲカス。最終地獄は今から始まるぜぇ〜!」

――オフィス――
ピルルルr                 ピルルルr
('A`)】「ハイ、こちらVIP商事です……ハイ、ハイ――――」
  _,        ピルルルr                ピルルr
从 ゚∀从「あれぇ〜、課長お忙しそうですねぇ〜」
  ピルルルr                 ピルルルr
('A`)】「ああ、ハイン君かね。今忙しいから書類は私のデスクに……ああ、はい申し訳ありません。欝田篠です――――」
  _,        ピルルルr 
从 ゚∀从「早く他の電話も取らないと、クレーム来ちゃいますよぅ?」      ピルルルr

('A`)】「…………そうだな。久方ぶりにアレをやるか……」
从 ゚∀从「?」
('A`)「商社マン絶技!!」                   ムソウオウタイセンジチョウ
                                 無 双 応 対 千 耳 聴 !! 
モウシワケアリマセン【【【【ゼヒトモ、オンシャト・・・【【【【【【【【【アリガトウゴザイマス【【【【('A`)】ソレデデスネ】】】アア、コチラニカンシテハ・・・】】】】】】】ハイ、タダイマカワリマシター

从 ゚∀从
   。 。
   //ポポーン
从 ∀从



209: あの頃の思い出 ◆U6.3Gangr. :2008/02/01(金) 21:31:46.07 ID:uy5GocvnO
(‘_L’)「燃えろ、『断罪の左手』」

川 ゚ -゚)「飲み込め、『漆黒の渦潮』」

隻腕の男が放った炎の柱を、長髪の女は避けようともせず佇む。

だが―――

女の目前に現れた闇がそれを飲み込んでしまった。


ページをめくる音。
そこには白い世界が広がっていた。



('A`)「懐かしいな…小学生の時の自由帳か」

部屋を片付けていたら出てきた思い出。
この世界の『彼ら』は未だ冒険の途中なのだろう。

俺はその白い世界に、十数年ぶりに息を吹き込んでみる―――

 ――彼らの旅はこれからのようです



213: お題なし :2008/02/01(金) 21:33:40.17 ID:0SMSj8LlO
ツンは時々学校帰りにサーターアンダーギーを食べに行こうと僕を誘った。
半分屋台みたいなちんすこう屋の前で彼女と一緒に立ち食いするそれは、甘くてほくほくとしており、毎回僕に舌鼓を打たせた。

そして、その日も僕たちはサーターアンダーギーを食べていたんだ。珍しくツンが無口で、機嫌が悪いのかと思った。
でも、しばらく黙り込んで揚げ菓子をもそもそかじった後、ツンは僕と目を合わせないでつぶやいた。

ξ゚听)ξ「私、本土の大学に行くの」

( ^ω^)「え……」

ξ゚听)ξ「だからさよならしなくちゃいけない。ごめんねブーン」

そのまま俯いて泣き出したツンに対して、何が言えたというのだろう。
僕たちの間に沈黙が流れてしばらくするとツンは踵を返して走り去ってしまった。

じーんと頭が麻痺したみたいで、にもかかわらず妙に冷静に『もったいない』と思考した僕は、手に持ったサーターアンダーギーを一口かじる。
冷めたそれは、粉っぽくて、油っこくて不味かった。



219: ドクオは繋がらない電話で繋がるようです 1/2 :2008/02/01(金) 21:36:05.02 ID:QLivC/fdO
今日も俺は11個の数字を押し、電話を掛ける。
受話器からはいつもと同じ言葉が機械的に繰り返される

『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。番号をお確かめになってもう一度お掛け直しください。』

そんなこと、わかってる。誰に言うでもなく呟く。
別に電話が繋がることなんて期待していない。
クーとのルールを守っているだけだ。他の何でもない。


クーとは七年間付き合っていた。ドラマみたいな熱い恋愛をしていたわけじゃない。
休日にどちらかの部屋で会って、だらだら過ごす。どこにでもいるカップルだ。
俺達はお互い無口で会話もあまり無かったが、それでも良かった。一緒にいられるだけで幸せだった。
そんな俺達の間には一つだけルールがあった。

『毎日夜十時に電話をする』

別に約束をしたわけじゃない。七年間の内にいつの間にかそんなルールが出来上がっていた。
電話での会話は、数十分続くこともあったし、数分で終わる時もあった。
時には、クーが電話に出られない場合だってあったが構わなかった。
別に話す時間が大事なのではなかった。大事なのは電話をかけたと言う事実だった。
毎日の電話は俺達を繋いでいてくれるような気がした。

220: ドクオは繋がらない電話で繋がるようです 2/2 :2008/02/01(金) 21:37:23.88 ID:QLivC/fdO










だけど、クーは一年前に交通電話で死んでしまった。
携帯は解約されて、もう繋がることは無い。でも、俺は今でも毎日電話をかけ続ける。








電話は繋がらなくても、ずっとクーと繋がっていられる気がするから。



223: 消化3/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:38:48.96 ID:SEWMYbtv0
――あの頃の思い出を思い出そう――

('A`) 「……お……おい………………おい……おいってば!」
( ^ω^)  「……………あ……………れ?」
('A`) 「…………きろよッ! ……んで……リなんて……ッカじゃねぇのかよ!?」

なんで……ドクオが……? あれ、生きて? あれ? あれ? あれあれ?
頃しに、じゃない、コロス、コロ……殺すた、はず、や、殺しに行ったはず?
あれ……ああ、あれ? まだ頃し、じゃない、コロして、なかった? どっち?

('A`) 「おい! 良いからじっとしてろよ! 今、電話で救急車、呼んだから!」
川 ゚ -゚) 「ドクオ! ブーンは……ブーンは?」

あれクーが、なで? ドクおと、隣? あれ? クーは、僕の。彼女?
あれ、違う、違うよ、そうだ、そうだ、ドクオとクーだ。
ああ。ああ。そうだった、そうで、そうなったから、だから…飲んで、吸って、射したのに。
これじゃこれじゃ……あ、そうだ……だったら、今……。

( ^ω^)  「ドク…オ? ドクオ? ……クーが、いる?」
('A`) 「ああ!? あ、ああ、クーもいるぜ? いるから……もうちょっと、辛抱し……」

――サクッ

('A`) 「…………………は?」
( ^ω^)  「あは……ハハハハ、ハハ……ドクオ、は、もうすぐ? 死ぬお? 死ぬかお?」

ああ……良かった。ナイフを握ってから、倒れていて、本当に良かった。
クスリ、高かったもんね……無駄にしないで、済んで、本当によか……

( ^ω^)  「あは………あ…………なんか眠い、………お?」

224: 消化2/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:39:02.81 ID:SEWMYbtv0
――あの頃の思い出を思い出そう――

( ;^ω^)  「ハァ……ハァ……ハァ……!!」

身体が、震える。寒いわけじゃあない。怖いわけじゃあない。
ただただ……楽しすぎて、楽しすぎて、抑え切れなくて!

ああ、ああ、アレは壊せるのかなぁ……? あの時計は、石で叩いたら、歯車が飛び出すのかな?
アイツを、アイツを、道路に突き飛ばしたら、ドンって突き飛ばしたら、
車が車が車が車が車が車が来る間が来るクルクル包まって……!!

( ФωФ) 「……どうだ? お代わりは、要るかね?」
( ;^ω^)  「お? お、お、お…おかわ、お代わり?」
( ФωФ) 「キミが、今吸っている、白い粉、『深夜のVIP』だよ?」

聞くなよ、そんなの、キマってるから決まってるに決まってるだろ答えなんて?
早く早く早く早く早く早く早く! もっともっと、もっともっともっと!
ああああああああああああああ、早くしてくれよ、とっとと!

( ;^ω^)  「まだ、まだまだまだまだまだ、足りないお、足りないから……はやく!!」
( ФωФ) 「ふふ……まぁ、お代をもらえれば、私はそれで、いいのだがね?」

まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ

ドクオは……友達、友達友達友達……ああああああああああ、やっぱりまだ、まだ……!!
まだ……こんなんじゃ、こんなじゃ、こんなんんじああああ、まだ、ドクオを…………………………………殺せないよぉ。

225: 消化1/3 ◆3mfWSeVk8Q :2008/02/01(金) 21:39:13.14 ID:SEWMYbtv0
――あの頃の思い出を、思い出そう――

('A`) 「……なあ、ブーン」

( ^ω^)  「ん? なんだお?」

放課後の教室で、僕らはいつも、飲み物を片手に喋っていた。
いつもいつも、先生に追い出されるまで、ずっと喋っていた。
女子が来て、居づらくなっても、構わず、喋っていた。

――家族のこと。
――勉強のこと。
――ゲームのこと。

つまるところ、何でも良かったんだ、話題なんて。
ドクオと一緒にいられれば、僕らはそれで。

('A`) 「俺、さぁ……」

( ^ω^)  「ん?」

何でも……良かったのに。
まじめな話じゃなくても、良かったのに。

('A`) 「俺……クーの事、好きなんだけど」

( ^ω^)  「……え?」

奇妙なことを言うなぁ、なんて、その時の僕は、思っていた。
だって、クーは……。



228: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:20.22 ID:iOQieM4e0
私には不思議な力がある。
どんな力かと言われると、答えられないのだが、不思議な力だ。

例えば、ほら。あそこの二人を見てみよう。

(,,゚Д゚)「なぁ、放課後どうする?」

一見純情でイケメンの彼。
だが彼の思ってる事はきっとこうだろう。

『セクロスセクロス!! さっさとセクロス!! 』

こんな所だろう。なんとなくだが、分かる。
一方彼女はどうだろう。

(*゚ー゚)「ごめん、バイトなんだ」

清楚で、優しそうな彼女。だが思ってる事は

『お前、俺の前で息するな』

そんな所だろう。

なんとなくだが、人のそういう事が聞こえるのだ。
それも、無理矢理に聞こえる。
だから、耳を塞いでも、聞きたくなくても聞こえてしまうのだ。

229: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:32.76 ID:iOQieM4e0
結果、私という人間は誰とも接せずに生きている。
だってそうだろう、こんな力があれば、嫌でも人を避けてしまう。

だが最近、私にある変化が訪れたのだ。
それは二つある。

一つは

('A`)

彼の存在である。彼からは良い物を感じる。
先のように、なんとなくだが、優しく、守ってくれる。そんな感じがするのだ。

そして一つ。
これは悪い変化なのだが、最近気持ち悪いものが私の体を這いずり回るのだ。
なんとなくだし、誰がそうしてるのか分からない。

だが、彼がいる。

彼の存在、彼の持ってる物。
それだけで私は嬉しいのだ。

そんな気持ち悪い物など、どうにでもなる。
私の全ては、彼の物かもしれない。

('A`)「あ、クーさん」

あぁ、この声を聞いただけで私の胸は弾む。

230: 聞こえるようです。 :2008/02/01(金) 21:40:45.31 ID:iOQieM4e0
川 ゚ -゚)「何だ?」

綺麗な髪だ。

川 ゚ -゚)「あぁ、そういえばそうだったな」

綺麗な声だ。

川 ゚ -゚)「ん?どうした?」

大変だった。
この力を手に入れるのに苦労したよ。
君の事は知ってるよ。
君の全てを僕は調べ上げた。
カメラは高かった。取り付けるのも大変だった。
でもおかげで分かった。君の力。君の欲しい物。

一番大変だったよ。

('A`)「この気持ちをコントロールするのは、ね」

好きだ好きだ好きだ好きだよクー。大好きだ。愛してる。犯したい。君の全てをぐちゃぐちゃにして僕を君の
全てにしたい。乱れる髪を見てみたい。泣き叫ぶ君を見てみたい。嬉しい顔の君を見てみたい。悲しい顔の君
を見てみたい。色々な表情の君を、僕は間近で見てみたい。君の全てを手に入れたい。そこまで好きなんだ。
大好きなんだ。君の流れる血、鼓動する心臓、活動する内蔵、その全てさえも僕の物にしたい。美しい物を見
て感動する気持ち、色々な気持ち、そう、心だ。心も僕の物にしたい。そしてそれをズタズタにしてみたい。
君は一体どうなるのだろう。気になる。気になる。気になるのだ。その心を弄びたい。体を思い通りにしてみ
たい。犬のように排便させてみたい。家畜のように扱ってみたい。君の肉はさぞ美味いだろう。

('A`)「愛してるよ、クー」



243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと807,145秒 :2008/02/01(金) 21:50:44.00 ID:4xQ1Hfw5O
 女である以上、恋の道からは逃げられない。胸をときめかせ、飽きることなくあなたの顔を思う。

実らぬことは知っているし、相手の気持ちすら聞けずに終わるかもしれない。

それでも一生この暗い部屋で過ごすくらいなら、思い切って行動してみよう。


 彼は必ずオフィス街にある小さな公園で、お昼の弁当を食べる。このことだけは女中に調べてもらった。

女中は私の一生一代の覚悟を、あなたのためならと、応援してくれた。

内心本当にすまないと思いながら、鏡を見て化粧を直し、一つ笑顔を作ってみた。

ああ、もうこんな時間だ。いそいで支度をしなければ、彼はお弁当を食べ終えてどこかに行ってしまう。


 公園に着くと、彼はちょうど昼飯を食べ終えて立ち上がろうとしていた。

彼の顔を見ると私の身体は熱くなり、そのまま気化しそうになった。

川 ゚ -゚)「まずい、早くしなければ、帰ってしまう。」

私は意を決し、彼の前へ立ちはだかった。

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと807,003秒 :2008/02/01(金) 21:51:39.72 ID:4xQ1Hfw5O
(,,゚Д゚)「……?」

彼は何事だろうかと思案していたが、説明している暇はない。

はやくこの想いをつたえなければ。

川 ゚ -゚)「あ……あのだな、君のことが好きだ」

い、言えた。好きだという言葉をいままで何度心の中で呟いただろう。

だが、今日は思っただけではなく、口で直接言い、そして伝えることができた。ああ満足だ。

(,,゚Д゚)「――も――だ――――です――――」

私は言いおわった直後に意識が消えてしまったため、彼の言葉を聞き取ることができなかった。

吸血鬼である私には太陽の光は死を意味する。私は命と引き替えに告白の権利を得たのだ。

(,,゚Д゚)「あれ?……消えた?」

おそらく彼は何が起こったか、訳が分からないだろう。

だが私は恋の自由をまっとうできたことに満足した。たとえ相手の気持ちが聞けなくとも。


こうして吸血鬼最後の生き残りである私は恋のために滅んだ。



251: きらきら :2008/02/01(金) 21:56:57.43 ID:+Fw36kZ1O
(;^ω^)「ツンっ、大丈夫かお!?」
ξ;゚听)ξ「流石にキツいわね……この分じゃ地球にたどり着く前に……」
(;^ω^)「くそっ、やっと目的地が見えてきたというのに!」

悔しくて堪らないといった様子のブーンに対し、ツンが優しく笑いかける。

ξ;゚ー゚)ξ「貴方だけでも無事にたどり着いてね」
( ;ω;)「ツン……」
ξ;ー;)ξ「変な勘違いしないでよ、こんな頼みをするのは他でもない私自身の為なんだから。
      だって貴方の幸せは……私の一番の……」

"願い事なんだから"
掠れる声でそう言うと、期せずしてツンは宇宙の塵と化した。

( ;ω;)「おおおおおっ! 見ていておツン、僕は絶対に地球にたどり着いてみせるお!」




(*゚ー゚)「あーっ、流れ星だよ!」
ノパ听)「私の願い事、叶えてくれるかなぁ!?」
(*^ー^)「ふふふ、どうだろね」

ノパ听)「……なんかさ」
(*゚ー゚)「ん?」
ノパ听)「あの流れ星、泣いてたような気がするんだ」
(*^ー^)「まっさかぁ、星が泣くわけないよ!」
ノハ--)「そうだよなぁ……」

ノパ听)(でも、地球にたどり着く寸前で燃え尽きるなんて、どんな気持ちなんだろなぁ)



253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,359秒 :2008/02/01(金) 22:03:03.34 ID:BrOEtWLrO
街の中の、薄暗い道を歩いていくと小汚い店があった。
木でできた古い扉を耳障りな音と共に開く。
すると、埃の匂いと共にたくさんの本が目に映る。
視界には本・本・本と本だらけだ。
大量の本の数に圧倒され、口を開いたまま固まってしまった。

( ^ω^)「なにか、お探しですかお?」

後ろから声を掛けられて振り向くと、笑顔の男が立っていた。

( ^ω^)「普通の本をお探しですかお?ならば此処には存在しない」

( ^ω^)「此処にあるのは奇妙・奇怪・奇奇・怪奇…不思議な本しかありませんお」

くるりと回って背を向けた店主は、ゆっくりと歩く。
そして一冊の本を持って目の前に戻ってきた。

( ^ω^)「この本を、あなたに」

差し出してきた本を咄嗟に受け取る。
古い本のようで、渡された時に埃が舞った。

( ^ω^)「またのご来店をお待ちしております」

254: おかしな本屋のようです :2008/02/01(金) 22:04:00.89 ID:BrOEtWLrO
('A`)「……」
気づくと本屋は存在しなかった。
建物はある。しかし、中の本屋が消えていた。
もともと存在しなかった、と考えたかった。
しかし、それならば、服についた埃と、
腕の中にある本の説明がつかない。
とりあえず、自分の名前がタイトルの本をどうしようか


fin



256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:04:48.76 ID:78KcO8fg0
(,,゚Д゚)「俺が死んだら、お前にだけは真実を教えてやるよ」

いつもと同じだった。
いつもと同じように朝起きて、いつもと同じように朝ご飯を食べた。
形が崩れた豆腐に、薄い味付けのみそ汁。近所のお婆さんからもらった黄色いたくあん。
日が入り込む東側の大きな窓。綺麗な白いお米。
ただ。いつもと同じだった。
違ったのは彼の淋しそうな微笑みと、「おかわり」の言葉の変わりに紡がれた言葉。
うん。それだけだった。



*




来る人は皆腰が低く、真っ黒な服を着ていた。着物を着ている女性もいれば、黒いスーツを着ている男性も居る。
白と黒が交互に入っている大きな布が掛かっている。
よく考えれば、私にとってこの日は初めてのお葬式だった。
大きな会場には色とりどりの花達。

('、`*川「まだ…二十歳になってなかったんだっけ? かーわいそーう」

258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:06:31.26 ID:78KcO8fg0
その声に反応して私は前を見る。そこには髪の毛を茶色に染めた若い女が立っていた。
しかし、葬式にきたとは思えないほど真っ赤な唇。華美過ぎる化粧だな、と思った。
膝上のスカートに高いハイヒール、そしてカールしている長い髪の毛が、まるで昼ドラの悪役のよう。

私はこの女を殺したい。
この女を私は知っている。彼が教えてくれた最後の事。
喉に数千匹のウジ虫が湧き出てきたような感覚に陥る。喉を焼き尽くしたい。
ざわりざわりと喉が湧く。そして同時に胸苦しくなる。私はこの女を殺したい? 違う。

殺す。
ガタッ。

私が座っていたパイプ椅子が背もたれを一位にして床に落ちた。
周りの人達はすでに葬儀場に向かってしまったらしく、この部屋には私とこの女しか居ない。
刃物もなにも持っていない私にとって、この女を殺す方法はただ一つ。私の手でこの女の首を絞めるだけだ。

('、`*川「…っ…あ」

変な声が女から出てきた。いいザマ。
私の中にあるサディステックな感情が湧き出てくる。そう、もっと苦しめ。
私の首筋から汗が噴き出てきた。

('、`*川「そー…よ」

259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,184秒 :2008/02/01(金) 22:06:47.00 ID:78KcO8fg0
その声に若干、首を絞めていた手の力を弱める。そう、若干。
私はこれでは昼ドラから一転、夜九時から始まる刑事ドラマじゃない、と心中笑っていた。
女は酷く息苦しいだろう。それなのに瞳の奥の芯はしっかりと私を見つめ、声も魂がこもっていた。

('、`*川「私が、殺した」

言葉を合図に、私達はそろって笑った。微笑みとか、そんなに柔らかいものではない。
冷ややかな表情。お互いを貶し合っている表情。でもそれもお終い。全部終わり、終わり、お終い。
だって、彼、もう居ないんだもん。だからさようなら。貴方も私もただのピエロだったのよ。




*




冷たい灰色の壁。耳を当ててみても何も聞こえない。冷たいコンクリート。
小さな窓からは少しの日光。ここで初めて此所が独房だと気付いた。
一体、自分は何をしているのだろうか。長い後ろ髪が前に出てしまっているが、それさえも戻す気にはならない。
自分の手を日光が差し込んでいる方向に差し出してみた。思わず鼻で笑った。

(*゚ー゚)「あーあ、愛した彼は、もういないのか……」



262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと806,455秒 :2008/02/01(金) 22:08:12.06 ID:ToFXUtes0
無人と思われる、古びたコンクリートの建物の一室。
俺の唯一の先輩、高岡さんのかつての研究所。

从゚∀从 「突然呼び出してすまんな」
(´<_` )「久し振りですね。高岡さん。この装置は何ですか?」
从゚∀从 「これはなあ… あの時のタイムマシンだ」

俺の質問に答える彼女に、かつての面影はなかった。
白衣は黄ばみ、髪は伸びきり、足元もおぼつかない様子だ。

(´<_`;)「タイムマシン? まさかあの時の…」
从゚∀从 「そうさ。三年前…。あの時、お前はまだ私の助手だったな」

そう言うと、高岡さんは電話ボックスのようなそれに手をそえる。

从゚∀从 「…完璧になおした。これでこの装置が存在していた期間になら、何時でも戻ることができる。
       事故…で死んだアイツも助けられる… ドクオを…」
(´<_`;)「何を言ってるんですか! 三年前の失敗を忘れたんですか!?
       ドクオさんもそれで… 亡くなったんじゃないですか!」

…三年前、完成したと思われたタイムマシンの整備をしていたドクオさんは、突然の装置の爆発に巻き込まれた。
その事故以来、高岡さんは塞ぎ込んでしまい、俺も研究所を後にする事になったのだが…。
まさか、一人でタイムマシンの研究を続けていたとは…。

263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,876秒 :2008/02/01(金) 22:08:44.87 ID:ToFXUtes0
(´<_`;)「…高岡さん! 止めてください!」
从゚∀从 「おっと」

高岡さんの手にはナイフが握られていた。
そして、刃先を真っ直ぐに俺に向けたまま、焦点の合わない目で俺を見据えて言った。

从 ∀从 「ドクオは本来死ぬはずがなかった。だから私も死なない」

かすれた声でそう言うと、彼女は装置の中に滑り込み、扉を閉めた。
次の瞬間、閃光が走り、装置の中は空になっていた。

(´<_` )「高岡さん…。ドクオを救うことができるのなら、何故今ここにあなたの作り直したタイムマシンがあるのですか?」

俺は静まり返った部屋で一人呟いた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

遂にタイムマシンが完成して一週間が経ち、今夜が初実験の日だ。

从゚∀゚)リ 「さて、そろそろ装置を見ておくかな」

窓の外の沈む夕日を一瞥すると、わたしは白衣をまとい、研究室に行こうと自室の扉を開けた。

从゚∀从 「…………」

そこには、ナイフを持った恐ろしい形相の女が立っていた。

从♯゚∀从 「あ、あ、あああああああぁぁぁああ!!」

女は奇声をあげて切りつけてきた。

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,859秒 :2008/02/01(金) 22:09:18.55 ID:ToFXUtes0
从メ ∀ )リ 「はあ… はあ…」

私は床に転がる血まみれの女を見た。
随分と変わり果てているがそれは… 自分だった。

恐らく未来の…。

私は痛む腕を押さえながら、震える手でタイムマシンの破壊スイッチを押した。

実験は夜だ。

…まだ、誰も研究室に居ないはずだ。


〜ハインは過去を変えようとするようです〜  end



267: 世にも奇妙なVIP :2008/02/01(金) 22:12:03.12 ID:L0YC5Tym0
ある日VIP内にある全てのスレに、まったく同じ内容のレスがされると言う現象が起きた。

「スレタイを声に出して読んでみて」とだけ書かれたそのレスは、
全てが同時刻にも関わらず、IDまで同じであり、きっちり6時間ごとに書き込まれるのである。
また、不思議なことに日付が変わってもIDは同じだった。

決して他の言葉は書き込まず、ただ一言のレスを決まった時間に書き込んでいく謎の人物。
当然話題になり、専用スレが立ち、何のためなのかどうやっているのかについての議論が行われた。

答えの出ないままスレは加速し、パート化していく。そして興味を持つ人も増えた。
果てない謎、色々な仮説、それに対する議論。

内藤は最近になりそれを知り、まとめwikiを読み漁っていた。
同じ様な話題が繰り返される中、内藤はふと気になるレスを見つける。

『声出して読ませて、誰かを探してるんじゃね?』

確かにそうかもしれない。しかし、PCの前で一人で声を出したからと言って何が分かると言うのか。
当然何も起きるわけがないだろう。

( ^ω^)「……一回くらい、言ってみるかお」

自分を落ち着かせるようにゆっくりと息を吐いてから、
小さな声で今見ているスレの名前を読み上げてみた。

――その日を境に、謎の書き込みはなくなった。

謎の書き込みと同IDで最後に書き込まれたのは「見つけた」という言葉だったというが、
実際にそれを見たというものはいなかった。
今でも答えは出ないまま、謎のレスについてのスレは立ち続けている。



274: ('A`)ぼくらのアンインストールのようです :2008/02/01(金) 22:19:37.85 ID:wDhJtX+u0
('A`)「……つーことは、俺たちの誰かがコイツを使えば、ソイツはコイツを使える代わりに死ぬ、と?」

(´・ω・`)「あぁ、そうだ」

 ドクオらの視線の先にあるそれは、人間型をした巨大なロボット。
 全身を黒い合金で強化し、胴体部分は丸い。

 遠くで、黒い煙が上がっている。

('A`)「もし……、俺たちがコイツを使うのを"拒否"したら?」

(´・ω・`)「この世が滅びるだけさ」

 遠くの赤黒い煙の中に、異様なフォルムをした何かの姿が見える。
 そして、その姿がゆっくりとこちらへ近づいてくる。それと共に、地響きも近づいてくる。

(´・ω・`)「地球は今、滅亡の危機にある。この危機を救えるのは、君らだけだ」

('A`)「……」

(´・ω・`)「まあ、君らがこの世界をどうにでも思っているのならば共に滅びればいい。
     だが、君らの仲間全員が、コレを使うとは限らない。
     もし、この中の誰か一人がこの世界を憎んでいて、滅んでもかまわないと思っていれば、その子がこの世界を滅ぼすことになる。
     "あれ"らによってね」

 悲鳴と地響きとが、だんだんとはっきりしたものになっていく。

(´・ω・`)「さぁ、君らはこの地球の運命であり、未来を決める神だ。戦うも逃げるも自由だ。逃げ道は無い
     ……では、始めようか。この世界の運命をかけた"ゲーム"を」



276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:21:37.10 ID:78KcO8fg0
ガタンガタンガタン。電車が私達二人の目の前を通過する。音をたてながら。がたんがたん。
眼鏡をかけた彼女は、なんて事なさそうに話し始めた。透き通る声は夜空に上がっていく。
真冬の夜空の星は燃えてしまいそうな位に輝いていた。それが最後の煌めきといわんばかりに。
ピカピカピカ。ガタンガタン。そして彼女は語り出す。がたんがたん。
冷たい風が吹き抜ける。夜空に舞う、落ちた葉。

从 ゚∀从「もー、何年前になんのかなァ」

水色のジャンバーを羽織った彼女。夏には短めだった髪も今ではセミロング。
早く電車は通過しないだろうか、と黒と黄色の彩色が施されている棒の手前で私達は立っている。
ふと彼女を見てみた。
やんわりとした桃色のマフラーに、黒い手袋。彼女が寒がりだというのはついこの間知った。
白い息を吐きながら、彼女は語る。カンカンカンカンと乾燥した空気に響く警告音。
そんなものはどうでもいいのだから、はやく電車を走らせろよJR。

从 ゚∀从「隣町に女の子が居てさ。女の子でさ。14歳。まぁ、今の私等と同い年だね」

278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:22:25.56 ID:78KcO8fg0
カンカンカンカン。赤く点滅するランプ。
息は白く、私の頬は赤くなった。彼女の横顔は、どこか黄昏に見えた。
塾の帰り道、私達は寒空の中、肩を並べて帰る途中。脳内では先程説いた二次関数のグラフが蘇る。
A=√4。それと対になっているBは−√4。
夜空の星は輝くのを止めない。それが例え死の直前であったとしても。
彼女の声は星に届くのだろうか。セミロングの髪が風に揺れる。ふと駅のほうを見ると、電車が発進してきた。

从 ゚∀从「何でかは解らないけれどさー」

寒さに手がかじかむ。彼女は大丈夫なのだろうか。カンカンカンカン点滅するランプ。
ノイズのように聞こえる冬の風。寒くて寒くて仕方がない。
吹き抜ける風に身を任せてしまった最後の木の葉。もう終わりはすぐそこ。
彼女の口も動き出す。

从 ゚∀从「電車につっこんでさ、」

電車が音をたてながら迫ってきた。ガタンガタンと鳴る電車の車輪。がたんがたん。
聞き取りが困難になる彼女の声。彼女の横顔は、どこか遠くを見ていた。カンカンカンカン。
あと少しで、電車が目の前を過ぎる。ガタンガタン。
彼女の唇が動く。

从 ゚∀从「自殺したんだよね」

279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと805,138秒 :2008/02/01(金) 22:22:42.83 ID:78KcO8fg0
ガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタンガタン。
電車は凄まじい勢いで私達の前を過ぎていった。まるで光のように。
そしてすぐに黒と黄色の彩色の棒は上へ上がった。彼女はなんて事なく進み出す。
私もそれに続く。冷たい風も付いてくる。ひゅーひゅーと孤独を叫び出す。耳に残るあの五月蠅い音が蘇る。
カンカンカンカン。それはまるで、終わりへのいざないの音。
私は彼女の後ろ姿を見ながら、名前も顔も何も知らないその女の子に向かって、何かを想っていた。



283: ニコ厨達がカラオケに行くようです :2008/02/01(金) 22:25:19.60 ID:VkjMttCl0
( ^ω^)「お前から行けおwwwwwwww」

('A`)「おk把握wwwwwwwwww」

('A`)『わらにんぎょうにwwwwwwwwwwわらにんぎょうにwwwwwww』
  _
( ゚∀゚)「ちょwwwwおまwwwwwwwww」

('∀`)『ごっすんごっすんごっすんごっすんwwwwwwwwww』

ガチャ

('∀`)『ごっすんg川 ゚ -゚)「ウーロン茶のお客様ー」


川 ゚ -゚)「……」

(;'∀`)「あーは、あハ、アは……」

  _
( ゚∀゚)(^ω^ )ヒソヒソ ヤーネー

(゚A゚)(おまえらああああああああああ!!)
  _, ,_
川 ゚ -゚)「……」

ガチャバタン

285: ニコ厨達がカラオケに行くようです :2008/02/01(金) 22:25:56.93 ID:VkjMttCl0
(少しして)

('A`)「うっし俺の番だなwwwwwwwwww」

('A`)『おどwwwwwるわwwwwハゲwwwwしくwwwwww』
  _
( ゚∀゚)「うぜえwwwwwwwwwwwwwwww」

ガチャ

('∀`)「とかちつくち川 ゚ -゚)「パーティセットですねー」




川 ゚ -゚)「……」

(;'∀`)「あはー、あはー……ふひっ、ふひひっ……」

  _
( ゚∀゚)(^ω^ )シッテルヒト? イイエ?

(゚A゚)(なんで俺の時ばっか来るんだよ!!!!!!!!)
  _, ,_
川 ゚ -゚)「キモッ……」(ぼそっ)


('A`)「帰るわ」

おわり



292: お題:電話 :2008/02/01(金) 22:30:39.53 ID:8cjbQ3Rj0
(::::::::)『フヒヒ……フヒヒヒヒ。き、今日のおぱんてぃはな、何色なんだい? フヒヒ……』

 ――またか、と嘆息して私は無言で電話を切る

川 ゚ -゚)=3「やれやれ、漸く親元から離れられたと思ったらコレか」

 躾に厳しい父、作法に厳しい母。特に身嗜みに五月蝿い父から開放され
 一人暮らしを満喫していた私に訪れた不幸は、上京してから僅か三日後の事だった

 その日から飽くる事無く続く変質者と思しき者の愚劣で低俗な質疑
 最初の数度は都会の不透明な恐怖に駆られもしたが、今では最早茶飯事である

 さりとて、半年も続けば今度は何故このような目に、という苛立ちが首をもたげ
 私は一つ、意趣返しも含めた応答をしてやろうと思い至った

(::::::::)『フヒヒヒ……き、今日のおぱんてぃは何色なのかな? かな?』
川 ゚ -゚)】「ぱんつはいてない」

 日々、他者の下着に執着する低劣な輩だ。ならばこちらから興味を削いでやれば良い
 電話のたびに妄想を膨らませ、手淫に耽っているであろうこの屑を落胆させるべく一言

(::::::::)『…………』
川 ゚ー゚)】「ニヤリ」

 ――――――――でも

(´゚ω゚`)『衣服の乱れは風紀の乱れぇ!!! 風紀の乱れは人生の乱れぇ!!! さぁ、家に帰ってもらうぞ、クゥゥゥゥゥゥ!!!!1』
Σ川;゚ -゚)】「お、親父殿!!??」

 それがいけなかった…………



295: 1レス『電話』 ◆U6.3Gangr. :2008/02/01(金) 22:35:04.82 ID:uy5GocvnO
( ^ω^)「…それじゃ、来週には帰れると思うお」

J( 'ー`)し「そう、それじゃあ体に気をつけるんだよ」

( ^ω^)「おっおっお、わかったお」

そう言うと、僕は電話を切る。

バーレルバーレルオッモッイー

( ^ω^)「はいもしもし」

( ・∀・)「やっと繋がったな、ブーン。」

( ^ω^)「ごめんごめん、モララーどうしたんだお」


( ・∀・)「ごめん、今日ブーン休みって言っちゃったけどやっぱり出勤だったわ」


(; ゚ω゚)「ちょ、今から間に合うわけないお!!」

( ・∀・)「だから1時間前から電話してたのに、ずっと話し中だったから…」

(; ゚ω゚)「…」

\(゚ω゚)/



297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと804,491秒 :2008/02/01(金) 22:35:57.37 ID:78KcO8fg0
(,,゚Д゚)「お前はこの家の人間じゃない」

唐突に、父が兄に言った。その時の父の目は怒りに満ちていたのを今でも覚えている。
僕は訳が分からないまま兄と父を交互に見た。
こんな空気、一度たりとも感じたことがなかった。どうして僕は今まで気づかなかったのだろうか。
この空気は汚れていて重かった。

(,,゚Д゚)「出て行け。今すぐに、だ」

酷く冷たく、酷く短い文。何故父はこんな事を言うのだろうか。
頭の中が混乱してきて、思い出もぐるぐる回転してくる。え? えええ? 何でどうしていつから?

(`・ω・´)「ハッ」

僕をよそに兄は父を馬鹿にしたように鼻で笑った。
そして、その笑いとは別な、とても暖かい笑顔を僕に向けた。
思い出の中の兄は、そうだ。いつもこんな風に笑っていてくれた。けれど何処かいつも悲しそうで。
僕は言葉も出なかった。

298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと804,776秒 :2008/02/01(金) 22:36:15.10 ID:78KcO8fg0
兄は何も言わずに僕の頭を優しく撫でた。
なんとなくというか、空気的にこれが最後だと僕の脳細胞は告げていた。
そこに父が割り込んできて、また暴言を吐いた。

(#,,゚Д゚)「そいつに触るなッ!」

僕の体はびくりと跳ねる。
そう大声を出した瞬間、母がやって来て、涙を流しながら訴えに近い声をだした。
その母は僕が見てきた中で一番苦しそうだった。もう誰が被害者だか解らない。

(*;ー;)「どうして……そんな風になっちゃったの?」

兄は目を細めて、僕から手を離した。兄の手をつかもうと思ったが、それは出来なかった。
母に、兄が最後の言葉を向けた。父に見せたあの笑みを見せて、終始笑いながら。
おいおいおい。と、兄は話し出す。

(`・ω・´)「自分で創って、何言ってんの? オバサン」

そうとだけ言い放って、兄はもうこの家に帰ってこなかった。



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