( ^ω^)ブーンが心を開くようです

  
59: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:53:18.09 ID:cEpGzgeR0
  



自分が進もうとすると、目の前の地面に銃弾を叩き込まれてどうにも移動することができない。

川 ゚ -゚) 「くそ……」

銃弾を避けて逃げ続けていると、クーはいつの間にかブーンとは引き離されてしまっていた。
もう彼の姿は見えず、目の前には暗闇が広がっているだけ。人の姿などまったく見えない。

ブーンはいったいどうしている? ちゃんと隠れているのか? 
一瞬だけ彼の出す光のきらめきが見えたような気がしたが、もしかして誰かと戦っているのか?
『影』? それとも他の組織?

何にしろ、早くブーンの所に行かないといけない。

そう結論づけたクーはジャケットの裏をまさぐり、黒い拳銃を取り出した。
ブローニングM1910。9ミリ口径に装弾数7発。サプレッサーのおまけ付き。
護身用としていつも持ち歩いているが、今日ほどこれを持っていてよかったと思う日はなかった。



  
61: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:55:21.83 ID:cEpGzgeR0
  

欲を言えば、もう少し弾を持ってきていたらと思ったが、そんなことは言ってられない。
さっそくクーは発砲音と銃弾の火花の関係から敵の位置を予測し、そこに向かって引き金を引いた。

1、2、3発。銃声もたてずに銃弾が飛んでいく。手ごたえなし。

「久しいなあ、ゴラァ」

突然、図太い男の声が工場中に響き渡った。聞いたことがある。この声は……

川 ゚ -゚) 「この声……『赤坂』のギコか!」

声のした方向に向かって引き金を引く。
4、5発目。またもや手ごたえなし。

クーはポケットの中のマガジンを確認する。
マガジンは合計で3つ。ひとつで7発なので、拳銃に残っている弾とあわせて残り弾数は23。

弾が尽きる前に終わらせないと……!



  
63: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:57:22.76 ID:cEpGzgeR0
  

隠れ蓑にしている鉄の扉に金属音が鳴り響いた。相手からの銃撃だ。

川 ゚ -゚) (くそ、あちらはいったいどれだけ弾があるというのだ……!)

さっきから何十発も打ち込んできている敵。
おそらくギコなのだろうが、これほど弾を持っているということは最初から自分達を狙って待ち伏せしていたと考えるのが妥当だろう。

しかし、なぜ自分達がここに来るということが分かったんだ?
『赤坂』に情報が漏れているとでも言うのか?

( ,,゚Д゚) 「隠れてないで出てこいよ。ちょっと話でもしねえか?ゴラァ」

近くから声が聞こえ、クーはギクリと背筋を震わせて辺りを見渡す。どこだ? どこにいる?



  
64: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:58:57.09 ID:cEpGzgeR0
  

川 ゚ -゚) 「お前と話すことなどないな」

( ,,゚Д゚) 「そんなつれないこと言うなよ。これでも興味持ってんだぜ? お前には」

工場内に音が反響して、声の出どころを特定しづらい。加えて工場の中は暗く、視界がかなり悪い。
これでは敵の居場所なんて簡単に掴めない。
ギコもおそらくそれを分かった上で、おしゃべりなどしているのだろう。

鉄の扉から少し身を乗り出し、クーはだいたいの目星をつけて2、3発拳銃の引き金を絞った。
しかし、やはり当たった気配はなし。

( ,,゚Д゚) 「おいおい、あせってるのか?」

川 ゚ -゚) 「うるさい。お前には関係のないことだ」

もう一度撃とうとしたが、鉄の扉に銃弾が撃ちこまれ、再び身を隠すはめになってしまった。
くそ。時間がたちすぎている。ブーンはどこに……?



  
65: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:00:47.75 ID:LZalLN+z0
  

( ,,゚Д゚) 「あせんなよ。あのガキが心配なのか? 仲間を失うことが嫌なのか? ゴラァ」

川 ゚ -゚) 「関係ないと言っているだろう!」

1、2、3発。
「ちっ」というギコの声が聞こえた。よし。だいたいの位置は特定できた。あとはその方向に向かって――

( ,,゚Д゚) 「『天国』時代のことでも思い出すのか?」

川 ゚ -゚) 「なっ!?」

思わず、引き金を引く指を止めてしまった。

『天国』……なぜこいつがそれを?



  
66: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:02:16.62 ID:LZalLN+z0
  

川 ゚ -゚) 「きさま! 何を知っている!」

( ,,゚Д゚) 「ハハハ!」

笑い声が移動する。くそ。ギコがまた隠れる場所を変えたようだ。

位置をつかめないこちらと、どういうわけか攻撃をせずにおしゃべりをしてくるギコ。
これでは長期戦にならざるを得ない。時間だけが刻々と過ぎていき、その分ブーンに危険が及んでいるのかもしれない。

銃を持つ手が汗ばみ、クーは冷や汗を流した。

またあれを繰り返すのか?
また仲間を……死なせるのか?

忌まわしい過去に振り回されそうになったクーは、自分の顔を左手ではたいて気合を入れた。
今はそんなことを考えてられない。とにかく目の前の敵を倒すだけ。

クーは再び引き金を引いた。だが相手に当たっている様子はまったくなかった。



  
67: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:04:09.94 ID:LZalLN+z0
  



( ´_ゝ`)「ほわぁぁ!」

( ^ω^)「くぅ!」

小さい方の男がロープを振り回してくるのを、ブーンは『剣状光』の刃でガードした。

( ^ω^)「く……なんで切れないんだお!」

そんな憎憎しい叫びをあげながら、ブーンは男の腹に蹴りを入れようとする。
クーとの訓練で培ったガードから攻撃に転ずる技だ。

だが、男は一足飛びにすばやく後ろに退く。
そして次の瞬間には、男の背後から手裏剣がこちらに向かって飛んでくる。
回転する十字手裏剣。光の壁でなんとかそれをガードするが、にしてもこの2人の連携はスキがない。

こちらから小さい男に向かって攻撃しようとしたら、手裏剣が飛んできて防がれる。
防御から反撃に転じようとしても、やはり手裏剣が飛んでくる。
手裏剣使いを先に倒そうと思っても、ロープを持った男が長いリーチでこちらに攻撃してくるため、その暇がない。



  
70: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:06:13.31 ID:LZalLN+z0
  

1対2で明らかに不利な上に、こんな連携攻撃を使われては太刀打ちできない。
今は『光障壁』のおかげで無傷だが、いつ攻撃を喰らってしまうやら……

( ^ω^)(いやいや、あっちだって『光障壁』を破る手はないはずだお。
      連携を破る方法を見つけたら、こっちの勝ちだお)

また手裏剣が飛んでくる。それと同時にロープがこちらの顔に向かってしなやかに振られるが、2つとも『光障壁』でガード。
攻撃が当たった壁の2箇所から光が生じる。やっぱり、こいつらは『気』の使い手なのか……

ブーンはそんなことを考えながら、光の弾――『光弾』を数発出す。
見え見えの攻撃だけれども、スキを作る機会にはなる。

思ったとおり、手裏剣使いの方が『光弾』に気を取られて一瞬だけ手裏剣を撃つ手を止めた。

よし、いまだ。

( `ω´)「おおおおお!」

ブーンはロープ使いの方に向かって走り出した。
左手で『光弾』を何個か出しながら右手の『剣状光』を相手の足に向かって振る。



  
71: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:08:07.61 ID:LZalLN+z0
  

(;´_ゝ`)「むぅ!」

この波状攻撃に戸惑うロープ使い。『光弾』に意識が集中していたため、足元がおろそかになっている。

ブーンの『剣状光』の刃が、彼の太ももをかすった。

(´<_` )「兄者!」

( ´_ゝ`)「心配ない、かすり傷だ」

右太ももの内側からかすかに血を流しているロープ使い。平気そうな顔をしているが、手ごたえはあった。
『剣状光』の切れ味は尋常ではない。かすっただけでもそうとう深い傷になりうるはず。

( ^ω^)(これならいけるお……さっさとこいつらを戦闘不能にして、クーさんのところに行かないと!)

殺すつもりはない。けど、邪魔をするのなら倒す。
戦うのはまだ怖いけど、やらなくちゃならない。やらなくちゃ!

そんな意気込みをもって、ブーンは『剣状光』をしっかりと握りなおした。



  
72: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:09:54.36 ID:LZalLN+z0
  

( ´_ゝ`)「やっかいだな……あの光の壁が問題だ」

(´<_` )「俺に良い考えがある。いいか?」

( ´_ゝ`)「流石だな、わが弟よ。いいだろう。お前の言う通りにしてやろう」

何やらヒソヒソ話を始める2人。
『兄者』やら『弟』やらと呼び合っているところを見ると、もしかして兄弟だろうか?
けど、『兄者』と言われてる方が弟よりちっこいような……アンバランスな兄弟だな、こいつら。

と、いけないいけない。相手があんな大きなスキを作っているんだから早く攻撃しないと。

( ^ω^)「おしゃべりはそこまでだお!」

ブーンは左手から『光弾』を2、3発出す。
これは牽制球。本命は……

( `ω´)「はぁ!」

ブーンは『剣状光』を、まるで陸上競技の槍投げのように思いっきり投げつけた。
狙うは足だ。当たっても死んでしまうことはないし、行動不能ぐらいにはできるはず。



  
74: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:11:50.40 ID:LZalLN+z0
  

( ´_ゝ`)「見える! 甘いな!」

しかし、兄弟はすばやい動きでそれらを全てかわす。さっきより速くなってるのは気のせいか?

間もなく手裏剣が飛んでくる。1発はすれすれで避けて、2、3発は『光障壁』でガード。

( ^ω^)「同じパターンの攻撃は通じないお!……お?」

もう一度『光弾』を出そうとした所で、ブーンは異変に気付いた。
右腕が動かない。見てみると手首にロープが巻きついていて、その先には小さな男が力一杯ローブを引っ張っている。

( ´_ゝ`)「動きは封じた」

これぐらいで何を!
ブーンは左手で『光弾』を出そうとしたが、その前に手裏剣使いの攻撃が飛んでくる。3発の手裏剣。

( ^ω^)「こんなの『光障壁』で……!」

(´<_` )「甘いな」

え?



  
75: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:13:52.07 ID:LZalLN+z0
  

手裏剣使いの冷徹な声が聞こえたかと思った瞬間、背中に刺すような痛みが広がった。

聞こえた、トスという軽い音。
広がる痛み。力も抜けていく。

自分の背中に1枚の手裏剣が刺さっているとわかったのは、地面に倒れこんだ後だった。

え? どうして?

(メ゜ω ゜)「くぅ…ぅ……ど、どうして……」

頬に地面の冷たさを感じながら、ブーンは苦しげに声を出した。

どうして?
後ろからどうして手裏剣?
いや、それよりも『光障壁』は?



  
76: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:15:41.15 ID:LZalLN+z0
  

(´<_` )「やはり俺の思った通りだ。この光の壁、当人が『出そうと思ったところ』にしか出せない。
      死角からの攻撃はさすがに防げないのだな」

( ´_ゝ`)「ふ、流石だな、弟よ。いいブーメラン撃ちだったぞ」

(´<_` )「兄者もいい所で注意をそらしてくれた」

( ´_ゝ`)「ふ、何にしろ」

( ´_ゝ`)(´<_` )「流石だな、俺ら」

兄弟の話を聞き、ブーンは驚いた。

『出そうと思ったところ』にしか出せない? そうなのか? 

いや、確かにそうだ。今までは攻撃が来ると思った所にしか『光障壁』は出せなかった。
なんてことだ。まさかそんな弱点があったなんて。
クーとの訓練の中で気付けばよかったのに……つくづく甘いな、自分は。



  
77: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:17:26.34 ID:LZalLN+z0
  

(メ^ω^)「く……」

( ´_ゝ`)「動けないだろう。弟者の手裏剣には麻痺毒が塗ってあってな。象も動けなくなる代物だ」

(´<_` )「まあ、死にはしないから安心しろ。当たりどころも悪いところではないしな」

(メ^ω^)「誰なんだお……あんた達は……」

( ´_ゝ`)「お前に名乗る名などない!」
(´<_` )「流石だな、兄者。いい台詞だぞ」

( ´_ゝ`)「そうか? パクリだと思われないか?」
(´<_` )「ああ、流石だ」

流石流石って、さっきからそればっかり言っている。
しかもコントまがいのこともしてるし……こんな奴らに負けたなんて……



  
80: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:19:07.80 ID:LZalLN+z0
  

( ´_ゝ`)「にしても、どうもこいつの戦い方はおかしかったな。まるで俺たちをなるべく傷つけずに、とでもいうような」

(´<_` )「確かにな。兄者も気付いていたのか」

( ´_ゝ`)「ああ……ふむ、『人の子』よ、聞きたいことがある」

雑談していると思ったら、今度はこっちとおしゃべり?
なんだこいつら……戦った後の緊張感なんてまるでない。
もしかして自分を倒したことなんて軽いものだったのか?

憎々しさと、そんな敵に負けた自分への情けなさで、ブーンは「くそぅ……」と小さく毒づいた。

( ´_ゝ`)「聞いているか? 聞きたいことがある」

(メ^ω^)「……なんだお」

( ´_ゝ`)「そう怖い声を出すな。少し尋ねたいだけだ。お前はどうして戦っているんだ?」



  
81: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:20:29.03 ID:LZalLN+z0
  

何をいきなり……ふざけてるのか?

(メ`ω´)「そんなの、守るために決まってるお!」

ブーンは自分の指が1本も動かないことを確認しながら、怒鳴り声で質問に答えた。

そんな怒気をたやすく受け流す男は、たいそう面白そうに大きな笑みを浮かべた。

( ´_ゝ`)「ははは! そうか。ふむ、まあそんな戦う理由があってもいいな」

「だが、まだ青い」と言葉を続ける男。

青い? なにが?



  
82: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:22:53.64 ID:LZalLN+z0
  

( ´_ゝ`)「1度聞いてみよう。
      お前が何かを守るために戦っているということは、相手の守りたいものを壊しているということでもある、と考えたことはないか?」

ずきん、と手裏剣が刺さった部分に痛みが走った。

いや、違う。これは胸の奥底の痛み?

そうだ。そうなんだ。
今まで、この男の言っていることを考えたことがなかったわけではない。
むしろ心の奥底にしまっておいて、目をそらしていた事柄だった。

自分の守りたいものを守るために、敵の守りたいものを踏みにじらなければならないという真実。
そんなことをしてもいいのだろうか? という疑問。

考えたくもなかったこと。けど、男の言葉のせいで目覚めてしまった。
場所にそぐわない、この疑問が。

(メ´ω`)「……」

( ´_ゝ`)「ははは! 答えられないか! そうだろうな、まあそうだろう」



  
84: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:24:35.79 ID:LZalLN+z0
  

唐突にピーピーという電子音が鳴り響いた。
それは手裏剣使い――どうやらこちらが弟のようだ――の胸元から発していた。
弟はすばやく無線機らしきものを取り出す。

(´<_` )「ん、ジャミングを切って、と……弟者だ」

ジャミング?
もしかして、この工場全体に電波のジャミングでもかけていたのか?
そうか。だから、さっき通信機が使えなかったのか。

(´<_` )「……む、そうか。わかった」

短い会話をすませ、弟者は兄の方に真剣な目を向ける。

(´<_` )「もうすぐ来るそうだ。早めに撤収して、引き渡しをスムーズにしないか?」

( ´_ゝ`)「もう少し待て、こいつと話をしたい」



  
96 名前: ◆ILuHYVG0rg [再開です] 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:36:52.93 ID:LZalLN+z0
  
(´<_` )「早くしてくれよ、兄者」

( ´_ゝ`)「分かってるさ……さあ、『人の子』よ」

兄者がこちらの前にしゃがみこみ、顔を覗き込んできた。
その目はこちらの心を見通してくるかのようで、ブーンは無意識にその目から視線を逸らした。

「ふむ」と兄者が声を漏らす。

( ´_ゝ`)「やはり青いな、『人の子』。もっと大きな世界を見てみることだ。そうすれば様々な考えを思いつくだろうな」

(メ´ω`)「……」

( ´_ゝ`)「まあ、これからのお前に期待、という感じだな。
      まあ、守るべきものを持てるということは幸せだ。ただ、その守るべきものが壊されたとき、お前はどうするんだろうな」

またハハハと兄者は笑った。なんなんだ、本当に。
今まで戦っていた敵に対して笑みを浮かべるなんて、どういう奴だ、こいつ。



  
99: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:39:31.47 ID:LZalLN+z0
  

(´<_` )「兄者、くるぞ」

弟者のせかすような声を聞いても、兄者は口を止めなかった。
むしろ饒舌になっていく。

( ´_ゝ`)「お前が取る道を、世界中のみなが注目している。ふふ……果たしてどんな道を選ぶのか、見ものだな」

(´<_` )「兄者」

( ´_ゝ`)「ふ……時間だ。ではな。良い夢を」

兄者が立ち上がり、だんだんと2人の気配が遠ざかっていくのをブーンは感じた。
不思議な2人だった。敵とは思えない。けど、味方でもないような気がする。



  
103: ◆ILuHYVG0rg :佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:42:55.22 ID:LZalLN+z0
  

ブーンはうつぶせになりながらも辺りを見渡してみた。暗い。誰の気配もしない。

弟者の言葉を聞いている限りでは、何かがここに来るらしいが……
クーだろうか? そういえばクーはどうしたんだろう? 銃声はもう聞こえないけど……

ブーンは必死で思考をつなぎとめようとしたが、叶わず、ついに目を閉じてしまった。

最後に遠くから足音が聞こえてきた所で意識を手放した。手足の感覚は全てなくなっていた。

ただその足音が1人ではなく、複数で大人数の足音だということだけは覚えていた。

第12話 完



戻る次のページへ