( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

530:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 18:15 d/lOaFl5O
  

chapter11(2)

さて、右ルートを進んでいるブーン、ジョルジュ、ツンの三人。
モララーからもう一つの懐中電灯を借りてきたので地面に気を取られる心配はなかった。

( ^ω^)「気絶したりもしたけれど私は元気です」
(;゚∀゚)「いきなり何を言い出すんだwww」
( ^ω^)「一度言ってみたかったんだお」
ξ゚听)ξ「救いようのない馬鹿ね…」
( ^ω^)「ヒデェwwww」

全く敵の姿が見えないため、ブーン達の緊張はいくらか解れていた。
しかしこれは気を抜き過ぎだ。

そして一本道が続くかと思いきや、やがて辺りが少し明るくなり、広い部屋に辿り着いた。
だがブーン達は部屋に入るなり思わず退きたくなってしまった。



531:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 18:18 d/lOaFl5O
  

( <●>)

(; ^ω^)(;゚∀゚)ξ;゚听)ξ「……」

ブーン達の数倍もの背丈を持ち、さらに巨大な棍棒を手にした一つ目の巨人が部屋の奥に居座っていたからだ。
そして、さらに

(<●>)

巨人と目が合ってしまった。
もの凄い威圧感に押され、

(; ^ω^)そ「こ…こっち見るなお!」

とブーンが言葉を漏らしてしまったからさあ大変である。

( <●>)「オオオ……!」

巨人は唸り声を発しながらこちらへ迫ってきた。



532:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 18:29 d/lOaFl5O
  

(;゚∀゚)「お前が余計なことを言うから…」
(; ^ω^)「正直すまんかった」

まるで何かを守るような形でここに存在している巨人。
或いは、ブーン達が自分の縄張りに進入したことを快く思っていないのか。
もしかしたら、異変によって別世界から現れた存在なのかもしれない。
しかし、今の結論はやはり―――

ξ゚听)ξ「慌てちゃ駄目!
      きっとあの巨人は鍵を守る番人か何かなのよ。だから何とかして奪い取ればいいの!」
( ^ω^)「成る程、これは孔明の罠ならぬつーちゃんが仕掛けた…」


ガッバキデュクシデュクシ!


…全く空気を読めない男である。



533:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 18:32 d/lOaFl5O
  

(#゚∀゚)「敵に向かって『ちゃん』とはどういうことだちゃんとは! 空気読めや!
     てめぇ殺されてぇのか!?」
(メ;^ω^)「ごめんなさい」
ξ゚听)ξ「これはコントじゃないんだから!」

(;<●>)「……」

巨人はしらけている。

( ゚∀゚)「……!(だが今がチャンスかも…)」

ジョルジュは隙をみて相手の側へ忍び寄り―――

( ゚∀゚)「おらぁ! てめぇをぶっ倒して鍵を頂くぜ!」
( <●>)「!?」

ジョルジュは巨人に向かって攻撃を仕掛けようとする。
対し、巨人はジョルジュに向けて力任せに棍棒を振り降ろす。
―――が、それは呆気なく空振り。
目標をはずした棍棒は地面に叩きつけられ、先がへし折れた。
そしてジョルジュは―――



534:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 18:37 d/lOaFl5O
  

( ゚∀゚)「はっはっは! なーに引っかかってるのかな?
     お前なんかとまともに戦う気なんてさらさらねえよ!
     そんでもって目的の物も頂いたぜ!」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「お…お見事!」

見ると、巨人の背後で得意げにジョルジュが右人差し指で赤い大きな鍵を器用に回転させていた。



535:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 19:06 d/lOaFl5O
  

先程ジョルジュが攻撃を仕掛けようとしたのは、相手の攻撃のミスを誘う為のフェイク。
行動とは逆に心では初めから避けることだけを考え、相手の攻撃を避けると同時に一瞬の隙を突いて相手の懐から鍵を盗み取ったのだ。

( ゚∀゚)「よし、後は…」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」
( <●>)「…オオオォォ!!」

いくらこちらが三人で、武器を所有しているといっても、暴れ狂う巨人をまともに相手をするのは些か無茶である。

( ゚∀゚)「…逃げようか」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「ですよねー」

ブーン達は逃走を試みる。
幸い巨人の動作は鈍く、三人と巨人の距離は次第に広まっていく。
もう少しで部屋の入口だ。

( ^ω^)「僕に追いつける訳がないお! 楽勝だお!」



536:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 20:09 d/lOaFl5O
  

だがその時、ブーンの真横を何かが凄い勢いで突き抜けていった。
それは壁に当たって大きく弾かれる。

(; ^ω^)「なっ、あれは…石!?」
(;゚∀゚)「奴だ、後ろから投げつけているんだ!」

三人が恐る恐る後ろを振り向くと、巨人が辺りに落ちている石を次々と投げつけてきていた。

( <●>)「オオオッッッ!!」

コントロールはかなりズレているが、その剛腕から投げられる石は鉄板に穴を開ける程の勢いで次々と三人を狙ってくる。

( ゚∀゚)「ならダメ元で試してやらぁ!」

ジョルジュはサラマンダーを振りかざす。
刃から炎が飛び出し、巨人を襲う。

( <●>)「ォォォ…」

だがその炎は巨人を足止めするには至らなかった。

( ゚∀゚)「ちっ、やっぱり駄目か…」
( ^ω^)「なら僕が…!」

ブーンはセラを取り出し振りかざす。

( ^ω^)「反動とかどうとか気にしてる場合じゃないお!」

刃から稲妻が発生し、巨人へ襲いかかる。

( <●>)「…!」

流石の巨人もこれには動きを止めた。

( ^ω^)「今だお!」

ブーン達は何とか部屋入口まで逃げきったようだ。



537:◆wAHFcbB0FI: : 02/15(木) 20:20 d/lOaFl5O
  

(; ^ω^)「怖かったお…
      リア消防時代のドッジボール思い出したお」
(;゚∀゚)「ありがちなトラウマだなwwwwww」

ここならば巨人の投げる石にも当たらない。離れた位置にいる巨人は何やら悔しそうにしている。
実質、巨人の攻撃から逃げきった訳だ。

ξ゚听)ξ「でも万が一追ってこられると厄介だから完全に危険をなくした方がいいと思うわ」
( ゚∀゚)「どうするんだ?」

ツンは掌ほどの大きさの球体を取り出した。

( ゚∀゚)「爆弾?」
ξ゚听)ξ「そう。これを入口の天井に投げて……さあ、逃げるわよ」

言われるままに元来た道を引き返すブーン達。
やがて入口の方では爆発音と岩が崩れる音がした。

( ^ω^)「つうかさっきの爆弾は一体何だお? そしてまた何の為に?」
ξ゚听)ξ「ああいうのは閉じ込めておかないとしぶとく追ってくるものよ」

だからツンは入口の天井に接着時限爆弾を設置し、爆発で天井から岩を落として入口を封鎖したのだった。

ξ゚听)ξ「壁に設置して暫くすると爆発するっていうやつよ。
      決して〇ラッシュボムじゃないんだからね!」

何はともあれ右ルートの三人は鍵を入手したのだった。



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