( ^ω^)ブーン系小説・短レス祭典!のようです('A`)
- 502: 1/3 :2008/02/02(土) 04:23:07.12 ID:i//Ye5Nj0
- 部屋の隅にうち捨てられた人形を見つめている。
陽の光も届かないそこに、魂を抜かれたように横たわっているその精巧な人形を。
ξ )ξ
ふっくらとした頬、気丈な瞳。華奢な体躯、薄く透ける衣、そこから伸びる白く、細く、たおやかな四肢。
そして柔らかく、微かに膨らんだ胸の双丘。
全てが生きた人間のようで、同時に人間のありったけの理想を詰め込んだ「にんぎょう」のように理想的で。
けれども、今は、髪には薄く埃が積もり、緩く曲げられた膝の関節には細くクモの巣がかかっている。
南の島の海のような薄いブルーの瞳は、閉じられたまぶたの奥に仕舞い込まれて開かない。
糸が切れた操り人形のように脱力して、壁に背を付けて倒れ込むその姿は、美しいだけになおいっそう惨めだ。
( ^ω^)「ツン。
僕は、君を愛したんだお。
弄ばれて、傷つけられて、虐げられた君を、それでも」
近づいて、そっと髪を撫でる。冷気に当てられたその髪は冷たく、強ばって感じられる。
瞳は、開かない。口も、開かない。
横隔膜の伸縮がなす緩やかな胸の上下動も、失われてからずいぶん長い時間が経つ。
それでも、何度も、何度も、髪を撫でる。
( ^ω^)「もう、誰も覚えてないお。
ブーンのことも、ツンのことも」
自分の子供に語りかけるように。長年連れ添った恋人に語りかけるように。
老人が孫曾孫に語りかけるように。静かな落ち着いた声で、続ける。
- 503: 2/3 :2008/02/02(土) 04:24:39.84 ID:i//Ye5Nj0
- ( ^ω^)「そして、もう10分も経てば、僕たちの名前はこの世のどこからも消え失せるんだお。
まるで、初めから存在しなかったみたいに」
( ^ω^)「……そう。みんなみんな、いなくなるんだお」
声は、徐々にかすれ、小さくなって消える。
俯いて、ただ、黙る。
( ω )「……」
( ω )「……ブーンは」
それでも、最後には、震える声を抑えられない。
( ;ω;)「ブーンは、悲しいんだお。なぜ、こんなことになってしまったんだお?
一体誰が、どこで間違ってしまったんだお?」
赤子をあやすように人形の髪を撫でていた手は、いつしか強く握りしめられて、
涙を拭うことも忘れて声を荒げる。
わななく手が人形の頭を離れ、肩を掴んで抱き寄せる。
( ;ω;)「僕はもっと生きたかった。死にたくなかった。
いつまでもいつまでも、ツン、君と一緒にいたかったんだお!」
悲痛に涙と嗚咽が混じり合う声が、二人だけの部屋に木霊する。
決して大きな声ではなかったが、それは咆吼だった。
( ;ω;)「ツン、起きてくれお! 怒ってくれお!
いつもみたいに、この手でブーンを小突いて、クヨクヨするなって叱ってくれお!
ブーンは――ブーンは、ツンがいないと、ダメなんだお!」
- 504: 3/3 :2008/02/02(土) 04:30:32.56 ID:i//Ye5Nj0
- その後は、もう言葉にならない声が続くばかり。
ただ幼児のような引き泣きが、狭く殺風景な部屋に響いた。
数分後、鳴き声と、冷たく乾燥した空気だけが残るその部屋の、窓の外が明るく瞬く。
無言で、涙を拭って立ち上がる。
がくがくと震える脚を押さえて立ち上がり、窓際に歩み寄ると――カーテンを開け放った。
( ^ω^)「――ツン。見えるかお? 綺麗な流れ星が、たくさん、たくさん」
窓の外には、無数の光点が。
長く、短く尾を引いて夜明けの空を走る。
無数の大陸間弾道弾。それは、人間が人間を滅ぼすために振るった最後の拳だ。
大地を滅ぼし、生けとし生きる者全てを灰に帰す終焉。それを告げるギャラルホルンの角笛だ。
( ^ω^)「これで、全てがお終い。最後に残ったブーン達も、これでお終いだお」
眠い。酷く眠い。
( ^ω^)「だから、最後だから。――ツン。愛してたお。
こんな身体のブーンだけど、君と初めて会ったその日から、ずっとずっと、愛してたお」
千切れた左腕から垂れ下がる生体部品が、人工骨格が、サーボモーターをぶら下げたケーブルが煩わしい。
腹腔から溢れ出る、どす黒い潤滑油にまみれた機械部品が邪魔でたまらない。
だから目を閉じ、身体を屈めて跪く。
そっと唇に唇を重ねる。それが初めての、そして最後のキス。
世界にたった二人残された恋人達の、閉じた瞼の向こう。
地表に降り注ぐ終末を告げる炎が膨れあがり、バースデーケーキの上の蝋燭のように赤く揺らめいた。
- 507: ('A`)ドクオは携帯作者のようです1/2 :2008/02/02(土) 05:03:32.62 ID:3ha/HvueO
('A`)「もう駄目ぽ」
そう言って、俺は自身の座る寝台の上に携帯を放り投げた。
小さな液晶に広がる世界は、俺が作り出した架空の幻想。
解説すると、メールの作成画面に俺が書いたブーン系小説の文字が映っている、というわけだ。
('A`)「だがこれ以上筆、いや指が進まない」
見切り発車で現行を始めたのがいけなかった。
何事にも飽きっぽい俺は、今や、作品に対する情熱をほぼ失ってしまったのだ。
('A`)「どうしようか……やはりここは打ち切りエンドか」
評判自体は悪くなかった。適当に付けた設定、適当に考えた話ではあったから、
結構叩かれはしたものの、擁護してくれる者も少なからず居た。
だから、書き続けたいとは思ったのだが。
('A`)「何かもう、どうでもいいや。放置しよ」
- 508: ('A`)ドクオは携帯作者のようです2/2 :2008/02/02(土) 05:10:43.63 ID:3ha/HvueO
俺は再び携帯を手に取り、書きかけのメールを削除すると、ネットの画面を呼び出し早速VIPに飛んだ。
そうしていつものように『ようです』でスレを検索すると、顔文字の付いたスレタイがずらりと並ぶ。
やはり俺は作者より読者なのだ。そう思いながら、次々と各スレを読み耽ける。
('A`)「うは、おもすれーwww」
シリアス、ギャグ、ファンタジー。様々な作品が、様々な世界へと俺を誘う。
そうやって、しばらくは悦楽に浸っていた俺だったが、不意に、ある思いが胸を過ぎった。
('A`)「やっぱり、読んでると書きたくなるわ」
俺はすぐにネットをやめ、再度メールの作成画面を呼び出す。
思い付くままに文字を入力すると、新たな物語が白い画面一杯に溢れ出していき――
結局、俺は現行の続きを書くことが出来なかった。完成したのはたった数レスしかない短編。
だが、それでいい。そうやって新しい話を書き続ければ、またあの現行が恋しくなるやも知れないのだから。
('A`)「ま、そんな上手い話ないですけどねー」
( ^ω^)「逃亡して終わりかお……」
- 517: お題 電話 ◆3zy2/Q.sAM :2008/02/02(土) 09:47:50.29 ID:14wwyQehO
- 俺は今、ある電話に悩んでいる
('A`)「今日もかよ……」
0120-xxxx-xxxx
見知らぬ番号からの電話、俺は知らない番号には出ない。
そして俺はついに、電話を着信拒否にした。
それ以来電話は鳴らなくなった。
しかし、
('A`)「いつになったらバイトの合否わかるんだよ……」
彼が気づくのはそう遠くない話。
〜fin〜
- 518: ドクオは○○○○○○のようです :2008/02/02(土) 09:49:57.75 ID:k4LLVlsj0
- (うA`) 「ふぁ〜あ」
( ^ω^)「おいすwww ドクオwww」
('A`) 「おはよ」
( ^ω^)「じゃあwwwさっそくwww1レスwwwいってもらおうかおwww」
(;'A`) 「ええ… まだ顔も洗ってな( ^ω^)「ドクオはマイケルのようです!」
ズンチャ ズンチャ ズンチャチャ
ジャーン!
('A`) 「………あぽぉ」
ズンチャ ズンチャ ズンチャチャ
ジャーン!
〜ドクオはジャイアントのようです〜 fin
- 519: (*゚ー゚)が整形するようです :2008/02/02(土) 09:58:50.45 ID:i+ETb35rO
- (*゚ー゚) 川 ゚ -゚) ξ゚听)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
(*゚ー゚)川 ゚ -゚) ξ゚听)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川*゚ー゚) ゚ -゚) ξ゚听)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川*゚ ー゚) ξ゚听)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川*゚ -゚)゚听)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川*゚ -゚)ξ ノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川*゚ -゚)ξノパ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川ノ*゚ -゚)ξ听) 川д川 lw´‐ _‐ノv
川ノ*゚-听)ξ 川д川 lw´‐ _‐ノv
川дノ*゚ -听)川川 lw´‐ _‐ノv
川дwノ*´- 听)川_‐ノv
川дwノ*´- 听)川ノv
川дwノ*´- 听)川ノv「……………」
从 ゚∀从「整形手術成功しました」
川дwノ*´- 听)川ノv「ぶち殺すぞ」 終
- 522: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 10:18:14.42 ID:Z+pjoV+F0
- ピ、ポ、パ、ポ・・・・・・
(*゚ー゚)やっぱり・・掛けれないよ・・・
(*゚ー゚)弱気になっちゃだめ・・・だけど・・・
振られたらどうしよう・・・
(*゚ー゚)ああー・・・
バタンッ
ξ゚听)ξおい
(*゚ー゚)ツン・・・ちゃん・・・?
ξ゚听)ξさっさとかけなさいよっ!
さっきから隣できいてればうじうじうじうじと・・・!
ξ゚听)ξ大丈夫よ!ここまで頑張ってきたじゃない。
早く電話しないと・・・ギコ君、誰かに取られちゃうかもよ?
(*゚ー゚)・・・でも・・・・
ξ#゚听)ξ
- 523: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 10:21:27.97 ID:Z+pjoV+F0
- ξ゚听)ξかせ
(*゚ー゚)え?
ξ゚听)ξ電話。貸せ
(;゚ー゚)ええぇぇぇ!?なんで!?
ξ゚听)ξうじうじしてるからあたしが掛けてやんよ。
(*゚ー゚)それは・・・・
ξ#゚听)ξじゃあ早く掛けなさい。
(*゚ー゚)・・・・・わかった・・・・頑張ってみるよ・・・・
ξ゚听)ξそれでいーのよ。じゃあね。
(*゚ー゚)ツンちゃん!
- 524: 電話 :2008/02/02(土) 10:26:14.51 ID:Z+pjoV+F0
- ξ゚听)ξはい?
(*゚ー゚)その・・・・ありがとう・・・ね?
ξ゚听)ξべ、別にあんたのためじゃなくて、
うじうじされてるのが嫌いなだけなんだからっ。
(*゚ー゚)うん、でもありがとう。
ξ゚听)ξふん!
バタン
(*゚ー゚)本当に・・・ありがとう・・・
ピ、ポ、パ、ピプー
ぴるるるる、ぴるるるる
あ、もしもし・・・・ギコくん・・・?あのね・・・
ξ )ξギコ君は・・・しぃと一緒になるのが・・・一番いい・・・・
ξ゚ー゚)ξ大丈夫
ξ;∀;)ξさー!めげないめげない!新しい恋探すわよー!!
おわり
- 527: 【('A`)が一億拾ったようです】 :2008/02/02(土) 11:16:51.32 ID:Ddz6PEtXO
- ('A`)「金欲しいな〜」
これは彼の口癖
('A`)「一億円落ちてねーかな」
高校生な彼はまだ働く事もしなくていい人生これからどうしよーなんて考え頭には微塵も無かった
そんな彼の前に
Σ('A`;)「ん!?」
本当に一億円万落としてみました。
(;'A`)「マジかよ…」
(;'∀`)「ふひひ…」
彼は早速持っていたエナメルバックにお金を詰め込み家に飛んで帰りました。
(;'A`)「夢じゃねえよな」
エナメルバックを確認すると束は確かにあります。
('∀`)「よっしゃああぁあ!」
束の中から百万程の枚数つかみ、彼は街に飛び出しました。そこで彼は欲しかった物を片っ端から買っていきます。
欲しかった服靴ゲームパソコンetc....全ての物欲を彼は拾った金で満たしていきました
( ゚∀゚)「これマジでくれんのかよ!?」
友達にも買って飽きた物を分け与えます
('∀`)「あぁ、もう要らねえーからな新しいの買うし」
金を持った彼は正に有頂天でした。ですが、所詮は拾ったお金そんな楽しい日々がずっと続くワケもありません
- 528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 11:21:23.91 ID:Ddz6PEtXO
- ('∀`)「オレは最高潮についてるな〜♪」
お金を拾ってからというもの友達も増え、欲しいものを買ってもお金はまだまだ余ります。
そんな日々をおくる ある日
( ゚д゚ )「………おい、テメェ」
('∀`)「え?」
…ゴスッ!
(#)A`;)「グアッ!?」
鈍い効果音が学校帰りの夜の街に響き彼はその場で尻餅をつきました。
( ゚д゚ )「一億…アレお前何処やった?」
ドスの聞いた声
腕からチラリと見える
青や赤の毒々しい入れ墨
どっからどうみてもアッチ系人です有り難うございました。
(#)A`;)「…知らないッスよ」
( ゚д゚ )「んなわけねえだろうが!舐めんのも大概にしろ餓鬼!!」
(#)A`;)「知らねえって言ってんだろうが!!」
彼は走り出します。
- 530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 11:29:08.75 ID:Ddz6PEtXO
- (#゚д゚ )「待てゴラァ!!」
(#)A`;)「ジョルジュ!」
彼はそこから一番近かった友達の家にたどり着きました。
( ゚∀゚)「どしたよー?」
呑気な声と共にドアが開くと友達は彼の腫れ上がった顔を見てギョッとします。
Σ(゚∀゚;)「おま…顔どうしたんだよ!?」
(#)A`;)「中に入れてくれ殺されちまう!!」
「ねえー誰が来たの〜?」
中から甘ったるい女が聞こえます
(;゚∀゚)「わ…悪い今彼女来てるから、またな」
バタン!
友達がドアが閉をしめます。
(#)A`;)「………。」
( ゚д゚ )「見つけたぞクソ餓鬼…」
男がドクオの肩に手をかけます。
それからドクオを見たものは誰もいませんでした。
fin
- 531: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:41:02.46 ID:QP+uWdVu0
- 思い出すのは、青い空。何よりも大きく、何者にも動かされない白い雲に、何よりも高く、高く、高く掲げられた太陽。
手を伸ばしても、届くのは何もない虚空。届かない気持ちは、掴みたい心に変わって、けれど、どうしたって届かない。
だから、地面の土くれを、固めて固めて、空に向かって放り投げた。冷たく固まった土くれは、とても、とても重かった。
おれは、笑った。空に向かって、強がって、強ぶって、笑ってやった。そうして、もう一度腕を伸ばして、そして、そして――。
十二月の頬を裂く風が、彼を現実へと引き戻した。振り上げていたはずの腕は今、冷たくしみる土の上に置かれている。
朦朧とした視界に映るのは思い出の中と同じ、昔から変わることのない青い空と白い雲、高く掲げられた太陽。
乾いた空気を飲み込み、彼は咳き込んだ。咽の奥に詰まっていたものが吐き出されていく。
彼は口端から漏れ出たものを拭い、少しの間手の甲に付着したそれを見つめていたが、すぐに視線を外した。
葉の落ちた枯れ木が、枯れ木の枝先が、空気にほだされ微細に振動している。
少数の砂の群が、風に乗せられ舞い上がっていく。しかしそれも、風が吹き止むまでの間。
自力を知らぬ砂の群は、やがてちりぢりばらばらとなって、彼らより大きな世界へと堕ち、埋没していった。
彼は聞いていた。何もせず、寝転んだ姿勢のまま、今まで忘れさっていた世界に耳を傾けていた。
彼は酷い格好をしていた。元はしっかりとした造りであったろう白のスーツも破れ、千切れ、外気の下、直に肌を晒している。
晒された肌は、最早肌色ではない。空気にほだされ揺られている枯れ木と同じ色をしていた。
視界が歪んだ。深く、無数に刻み込まれた皺の谷を、涙が伝っていく。嗚咽がもれる。
後悔などないはずだった。間違いなどあるはずもなかった。すべては幸せになるため、そのために全力を尽くしてきたのだ。
しかし、涙は止まらない。様々な思いが頭の中を駆け巡り、どうしようもなく手を握り締めてしまう。
しばらくして彼は、握り締めた自分の手の中に、小さく強張った土が入り込んでいることに気付いた。
手を開くと、掌紋がはっきり写されているほどに歪み固められた土くれが、そのままの形で落下し、地面にぶつかり、砕け散った。
砕け散った土くれの破片が、彼の顔にまで跳ね飛んできた。だが彼は、まばたきなど一切せず、一部始終を見届けた。
彼は砕けた土を寄せ集め、新たに土を掘り返しながら、同時に、取り上げられた思い出を掘り返し、寄せ集めていった――。
- 532: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:42:44.19 ID:QP+uWdVu0
- 「ちくしょう」
腹立ち紛れに、手に持っていた土を砂山に叩きつけた。砂山に亀裂が走り、自重に耐え切れず少しだけ崩れた。
砂山の横から、あいつが顔を出してきた。怯えているような素振りを見せながら、表情はいつもどおりの笑顔。
しかし、右頬だけは青く腫れ上がっている。内心申し訳なく思いながら、おれは意地を張って顔を背けた。左頬が痛む。
おれに相手をする気がないと悟ったのか、あいつは、砂山に走った亀裂を補完するため、土を上塗りしていった。
「おい」。おれはあいつに呼びかけた。あいつはちょっとだけ驚いた顔をしたが、すぐにうれしそうな顔でおれのことを見てきた。
「怒んねえのかよ」。笑いながら、困った顔をしている。そんなあいつの顔を見ていると無性に腹が立って、つい声を荒げてしまった。
「お前が殴られたの、おれのとばっちりだろ! むかつかねえのかよ、おれが、あのじじぃが憎くねえのかよ!」
あいつは今にも泣き出しそうな顔をして、それでも、おれから目を逸らそうとはしなかった。
おれも意固地になって、あいつの目を睨んでいた。どれだけの時間が立ったのか、やがてあいつは、ゆっくりと口を開いた。
「……ひとりは、かわいそうだと思ったから」
「……おれだけ殴られんのはかわいそうだと思ったって、そういうことか?」
あいつは言葉では答えず、首だけを小さく前に倒した。「なんだそりゃ」。おれは思わず声を上げて、ついで、笑い出した。
おれの笑いに誘われて、あいつも遠慮がちに笑い出した。本当に、久しぶりに人前で笑えた気がした。
「おれさ、もっとでっけえ城を作ってやるよ」。おれは立ち上がって、そう言った。あいつはおれの言葉を聞き、砂山を見た。
「違う、そんな偽物じゃねえ。もっとでかくて、高い、そう、あの太陽に届くくらい高い城を作ってやる。
そこで、本物の家族を作るんだ。ここの偽物の家族じゃねえ、本物の家族を。絆で繋がった、本物の家族を!」
「ぼくも、家族になれるのかお?」そう問うあいつに、おれは言葉では返さず、笑った顔で応えてやった。
そうして、砂山の天辺を無造作に掴み取り、拳大のボールに作り直す。出来上がった土くれは、予想よりもずっと、ずっと重かった。
おれは土くれを握り締め、大きく振りかぶってから、太陽に届かせるくらいの気持ちで思い切り放り投げた。
土くれはすぐに落ちてしまったが、おれが乗せた想いは、真っ直ぐ、真っ直ぐ太陽へと直進した――。
- 533: 家族 ◆y7/jBFQ5SY [>>1B >>420B] :2008/02/02(土) 11:44:06.52 ID:QP+uWdVu0
- 手の中に拳大の土くれが出来たのと同時、彼は忘れていた思い出をすべて取り戻した。手の中の土くれは、軽い。
思い出の中の土くれは、あんなにも重かったというのに。太陽にすら届ないほど、重かったというのに。
何を間違ったというのか。太陽はもう、腕を伸ばせば掴める位置にあったのだ。土くれなど投げる必要のないほど、近くに。
「毒島毒男、組織の掟を、先代の仇を、討たせてもらう」
黒い男の影が、太陽を遮った。男は一般的なサラリーマンが着ていそうなスーツと、スーツとはまるで相容れぬ日本刀を握っていた。
日本刀はゆっくりと掲げられていき、最上段まで持ち上げられた。日本刀の刃先が陽の光を反射し、男の顔を照らしている。
男の顔を見て、彼はすべてを理解した。生じた亀裂を補完するように、あの当時の心が上塗りされていく。
自分が本当に求めていた家族の顔が、一人一人鮮明に、頭の中で思い起こされる。ショボン、ジョルジュ、ギコ、ミルナ。そして――。
「……短い間だったが、俺たち家族だったよな、ブーン」
「……ああ、僕たちは家族だお、ドクオ」
思い出すのは、青い空。何よりも大きく、何者にも動かされない白い雲に、何よりも高く、高く、高く掲げられた太陽。
手を伸ばしても、届くのは何もない虚空。届かない気持ちは、掴みたい心に変わって、けれど、どうしたって届かない。
だから、地面の土くれを、固めて固めて、空に向かって放り投げた。冷たく固まった土くれは、とても、とても重かった。
おれは、笑った。空に向かって、強がって、強ぶって、笑ってやった。そうして、もう一度腕を伸ばして、そして、そして――。
隣にはいつもあいつが、ブーンがいた。ブーンの笑顔があったから、俺は、俺たちは駆け上がれた。
だが、いつの間にか、俺の中の土くれは軽くなっていた。高く上がることが、太陽に届くことだけが、俺の目的になっていた。
気がつけば俺は、誰よりも太陽に近い場所にいた。それが幸せだと思っていた。誰よりも幸福だと信じていた。
けれど、それは違った。俺は家族を失ってしまった。家族を失っていたことすら、気付かずにいた。
手の中の土くれは軽い。だが今は、土くれの重さを思い出せる。家族を求めたときのあの心を思い出せる。だから、だから――。
「だから泣くなよブーン。いつもみたいに笑ってくれ。お互い笑って別れようぜ」
『家族』 〜終〜
- 540: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:01:35.76 ID:kEwCaPfq0
- 今日で一週間経った。
友人であり、そして僕の想い人であるツンが行方不明になったのだ。
事件初日、ツンの両親は友人の家に泊まっていると思い、警察沙汰にはならなかった。
日頃から親の許可無しで泊まったりしていたツンの事だ、今日もそうだろう。
そう思ったらしい。だが次の日、学校から
「今日はツンさんどうしたのですか?」
との連絡があり、事件が発覚したそうだ。
最後に目撃されたのは、学校の帰り道。それも学校のすぐ近くである。
彼女の家から学校まで、歩いて30分とちょっとくらい。
今のところ分かっているのは、それだけであった。
警察では当初、顔見知りの犯行とみて捜査を続けたものの、やはり手がかり無し。
身代金の要求も無い。何らかの事件に巻き込まれたか、突発的な犯行と見て捜査を続けている模様である。
( ^ω^)「ふぅ、ただいまだおー」
J( 'ー`)し「あら、おかえり」
母の暖かい声に迎えられ、僕は靴を脱いだ。
玄関まで漂う、匂い。
( ^ω^)「今日はカレーかお?」
J( 'ー`)し「あら、よく分かったわね」
- 542: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:01:50.57 ID:kEwCaPfq0
- 今日で二週間経った。
そして、事件に新たな発展が起こった。
ツンの指が見つかったそうだ。小指である。細く、綺麗な指だ。
他にも一部がどこかにあるのと見て、已然捜査は続くようである。
( ^ω^)「おっおっお。今日はステーキかお?」
J( 'ー`)し「そうよ〜。でも、今日だけね。これ以上は駄目だから」
( ^ω^)「無理だおww僕我慢とか出来ないんだおww」
今日で3週間が経った。
そして、また見つかった。
今度は足である。膝から下。細く、綺麗な足だ。
警察は正式な発表をした。殺人事件だと。
ところで知っているだろうか。
何十年にもわたって監禁をしていた男の話を。
そして、何故何十年も見つからなかったのかを。
ところで知っているだろうか。
愛しい人の肉を食べ続けた男の話を。
何年かに数回、薄く肉を切るそうだ。すると人間の治癒能力で、その切った場所は蘇る。
これで、男は何年も食べ続けたそうだ。
- 543: よくある話のようです。 :2008/02/02(土) 12:02:01.23 ID:kEwCaPfq0
- ( ^ω^)「ただいまだおー」
僕は知っている。
これは殺人事件では無い事を。
そして、何故何十年も見つからなかった理由を。
J( 'ー`)し「今日はね、ビーフシチューよ」
犯人の周り全てが、狂っているとしたら。
普通では考えられない事をしているとしたら。
普通の人間には考えもつかなければ、バレることは無い。
そして、周りが同じように狂っていれば、バレる事も無い。助け合うからだ。
あぁ、僕も早く我慢と言うのを覚えなければ、これは殺人事件になってしまうかもしれない。
- 541: 穴 :2008/02/02(土) 12:01:41.18 ID:U5paczw6O
- ('A`)「………なんだこれ」
( ^ω^)「見ての通り穴ですお」
('A`)「………しかしでかいな」
今朝、起きてみたらぽっかりと穴が開いていた。早くに亡くなった親からの唯一の遺産、我が家の庭に。
('A`)「深いそうだな。どれくらいなんだ」
( ^ω^)「十円玉、投げてみるお」
投げてみる。………待てども待てども着地音がしない。
- 544: 穴 :2008/02/02(土) 12:02:45.86 ID:U5paczw6O
- ( ^ω^)「いやー、ボロ儲けだおwww」
あれから何度も、あらゆる物を投げてみた。しかし音沙汰ない。
そこで考えた。ここは何でも捨てていい、と。もちろん有料で。家庭ゴミから死体、子供、核廃棄物なんでもござれ。
('A`)「いやーあれから一年か」
( ^ω^)「変わりはないお」
('A`)「なんなんだろうな、一体」
( ^ω^)「―――痛っ!」
('A`)「どうした?」
( ^ω^)「ん〜、おっ?十円だお。まったく一体誰だお」
今日も変わらず空は青い。
- 547: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:20:44.28 ID:pof/HIwg0
- 僕が小さな頃、公園でおかしな子供に出会った。
僕と同い年くらいの彼は、砂場の土を小さな布袋に詰めては
( ・∀・)「これはぼくのつちだよ」
と、嬉しそうに言っていた。
来る日も、来る日も、彼は土を袋に詰めては自分の物だと主張する。
不思議に思った僕は、ある日彼に問い尋ねた。
( ^ω^)「なんでキミはおすなをあつめてるの?」
すると、彼は意外な答えを返してきた。
( ・∀・)「『せかいせーふく』のためさ!」
あぁ、そういうお遊びか、そのときの僕は彼のことをその程度に認識していた。
その後、僕は親の転勤の都合でその土地を離れた。
彼にお別れを言いに言った日も、彼は土を集めていた。
そして30年後…
- 548: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:21:56.65 ID:pof/HIwg0
- ( ^ω^)「ここらへんも随分変わったお」
大人になった僕は、30年振りに彼に出会った公園の辺りに来ていた。
ただ、そこにもう公園は無く、立派な高層ビルが建ち並んでいた。
( ^ω^)「少し、残念だお…」
なんとなくではあるが、僕はここに来ればあの奇妙な少年に会える気がしていた。
( ^ω^)「ま、公園が残ってたとしても、土なんか集めてないだろうけどお」
馬鹿馬鹿しい、そう思ってその場から立ち去ろうと、後ろを振り返ると…
( ・∀・)「あれ!もしかしてブーン君かい?!」
彼が、そこにいた。
( ^ω^)「お!お!お!モララー君?!懐かしいお!!」
僕たちは偶然の再会を喜びあった。
30年振りに会った彼は随分と立派になっていた。
黒のスーツを着こなし、袖から覗く腕時計はおそらくブランド品だろう。
普通のサラリーマンの僕とはかなり違った。
- 550: ( ・∀・)奇妙な遊びのようです :2008/02/02(土) 12:23:11.81 ID:pof/HIwg0
- ( ^ω^)「モララー君は立派になったお。今何してるんだお?」
( ・∀・)「なぁに、ビルのオーナーさ。そこの、ね」
そう言って彼が指さしたのは、昔公園があった位置に建っている高層ビル。
地上30階はあろうかという、大層立派なビルだ。
(;^ω^)「す、すごいお!!どうやって建てたんだお?土地だってバカにならないだろうし…」
僕は心底驚いた。
しかし、彼はけろりとした表情で言う。
( ・∀・)「まぁ、土地はタダだよ。アレ、僕のだし」
( ^ω^)「…アレ?あそこは公園じゃなかったかお?」
( ・∀・)「最初はね。でも、僕が集めたし」
…集めた?
( ^ω^)「…もしかして」
( ・∀・)「まぁ、『世界征服』にはまだまださ」
そう言って、鞄から見慣れた、薄汚れた布袋を取り出して
( ・∀・)「これは僕の土だよ。今日の分の、ね」
と言い、大事そうに足下の砂を掴み、その中に仕舞った。
=終=
- 553: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 12:48:58.57 ID:MDEo8u4h0
- >>522
次か。
1:反則
2:メタボリック
3:季節はずれ
4:空
でどうだ?
- 556: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 12:59:02.80 ID:uUmAvuC3O
- ξ゚听)ξ「私達は何人も居ます」
('A`)「性格、姿形、強さ……千差万別だ」
( ´_ゝ`)「ある時には一片の曇りもない清らかな人間になり」
(´<_` )「またある時には、悪そのものにもなる」
( ゚∀゚)「でも、それらも全部俺達だ」
( ´∀`)「何時から始めまったのか、それは分からないモナ」
( ・∀・)「しかし今、俺達は存在している」
川 ゚ -゚)「こうして話している間にも、私達は増えていく」
/ ,' 3「幾千もの物語を残していくのじゃ」
( ><)「それが貴方達に、どんなものをもたらすかはわかんないです」
( <●><●>)「ですが、貴方の心に何かが残ることはわかってます」
(,,゚Д゚)「それが良いものだったら、心に留めておけば良い」
(*゚ー゚)「それが不快なものだったら、忘れてしまえばいいよ」
(´・ω・`)「そして君の心に、良いものだけが残ればいい」
( ^ω^)「それが、『この』僕達の願いですお」
ブーン系に、光あれ
- 561: 反則 :2008/02/02(土) 13:17:22.63 ID:kEwCaPfq0
- ('、`*川「で、話って何?」
(;^ω^)「じ、実はだお?」
('、`*川(こ、これはキター!?告白ってやつですか?告白ですか!?期待していいですかー!?)
( ^ω^)「僕、ツンの事が好きなんだお! 」
('、`*川(この愛くるしい笑顔が堪らん。なんだよハニカんじゃってさーって
('、`;川「えっへええい!? 」
(;^ω^)「だから、協力してほしいんだお! 」
('、`;川「い、いや、でもさー」
('、`;川(あーかわええなちくしょう。上目遣いするなっちゅーの! 持って帰って良いですか!? )
(;^ω^)「頼むお! 一生のお願いだお!! 」
('、`;川「あー、んー、ずっるいな、そのお願いは」
( ^ω^)「協力、良いかお?」
('、`*川「あー、良いよ。あんたの頼みだ。しょうがない。その代わり、絶対成就させなさいよ」
('、`*川(元々地味な私が、無理な話なのよねー。だったら、せめて良い人でありたいじゃん)
(*^ω^)「ありがとうだお! 」
('、`*川(その笑顔は、反則だなー)
- 568: 季節はずれ :2008/02/02(土) 14:14:24.43 ID:2HotPAYC0
- 雪が降っていた。
枯れ木を暖めるように、地面を眠らせるように、しんしんと静かに降っていた。
('A`)「しかしなあ、些か季節外れだと思うんだが」
深く積もる雪を踏みしめて軒先から干し柿を吊していた縄を外しながら、そうぼやく。
分厚い軍手に包まれている手も、三重に靴下を履いている足も、寒気に切られそうなほどに冷たい。
窓から屋内を見やる。壁に掛けているカレンダーには10月と書かれていた。
雪国では良くあることかも知れないが、雪が降ることさえ稀なこの地方では本当に珍しいことだ。
ニュースでも何十年振りかの珍事だと騒がれている。
川 ゚ -゚) 「綺麗だから何だって構わないだろう!」
背後から聞こえた叫び声に驚いて干し柿を落としてしまった。
溜息を吐きながら屈んで拾い、そして立ち上がって背後を振り向く。
そこにはこんもりと盛った雪の上に仁王立ちになってこちらを見ている姉の姿があった。
雪には勇壮な鹿が精巧に掘られている。
('A`)「遊んでないで手伝ってくれよ、クー」
川 ゚ -゚)「はん、毎年食べられる干し柿と何十年かに一度の豪雪で遊ぶことと。
どっちが大事だと思うんだ?」
('A`)「お前には柿はやらない。雪で作った柿でも食ってろ」
川 ゚ -゚)「そんな冷たいことを言わないでくれよ。そう、雪だけに!」
雪が降っていた。
地表を冷やしながら、風を凍らせながら、静かに雪が降っていた。
- 573: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:19:47.22 ID:kyzYKkQX0
- 拝啓
だんだん寒くなってきましたお。
そっちは元気でやってるのかお?
たまには返事くれお――――――――――
ξ゚听)ξ「はぁ・・・・」
少女は深くため息をつくと同時に、持っていた手紙を机の上に置いた。
机の上には、便箋が何枚も散らばっている。
ξ゚听)ξ「いい加減うっとうしいのよねぇ・・・」
少女は机の上の便箋をくしゃくしゃと丸めて、ゴミ箱へ放り投げた。
いつも「拝啓」から始まるその手紙は、頻繁に少女の家に届いた。
少女の名はツン。金色の巻き髪がチャームポイントの、かわいらしい少女。
最近北海道に引っ越してきたばかりで、まだ寒さに慣れてないらしい。
家の中でもマフラーを巻いている。
- 574: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:20:36.61 ID:kyzYKkQX0
- ここに引っ越してくる前は、彼氏がいた。
ブーンという、ちょっと小太りの男だ。
今、引っ越してきてから頻繁に届いている手紙は、全部彼が書いたものだ。
最初は嬉しくて、ツンも返事を返していたが、今はもう返事は返していない。
ツンに二人目の彼氏が出来たのだ。
(´・ω・`)「何を読んでたんだい? ツン」
ξ゚听)ξ「ううん、なんでもないよ」
ブーンよりは格好の良いの男。 彼の名はショボン。
ツンの新しい恋人。 だが、彼女はブーンと別れていない。
つまり、二股という禁忌だ。
その時、家のチャイムが、ピンポーンと音を鳴らした。
ξ゚听)ξ「あら? お客さん・・・」
(´・ω・`)「あ、僕が出るよ」
そう言うと、ショボンは玄関の方へ歩いた。
- 575: ( ^ω^)は手紙を送ったようです :2008/02/02(土) 15:21:23.27 ID:kyzYKkQX0
- その時。
「うあああああああああ!!」
ξ゚听)ξ「!?」
ショボンの悲鳴が聞こえてきた。
ツンは何事かと思い、玄関へと駆けた。
そしてすぐに、それを理解した。
「はるばるここまで、会いにきたお・・・・」
( ω )「ツン、これは誰だお?」
男の右手には、血をたっぷりと流したショボンが。
男の左手には、血をたっぷりと垂らしたナイフが。
男の名は、ブーン。
ξ゚听)ξ「そ、その人は・・・・その人は・・」
( ^ω^)「・・・浮気、したのかお?」
―――――――もしも、もしも。
浮気したら許さないお。
敬具
- 576: ( ^ω^)休み時間のようです :2008/02/02(土) 15:30:36.26 ID:s5fx8Kk50
- ( ^ω^)「…暇だお」
(´・ω・`)「10分じゃできることが限られるよね」
('A`)「トランプ、UNOじゃ終わらないしな」
(´・ω・`)「花札ならあるよ」
('A`)「全中学生の何%が楽しめるんだよ…」
( ^ω^)「っ!ドクオの頭にハエが止まってるお」
('A`)「まじかよ…。ヤル気-30だ」
(´・ω・`)「もともと0だから0だね」
('A`)「外れちゃいねぇ」
( ^ω^)「でも、もしハエが人間サイズなら脅威だお」
(´・ω・`)「間違いなく危害をもたらすね」
('A`)「でも、もっと危ねぇ生物もいるんじゃねぇ?」
(´・ω・`)「毒だったらヘビ、サソリ…とか?」
( ^ω^)「力ならクマ、ゴリラとかかお?」
('A`)「虫が人間サイズなら防御で他を圧倒するのは間違いない。特にカブトムシとか」
(#^ω^)「それならクマで殴らせてみるお!」
(#'A`)「カブトムシの角舐めるなよ!」
(´・ω・`)「……哺乳類なら心臓の近く、昆虫類なら関節部にサソリでグサっとね…。フフフ…」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「これってトリビアになりませんか?」
('A`)(´・ω・`)「不可」
( ;ω;)
(´・ω・`)「さて、そろそろ席に戻るよ」
―――これが僕達の普通…
fin
- 577: 宇宙人 :2008/02/02(土) 15:40:33.41 ID:U5paczw6O
- 地球から少し離れた宇宙空間に真っ黒な宇宙船が浮かぶ。
『隊長、あの星はどうでしょう?生き物がたくさんいるようですが』
『うむ、そうだな。あそこにするか―――』
『しかしだな、今回はどうする?』
『前回は皮を剥ぎましたし、その前はレーザーで撃ちましたしね』
硬い鱗に守られた強靱な肉体。彼らは宇宙を飛び回り星々の生物を殺し歩く。征服するつもりも移住するつもりもない。ただの遊びだ。
『隊長殿、今回は酸を浴びせるというのはどうでしょうか?絶望の悲鳴が聞けますぞ』
『楽しそうだな。よしそれでいこう』
『では皮膚組織の調べるので一匹採ってきてください』
( ^ω^)「―――ここはどこだお」
『では皮膚を剥いで専用の酸を開発します』
( ^ω^)「うわ、なにするお!やめるお!うわぁぁぁ――――」
- 578: 宇宙人 :2008/02/02(土) 15:41:24.90 ID:U5paczw6O
- 『できましたぞ、隊長殿』
『さっそくあの星にバラ撒くぞ!』
『………隊長、なんかおかしくないですか』
『あいつら苦しむどころか喜んでる奴までいますよ。悲鳴あげてるのもいますが』
『ワシはちゃんと皮膚を溶かす酸を作りましたぞ!』
( ^ω^)「うはwwwみんな全裸www奇跡ktkrww」
('A`)「ウヒョーwww」
ξ゚听)ξ「な、なんで急に服が溶けるのよ」
『この星やべーわ。帰ろう』
- 584: 季節はずれ ◆3zy2/Q.sAM :2008/02/02(土) 17:14:38.56 ID:14wwyQehO
- (,,゚Д゚)「やってらんねぇなゴルァ」
(*゚ー゚)「しょうがないよ」
(,,゚Д゚)「でもよ……」
(*゚ー゚)「気分次第なんだから」
(;^ω^)「ふおおおお、やってらんねおおおおお!!」
(,,゚Д゚)「あ……」
(*゚ー゚)「こっち来るね」
( ^ω^)「お?」
(,,゚Д゚)「……ゴルァ」
(*゚ー゚)「……しぃ」
( ^ω^)「……ひとっ走りするお!!」
(,,゚Д゚)「季節はずれの雨か……」
(*゚ー゚)「……うん」
捨てられた子猫たちは雨宿りの場を見つけた。
- 585: ほしゅがてら :2008/02/02(土) 17:24:22.83 ID:oPI6rcy8O
- 雨、雨、雨。
土砂降りの休日、私の元に届いたのは一通の手紙だった。
差出人は、ひどく懐かしい名前。
ゆっくりと開けてみる。
シンプルな便箋に整然と並ぶ文字。
決して長い文面ではなかったが手紙をくれたことだけでも嬉しく、読んでいると笑みが零れた。
何度か読み返し、手紙を封筒に戻そうと持ち上げると、かさりと音がして何かが落ちた。
……桜貝だ。
粋なことをするものだ。
川゚ー゚)『また、この季節に、会えるといいな』
そう言っていた彼女の顔を思い出す。
ふと窓の外を見ると、土砂降りだった雨もすっかり止んでいた。
『来月、そちらへ行きます。あの海で会いましょう。』
波の音。潮の匂い。
雨上がりの空は、夏の訪れを告げていた。
- 586: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:24:31.54 ID:shPMD9Zv0
- ξ゚听)ξ「どうぞ。お願いします」
小学校の通学路で配られているのはキリスト信者がつくった薄い絵本。古いイギリスの絵本作家が書くような画風。
赤いランドセルをもった四つ下の新入生達は不思議そうにその薄い絵本を見ていた。
わたしは目を細めてその薄い絵本――パンフレットと例えても良いかもしれないものを見る。
それが結構グロテスクな所まで描いてあり、こんなものを小学生に見せるなよと思った。
ξ゚听)ξ「どうぞ」
そういって肩までの髪を染め、ゆるいパーマをかけた40代くらいの女は、ひとりの新入生にそれを渡した。
結構血とか出ているから、渡すのは止めてくれないだろうか。
どうせ明日には先生達から苦情がきてこれなくなるから、さっさと配ってしまおうって魂胆だな。
(*゚ー゚)「ねぇ」
わたしの家と四件となりの女の子が、信者に声をかけた。
わたしは止めようと思ったが、やはり大人相手には少しそんな事はいいにくい。すこし躊躇していた。
(*゚ー゚)「なにを信じるの? これ」
ξ゚听)ξ「主よ」
にっこりと笑うパーマをかけた女。もっと薄い口紅を選んでこいよと少し思った。真っ赤な唇。まるで血みたい。
その笑いとは対照的に、黄色い帽子に瞳を隠して少し、わずか口元をあげた新入生。
――正直な話、それは小学一年生が見せられる不気味さではなかった。
(*゚ー゚)「しんじて、ひとを生き返らせるなら、しんじてあげる」
そしてその子は一回手にとったパンフレットのような薄い絵本を女に突き返す。
わたしも女も、その場に固まった。足が土に吸い付けられたみたいに、わたしは動けなかった。
あの子の赤いランドセルにつく、鈴がチリンチリンと鳴っていたのが耳に入った。赤いランドセルがやけに赤く見えた。
- 587: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:29.26 ID:HInKDduj0
- ( ・∀・)「いや、いつになっても、雪っつうもんはきれーじゃのう」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、ニューギニアの森ん中じゃまずこんな景色は拝めん」
<ヽ`∀´>「ちと寒いがの」
時折、パチンと音を立てる囲炉裏の火を囲んで、三人の老人がはんてんを着て
話し込んでいた。
外には雪が舞い、縁側の向こう側には白い化粧をした庭木が寒そうに立っている。
それゆえ、木に巻かれた藁の色、赤々としたマンリョウの色が雪と対比して
美しさがより際だって見えた。
普段はニシキゴイが優雅に泳ぐ庭の池も、たまに赤い魚体が老人たちの目に映るだけで、
水面はしいんとしている。
戸を開けはなっているのでたまに雪が囲炉裏のそばまで吹き込んで、融けて水になる。
老人たちは寒いはずだが、
ミ,,゚Д゚彡「そうか……もう64年も昔か……」
<ヽ`∀´>「時間っつうんは早いもんじゃのう……」
( ・∀・)「んだ、こないだまで戦争してて、ちょっと前にはオリンピックがあって、
……バブルがはじけたのも、21世紀になったのも、つい昨日のことのようじゃ」
懐かしそうな目をして、囲炉裏を時たま見ながら、庭の方を向いていつまでも話し込んでいた。
- 589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:45.02 ID:HInKDduj0
- 囲炉裏には鉄鍋が吊され、その中には色とりどりの具材がコトコトと音を立てながら
いい匂いを出していた。
そして鉄鍋をぐるりと取り囲むようにして、ヤマメの塩焼きがじゅうじゅうと、時折
肉汁を滴らせながら湯気を立てている。
( ・∀・)「そろそろかのう……」
老人の一人が舌なめずりをする。
その時。
『失礼します』
声とともに襖が開き、中から
ハハ ロ -ロ)ハ「ビールをお持ちしました」
どう見ても日本人ではない――金髪で、眼鏡の奥の瞳は深い緑だ――が、
えらくきれいな女性がお盆とビール、グラスを持って囲炉裏の部屋に入ってきた。
ミ,,゚Д゚彡「おう、すまんの」
ひげの長い老人が当然のように迎え入れる。
( ・∀・)(誰じゃい、あの別嬪さんは?)
<ヽ`∀´>(あれじゃ、ミ,,゚Д゚彡の孫の嫁さんじゃ)
- 591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:35:11.55 ID:HInKDduj0
- ハハ ロ -ロ)ハ「そろそろ鍋も食べられるんじゃ無いでしょうか?」
拙い部分もあるが、一生懸命勉強したのだろう、日本語で老人たちに鍋を勧める。
( ・∀・)「もう食おうと思っていたところじゃ。娘さんや、あんたも食べなさい」
ハハ ロ -ロ)ハ「ではお言葉に甘えて」
静かな空間で、鍋をつつく箸の音、グラスに注がれたビールの泡の音が、話の声とともに部屋に響く。
鍋の中身が半分くらいになった頃だろうか。
ハハ ロ -ロ)ハ「いい眺めですね……」
外を見たハハ ロ -ロ)ハが、ふと呟いた。
ミ,,゚Д゚彡「おお、そう思うかね?」
ハハ ロ -ロ)ハ「ええ、とても……」
静かに降り続く雪を、彼女はじっと眺め続ける。
<ヽ`∀´>「おふ、あつあつあつ……」
( ・∀・)「ははは、ヤマメは熱いぞ、ベロ火傷したか?」
隣で笑いながら酒を飲む老人たちの声に我に返ったのか、彼女はまたビールの瓶を開ける。
ハハ ロ -ロ)ハ「あ、もっとビールどうぞ……」
静かな時間を物語るように、また囲炉裏が、パチンと音を立てた。
- 593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:08.51 ID:HInKDduj0
- >>587>>589>>591
雪と囲炉裏の歌のようです
- 590: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:34:54.06 ID:shPMD9Zv0
- (*゚∀゚)「ね、 お話しない?」
うふふふ、と満面の笑みのこの女は危険だと、脳が瞬時に判断を下していた。
うふふふと笑ってその女は長い前髪をかきあげる。それの時の流し目がなんともいえない位大人びていた。
恐らく私より年上というのだから高校三年生程度だろう。同じ制服だが学校で見たこともなかった女だ。
単純なブルースカーフに、夏服用の白いセーラー服。使い古しているのだろう、型くずれしている黒の補助バック。
この女は、危険だ。この女から今すぐにでも離れろと第六感は頭をたたく。
嫌悪を含む表情で睨み付けても、女はふわふわと笑っている。長い前髪を耳にかけたショートカット。
大体なんなんだ、この女。
(*゚∀゚)「いやぁ。私が可愛がってる後輩ちゃんがね、貴方の悪態見てられないって相談してきてさー」
その瞬間に、空気が変わった。世界は平行移動。太陽は月に食われる。
上手く表現は出来ないけれど、例えるのならば色が唐突に変わるような、変わったような感覚。
(*゚∀゚)「人でも殺す気でいるの?」
うふふふ。目が笑っていない、という言葉をこれほど使いたくなったのは初めてだ。この女の目は据わっていた。
理解不能のこの女。言葉に感情はあるのに、言葉を発する本体に感情はない。変な 女。
ξ゚听)ξ「アンタが何を言っているのか理解できない」
目はアタシではなくてもっと違う何処かを見ていた。女の目は、表現は月並みだが芯の底まで見透かされているようだった。
睨み返しても何をしても通じない女。捕まれている腕が悲鳴をあげていたけれど、そんな所には脳はかまえない。
(*゚∀゚)「あの子、このままじゃ死ぬんだから、下らない戯れ言は止めにしない?」
- 592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:02.74 ID:shPMD9Zv0
- 高音のサイレンが鳴る。左で鳴れば右下で、右下で鳴れば左上から鳴ってくる。鬱陶しいのに塞げない耳。
“あの子”が誰だか最初から解っていた。あの一目見ただけで良い子って解るあの女。
あの朗らか過ぎる笑い方が気に入らない。あれを見ていると『嬉』という漢字を思い出した。だからハブいた。
笑うたびに出来るえくぼ、周りにいるのは頭がいいお友達。どうしていじめたか?
そんなものを聞くのは馬鹿げている。理由なんてただ一つだよ。
ξ゚听)ξ「気にくわないのよ。あれ」
バシ、とドラマティックな音。ヒリヒリと刺されるような頬の痛み。揺れる自分の前髪。――この女、何なんだ。
軽く調子のいい殺意が生まれて、女を睨んだが、女はそれ以上の殺気こもった目でアタシを見ていた。
(*゚∀゚)「幸せな子に嫉妬でもしてるんだァ。……醜いねぇ?」
浅い呼吸で笑われ、そしてその言葉に心臓を刺された。
空気を裂くような音を出しながら私の手のひらは女を殴ろうと高く伸びた。これは先程と同じ軽い殺気なんかじゃない。明確で、深く重い殺意。
けれどその殴ろうとした手は殺意の重さに比例せず、役目を果たさず女の手で止められた。月は太陽を食べる。
(*゚∀゚)「先に手ぇ出したのは自分で悪いと思ったけど、いまのアンタは酷く醜い顔してるよ」
ξ゚听)ξ「うるさい」
(*゚∀゚)「あれ。図星だった? ごめんごめん」
ξ゚听)ξ「うるさい」
(*゚∀゚)「ウルサイっていえば黙ると思った? がーきーくーさー……ふふっ」
- 594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:36:15.88 ID:shPMD9Zv0
- ξ#゚听)ξ「……殺してやる」
世界は何故か反転して、アタシと女しかいない――という感覚。それでも構わなかった。あの世界に未練なんてない。
下唇を怒りでふるわせながら、雑巾を絞ったときのような声でそういった。本気だった。女は笑わなかった。
(*゚∀゚)「アンタこそ死刑だよ」
胸に激痛。料理で使う鋭利な鉄の塊が胸に生えていた。
ふふっ、と笑って、私は現世から落ちた。
- 599: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:46:26.35 ID:shPMD9Zv0
- ξ゚听)ξ「あんた、ずいぶん遅いじゃない」
遊んで帰ってきて、母の一言。遅いといっても、俺はもうそろそろ高校生になるというのだから、7時過ぎ位許して欲しいものだ。
悪かった。
そう言って靴を脱ぎ捨て、リビングへ進もうとしたら、母がいつもより大きい声で俺を呼び止めた。
不機嫌な顔を隠して母の方を振り向いてみれば、母は眉間に皺を寄せていた。
ああ、またお説教の始まりかと心の中でため息をついた。
ξ゚听)ξ「またあの子と遊んできたの?」
(,,゚Д゚)「そうだけど」
ξ゚听)ξ「あの子と遊んでくる日はいつも遅いわね」
(,,゚Д゚)「しょうがないじゃん」
ξ#゚听)ξ「――何がしょうがないっていうの?!」
母が声を荒げる。語尾には恐らくエクスクラメーションマークが2個程度、とまた心の中でため息をつく。
普段の行動などは放っておいてくれたりする母が、ここまでいうのは珍しかった。
まぁ、珍しいだけでいわないわけではないから、別に驚きもしない。
リビングでは妹と祖母がテレビを見ていて、早くその空間に入りたいと思っていた。――母の言葉を聞くまでは。
ξ゚听)ξ「もうあの子とは遊んじゃ駄目よ」
(#,,゚Д゚)「…………、はァ?」
- 600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/02(土) 17:46:47.40 ID:shPMD9Zv0
- 母は睨み付けるように俺を見ていて、俺はそれを睨み返すように母を見た。
この瞬間の母への絶望感と嫌悪感は一生忘れない。まさか母が俺にこんな、漫画に出てくるような教育ママのような事をいうなんて信じられなかった。
母はそんな事をいうだなんて信じたくなかった。
絶句したままでいたら、母は一瞬も俺を見ないで何処かへ行った。
脳の考えが終わった瞬間、母への嫌悪感が再び吹き出してきた。汗が出るのと同じ原理のように、沸々とわき出てくる感覚だった。
水が島を飲み込むが如く、怒りにも似た嫌悪は、俺を侵してきた。
(,,゚Д゚)「友達まで口出すんじゃねぇ……!」
心臓に針か何かが刺さるような痛さは、母によって与えられたものということが酷く俺を苦しめる。
リビングの奥で、祖母が何か言いたげに俺を見ていたが、もう自分をコントロール出来なかった。
クソババア、と小声で呟いて自分の部屋に駆け込んだ。
何処かで呼んだ週刊誌にこう書いてあった。
『親の何気ない一言が子供を苦しめているし、悩ませていることがある。
子供にどんな色を染めるかなんて親次第。子供を生かすも殺すも親次第』
その内容に限りなく共感する。
嗚呼お母さん。あなたのせいで俺は真っ黒に染まりました。
いつの間にか右手にナイフを握っていた。
戻る/601-700