( ^ω^)ブーンが心を開くようです
- 1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/14(土) 17:09:49.98 ID:gx1gBjB00
- ※注意書き※
この小説に登場する特定の団体・人物は実在するものとは何の関係もありません
※
プロローグ ―祭りの前夜―
12月上旬 都内某所
真夜中とも言える時間帯。夜の街の象徴であるネオンが煌々と光り、眠らない街を作り出していた。
バーやクラブなどの店が立ち並ぶビル街。その裏道。とても暗く、地元の人間も観光客も通らない細い道。
そこで1人の女性が今この瞬間、暴漢に襲われかけていた。
女性「だ、誰か助けて……」
暴漢「うへへへへ〜。誰も来やしないさ〜。さあ、僕と一緒に天国へのアバンチュールを決め込もうとしようぜ〜」
女性「き、きめえ……助けてー!!」
女性は必死に泣き叫ぶが、大通りから完全に切り離されたこの裏道では誰も助けに来てはくれなかった。
浮浪者らしき暴漢の手が女性の身体に触れ、厚手のコートのボタンをひとつひとつ外していく。
女性はすでに諦めてしまったのか、抵抗のそぶりも見せず、暴漢のなすがままになっていた。
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/14(土) 17:10:30.25 ID:gx1gBjB00
- 暴漢はコートのボタンを外すと、ナイフを取り出して下のブラウスを切り裂いた。
女性のブラジャーが見え、暴漢はますます興奮して鼻息を荒くした。
暴漢「ふへへへ、さあ、おとなしくしてろよ〜」
女性「ああぁ……」
暴漢の手が女性の胸に触れようとしたその時、ふと2人が立つ場所に影が差した。
暴漢「ん? なんだ、この影」
暴漢が不思議に思って後ろを振り向く。
だが、暴漢が後ろにいた『モノ』を知覚することはできなかった。
???「ギュガガウェアァァアウェ!!!!!!!」
何かの叫び声と共に暴漢の頭が黒い影に覆われる。
一瞬にして頭が消え去った。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/14(土) 17:11:19.07 ID:gx1gBjB00
- ドサリという音を立てつつ、暴漢の身体が倒れた。頭と切り離された首からは大量の血がシャワーのように噴出している。
女性「ひっ……あ…ああ……」
女性にはそれが何なのか分からなかった。
影の身体は真っ黒で、しかもこの裏道には灯りがまったくない。
女性には大きい影がそこに立っていることしか分からなかった。
???「クフゥゥゥゥ……」
女性「ひっ!」
影がうなり声を上げると、女性は背筋を凍らせた。
間違いない。今度は自分だ。
そう考えた女性は恐怖で手足を振るわせ、歯をガチガチと鳴らし始めた。
首から上がなくなった暴漢の胴体は、自分の目の前でまだ血を流し続けている。
女性はその肉の塊と影を交互に見つめて、さらに身体を震わせた。
あんな風になるのか、自分も。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/14(土) 17:11:51.00 ID:gx1gBjB00
- 女性「い、いや……いやぁ……」
女性は目を瞑り、耳を塞いだ。来ないでほしい。来るな来るな来るな……!!!
そして、女性の意識は飛んだ。恐怖に耐え切れず。
それから数時間後、偶然その裏道を通った近くの住人の叫び声が、町中に響き渡った。
頭が消えた死体と、気を失って倒れていた女性が警察に発見されるのは、それから数十分後のことだった。
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