( ^ω^)ブーンで学ぶ世界史
- 587: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:23:16.82 ID:74AxXOvw0
- なお、『ネルヴァ』〜『マルクス=アウレリウス=アントニヌス』の五人の皇帝ですが、
この時期、ローマ帝国は安定した事もあって、彼らは『五賢帝』と呼ばれています。
そしてここからが重要だお
- 590: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:24:18.33 ID:74AxXOvw0
- \(^p^)/「あうあうあー」
↑大きな風呂場を造ったことで有名な皇帝『カラカラ』
風呂場だけじゃないんだぜ?
『ローマ市民権』を、属州の民草どもにも認めてやったのさ!
- 594: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:25:02.76 ID:74AxXOvw0
- ところが……………
(*'A`)「市民権ktkr」
\(^o^)/「そのかわり税金を払ってください」
('A`)「え? 税金なんかでいいの?」
\(^o^)/「財政難なのです」
(*'A`)「ほらよ。……………うひょー、市民権だ!」
\(^q^)/「税金がたくさん集まりました。このお金で傭兵を雇いましょう」
- 597: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:25:56.86 ID:74AxXOvw0
- 市民権を属州にも認めたのには、一つ理由がある。
「都市の方が税金を取りやすい」のだ。
田舎の農民を都市に呼び寄せて、市民権の登録をさせれば簡単に税金を取り立てることができる。
ペルシア人やゲルマン人の侵入により傭兵代がかさむローマには、まさにうってつけの制度に思われた。
だが、利点を食いつぶしてしまうほどの弊害が一つあったのである。
- 599: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:26:34.05 ID:74AxXOvw0
- \(^o^)/「ゲルマン人と戦いませんか?」
('A`)「え? やだよ」
\(^o^)/「え?」
(;'A`)「『え?』じゃねーよ。なんで俺がそんな危険な事しなくちゃいけないんだ」
/(^o^)\「だって今までも傭兵として戦ってくれていたじゃないですか」
- 601: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:27:02.25 ID:74AxXOvw0
- ('A`)「それは『傭兵として戦わないと市民権が貰えなかった』からだろ?」
/(^o^)\・・・・・
('A`)「選挙権が貰えるって言うからわざわざ傭兵になってやってたんだよ」
\(^o^)/「……………とどのつまりもう傭兵にはなりたくない、と」
('A`)「そりゃそうだ。もう市民権貰ったしな。後はゆったり生きる事にするさ」
/(^o^)\・・・・・
('A`)「じゃあな。市民権、ありがとうよ」
/(^o^)\ナンテコッタイ
- 603: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:27:20.50 ID:74AxXOvw0
- もともと市民権は、戦争に行く事で初めてもらえるもの。
いや、市民権が貰えるからこそ、属州の人々は傭兵となり戦ったのだ。
市民権入手というゴールを失った傭兵業は、物好きと無頼漢の生業となってしまった。
この後、ローマは軍の質・量双方の低下に歯止めをかけることが出来ず、没落へと向かっていく。
選挙権というものは簡単にばら撒いて良いものではないのだ。
外国人参政権の問題も、根っこは似てると思うんだけどね。
- 605: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:27:50.81 ID:74AxXOvw0
- さて、これで『元首政』の重要な事項は終わりだ。
社会的な流れは後でまとめようと思うから、しばしお待ちあれ。
なお、元首政成立から五賢帝時代の末期までの時代を『パックス=ロマーナ』とも言う。
この時代は世界的に安定していたため、陸海問わず貿易がさかんであった。
(その証拠に『エリュトゥラー海案内記』という貿易指南書が書かれたりしている)
それほど平和な時代が続いていたのである。
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- 607: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:29:54.30 ID:74AxXOvw0
- 一方3世紀に入ると、世界的に混乱した時代が訪れる。
支那では『後漢』の統治が崩壊して魏・呉・蜀の三国に分裂してしまったし、
インド北部〜アフガニスタンでは『クシャーナ朝』が衰退し、統一が失われている。
また、インド中部では『サータヴァーハナ朝(アーンドラ朝)』が滅亡している。
そして……………
从#゚∀从「あたいは遊牧をやめるぞ! ローマァァァァァ!!!」
ローマの宿敵であった『パルティア』は、同じペルシア系の『ササン朝ペルシア』に生まれ変わっていた。
- 608: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:30:27.10 ID:74AxXOvw0
- また、ローマも例外なく混乱に見舞われていた。
軍司令官でもあった皇帝を、軍隊が決めてしまったのである。
/(^o^)\「ぼくが皇帝では不満ですか」
すなわち、謀反・反乱・クーデター・暗殺のオンパレードだ。
- 610: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:30:56.96 ID:74AxXOvw0
- このように決まった皇帝は軍隊によって支持されていたため、『軍人皇帝』と呼ぶ。
┏(;^o^)┛「ぼく以外に皇帝は務まらな……………アッー!」
◎ ◎
◎ ◎
◎ ◎
◎ ◎
◎ ◎ ティウンティウンティウンティウン
◎ ◎
しかし、およそ50年間の『軍人皇帝時代』こそが、ローマの大きな転換点となるのであった。
そう。共和政でも元首政でもない、『専制君主制(ドミナートゥス)』の始まりである。
- 611: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:31:49.36 ID:74AxXOvw0
- ヘ(^o^)ヘ 人
|∧
/
/
(^o^)/ 生
/( )
/ / >
(^o^) 三
(\\ 三 シュッ
< \ 三
\
(/o^) オワタ
( /
/ く
『専制君主制』を始めた皇帝の名は、『ディオクレティアヌス』。
自身も軍人であったためか、今までのローマの短所の改革に努めている。
- 615: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:36:35.14 ID:74AxXOvw0
- 例えば>>580に書いたように、ローマの問題点は「国土が広すぎる」点だ。
つまり。
从*゚∀从「よーよー、兄ちゃんよう」
ミ,,゚Д゚彡「悪いけどよー。小遣いくれや」
\(^o^)/・・・・・
从#゚∀从「何か言えよ。あたいらは気が長い方じゃねーんだ」
ミ,,#゚Д゚彡「早くしろ、ダラズめ。ブチ殺されてーのか?!」
/(^o^)\「同時に相手できません」
ササン朝とゲルマン人という爆弾に、皇帝が一人では対応しきれないのだ。
- 618: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:43:22.02 ID:74AxXOvw0
- 皇帝が不足しているなら、皇帝を増やせばいいじゃないwwww
だが、皇帝が増えると言う事は「皇帝一人当たりのありがたさ」が減る事になる。
\(^o^)/「単純に増やしたら帝国が分裂していしまいます」
特に、軍人皇帝からの脱却を図るには、「皇帝=神様」という考えを広める必要があったのだ。
(すなわち、皇帝をエジプトのファラオみたいな存在にしなければならなかった)
『専制君主制』の特殊な点が、ここだ。
要するに、ギリシャ風の共和政からオリエント風の独裁者へと変わったのである。
- 620: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:54:59.81 ID:74AxXOvw0
- ┏(#^o^)┛「汚物は消毒だーっ!!」
そのため、皇帝を崇拝しない『キリスト教徒』は度々弾圧されてきたのだが、それはまた別のお話。
ともかく、これから先のローマは
・皇帝の数が足りない
・皇帝を崇拝しないキリスト教徒がウザい
と言う問題点を抱える事となる。
- 622: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:57:09.01 ID:74AxXOvw0
- 1、皇帝を崇拝しないキリスト教徒がウザい問題
・『コンスタンティヌス』が皇帝になった時に解決。
・『ミラノ勅令』でキリスト教の信仰を認めた。
・その代わりに「皇帝は神様に選ばれた人」と言う事にして、皇帝の凄さを示した。
つまり、キリスト教の信仰を借りる事によって、皇帝の権威を表したのである。
2、皇帝の数が足りない問題
・『テオドシウス』が皇帝になった時に解決。
・キリスト教を強制して、国内のまとまりをなんとか維持しようとした。
・でも失敗して、結局ローマは分裂してしまった。
- 624: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 21:59:25.69 ID:74AxXOvw0
- ローマのみならず、古代は暗記事項が多くて面白くねえwwww
要するに、西暦395年。
/(^o^)\「ゲルマン人の侵入が止まらない『西ローマ帝国』です」
(´・ω・`)「やあ。ようこそ『東ローマ帝国』へ」
ローマ帝国は東西に分裂、二度と統一される事はなかったのだ。
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- 627: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:03:29.15 ID:74AxXOvw0
- さて、次は社会的な変化を見てみよう。
ここからわかる事は一つ。
「何故ローマは滅びたのか?」
というかもうジャンジャン支援してやって下さい。
さるの出現確率が高いのなんの。
千切っては投げ千切っては投げ、バッタバッタと薙ぎ倒し、
なんとか壊滅させたと思っても、奴らはまた無限に沸いて来るのです。
- 629: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:04:07.80 ID:74AxXOvw0
- 真面目に知りたい人は『ローマ人の物語』でも読んでくださいwwww
俺なりに整理して書くと、理由は以下の二点。
1、傭兵が使い物にならなくなったため。
2、経済がマヒしてしまったため。
こんなところジャマイカ?
一つ目は『カラカラ帝』の所で説明しましたね。
以下、二つ目の「経済」に関した事について。
- 630: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:05:03.40 ID:74AxXOvw0
- (//‰ ゚) キャシャアアアアン
ξ#゚听)ξ「ちょっと! ボサっとしてないで早く働きなさいよ!」
まず思い出して欲しいのが、>>516にある『大土地所有制(ラティフンディウム)』のことだ。
前述のように、ラティフンディウムでは『奴隷』が大きな労働力であった。
ここで重要なのが、奴隷とは基本的に「戦争での捕虜」がなるものである、と言うこと。
- 631: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:05:48.06 ID:74AxXOvw0
- ____
|← 戦場 |
. ̄.|| ̄ ̄ ┗(^o^ )┓三
|| ┏┗ 三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ローマ死闘中...
- 632: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:06:27.19 ID:74AxXOvw0
- ┏( ^o^)┛「やせいの野蛮人をゲットしたぞ!」
(//‰ ゚) ゴシカァァァァン!!
すなわち、「戦争が無くなれば、奴隷の数が減る」のである。
- 633: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:07:17.70 ID:74AxXOvw0
- 奴隷の数が減少すれば、必然的に『ラティフンディウム』で利用できる労働力も減少する。
それは、『ラティフンディウム』で生み出される富が減少する事に直結したのであった。
そして、>>519の
>ξ#゚听)ξ「いやよ! せっかく属州から集めた税金をピンはねして大儲けしてるのに!」
この発言を考慮すると、帝政に入って平和になったことが、
奴隷を利用して生活していたローマの支配者層を直撃する事がわかる。
- 634: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:08:26.88 ID:74AxXOvw0
- 要するに。
共和政のローマは、いわゆる「戦争経済」であった。(使い方あってんのかな?w)
戦争をしなければラティフンディウムを支えられず、国家が維持できなかったのだ。
そんなローマが戦争をやめるきっかけになったのが、『トイトブルクの戦い』なのである。
そして、それ以降戦争は無くなり、ローマは土台から腐っていった。
俺が思うに、ローマ史で一番重要なんジャマイカ?
人名だけ覚えさせるようなくだらない事をやるなら、代わりにこういう流れを教えて欲しいもんだぜ。
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- 636: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:09:31.03 ID:74AxXOvw0
- ξ;゚听)ξ「うーん、奴隷がいないとなると……………」
ξ;゚听)ξ「困ったわ……………」
ξ ゚听)ξ「ん?」
...('A`)
ξ ゚听)ξ「そうだわ。……………おい、そこのプータロー」
('A`) ?!
- 637: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:10:02.03 ID:74AxXOvw0
- ('A`)・・・・・
('A`≡'A`) サササッ
('A`)「あー…………… もしかして俺?」
ξ ゚听)ξ「もしかしてもクソもないでしょ。無職はあんたしかいないのよ」
('A`)・・・・・
ξ ゚听)ξ「まあいいわ。あんた、奴隷にならない?」
(;'A`)「へ?」
ξ ゚听)ξ「だからー。あたしの農園でこき使ってやるって言ってんのよ」
('A`)・・・・・
- 639: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:10:28.31 ID:74AxXOvw0
- ('A`)「風呂・トイレ別で、飯3食付の家を用意すること。
家族同伴可で、8時間労働とか残業代支給とかを厳守すること。
これなら考えてやってもいい」
ξ#゚听)ξ「はあ? 奴隷にそんな権利あるわけないでしょ!
『働く・作業する・死ぬ』が奴隷の権利よ!」
('A`)「そうか。じゃあ他をあたってくれ。俺も暇じゃないからな」
ξ;゚听)ξ「くっ……………」
('∀`) ニィ
- 648: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:18:48.68 ID:74AxXOvw0
- ('∀`)「こうしてる間にもあんたの農園は荒れていくんだぜ………? 貴族さんよぉ………」
ξ;゚听)ξ・・・・・
('∀`)「あんたの農園は今、ゴミって感じだろ………? 無気力で自堕落で非生産的………!」
ξ; )ξ・・・・・
('∀`)「勇気を出せ……! 二度三度なんて言わねぇ………
ここ一度だけ…… 勇気を…………! 奴隷を捨てるという勇気…………
ξ; - )ξ・・・・・
- 650: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:21:16.16 ID:74AxXOvw0
- ξ;゚听)ξ「………わかったわ……………
あたしの土地をあなたに貸す。家族で耕そうが何しようが構わない」
('∀`)o0(へへ………来たぜ、ぬるりと…………!)
ξ )ξ「ただし、契約期間中の逃亡は一切許さない。
また、賃貸料として収穫物の幾らかを支払ってもらうわ」
('∀`)「いいだろう」
ざわ…
ざわ…
- 651: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:22:26.89 ID:74AxXOvw0
- 結論。
時代が『ローマの平和(パックス=ロマーナ)』に至ると、ローマの奴隷制は完全に崩壊したのだ。
その代わりに現れるのが、『コロヌス(小作人)』に土地を与えて収穫物を収めさせる方式…………
『コロナートゥス』である。
('A`)「これが今年の支払いだ。残りは俺が貰っていくぞ」
ξ ゚听)ξ「はいはい、お疲れさま」
奴隷制と比べ「頑張ればそれだけ取り分が増える」ため、農民達のやる気が出たという。
- 652: ◆ImMEukpfHw :2008/03/01(土) 22:23:57.82 ID:74AxXOvw0
- 最初は契約期間も短く、賃料も現金で払っていたらしいが、時を経るにつれ変質していったようだ。
('∀`)「契約期間終了〜。……………じゃあの、しばらく遊んで暮らすぜ」
ξ;゚听)ξ「ちょっと、この土地はどうするのよ!!」
例えば、契約期間切れでコロヌスがどっかへ行ってしまったら、次のコロヌスを探すのは大変だ。
また、コロヌスがいなくなれば、当然ローマは地主から税金を取り立てる事ができない。
/(^o^)\「傭兵が足りません」
国家的に税収が安定しないとなれば、傭兵を雇う事すらままならないのである。
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