( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

231:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:00 b27t4qXIO
  

だがそれもつかの間だった。

( ^Д^)「そんなことより、次の場所で戦いが起こる希ガス」
(; ^ω^)「ちょ、よくそんなことがわかるお。これも妖力とかそういうものなのかお?」
( ^Д^)「勘だけどな」
(; ^ω^)「ちょwwwww」

こういうことを勘で判断されても困る。
だが目の前にこのような扉があるとなるとやはり次の部屋には何かが待ち受けているのかもしれない。怪しいと言えば確かに怪しいのだ。

( ゚∀゚)「みんな、念のため突入準備な」
( ^ω^)('A`)( ・∀・)ξ゚听)ξ( ^Д^)「把握」

全員の準備が完了したことを確認するとジョルジュは重い扉を開けた。



232:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:06 b27t4qXIO
  

扉を開けた先にあったのは広い空間。

長椅子がいくつか並んでおり部屋の入口から真っ直ぐ敷かれた古びた赤い絨毯。

部屋の奥には祭壇らしきもの。

まるでどこかの教会のようだ。

(; ^ω^)「もう意味がわからないお。
      何で地下遺跡の中に迷宮や滝や教会が出てくるんだおwwww」
('A`)「これらには何かしら深い意味があるはず。きっと造り上げた奴に関係があるんじゃないか?」

ブーンと毒男がこの遺跡の意味を推測していたその時だ。

ξ゚听)ξ「待って、あそこに誰かいる…人間?」

皆はツンが指さした方を一斉に見る。

(*゚ー゚)「…(気付くの遅っ)」

言うなればモララーと同年齢と思える程の、杖を持った女性が半ば呆れた表情で祭壇の前からブーン達を見つめていた。
あれ程わかりやすい場所にいたのに何故部屋に入ってすぐに気付かなかったんだろう、とブーン達も自分達の注意力の無さを反省した。



233:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:10 b27t4qXIO
  

( ゚∀゚)「おい、あんたがこの遺跡の支配者か何かか?」
(*゚ー゚)「…まあそんなところね」

ジョルジュが訊ねるとその女性は手短に答えた。彼女の目からはブーン達に対する敵意が感じられた。
遺跡を護っている向こうからしてみれば遺跡荒らしの類はこの上ない敵なのだろう。

(*゚ー゚)「私の名は『しぃ』。この遺跡の護り手です」

しぃは持っていた杖を手で器用に回しながら言った。

( ・∀・)「…(しぃ、か)」

とはいえ、やはり通してもらわねばならない。

( ^ω^)「僕達はこの先に用があっt」
(*゚ー゚)「遺跡荒らしにここから先へ進む資格はない。帰りなさい」

ブーンが言い終わる前に拒絶の言葉を浴びせるしぃ。

(; ^ω^)「ちょwwwwww人の話は最後まできk」
(*゚ー゚)「だが断る、帰りなさい」
(# ^ω^)「uzeeeeeee!」



234:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:14 b27t4qXIO
  

その後ブーン達は必死で彼女を説得したりもしたのだが…

('A`)「頼む、先に行かせt」
(*゚ー゚)「だが断る、帰りなさい」
( ゚∀゚)「金やるかr」
(*゚ー゚)「だが断る、帰りなさい」
( ^Д^)「ここで帰ったら面白くn」
(*゚ー゚)「妖怪は尚更帰r(ry」

何が何でも通すつもりはないらしい。

ξ;゚听)ξ「…少しは何か違うこと言いなさいよ」
(*゚ー゚)「そっちこそ何故そんなにしつこいの?」

納得いかないようにしぃは聞く。

( ゚∀゚)「これは俺達の一種の挑戦だ。
     ま、こんな所でずっと引きこもって何もしないでいるあんたにはわからないだろうよ」
(*゚ー゚)「遺跡荒らし共の考えなどわかってたまるもんですか」
(#゚∀゚)「(こいつまじuzeeeeeee!!)」

見かけとは裏腹に随分とタチの悪い女だ。それに、この冷静かつ嫌みったらしい性格は気のせいか誰かに似ている…



235:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:22 b27t4qXIO
  

と、しぃは突如真面目な口調で語り始めた。

(*゚ー゚)「私はね、この遺跡を護らなくてはならない人間なの。何故かっていうとこの先にあるという泉に先祖の墓があると思われるから」

思われる…? 何だこの曖昧な台詞は。
護り手のくせに先のことは知らないのか?

様々な考えがブーン達の頭をよぎる。

( ゚∀゚)「…まさかあんたもこの先どうなってるかわからないのか?」
(*゚ー゚)「そう、私自身も知らない。知っているのは…この遺跡の構築者、つまり私の祖先。
     それから、この遺跡を護ることは先祖代々の風習。よって私は今ここにいる」
( ^Д^)「へぇ、じゃあ先祖代々ここを護っているって訳かい。ご苦労なこった」

するとしぃは侮蔑の目でタカラを睨んでこう言った。

(*゚ー゚)「妖怪の分際でなかなか頭の回転が早いようね。
     それだけ物分かりがよければ妖怪も他の方々も引き返すべきだとわかったかしら? 」



236:◆wAHFcbB0FI:12/17(日) 00:30 b27t4qXIO
  

皆は、遂にキレた。

(#^Д^)「冗談じゃねえ! そこまで言われて分かりましたで済むかっつーの!」
(#゚∀゚)「全くだ! 本当なら手荒な真似はしたくないが
     も う や っ ち ま え !」

ジョルジュとタカラが吐き捨てるように言うと他の者達は

(# ^ω^)(#'A`)(# ・∀・)ξ#゚听)ξ「 喜 ん で お k 」

頭に血が昇ったブーン達に対し、しぃは先程と表情を変えようとしなかった。

(*゚ー゚)「え? 私と戦っちゃっていいの? 下手したら死人出ちゃうよ?」

しぃはとんでもないことをさらりと言ってきたが、今のブーン達はそんなことで怯むわけがなかった。

(#゚∀゚)「うるせぇ! てめえは俺達を怒らせた!」
(# ^ω^)「覚悟するお!」

しぃは杖を構えて呆れつつ言葉を返す。

(*゚ー゚)「愚か者めが…
     わかりました。大人しく引き下がらなかったことを後悔させてあげます!」



237:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 21:56 BZp8o2xOO
  

互いに随分と威勢が良いもののブーン側は五人+αなのに対し、しぃは一人。
人数的にはブーン達の方が有利なはずだ。

( ゚∀゚)「今度こそ出番だ! 存分に暴れようじゃないか!」

ジョルジュは炎赤刀を構える。それを見たしぃは少し驚きながら言う。

(*゚ー゚)「それは…伝説の霊刀サラマンダーね?」

予期せぬ反応にジョルジュは戸惑う。それはブーンや毒男も同じだった。

( ゚∀゚)「…? 何だそりゃ?」
( ・∀・)「炎赤刀の正式名称。まあ前者でも後者でもどっちでもいいと思うよ」
(;゚∀゚)「案外いい加減だな…」



238:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:00 BZp8o2xOO
  

( ^ω^)「霊刀を知っているのかお?」

(*゚ー゚)「それ位知ってるわよ…で、それも盗品かしら?」

馬鹿にするような口調。

(#゚∀゚)「うるせぇ、こいつは俺達の努力の結晶であって…」
( ・∀・)「まあ正確には幽霊から奪ったものだけどねwwwww」
(*゚ー゚)「やっぱりwwwwww」
(;゚∀゚)「余計なことを言うな!!!」

こんな状況でも味方を煽るモララーは一体何なんだ、と誰もが思った。



239:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:04 BZp8o2xOO
  

( ゚∀゚)「まあいい。今から力を嫌と言うほど見せてやる…炎よ、巻き起これ!」

ジョルジュがそう言うなり、突然炎赤刀から炎が噴き出し、轟音を立てながら刀の周りを取り巻き始めた。

( ・∀・)「! これは凄い!」
ξ゚听)ξ「ちょ、どういうことかkwsk」

戦いの最中であるにも関わらずモララーは説明を始めてしまった。

( ・∀・)「伝説の五色霊刀にはただ単に霊力が宿っている訳ではないんだ。それぞれの霊刀には色ごとに強力な『大魔獣の力』が封じられているんだよ」



240:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:18 BZp8o2xOO
  

元々五色霊刀は古代の大魔獣の魔力と霊力を封印したものだが、霊刀の魔力を最大限に発揮するためには持ち主の強い精神と多大な熟練が必要なのだ。それらを全て持ち合わせ、刀に認められた者にだけ五色霊刀は真の力を見せるのだ。
この、ジョルジュの持つ炎赤刀、正式名称サラマンダーに封じられた力は『発火能力』。刀から炎を生みだし、敵をそのまま斬りつけたり、炎を飛ばして攻撃することができる。

( ・∀・)「…つまり霊刀が『大魔獣の力』を発揮するようになるということは、霊刀が持ち主を認めたことを意味する。
     …まさか今まで素手がメインだったジョルジュがここまで使いこなせるとは思ってもみなかったよ」

モララーの説明にブーン達は感心した。

ξ゚听)ξ「へぇ、随分とためになったわ」
( ^ω^)「そう言えば僕もそんなことが出来るお!」
('A`)「俺もだ。いつの間にか使えるようになってた」
( ^Д^)「俺もだ。何だかよくわからなかったんだがそういう意味があったんだな」
( ・∀・)「じゃあ三人とも霊刀を使いこなせている。おめでとう」


(;゚∀゚)「…つうかお前等もう少し緊張感持て」
( ^ω^)('A`)( ・∀・)ξ゚听)ξ( ^Д^)「正直すまんかった」



241:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:24 BZp8o2xOO
  

(*゚ー゚)「…随分と凄いことやりそうじゃない」

しぃは全くその場を動こうとせず、ただ平然としている。まるで、どこからでもかかって来なさいと言わんばかりだ。

( ゚∀゚)「ああそうさ。余裕ぶっこいて火傷したって知らないからな! 行け!」

ジョルジュが命令すると炎赤刀を取り巻いていた炎はまるで意志を持ったかのように刀から離れ、しぃめがけて飛び込んでいく。

(*゚ー゚)「…ならばその炎、火傷一つせずに防いでみせましょう」

しぃは目を閉じて何やら呟いた。すると…

(;'A`)「おいおい、何か出てきたぞ!」

なんとしぃの前に薄い光の壁が現れ、ジョルジュの持つ炎赤刀が発した炎は光の壁に阻まれ相殺された。

(;゚∀゚)「な…何だと!?」
(*゚ー゚)「はい、宣言通り火傷一つしてません。
     では次はこっちからいきます」



242:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:27 BZp8o2xOO
  

しぃは手に持っていた杖を振りかざす。それと同時に杖の先から雷が発射された。狙いはジョルジュ。

(;゚∀゚)「あぶねぇ! こいつ本当に人間かよ!?」

瞬速の速さで飛んできた雷をギリギリでかわしたジョルジュが言った。恐らく運が良かったのだろう。

(*゚ー゚)「どう見ても人間です。本当にありがとうございました」

軽く言い返すしぃ。するとまたもモララーが口を出す。

( ・∀・)「うん、確かにしぃは人間だよ。でも彼女は普通の人間じゃなくて、言うなれば『魔法使い』ってとこだな」
(; ^ω^)(;'A`)(;゚∀゚)ξ;゚听)ξ「な、何だってー!!」



243:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:33 BZp8o2xOO
  

魔法と言う言葉自体は誰もが知っていた。だが、それを実際に使う者などブーン達は今まで見たこともなかった。
もっともブーン達の持っている霊刀にも魔力が封じられているのだが、それはあくまで霊刀の力。それに対し、しぃは自身で攻撃から防御まで自由に魔法を使いこなすことが出来る。相手は一人とはいえ油断出来なくなってきた。

(*゚ー゚)「どうしたの? 打つ手なし?」

しぃは杖を振り回しながら言ってきた。

( ゚∀゚)「打つ手なら…あるぜ! その杖を奪ってしまえばいい!」

ジョルジュはしぃの持っている杖に目を向けつつ言い放った。

( ^ω^)「その手があったお!」
ξ゚听)ξ「あの杖が魔法の動力源ってことね」



244:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:35 BZp8o2xOO
  

だがしぃは尚更呆れた表情を見せるばかりだ。

(*゚ー゚)「…貴方達やっぱり愚かね」
(#゚∀゚)「黙れ!」

ジョルジュはしぃの方へと走りだそうとした時だ。

( ・∀・)「駄目だ! そんなんじゃ勝てないぞ!」

モララーの声に気付いたジョルジュは止まる。

( ゚∀゚)「どういうことだ?」

するとモララーは驚くべきことを言い出した。

( ・∀・)「しぃは生まれつき杖なんて使わなくても魔法が使えるんだよ。だからいくら杖を取り上げても攻撃を止めるのは無理」
(*゚ー゚)「…? 妙に詳しいのね」



245:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:39 BZp8o2xOO
  

そう、詳し過ぎる。
モララー自身は魔法を使える訳ではない。確かに彼は様々な強力な武器を作ったりはするが、相手の心を読むような超能力などは持っていない。
なのに何故ここまでわかってしまうのか。

モララーは続ける。

( ・∀・)「話はそれるけど、君は小学生ぐらいのときに突然失踪したっていう子だろ?」

しぃはその言葉を聞いた途端表情を変えた。

(;*゚ー゚)「な、何でそんなことを知っている!?」

モララーはその表情を察するとそらきたとでも言わんばかりに話し続ける。

( ・∀・)「ほら、図星。どうやってここまで来たかは知らないけど今ここで生き延びてる訳だ。もっと言わせていただくとすれば、君は当時から既に魔法が使えこなせてたはず」
(;*゚ー゚)「だから何で知ってるの!? 貴方一体何者?」
( ・∀・)「さあ、誰でしょうねぇ。あとさ、もう一つ言わせてよ」
(*゚ー゚)「…何?」

モララーは笑みを浮かべながら

( ・∀・)「 隙 あ り 杉 」

と言った。

(;*゚ー゚)「!」



246:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:41 BZp8o2xOO
  

しぃは慌てて後ろを向いた。視界に入ってきたのは自分に斬りかかろうとする赤、緑、白の刀を持った三人の男。
そう。ブーン、毒男、ジョルジュの三人だ。

( ゚∀゚)「…何かよくわからんがGJ!」
(*゚ー゚)「…ここまで酷いとむしろ見事だと言いたくなるわ」
( ^ω^)「殺すようなことはしないからその辺は安心して欲しいお」

三人は一斉にしぃに斬りかかった。


攻撃せずに待機していた者達はその様子をじっと見ていた。

( ・∀・)「…ま、こういう戦い方も時には必要なのだよ。覚えておくといい」
ξ;゚听)ξ「(本当にそうなのかなぁ…)」
( ^Д^)「(これが人間の戦い方か。面白ぇwwwww)」



247:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:45 BZp8o2xOO
  

しぃは三人が斬った所から血を流して倒れてはいるが、死んではいないようだ。先程ブーンが『殺しはしない』と言った通り、三人は急所を避けて多少手加減して攻撃したらしい。

( ゚∀゚)「さて、相手は気絶してるしこの隙に先へ進むか」

だがジョルジュがそう言ったのも束の間だった。

(*゚ー゚)「…これくらいでは…私は死なない…」
(;'A`)「え!? こいつ立ち上がるの早杉!」

なんとしぃがヨロヨロしながらも起き上がり、そのまま何かを呟き始めた。途端にしぃの身体が光に包まれる。

( ・∀・)「ふむ。これはもう元の木阿弥だな」

モララーはそう言って溜め息をついた。

( ゚∀゚)「どういう意味だそれは」
( ・∀・)「ヒント 回復呪文」
(; ^ω^)「それはつまりどういうことかというと…」
(*゚ー゚)「…こういうことよ」



248:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:47 BZp8o2xOO
  

そこには傷一つ負っていないしぃの姿があった。流血は止まり傷口も完全に塞がっている。

(;^Д^)「ナンテコッタイ」
(;゚∀゚)「こいつは強いなんてレベルじゃねぇぞ!」

魔法を使うなんてとんでもない難敵が立ちはだかってしまったものだ。
例え人数で勝っていても相手は雷を自由に操れる。この時点で十二分危険な相手。
また、攻撃が通っても相手が死なない限りすぐさま魔法で再生してしまう。
かといって殺すわけにもいかなかった。無益な殺生は出来る限り避けたいし、自分達の都合で殺人など出来るはずもない。

どうしたらいい?



249:◆wAHFcbB0FI:12/18(月) 22:50 BZp8o2xOO
  

だが、今ここは戦場。考えている途中であっても相手は黙って待っていてはくれなかった。

(*゚ー゚)「そろそろチェックメイトといきますか」

しぃは杖を高く掲げると呪文を唱え始めた。バチバチと音を立てながら次第に杖の先に巨大な光の玉が形成されていく。

ξ;゚听)ξ「…ねぇ、これっていわゆる絶体絶命ってやつ?」
(;゚∀゚)「だな。何か方法はないか?」
('A`)「宝箱に入ったタカラを盾にするってのは?」

だがタカラは首を横に振った。

(;^Д^)「駄目だ。あれだけ強い魔力を用いての攻撃は俺でも防ぎようがない」
(; ^ω^)「ガチでやばいお! 僕達はここで死ぬのかお?」

そんな中モララーだけがしぃの方を睨んでいた。モララーはそのままの姿勢でブーン達に言う。

( ・∀・)「…僕はちょっと前に言ったよ。『人間に完璧などない』とね」

モララーが言い終わるかどうかという時だ。

(*゚ー゚)「遺跡荒らし共、自分達の欲深さをあの世で反省するがいい!」

次の瞬間、杖の先から電光が走り、ブーン達に極太の稲妻が落とされた。衝撃で設置されていた長椅子は全て消し飛び、床の絨毯は燃え上がった。



254: ◆wAHFcbB0FI :12/21(木) 23:20 RfvJ/ZYFO
  

先程まで教会のようだった空間はもはや廃墟と言っても過言ではないほどだ。
一瞬にしてこの様になった原因はたった一発の稲妻。まだ煙の立ち上る中その稲妻を放った張本人は立っていた。

(*゚ー゚)「…(私は今人と妖怪を殺した。     …でも私は間違ってなんかいない。これでいいのよ…」

だがそれで終わることはなかった。

「おいおい、勝手に殺したことにしないでくれよ」
(*゚ー゚)「!」

その声は先程自分が殺したはずの人物のものだった。

( ・∀・)「君も随分と凶悪な魔法を使うものだな」

煙の中から現れたのは橙色をしたドーム状の光。その中にいたのは五人の人間と一体の妖怪だった。



255: ◆wAHFcbB0FI :12/21(木) 23:23 RfvJ/ZYFO
  

( ・∀・)「君の攻撃は僕のバリア装置で止めさせてもらったよ」

モララーが手に持っているのは一つのボタンの付いた機械。これがバリアの動力源なのだろう。

( ^ω^)「お陰で僕達全員無事だお」
('A`)「いつもは嫌な野郎だが今日は素直に礼を言うぜ!」

これを見たしぃは再び杖を構え直す。

(*゚ー゚)「まだ生きていたか…それにしてもしぶとくそして厄介な者達ね。特に…」

しぃは杖の先をモララーに向ける。

(*゚ー゚)「そこの貴方。過去の私のことに詳し過ぎて気味が悪い」

しぃがそう言うなり、モララーは少し残念そうに…
信じられないことを言った。

( ・∀・)「おいおい、幼なじみに気味が悪いなんて言われるとは思わなかったよ」



256: ◆wAHFcbB0FI :12/21(木) 23:29 RfvJ/ZYFO
  

この一言で空気が凍りついた。

(; ^ω^)(;'A`)(;゚∀゚)ξ;゚听)ξ(;^Д^)「…は?」
(*゚ー゚)「貴方もしかして…」

モララーは改まって、

( ・∀・)「そうだよ。僕はモララー、現在居候中の科学者だ」

と言い放った。

(*゚ー゚)「…貴方があのモララーなの?」
( ・∀・)「そう。十七年ぶりだな」

ブーン達にしてみれば理解しがたいことだ。

(; ^ω^)「信じられんお…今日は偶然が多すぎるお」



257: ◆wAHFcbB0FI :12/21(木) 23:50 RfvJ/ZYFO
  

(*゚ー゚)「だったら証拠は?」
( ・∀・)「証拠というのはアレか。
     …正直アレは書きたくないんだけどな」

モララーは紙とペンを取り出し何やら書き始めた。

『6 6-3 77-3ー
 =7-4 2 4-3 8 2 6 2 4-2 2 8 3-2』

ブーン達が読んでみたものの何が何だか解らなかった。どうやら暗号か何からしい。
そしてそれをしぃに見せる。

(*゚ー゚)「…どうやら本当に貴方がモララーのようね」
( ・∀・)「だからそうだってさっき言ったじゃんwww何時から君はそんなに疑り深くなったんだい」

そんなこと知らない、としぃは切り捨てた。



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