( ^ω^)は日々変わらないようです
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:37:37.09 ID:gHZDlsNLO
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第五物語
( ゚∀゚)は実は……
スタートします。
- 14: ◆lirqr6DwLQ :2008/03/31(月) 08:41:04.61 ID:gHZDlsNLO
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カリカリカリカリ
カリカリカリカリ
( ゚∀゚)「…………」
つまらない、学校などつまらない。
そう感じたこと、そんなことは、金髪で不良ぶってる俺には一度もなかった。
カリカリカリカリ
カリカリカリカリ
( ゚∀゚)「…………」
ただ、うざいなぁ。と感じることはある、ギコや他の不良と話すときや、ギャル風味のJKと会話する時だ。
そんな時は流石に、うざいと実のところ感じている。
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:44:24.75 ID:gHZDlsNLO
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( ゚∀゚)「先生、漢字間違ってますよ」
それでも、最近は楽しいことがあった。
最近までいじめていたショボン、彼が若干反抗するようになったのだ。
今までは、黙ってついて来るだけだった(ry
この話しは、また後の機会にでもゆっくり話すよ。
どうやら、気分をスイッチしなくてはいけないようだからね。
―――時計の針は、12時43分。昼休みが近づいていることを、示唆していた。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:48:20.07 ID:gHZDlsNLO
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キーンコーンカーン
( ´_ゝ`)「はい、授業終わり」
授業終了のチャイムが鳴ると同時に、兄者先生は授業を終わりにした。
( ゚∀゚)oO(まだ説明の途中だろうが、糞野郎)
説明の途中で授業が終わり、まだ内容を把握しきてれいないところがあるが、大丈夫だろう。
今夜はちょっと長めに、うん。復習をしよう。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:52:34.35 ID:gHZDlsNLO
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( ゚∀゚)「あー、つっかれたー」
(,,゚Д゚)「そうか?寝てるだけだから、疲れやしないぞゴルァ」
授業中は寝て、昼休みに目を覚ましうるさくなる。
それがギコ、それゆえうざい。
( ゚∀゚)「ほら、姿勢がきついんだよー。寝るならやっぱり、横になりたいねっ」
(,,^Д^)「ギコハハハハ、それもそうだなwwww」
なんだその笑い方、気地外じゃあるまいし……
ん、不良も立派な基地外なのか?まぁいいさ。
( ゚∀゚)「はははっ、なんでもいいのさww」
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:55:55.40 ID:gHZDlsNLO
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昼休み、何をギコと話したかなんて覚えてはいない。
覚えてたら脳が腐る、決まってるだろう。
キーンコーンカーン
嗚呼、どれほど待ちわびただろうか。
五時限開始のチャイムを、ようやくギコが眠りについてくれる。
( ゚∀゚)「やれやれ……」
いいのだ、友達付き合い等適当で。流れに乗り我慢をしよう。
そうしておけば、勉強は出来る。そう、勉強。
勉強こそが、俺が気にすることなのだから。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 08:59:16.57 ID:gHZDlsNLO
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五時限、六時限と授業には何ら不満は無い。
いつも通りに満足のいく内容だ、クラスの大半は寝静まり、先生にも不満はない。
( ゚∀゚)「先生、質問いいですか?」
先生の教え方も非常に良い、よくわかる。
クラスの雰囲気もなかなかだ、うるさい奴等は寝てるから。
いっそのこと、寝て過ごすくらいなら消えてくれとも思う。
(´<_` )「ここは、こうなるんだよ」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:03:28.48 ID:gHZDlsNLO
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弟者先生は良い先生だ、兄者先生の弟だと言うから驚いた。
出来の悪い身内は大変ですよね、わかります。
( ゚∀゚)「あ、なるほど。ありがとうございます」
(´<_` )「いや、構わないよ」
嗚呼、何故か勉強する気が溢れて来た。今日は真っ直ぐ帰って、勉強しよう。
ギコ達には、かまってられないな。うるさいから。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:08:02.58 ID:gHZDlsNLO
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キーンコーンカーン
自分からしたら、学校が終わる忌まわしい鐘が鳴る。
あいつ等からしたら、ただのアラームに過ぎないのだろう。
夜明けが来た!
と言わんばかりに、机と接吻をしていたギコ達がムクリ、と起き上がるのが見えたから。
あぁ、やだやだ。
(,,゚Д゚)「よぅし、ジョルジュ!帰るぞー!!」
ほら来た、予想通りだ。
でもそうは行かないよ、今の俺は学習意欲に満ち溢れてるからね。
( ゚∀゚)「スマンっ、今日はちょっと用事があるからー、先に帰るわ」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:11:05.09 ID:gHZDlsNLO
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ギコは、
「むぅ…」と言うと、それ以上は何も言わず他を当たり始める。
まぁ所詮、俺が一番扱い易いから声をかけたのだろう。
だいたいは分かる。
( )ノ「じゃーなー」
そうなれば俺は、自分の好きにできる。
まぁ……参考書でも買って帰るか。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:15:29.60 ID:gHZDlsNLO
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学校から最寄りの本屋へと着く、何度かは来ているが、品揃えは豊富だ。
きっと良いものが見つかるだろう。
从 ゚∀从「いーっらっしゃいませぇーっ!」
( ゚∀゚)「……………」
威勢が良い店員、本屋なのにうるさすぎだろ…常考。
そんな奴は華麗にスルー、これに限る。
いやだがしかし、学校最寄りってのは緊張するな。
本屋にいるだなんて、バカ達には見られたくないから。
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:17:26.71 ID:gHZDlsNLO
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( ゚∀゚)「これでいっか…」
パラパラとめくり、内容をざっと確認した。
まぁこんなもんだろう。
さぁ、後は買うだ………
( ゚∀゚)「あ…………」
(´・ω・`)「あ………」
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:21:52.51 ID:gHZDlsNLO
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会ってしまった。
よりによって、一番バレたくない奴に。
餅つけ、俺。
平常心、いつも通り、押さない、走らない、喋る。
( ゚∀゚)「よう、なんだよ」
(´・ω・`)「いや、君はやっぱりこういう人なんだ。ってね」
( ゚∀゚)「どゆこと?」
(´・ω・`)「根は真面目なんだろう?わかるよ」
( ゚∀゚)「はははっ、なーに言ってんのショボンちゃん。
勘違いしちゃだーめ」
(´・ω・`)「授業中いつも、熱心に授業を受けてるのは、
どこのどいつだ〜い?」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:27:49.13 ID:gHZDlsNLO
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キラリ、とショボンの瞳が光った。
それに応じて、俺の瞳もキラリと光る。
*゚
( ゚∀゚)「あたしだよっ!」
(´・ω・`)「ほら、やっぱり」
(;゚∀゚)「あ゙……」
(´・ω・`)「そろそろさ、素直になりなよ。
本当に君に有益なのは、頭の良い君ならすぐにわかるだろう?」
「それじゃ、失礼するよ」
と、ショボンは言って視界からフェードアウトしていく。
俺は一人残される。
俺はただ、今までずっと頭の中にあったもやもや……
そう『有益な友達』について。
それをショボンに触れられた気がして、気が動転していた。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:32:19.70 ID:gHZDlsNLO
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周囲はすっかり暗くなっていた、だけどそれでも、家に帰る気はしなかった。
有益な友達……
それは何だ?
ギコ達のように、自分が舐められたくないから一緒にいる友達。
それは、自分の雰囲気や見た目に有益な友達。
だけど奴等には、精神的にデメリットが多すぎる。
奴等の視線が、言動が、俺にとってはストレスになっている気がするな……
それじゃあ逆に、
精神的に有益な友達ってどんな奴だ?
んー………、
よくわかんねぇな。
( ゚∀゚)「はぁ……」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:36:17.99 ID:gHZDlsNLO
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脳が思うように回転しない、腹が減った。
( ゚∀゚)「飯………」
とりあえず何かを食べよう、そう思うと足は何処かへ向かって歩みだす。
細い裏道を行く、何度も通った道だ。
体が覚えてるのだろう、思考しなくとも、目的の場所にはすぐに着いた。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:39:56.68 ID:gHZDlsNLO
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【居酒屋 ブーン】
あれ?居酒屋?
ここって定食屋じゃなかったっけ?
俺はエビフライ定食を食べに、ここまで来たんだ。
なのに居酒屋?
( ゚∀゚)「まぁいっか」
深く考えるのはやめた、脳に栄養が足りない今。
深く考えても答えは出そうにないし、何よりも何かを食えればよかった。
ガラララッ
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:54:48.50 ID:gHZDlsNLO
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( ^ω^)「いらっしゃいませ」
( ・∀・)「いらっしゃいませー」
( ゚∀゚)「いらっしゃいました」
( ^ω^)「お、ジョルジュ君かお」
( ・∀・)「今日は連れのみんなはどうした?」
( ゚∀゚)「俺だけだよ、わるいね」
( ^ω^)「構わないお、お客様は神様だお」
( ・∀・)「その通り、さ、ご注文は?」
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 09:58:56.02 ID:gHZDlsNLO
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オッサンと新人さん、見るだけで分かった。
良いコンビだなと。
多分こういう二人が、
『有益な関係』なんだろう。
うらやましい……
( ゚∀゚)「あー、それなんだけどさ……
今って居酒屋なんですか?」
( ^ω^)「そうだお」
( ・∀・)「時間帯によって変わるんだよ」
( ゚∀゚)「なるほど…
とりあえず、エビフライありますか?」
( ^ω^)「おっおっ、エビフライ定食でいいかお?」
( ゚∀゚)「あ、はい」
( ・∀・)「はははっ、居酒屋じゃ出さないんだけどねー
特別だよ」
( ゚∀゚)「あ、ありがとうございます」
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:03:12.60 ID:gHZDlsNLO
- .
( ・∀・)「とりあえずはい、これ」
と言って差し出されたのは、深い緑色のお茶ときゅうり。
( ゚∀゚)「おつまみですか?」
( ・∀・)「そんな感じかな」
オッサンは奥に引っ込んでいて、今は新人さんが隣にいる。
よくよく考えたら、新人さんとゆっくり話すのは初めてだ。
むしろ、この店に一人で来るのも初めてだった。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:07:29.17 ID:gHZDlsNLO
- .
ポリポリ
ズズズッ
きゅうりを食べながら、お茶をすする。
うん、美味い。
そう言えば、この店で食事を堪能したことはなかった。
おつまみはなかなか美味かった、ならば食事も美味いだろう。
今まで食事を堪能しなかったこと、それが酷く自分のテンションを下げた。
( ・∀・)「美味いだろう?」
( ゚∀゚)「はい」
( ・∀・)「まぁ、ブーンが心を込めて作ってるからな」
へぇ、あのオッサンはブーンて言うのか……
今度からはブーンさんて呼ばなきゃな。
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:10:55.35 ID:gHZDlsNLO
- .
お茶も半分ほどすすり、きゅうりが丁度無くなった時だろうか。
ガラララッ
と引き戸の開く音と共に、うざったらしい声が聞こえた。
顔を見なくてもわかる、それほどまでに嫌悪している声。
(,,゚Д゚)「何で居酒屋なんだゴルァ」
(´・ω・`)「…………」
ギコ達とショボンか。
( ^ω^)「いらっしゃいませ」
( ・∀・)「いらっしゃいませー」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:14:53.04 ID:gHZDlsNLO
- .
顔は見ていない、自分がここにいるとバレたくないから。
でも分かる、ギコがいるってことはショボンもいると。
ギコはショボンに奢ってもらう時しか、この店には来ない。
ゴチュウモンハ?
ショボンノオゴリダカラー
トンカツッ!
オレモトンカツッ!
ワイワイガヤガヤボインボイン
(#゚∀゚)「………」
静かな店が、一気にうるさくなった。一人、飯を食べながら熟考しようとしていた俺からしたら、迷惑この上ない。
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:18:04.45 ID:gHZDlsNLO
- .
ワーワー
あまりのうるささに、怒りのボルテージが上昇する。
もう少しで切れる…っ!
と言うとき、まさにベストタイミングだな。
( ^ω^)「お待たせしたお」
ブーンさんに運ばれ、エビフライ定食が僕の目の前に置かれた。
それを無言で受け取り、にこやかに笑うブーンさんを前に「頂きます」と言って箸をつける。
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:22:02.54 ID:gHZDlsNLO
- .
口に入れた瞬間、衣と歯が重なり合いサクサクとした食感が口に広がる。
サクサクの衣は口内を刺激し、鼻からは香ばしい香りがスッ、っと抜けた。
続いて口の中を占拠したのは、衣の内側から飛び出して来た肉だ。
エビ特有のぷりぷりとした食感と、微かな甘味が広がる。
それは胃の中へ落ちると共に、胃をも刺激する、そして胃はさらにそれを欲する。
- 46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:25:05.94 ID:gHZDlsNLO
- .
しかし、その欲求を無理矢理に抑えこみ、付け合わせのキャベツを口に突っ込む。
( ゚∀゚)oO(これも……っ)
口一杯に広がるのは、優しさと言う名の甘味。
決して人工的なものではなく、太陽の光を浴びて作られた、恵みの甘さ。
それにシャキシャキとした食感が合わさり、口の中に先程まで香っていた、油の匂いは消え。
とても爽やかな気分になった。
- 47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:30:00.70 ID:gHZDlsNLO
- .
そして気付けば口に入っているもの、それは米。
米は口の中に熱を伝える、その熱を我慢しようと顎は閉まり、米を噛む。
ふっくらとした食感が、歯と歯がぶつかり合う際に感じられる。
その食感が少し癖になり、一回二回と噛み締める、その度に広がるのはデンプンが分解され発生する甘さ。
自然の心地よいまでの甘さである、米だけでも食べれるんじゃないか?
と錯覚するほどの美味さだ。
- 50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:36:40.99 ID:gHZDlsNLO
- .
気付けば喉が水分を欲するまでに、食を進めている。
ここは欲求に従い、喉の乾きを癒そうと手を伸ばした。
それはお茶ではなく、味噌汁。
ズズズッ
口に含めば、広がるのはしょっぱさ……
いや、否っ!
断じて………否っ!
口に含み広がるもの、それは深い深いコク。
何処までいっても、底が見えない、しっとりとしたコクのある味。
そして、ドンッ。と味噌汁を置き思う。
( ゚∀゚)oO(美味いっ!)
- 53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:41:49.98 ID:gHZDlsNLO
- .
今までこんなにも、心の底から美味い!と思った食事はあっただろうか?
友と共に食べたカップ麺、お袋が気持ちをこめて作ったカレー。
今まで食べた、美味いと思った食事。
それを完璧に凌駕した素晴らしき食事が、今目の前にある。
もうそこからは、ひたすらに掻き込むことしかできなかった。
食欲に従うがまま………
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:46:18.36 ID:gHZDlsNLO
- .
( ゚∀゚)「………ご馳走様でした」
あっと言う間に、目の前のものを全て平らげた。
とてつもなく腹が減っていた、と言えばそうではない。
ただ純粋に美味かった、それだけだ。
( ^ω^)「どうかお?」
( ゚∀゚)「凄く……美味しかったです」
( ^ω^)「おっおっ、それは良かった」
目の前でブーンさんは、オッサンとは思えない程の純粋な笑顔で笑った。
それに重なって、奥の方では新人さんが忙しく動いている。
その光景は、妙に笑えた。
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:51:13.07 ID:gHZDlsNLO
- .
( ゚∀゚)「ははは…とても美味しかったです。
どうしたら、こんなに美味しく?」
( ^ω^)「おっおっ、それは簡単だお」
( ^ω^)「例えば、エビフライ。
衣なんてものは、一度極めてしまえばそれ以上美味しくならないお」
( ^ω^)「だけど、素材は違うお。良いものはたくさんあるお」
( ^ω^)「一番良いエビフライは、一番良い素材を使ってるんだお」
( ^ω^)「そして、一番良い素材は、良い環境でしか育たない」
( ^ω^)「ってことを知ってるから、美味しいんだお」
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 10:56:24.42 ID:gHZDlsNLO
- .
「よくわからなかったかお?」と、ブーンさんはちょっと困った声で尋ねてきた。
確かに、よくわからなかった。
それは、何故か"素材"が"自分"と重なったからだろう。
外見、言わば『衣』。
それだけなら、今の自分は極めているのだろう。
だがどうだ?
それだけで自分は、本当に良い人間なのか?
心、言わば『素材』。
それは、とても悪いものなんじゃないのか?
親友と言える友はいなく、常に荒んだ心は。
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 11:00:42.05 ID:gHZDlsNLO
- .
( ∀ )「いや、かなり分かりやすいですよ」
そういった部分では、とても分かりやすかった。
人として、自分に必要なモノ。それは見た目を気にした友ではなく、自分に有益な友なのだと。
確かに、見た目は有益だろう。しかし、結局のところ最終的に一番大事なのは中身なのだ。
いくら衣が良くても、素材が悪くては台無しだ。
つまり、
いくら見た目が良くても、心が荒んでいれば、結果は良いものも悪くなる。
と言うことだ。
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 11:05:24.47 ID:gHZDlsNLO
- .
エビフライを通して、よもやこんなことを思い知らされるとは思っていなかった。
( ゚∀゚)「ありがとうございます」
( ^ω^)「おっおっ、どういたしましてだお」
気付けば、かなりの時間が過ぎていた。
ギコ達は食事を終わらせ、新人さんは食器を洗っている。
( ゚∀゚)「何か、大切なことを教わった気がします」
( ^ω^)「お?」
( ゚∀゚)「ありがとうございました」
ペコリ、と頭を下げた。
頭を下げ、感謝を述べるなんていつ以来だろうか。
この瞬間から、俺は変わろう。
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 11:09:48.09 ID:gHZDlsNLO
- .
( ^ω^)「良いんだお、そう思えるなら」
( ^ω^)「あんな事は、もうしちゃダメだお」
そうに言い、ブーンさんが指差す方向を見る。
丁度、奢ることを断るショボンと、無理矢理に迫るギコ達が見えた。
既に、幾らか争っているようで、一発触発な雰囲気だった。
( ゚∀゚)「はい、分かっています」
そう言ったその時、ギコの拳がショボンに炸裂した。
- 65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/31(月) 11:15:46.37 ID:gHZDlsNLO
- .
ゴツッ
( ^ω^)「さぁ、早くするお」
( ゚∀゚)「店、荒れたらすいません」
もう、俺は迷わない。
自分に必要なモノ、それがハッキリと分かったから。
もしかしたら、あいつは俺にとって有益じゃないかも知れない。
いや、それでもいい。
今、俺は、
どうしようもなく、あいつとちゃんとした友達になりたいから。
(#゚∀゚)「ギコォォ!」
(#゚∀゚)「ショボンに手ぇ出すんじゃねぇぇぇぇっ!!!!!」
拳を振り上げる、それはかつてのどうでもいい友、ギコへ。
拳を振り上げる理由、それはこれからの有益な友、ショボンへの償い。
渾身の力を込めた右ストレート、それは、驚く程綺麗に、
ギコの頬を捉えた。
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