( ^ω^)ブーンは天国を探すようです

185: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:20:35.37 ID:N6vzJnH10
第七話 そして行き着いた場所は天国だった。でもそれは天国じゃなかった。オチを探さないと。

今まで僕はたくさんの経験をしてきた。
たくさんの人と出会った。しかしそれらは全て、およそ妄想に過ぎないのだ。

何故なら、最初の方を読み返していただければわかると思うのだが、
この物語の冒頭で僕以外の何もかもが消えているからだ。
つまり、この40レスにも及ぶ壮大な物語は全て僕の迷妄たる想像になる。

まぁ小説なんてそんなもんだ。それはただの文字である。

何故このように物語の総まとめをしているかと言われれば、
それは僕が天国に行くための足がかりを見つけたからに他ならない。

僕の目の前に階段がある。
その横にこんな案内板があるのだ。

『→天国』

これほどわかりやすいものも他には無いだろう。
僕はゆっくりと階段を上り始めていた。不覚にも足が震え始めている。

ああ、いよいよ僕はレーニンに会えるんだ。
僕は遂に金日成に会えるんだ。



191: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:23:38.19 ID:N6vzJnH10
階段を一段上るたび、様々な思い出が回想される。
植物人間、くろんぼ、生首、ゴンドラ、妖精、サーベルタイガー、フェルマーの最終定理。
ああ、何もかもが懐かしい。全てが過去のことだけれど、まるで現在のような気もする。

川 ゚ -゚)「全てはほうら、君の真横で君と一緒に走っているよ」

ああ、植物人間が上から下へ消えていく。

そのうち階段の終わりが見えてきた。
階段の先に、天井からぶら下がった縄がある。
ああなるほどね、これで首を吊ればいいんだね! なるほどぉ! なるほどぉ!

( ^ω^)「ありがちすぎるお」

呟くと、縄が消えてさらに上へ続く階段が現れた。
僕は何事も無かったかのようにのぼり始めた。

ああ、いいオチはどこにあるのだろう。



196: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:27:17.80 ID:N6vzJnH10
その時、僕は唐突に正気を取り戻した。
ああ、この世界はなんて歪んでいるのだろう。それに矛盾ばかりじゃないか。
こんなものが物語として成立していいのだろうか。そんなはずがない。

大体一つも理論的じゃないし、キャラもたくさん出た割に全部捨てられた。

そ、それに、な、何より嘆くべきは、僕がこの物語の主人公だということだ!

こ、こんな物語の主人公などやってられるか!

うわああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああおああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああ

( ^ω^)「狂気オチもありがちすぎるお」

僕はまた、何事も無かったかのように階段を上り始めた。
ああ、いいオチはどこにあるのだろう。



200: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:30:26.43 ID:N6vzJnH10
ぺんぺけぺえん、僕はついに天国を見つけた!

( ^ω^)「そんな安直な」

僕は地獄を見つけた!

( ^ω^)「なんでも逆転すればいいてもんじゃねーお」

僕はアンドロメダと北朝鮮に向かった!

( ^ω^)「意味がわからないお」

( ・∀・)「伝えられぬ想いはサツマイモに届け!」

ああ、生首が時空の彼方でフル回転してる。

僕は結局都合の良いオチを見つける事が出来そうにない。
それならば、僕はまだ旅を続けなければならないのだろうか。
と、いうところで僕は目を覚ました。

( ><)「ブーン君! いつまで寝ているんですか!」

( ^ω^)「いっけねー」

クラスが笑い声に包まれた。めでたしめでたし。



203: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:32:34.39 ID:N6vzJnH10
階段はまだまだ続いている、観覧車の係員が食べた胎児が、
進化論を唱えながら蜷局を巻いて上昇している。

僕は果たして天国に近づいているのだろうか。
もしかしたらあの案内板はフェイクだったのかもしれない。
そうだとして、誰が僕に知らせてくれるのだろうか。

もう何もわからなくなってしまった。
時代が、空間が、物語が、世界観が、何もかもがグイングインと回り巡っている。
ああ、そうやって戦争は始まるんだ。
空にB-29の大群が押し寄せてきている。

( ^ω^)「!」

だが僕は、ふと思いついた。
そうだ、あれが爆弾を落としてくれて、僕が焼け死ねば、僕は天国に行けるんじゃないだろうか。
やった! やった! 戦争万歳! 戦争万歳!

だが、B-29は僕に爆弾を落とさないまま、どこかへ飛び去ってしまった。

( ;ω;)「殺してお! 殺してお!」

僕の願いなど届かなかった。
ああ、神はいつも僕を祝福してくれない。



207: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:36:27.62 ID:N6vzJnH10
だが、そんなとき、階段が遂に最後の段を迎えた。
やった、僕は遂に天国へ辿り着く事ができたのだ。天国に辿り着く事が出来たのだ。

( ^ω^)「ああ、ここが天国かお」

でも、そこには何も無かった。
何もなく、かわりに一つの石像が置かれていて、そこにわら半紙が一つ、貼り付けられていた。

『金をくれ、金を』

ああ、拝金主義だ。所詮この世は拝金主義なのだ。
僕は悲しみのあまり、後に倒れ込んだ。
そのまま階段を転がり落ちて
      そ       の
       ま     ま
        落  下
         し て
          死
         ん だ
        け   れ
       ど     や
      は       り
       そ     ん
        な   オ
         チ は
          許
          さ
          れ
          な
          くて僕は生き返らされた。



212: ◆xh7i0CWaMo :2008/03/26(水) 23:38:30.36 ID:N6vzJnH10
( ´ω`)「もう僕は疲れてしまったお」

ξ゚听)ξ「ならば物語を放棄すれば良いんじゃないですか」

( ´ω`)「そうすればこの物語は終わるのかお」

ξ゚听)ξ「結局天国は見つけられなかったという事になりますけど」

( ´ω`)「バッドエンドかお」

ξ゚听)ξ「よくあることです」

( ´ω`)「じゃあそのペンチ貸してお」

僕は女の子からペンチを受け取って、自分の頭を潰した。




第七話 終



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