( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

2: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:37 d4XAFtPsO
  

ここは大都会ニューVIPに隣接した所に位置するAA町。
その町にとある事務所があった。

( ^ω^)「暇だお」
('A`)「確かに暇だ」
( ゚∀゚)「この二、三週間仕事の依頼がないからな……」

事務所内のブーン、毒男、ジョルジュの三人は口々に言い合っていた。

彼等の職業は新しい建物を建てる為に古い建物を破壊したり荒れ地の地均しをしたりといった危険が伴い高額な資金を必要とする仕事ばかりだ。その為報酬はかなりのものだが同時に依頼主も少なく暇なことが多い。

だがジョルジュの発言により暇は破られる。



3: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:41 d4XAFtPsO
  

( ゚∀゚)「…暇な訳だし、久々にアレでもしにいくか?」
( ^ω^)「仕事ないし丁度いいお。アレしに行くお」
('A`)「金、金、金♪」
( ^ω^)( ゚∀゚)「きめぇwwwww」

三人の中でのアレというのは地面を掘り進んだりどこかの洞窟に入ったりして宝をかき集めてくる、ということだ。
そう、三人は財宝ハンターでもあったのである。

( ゚∀゚)「とはいえ、当てもなしに行動するのは時間と労力の無駄だ。先ずは情報集めからだな」
ジョルジュがそう言ったところで事務所のドアをノックする者がいた。
( ゚∀゚)「どうぞ―」
ドアを開けるとそこには馴染みの顔があった。



4: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:46 d4XAFtPsO
  

(´・ω・`)「やあ」
( ^ω^)「おっおっ、ショボンだお」
( ゚∀゚)「いいところに来た!いきなりだがちょっと聞きたいことがあるんだ」

ショボンはブーン達の事務所のすぐ近くにあるバーボンハウスというバーを兄と二人で経営している。ブーン達はほぼ毎晩のようにバーボンハウスへ飲みに来る常連客な為ショボンとは仲がいいのだ。流石はバーテンをやっているだけあってあらゆる情報にやたらと詳しい。

(´・ω・`)「事情は話さなくていいよ。僕も君達が暇を持て余していてそろそろまたアレを始めようと企んでいるだろうと思ってね、伝えるために来たんだ」



5: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 00:57 d4XAFtPsO
  

(´・ω・`)「何でも、ここから少し離れた所に荒れ地があって、その荒れ地の中央には大きな石像があるらしいんだ。その荒れ地のどこかに高価な宝石や古代の金貨が大量に埋まっているらしいよ。」
( ^ω^)「でもそんな見つけやすそうな場所なのに何で誰も宝を発掘しようとしないんだお?」
(´・ω・`)「そこが問題なんだ。その荒れ地に手を出すと何故かとてつもなく酷い目に遭うらしいんだ」
( ゚∀゚)「それで今でも誰も手を出さない訳か…ところで、とてつもなく酷い目に遭うって、一体何が起こるんだ?」
(´・ω・`)「そこまでは僕も知らないよ。まあ君達は財宝ハンターみたいだし頑張ればきっと何とかいけるよ」
(; ^ω^)「ちょwwwwww何でそんなこと知ってるんだお?」
(´・ω・`)君達の部屋に置いてある物を見れば大体見当つくよ。それにバーでも財宝のありかとかそんな話ばかりしてくるじゃないか」
(; ^ω^)「(鋭いお…」

事務所内には古びた宝箱や古代の壷などが色々飾ってあった。

(´・ω・`)「用件はこれだけだ。じゃあ僕は帰るよ」
( ^ω^)「情報ありがとだお」

( ゚∀゚)「よし、じゃあ今から早速準備して明後日には出発できるようにしとけ」

( ^ω^)「了解だお」



('A`)「ちょwwww俺出番ねぇwwwww」

こんなことを言いながら三人は準備を始めた。



6: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:06 d4XAFtPsO
  

気がつくと既に夕方になっていた。

ブーン達が準備をしていたその時、事務所の電話が鳴った。

( ゚∀゚)「待て待て、俺が取る」

ジョルジュはそう言って受話器を取った。

(以下、電話での会話です)

( ゚∀゚)「もしもし、用件は何でしょうか」
ξ゚听)ξ「仕事を依頼したいんですが…」
( ゚∀゚)「(仕事依頼キタ-!)どのようなことでしょうか?」
ξ゚听)ξ「実はとある土地を買い取ったんですが、荒れ地になっている上に大きな石像が置いてあってどうしようもない状態なんです。ということなのでその石像を壊して、ついでに地均しも頼みたいのですが…」
(;゚∀゚)「……」
ξ;゚听)ξ「…どうかなされましたか?
(;゚∀゚)「…あ、いや大丈夫です。承ります。準備には一週間程かかりますのでそれまでお待ち下さい」

ξ゚听)ξ「わかりました」

(電話終)



7: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:17 d4XAFtPsO
  

電話を終えたジョルジュは楽しくてたまらないというような顔をしていた。

( ゚∀゚)「…これは面白いことになってきたぞ…おいブーン、悪いがショボンを呼び出してもらえないか?」
( ^ω^)「了解だお」

ブーンは電話でショボンを呼び出した。
しばらくしてショボンが事務所へ来た。
(´・ω・`)「やあ。また来たよ。でも今は仕事を抜け出して来た訳だから手短に頼むよ」
( ゚∀゚)「ああ、いきなり呼び出してすまない。ちょっと聞きたいことがあってな」

ジョルジュは先程の依頼主との電話のことをショボンに話した。

(´・ω・`)「うん、間違いなくそこが財宝のありかだ」
(; ^ω^)(;'A`)「な、なんだって―!!」

ジョルジュは先程の依頼主が言っていた土地とショボンが言っていた荒れ地の特徴が酷似していることをブーンと毒男に話した。

( ゚∀゚)「要するに仕事やりながら財宝探しが出来るという訳だ。仕事が終わったら終わったで報酬も入るし、まさに一石二鳥だ。それでいいだろ?」
('A`)「まあね。よくわからないけど俺は金が入ればそれでいいよ」
( ^ω^)( ゚∀゚)「(この金の亡者が…)」
(´・ω・`)「じゃあ僕も仕事に戻らせてもらうよ。兄さんばかりに忙しくさせたらまずいからね」
( ゚∀゚)「ああ、仕事中なのにすまなかった」

そう言ってショボンは帰っていった。入れ替わりに、またもやブーン達の知っている顔の者が部屋に入ってきた。



8: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:34 d4XAFtPsO
  

( ・∀・)「やあ。話は全て聞かせてもらったよ」
( ゚∀゚)「…モララーか。地上に顔を出すのは久しぶりなんじゃないか?」
( ・∀・)「うん、久々に出てきたよ」
(;゚∀゚)「そ、そうか。それはそうと居候の君が一体何の用だ?」

モララーはブーン達の事務所の地下室で様々な実験や研究をしている、傍らから見たらかなり怪しい人物である。若くして天才科学者であると同時に居候でもあるのだ。

( ・∀・)「その石像のことなんだ。これを見てくれ」

モララーは何やら分厚い本を取り出してページを開いた。

( ・∀・)「君達が今問題としている像は多分これのことだと思うんだ」

そのページには勇ましい剣士をかたどった石像が描かれてあった。どうやら古代文字のようなものも書いてあるようだがブーン達は解読出来なかった。
だが、モララーはその古代文字らしきものをすらすらと読み始めた。

( ・∀・)「『聖地を荒らすべからず。さもなくば災いが振りかかるだろう』と書いてあるみたい」
(; ^ω^)「ちょwwwテラスゴスwwww」
( ・∀・)「ここに来る前に予め解読しておいたからね」
本に古代文字で警告が書いてあるくらいだから単なる噂話ではないだろう、というのがモララーの考えだった。

( ・∀・)「居候の僕が言うのも変だけど気をつけた方がいいと思うよ」

そう言ってモララーは地下室へ戻っていった。

(;゚∀゚)「一体何なんだあいつは…」
('A`)「まあ少なくともただ者ではないと思うよ」



10: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 01:45 d4XAFtPsO
  

気を取り直したジョルジュが言う。

( ゚∀゚)「先程は明後日までに準備しろと言ったが依頼主に依頼された仕事は一週間後だ。目的の場所は同じな訳だから財宝を探すのも一週間後に延期。それまで事故ったり警察沙汰起こしたりするなよ」
( ^ω^)「わかってるお」

このとき三人はまだ自分達が予想する以上に壮絶な戦いになるとは思ってもいなかった。





その頃、バーボンハウスでは

(´・ω・`)「兄さんただいま。今戻ったよ」
(`・ω・´)「おい、客がいて忙しい時にお前は一体どこへ行ってたんだ」
(´・ω・`)「うん、ちょっと友人の所へ行ってたんだ」
(`・ω・´)「ぶち殺すぞ」
(´・ω・`)「ショボ―ン」



14: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 10:46 d4XAFtPsO
  

一週間後、ブーン達三人は依頼主の案内を受けて車で出発した。
車内をよく見るといくつかの銃やバズーカ砲がいつの間にか用意されていた。おそらくモララーが出発前に入れたのだろう。

ξ;゚听)ξ「何か物騒な物が色々ありますね」
(;゚∀゚)「いや、これらは我々の友人的な人物が何故か入れたものなんですよ(モララーの奴本当に何がやりたいんだ)」
( ^ω^)「でも、もしかしたら何かの役に立つかもしれないお(とは言ったものの何に使うんだお?)」
('A`)「しっかし、最近の科学者は随分と凄いことをするよな…(いつか事務所が吹き飛んだりしそうで怖いよ)」

そうこう話し合っている間に問題の場所へ到着した。



15: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 14:57 d4XAFtPsO
  

( ゚∀゚)「ここがその土地ですね……あっ!」
(; ^ω^)「ちょwwwwwww」
(;'A`)「そんなバナナ」

なんとその土地の中心には一週間前に見たモララーの本に描かれてあった石像と同じものと思われる石像があった。やはりショボンが言っていた情報は真実で、モララーが言っていた通り危険な土地なのだろう。

(;゚∀゚)「(ということはここに財宝があって、それに手を出すと災いが振りかかる…ってことだな。ここは死ぬ気でいった方がいいな)」
ξ゚听)ξ「…何か言いましたか?」
( ゚∀゚)「あ、大丈夫です。では今から危険な作業に取りかかるのでしばらくどこかで時間を潰していて下さい。一日で終わらせます」



16: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 15:02 d4XAFtPsO
  

三人になった後、ブーン達はしばらく石像を眺めていた。石像は丁度二階建ての簡易住宅と同じ位の高さだった。

('A`)「はぁ…どうするかねぇ…」
( ゚∀゚)「壊すしかないだろ……突入するぞ。慎重にな」

三人は恐る恐る荒れ地内に入る。何も起こらない。どうやら荒れ地内に入るだけなら問題はないようだ。
しかし、まだ気は抜けない。

( ゚∀゚)「まだ本当に安全かはわからないぞ。ブーン、いつもの爆弾を石像の前に置いてきてくれ」
( ^ω^)「了解だお」

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブー――――ン

ブーンは爆弾の導火線に火をつけ、物凄い速さで石像の前まで移動し爆弾を設置して戻ってきた。これなら、爆風に巻き込まれることはないだろう。
やがて爆弾が石像の前で爆発を起こした。爆風が石像を包み込む。これで終わりかな、と三人は思った。

―――が、しかし



17: ◆wAHFcbB0FI :10/01(日) 15:08 d4XAFtPsO
  

(;゚∀゚)「!!!」
( ^ω^)「…」
(^ω^)
(;'A`)「こっち見るな」

なんと石像にはかすり傷一つついていなかった。

( ゚∀゚)「まあ、これだけで終わるわけないよな。それだけで何事もなく終わったらこっちだってやる気が起こらんし」

(;゚∀゚)「とはいえ、これはちょっとまずいな。爆弾で壊せないとなると手の打ちようがない」

その時、突然地面が揺れだした。

(;゚∀゚)「な、何事だ?」
(; ^ω^)「ジョルジュ、後ろを見るお…うわぁぁぁぁぁ!!!!」

そう言ってブーンと毒男は逃げようとしていた。
ブーンに言われた通りジョルジュは後ろを見る。

(;゚∀゚)「qあwせdrftgyふじこlp」

なんと石像が襲いかかってきた!



19: ◆wAHFcbB0FI :10/02(月) 13:21 J4hyhtWSO
  

(;'A`)「やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい」
(; ^ω^)「このままだと殺されるお」
(;゚∀゚)「車だ!三人とも早く車に乗れ!」

三人は車に飛び乗り、今にも車が壊れそうな速さで逃げ出した。

( ゚∀゚)「あいつは俺達めがけて追いかけてくるはず。あいつにニューVIPの方に行かれると大変なことになる。出来るだけ人気のない広い道へ誘導するんだ!」

石像は三人が乗っている車に向かって歩き始めた。どうやらブーン達は石像の怒りに触れてしまったようだ。



20: ◆wAHFcbB0FI :10/02(月) 13:27 J4hyhtWSO
  

石像に追われはじめてからブーン達は運よく人気のない広い道路へ石像を誘導することができた。

( ゚ω゚)「ホワァァァァァアア!!」

車はブーンが運転していたが、ブーンは完全に混乱してしまい、奇声を発しながら三人が乗った車を暴走させていた。その早さではいつ事故にあっても不思議ではなかった。

(;゚∀゚)「馬鹿、落ち着け!これじゃ奴に追いつかれる前に事故って死ぬぞ!つうか速度速すぎて怖い!」
(;'A`)「つうか一旦車止めて後ろ見てみろよ。あいつまだ遠くだぜ?」
ジョルジュと毒男が必死で止めに入る。

( ^ω^)「…おっ、なんだお。そんなに急ぐことなかったお」

ようやく我に返ったブーンが車を止めて後ろを見る。
石像はまだかなり遠くにいた。幸い動きは鈍いらしく、休んで作戦を考える程度の時間はあるようだった。



21: ◆wAHFcbB0FI :10/03(火) 00:09 +pM0IalAO
  

( ゚∀゚)「さて、あいつを何とかして壊さねばならん訳だが」
('A`)「こちらにある武器はモララーが車に入れたいくつかの銃やバズーカ砲だけだ」
( ^ω^)「やっぱり役に立ちそうだお」
( ゚∀゚)「無理だ。相手は爆弾をぶつけてもピンピンしてるんだ。銃如きで勝てるとは思えない」
('A`)「じゃあ今の俺達に出来ることは…」

そこまで言って毒男は話すのをやめた。いつの間にか石像がすぐ近くまで迫っていたのだ。石像の目には「お前等殺す」と言わんばかりの殺気がみなぎっていた。

(;'A`)「逃げることだ…!」

三人はすぐさま車を発進させた。



22: ◆wAHFcbB0FI :10/05(木) 00:11 ME8n12rXO
  

ブーンが車を運転している中、ジョルジュと毒男の二人は後ろを向いて石像の動きを観察していた。気のせいか石像の動きが少し早くなったようだ。

(;゚∀゚)「ちょwwwwやべぇ」
('A`)「…こうなったら駄目もとで攻撃してみるか」
( ゚∀゚)「そうだな、やってみないとわからないよな」

二人は車内にあった対戦車ライフルを構え、石像に向かって発砲した。だが、やはり効き目はなかった。

(;゚∀゚)「畜生、ならばこれならどうだ!」

ジョルジュと毒男は半ばやけくそになりながらバズーカ砲を放ったが全く壊れる気配がないどころか余計に怒らせてしまったようだった。

(;゚∀゚)「石像のクセに何で爆弾でもバズーカ砲でも壊れないんだ…本当に石像なのかよ」
(;'A`)「もう打つ手なしか…あいつますます早くなってるし」
(; ^ω^)「これは全滅するかもわからんね」

三人が諦めかけた時だった。

( ^ω^)「…? 前の方に誰かいるお」

遠くにいたので初めは誰だかわからなかったが、その人物に近づくにつれて誰だかわかった。

( ゚∀゚)「な…何であいつがこんな所に…?」

道路の真ん中に立っていたのはなんとモララーだった。ブーンはモララーの目の前で車を止めた。



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