( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

24: ◆wAHFcbB0FI :10/05(木) 00:15 ME8n12rXO
  

( ・∀・)「やあ」
(#゚∀゚)「やあ、じゃねえよ! 呑気に挨拶なんかしてる場合か!」
(; ・∀・)「済まない。色々と君達に説明したいことがあってね」
そう言ってモララーは車に乗り、ブーンは再び車を飛ばした。モララーは追いかけてくる石像の様子をを見た。

( ・∀・)「あーあ、やっぱり石像を怒らせちゃったみたいだね」
( ゚∀゚)「どういうことだ?」
( ・∀・)「僕は一週間前君達に石像についての話をした訳だけど、あの時は正直僕にも詳しいことは解らなかったんだ。そこで気になった僕はあの後色々調べた結果、石像はかつてのあの土地の番人みたいな存在だったらしいんだよ」
(; ^ω^)「宝を守ってるんじゃなかったのかお」
('A`)「何かガックリくるぜ」
( ・∀・)「それもあるだろうけど、あの石像が 本 当 に 大事に守っていたのはきっと土地そのものだったんだ」
( ゚∀゚)「でも、俺達が土地へ入っただけじゃ襲ってこなかったぞ?」
( ・∀・)「それは君達が危険人物ではないと思ったからじゃないかな?つまり来客か何かだと最初は思ってたんだと思う。でも、なにせ君達のことだから爆弾とかぶつけて石像を爆破しようとしたんだろ? それで君達は石像の逆鱗に触れて逃げ惑うハメになって現在に至る訳だ」
(;゚∀゚)「…つまり俺達が下手に壊そうとしなければ事は小さくて済んだってことか?」
( ・∀・)「そうかもね」
(; ^ω^)「僕達のせいかお…でもあの石像を壊すよう依頼を受けたんだから結局はそうする他なかったお」
( ・∀・)「まあどの道あそこまで怒らせちゃったらもう壊すしか止める方法はないと思うよ」
( ^ω^)「でもあいつは何をやっても壊れないお」
( ・∀・)「やっぱりね…そう思ってさ、こんな物を作った訳だよ」

モララーは黒い箱を取り出した。



25: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:17 v2PTlwEhO
  

( ・∀・)「僕が持っている魔法書に、とある古代大国の最強の破壊工作員が使っていたという強力な爆弾の作り方が書いてあった。その作り方をみて作った物がこの中にある。こいつなら石像を破壊出来るかもしれない」
( ^ω^)「それは凄いお! じゃあ今すぐそれをあいつに…」
(;゚∀゚)「待て待て!人が通らないとはいえこんな道路で使ったら周りの建物が吹っ飛んでえらいことになるぞ!」
('A`)「この辺りで何もなくて広い所……ラウンジ荒野だ!ラウンジ荒野へ奴を誘導するんだ!」
( ^ω^)「了解だお!」

ブーンはラウンジ荒野へ向けて運転を始めた。
ラウンジ荒野とはAA町よりもさらに大都会ニューVIPから離れた場所に広がっている荒野である。呆れる程不毛な土地で植物も育たず、近くに民家等もない為誰一人開発しようとしたりする者はいない。
そこなら大爆発を引き起こしても特に害はないだろう、と毒男は判断したのだ。



26: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:21 v2PTlwEhO
  

( ゚∀゚)「出来る限り人や車があまり通らない道を選べよ」
( ^ω^)「わかってるお」



(; ^ω^)「ど、どうしたらいいお…ピンチだお」

ブーン達はラウンジ荒野へ向かう途中、運悪く車がよく通る道路に来てしまった。

(; ^ω^)「背に腹はかえられないお……強行突破だお」

ブーン達は仕方なくその道を通ってラウンジ荒野へ向かうことにした。何しろ石像の速さがどんどん増しているので回り道している余裕はない。そんなことをしていてはラウンジ荒野へ誘導する前に石像に車ごと潰されてしまうだろう。



27: ◆wAHFcbB0FI :10/06(金) 23:27 v2PTlwEhO
  

町人A「何だあれは?」
町人B「こっちに向かってくるぞ! 逃げろ!」

途中すれ違った車に乗っていた人達は石像を見るとすぐに車を乗り捨てて逃げ出した。
石像は自分の行く手の邪魔になっている、誰も乗っていない車を蹴り飛ばして再びブーン達を追い始めた。
ブーン達の車とすれ違った車は他にもいくつかあったがどれも全く同じだった。石像を見つけるなり車内の人々は逃げ出し、後に石像が残された車をスクラップ状態にしていった。皆すぐに逃げ出した為怪我人はいなかったようだが、ブーン達の車と石像が通った後はスクラップと化した車がいくつも転がっていた。

(;'A`)「見ろ! 車がゴミのようだ!」
(#゚∀゚)「馬鹿、感心してる場合か!」
('A`)「車を運転してるのはブーンだろうに」
(#゚∀゚)「そういう問題じゃねえよ!空気読みやがれ!」

ジョルジュと毒男が言い合っていた時、運転席で車を運転していたブーンが声をあげた。

( ^ω^)「やったお、ラウンジ荒野だお!」
('A`)「おお、遂にたどり着いたか!」
( ゚∀゚)「よくやった! そしてもうこれで勝ちは決まった!」



29: ◆wAHFcbB0FI :10/08(日) 23:19 WRI/o6K9O
  

ブーン達は何とかラウンジ荒野まで逃げ切ることができた。
ブーン達は車から降りて身構えた。石像はまだここまで来ていないようだ。

( ゚∀゚)「後はさっきの爆弾で壊せばいいんだな」
( ・∀・)「まあ確かにそうなんだけど……一つ言っておかなければならないことがあるんだ」

( ・∀・)「この箱の蓋を開けると自動的に導火線に火がついて十秒後に爆発する。そこまではいいんだけど、何しろ爆発力が強いから使った方も巻き込まれちゃうんだよね…」
(;゚∀゚)「え……つまり俺達も死ぬって事?」
(; ・∀・)「…そういうことになるね」
(; ^ω^)(;'A`)「な、なんだってー!!」



30: ◆wAHFcbB0FI :10/08(日) 23:24 WRI/o6K9O
  

モララーの衝撃の発言を聞いた三人は思わず立ちすくんだ。石像を壊すためには自分達が犠牲にならなければならない――――あまりにも酷いことである。
しかし、いつまでもそうではいられなかった。石像が四人から見える位置まで迫っていたのだ。

(;'A`)「今度こそガチでやばいぞ。こうなったら死ぬのを覚悟で…」
(  ω )「…多分、いや、絶対に大丈夫だお」
( ゚∀゚)「ブーン?」
( ^ω^)「僕の力を使うときが来たお。モララー、爆弾を僕に渡してほしいお」
( ・∀・)「ブーン、何をする気なんだい?」
( ^ω^)「安心してほしいお。死人は誰一人出さないお」
( ・∀・)「……わかった」

モララーは覚悟を決めたように箱をブーンに渡した。

( ・∀・)「もう一度言っておくが箱を開けて十秒後に爆発だからな」
( ^ω^)「把握したお。みんなは危ないから遠くまで下がっててほしいお」
( ゚∀゚)「何をするのか解らないけど、ここはブーンを信じるんだ」
('A`)「そうだな…」

ブーン以外の三人は安全な位置まで下がった。

( ^ω^)「いくお!」

そう言ってブーンは深く深呼吸すると、向かってくる石像へ突っ走っていった。



31: ◆wAHFcbB0FI :10/09(月) 23:06 vGbYITW6O
  

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーン

ブーンは危険を省みずどんどん加速した。次第に石像との距離も近くなってくる。

(;゚∀゚)「ブーンの奴何をする気なんだ…?」
('A`)( ・∀・)「……」

後ろの方でブーンを見守っている三人は息をのんだ。
ブーンと石像との距離が残りわずかになったその時。

( ^ω^)「これだけの速さと滑走路ならばあの技が出来るはずだお!」

ブーンは地面を強く蹴り上げ、手を大きく広げてそのまま勢いよく飛び始めた。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーーーーーン

(;゚∀゚)(;'A`)(; ・∀・)「ちょ、すげぇ…」

石像の方も標的が突然視界から消えた為にうろたえていたようだった。石像の高さよりも高い位置を飛び回っているブーンは空中で箱の蓋を開けた。モララーの言っていた通り導火線に火がついた。

( ^ω^)「…石像の分際で暴れ回ってんじゃないお。喰らいやがれお!」

ブーンは石像の真下へ爆弾を投下した。

石像のすぐそばの位置まで落ちて来たところで爆弾は大爆発を起こした。嵐の如く荒れ狂う爆風、おぞましい程の轟音、何かが砕け散る音……村程度のものならこれだけで跡形もなく消え去ってしまいそうな程の爆発だった。ジョルジュ達はこれまで自分達の爆弾による爆発を幾度も見てきたが、これほどの大爆発は見たことがなかった。



33: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:21 QLowyyx5O
  

煙が消えて景色が見えてくると、そこには砕け散った石像があった。

( ゚∀゚)「…これにて俺達の勝ちだよな?」
('A`)「ああ…でも、ブーンはどこだ?」
ジョルジュ達はブーンを探したが、なかなか見つからない。

(;゚∀゚)「いないな。まさか爆発に巻き込まれて…」
('A`)「そんなこと絶対にあっては駄目だ!おーいブーン!」
毒男が大声で叫ぶ。
( ^ω^)「呼んだかお?」
(;゚∀゚)(;'A`)(; ・∀・)「ちょwwwwwおまwwwww軽すぎだろwwww」

ブーンは戻ってきた。流石にあの爆弾の爆風も空高く飛んでいたブーンにはギリギリで当たらなかったらしく、そのまま飛んでいって着地し、事なきを得たという。

( ゚∀゚)「よく無事だったな。正直もう駄目かと思ったぜ」
( ^ω^)「死人は誰一人出さないってさっき言ったお。僕は嘘はつかないお」
('A`)「しっかしお前何であんなこと出来るんだよ? お前本当に人間か?」
( ^ω^)「それは僕もよく解らないお。でも、こうして無事に終わったんだから問題なしだお。あと僕は人間だお」
( ゚∀゚)「ブーン、まだ終わりじゃないぞ。石像があったあの土地に戻って依頼された仕事と財宝を掘り出す作業をしないとな」
( ^ω^)「そうだったお。じゃあ早速戻るお!」
( ゚∀゚)「モララー、お前はどうするんだ?」
( ・∀・)「あ、僕のことはいいよ。先に帰ってるから」
( ゚∀゚)「把握した」
三人はモララーを残してラウンジ荒野をあとにした。



34: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:23 QLowyyx5O
  

三人がラウンジ荒野を去り、モララー一人が残る。

( ・∀・)「…さて、僕も始めるか」

モララーは石像の残骸を漁り始めた。

( ・∀・)「石像が動いていたことには何かカラクリがあるはずだな。それを見つければ……これは何だ?」

モララーは石像の残骸からサッカーボール程の大きさをした、虹色に光る奇妙な物体を見つけた。

( ・∀・)「もしやこれが……よし、早速持って帰ろう!」

そう言ってモララーもラウンジ荒野をあとにした。



35: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 09:29 QLowyyx5O
  

ブーン達が石像から逃げ回っていた時間は意外に長く、戦いが終結したときには日が暮れかけていた。

ξ゚听)ξ「(一日で終わるって言ってた訳だしそろそろ終わってる頃かな…)」

依頼主が荒れ地に戻って来た。彼女は荒れ地の光景を見たとき唖然とした。

ξ;゚听)ξ「ちょwwww誰もいないし石像もねぇwwwww」

荒れ地には誰もいなかった。そして、あの邪魔になっていた奇妙な石像もなくなっていた。

ξ゚听)ξ「あー、石像は何とかなったけどこの土地の荒れようはどうするかねぇ」

その時、すぐ近くに車が止まる音がした。

ξ゚听)ξ「あっ、あの車は…」
( ^ω^)「只今戻りましたお」
( ゚∀゚)「いやー、すいませんねぇ。ちょっと色々なワケありで予想以上に石像を壊すのに時間が掛かってしまいまして」

三人はこの土地の事や石像の事、そして財宝の事を依頼主に話した。

ξ゚听)ξ「はあ、そういうことだったんですか。じゃあこの土地のどこかに宝とやらがあるんですね」
( ゚∀゚)「俺の勘では石像があった所辺りが怪しいんですよね」
( ^ω^)「ちょっと掘ってみるお」

ブーンは石像があった所を掘り始めた。

( ^ω^)「おっ! 階段だお!」

少し掘ったところでブーンは下り階段を見つけた。

('A`)「案外簡単に見つかったな」
( ゚∀゚)「(おかしいな、ちょっと掘っただけなのにそんな簡単に見つかるものなのか?)」

四人は階段を下っていった。すると―――

( ^ω^)「おっおっおっ! 遂に見つけたお!」
('∀`)「キタ―ー(゚∀゚)――ッ!!」
ξ゚听)ξ「す、凄い…」

階段を下っていった先にあった小部屋には、大量の宝石や古代の金貨があった。

( ^ω^)「やっぱりこの瞬間は最高だお。早く袋に入れるお」
('A`)「そうだな」

ブーンと毒男は財宝を袋へ入れ始めた。

( ゚∀゚)「(やっぱりおかしすぎる! 部屋の広さから考えてもっと宝はあったはずだ!)」
( ^ω^)「ジョルジュも手伝ってほしいおー」

疑問を抱いているジョルジュにブーンが声をかけた。

( ゚∀゚)「…ああすまんすまん(財宝はちゃんとあった訳だしまあ別にいいか)」

ジョルジュは疑問を強引に片付けてブーン達と作業を始めた。



36: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:26 QLowyyx5O
  

部屋の大きさから考えて少なく思えるとはいえ、財宝の量はそれなりに多く、二つの袋に分けた。

( ゚∀゚)「ふう、やっと終わったぜ。じゃあそろそろ仕事の続きやるか!」
( ^ω^)('A`)「了解(だお)!」
( ゚∀゚)「あ、すまん。ちょっと待った」

ジョルジュは何かを思い出したように財宝の入った二つの袋のうちの一つを取った。

( ゚∀゚)「ほら、これ」
ξ゚听)ξ「……え? これいいんですか?」
( ゚∀゚)「だってそれはあんたの土地にあったんだから、山分けですよ」

そこへブーンが口を挟む。

( ^ω^)「本当は僕達は金が欲しくて財宝探しをしてる訳じゃないですお。財宝を探すということが楽しくてやってるんですお。でももちろん金も少しは欲しいですお」
('A`)「(俺は金もそれなりに欲しいけどな)」
ξ゚听)ξ「そうなんですか…(なんかこういうのっていいかも)」
( ゚∀゚)「おっと、もう夕方六時だ。速攻で片付けるぞ」



37: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:28 QLowyyx5O
  

三人はその後人間業とは思えない程の驚異的な速さで土地の整備を始めた。

四時間後

(; ^ω^)「やっと終わったお。にしてもちょっとはしょり杉じゃないかお?」
('A`)「俺は悪くねえよ。作者が悪いんだ」
( ^ω^)「作者のせいかおwwwww」

三人は依頼主から代金を受け取り、事務所へ帰ることにした。

( ゚∀゚)「もう夜中だな。疲れたし今日はとっとと寝ようぜ」
( ^ω^)「それがいいお」
('A`)「賛成。もう酒を飲む気力さえもねぇ」
三人は車内でそう言い合っていた。



38: ◆wAHFcbB0FI :10/11(水) 21:42 QLowyyx5O
  

翌日

(;゚∀゚)「やべぇ、夕方五時まで寝てたwwwwww」
( ^ω^)「落ち着くお。今日は休みだお。つーか仮にそうでなくても仕事なんてそうそうないお」
('A`)「寝過ぎて頭が痛い…頭痛薬飲んでくる」

ようやく三人が目覚めたところでブーンが提案する。

( ^ω^)「無事に仕事を終えた訳だし、いつもの所へ行くかお?」
( ゚∀゚)('A`)「賛成」

いつもの所、というのはショボンが経営しているあのバーボンハウスのことである。三人は事務所から歩いて約三分の場所にあるバーボンハウスへ向かった。

(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ。仕事の方と例のアレは上手くいったかい?」
( ^ω^)「おかげさまで無事に仕事が終わったから来たお…ってこりゃ何だお!」
( ゚∀゚)('A`)「ちょwwwwwwおまwwwwwww」

なんと店内が少し豪華になっていた。床のタイルは新しく張り替えられ、テーブルや椅子も全て新しい物だ。バーボンハウスは以前の雰囲気を残しつつも見違える程綺麗になっている。恐らくかなりの金をつぎ込んだのだろう。

( ^ω^)「これは一体どういうことだお?」
('A`)「全くだ、どうやってこんなに金稼いだんだ?」
(;´・ω・`)「う、うん、そこは他人には言えない秘密なんだ。済まない」
( ゚∀゚)「え…相手が俺達三人でも駄目か?」
(´・ω・`)「残念ながら駄目だね。別に謝って許してもらおうとも思っていない」
( ^ω^)「まあ細かいことは別にどうでもいいお。僕達だって結構怪しいことしてる訳だし」
('A`)「言われてみれば確かにそうだよな」
( ゚∀゚)「なるほど、企業秘密みたいなもんだな。俺達が首を突っ込むようなことじゃないよな」
(´・ω・`)「そういうこと。じゃあ、注文を聞こうか」
( ^ω^)「仕事終わった後で今は金があるお。だからメニューにある全てのワインを…」
('A`)( ゚∀゚)「やめろちんかす野郎wwwwwwww」
(´・ω・`)「こらこら、店内で騒ぎを起こさない、ぶち殺すぞ」

三人のならず者達は今夜も大騒ぎしていた。


第一話 完



戻る第二話(まとめ読み)第二話(携帯用)