( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです
- 592:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 15:52 L05oYBs+O
4-chapter13(3)
祠入口前に、つーは移動していた。
(*゚∀゚)「……はぁ」
いつもの高笑いも今ばかりはする気になれない。
(*゚∀゚)「とりあえず魔界に戻ろっかな…」
魔王にもこのことは話さないといけない。
自分達の単純な考えが一人の人間を殺してしまったことを伝えなくては。
(*-∀-)「人間一人にここまで狂わされるなんてね…何時からこんな風になったんだろうねぇ」
- 593:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 15:55 L05oYBs+O
と、その時だ。
「あれ? 随分と大人しいじゃねえか」
どこからか何者かの声。
続いて前方から辺りを照らす何かが飛んでくる。
それはこの世のものとは思えない―――
―――煉獄の炎の如く橙色に輝く大きな火炎球だ。
(*゚∀゚)「!」
つーはそれを手でガード。そのまま別方向へ弾き飛ばす。
「弾くくらいの気力があれば大丈夫だな」
(*゚∀゚)「…誰だよ」
「おいおい…悪友の声を忘れたのか?俺だよ俺!
今流行りの詐欺じゃないからな!」
(*゚∀゚)「じゃあとっとと出てきなよ」
「機嫌悪いのか…?
不意打ちして悪かった。許せ」
現れたのは
( ^Д^)「百五十年振りだなこの野郎」
下半身が宝箱の奇妙な生物と
(*゚A゚)「つー先輩こんちはー」
茶色の長い布きれを纏った人間の姿をした女性。
- 594:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 15:58 L05oYBs+O
(*゚∀゚)「タカラに…のー?
アンタら、何でここに?」
( ^Д^)「何でも糞もねえよ。
お前がこっちでよからぬことやってるとか魔王さんが言いやがるからそれを確かめに来たんだよ」
タカラは黒雲で覆われた空を指差し、荒れ果てた村を眺めながら言う。
(*゚A゚)「因みに自分は付き添いですわ」
(*゚∀゚)「残念ながらこれは私がやったんじゃないんだよねぇ…祠の奥に問題起こした本人いるけど。
それより私今から魔界に戻るつもりでいたから」
おかしい。元気がない。
いつもの彼女でないことにタカラとのーは顔を見合わせて首を傾げる。
- 595:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 16:06 L05oYBs+O
(*゚A゚)「どないしたんですか先輩?
何かあったんですか?」
(*゚∀゚)「まあな…」
( ^Д^)「ほう、お前がそんなになるなんて余程のことなんだろうな。
この際俺達に全部話してみろや」
(*゚∀゚)「…アンタらには関係ないことでしょうに」
素っ気なく返される。
( ^Д^)「…まあ駄目なら駄目で別にいいがな」
そう言った後、タカラは思い出したように言う。
( ^Д^)「ならこっちから聞きたいことがある」
(*゚∀゚)「何さ?」
( ^Д^)「お前、『魔界から来た人間』のショボンって奴を知ってたりしないか?」
Σ(* ∀)「……!」
今そのことで精神が揺らいでいるのに、また同じことを掘り起こそうというのか。
(*゚∀゚)「…知ってるよ。
てか、今そのことでちょっと…」
ふと考えてみる。
タカラはもう随分と長い間魔界に姿を見せていなかった。
よって、彼が不在の時に起きた魔界での事件や出来事は彼は全く知らないはず。
それなのにショボンのことを知っているとなると―――
- 596:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 16:11 L05oYBs+O
(*゚∀゚)「…ところでアンタ、ブーンっていう人間を知ってる?」
( ^Д^)「…奇遇だな、俺はあいつらとは仲いいぜ。
特に毒男って奴とは…」
(*゚∀゚)「…あいつら、今この祠の中だよ」
軽くスルー。が、タカラも気にしない。
( ^Д^)「ちょ、偶然に偶然が重なったな…
何でまたこんな所に?」
聞いてはみたものの、今の状況を考えれば大体見当はついた。
(*゚∀゚)「私さ、一度あいつらと戦ったんだよ。
けど、さっきもう一度対峙した時に―――」
- 597:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 16:21 L05oYBs+O
つーは先程の出来事を全てありのままにタカラとのーに話した。
魔界で誕生した人間のこと。
その人間の為に、自分達が何かと行ったこと。
しかしその自分達が為した行為が間違いであったこと。
…因みに事情を全く知らないのーは全く把握出来なかったようだ。
( ^Д^)「そんなに複雑な過去があったとはな…
確かにショボンは死んだよ。あいつの死に際に、俺もブーン達と居合わせた」
やはり、現実は現実だ。
(*゚∀゚)「あいつが死んだのは私と魔王さんが下した単純な判断のせいだよ」
( ^Д^)「まあさっきの話を聞く限りでは確かにそうだな。
けどな、もうお前のことは誰も責めたりなんかしねえよ。だからあんまり自分責めないでちっとは元気出せや。
別にお前らしくねえのが嫌な訳じゃねえからな」
(*゚A゚)「タカラはん、それはつまり申し上げるとツンd(ry」
のーの突っ込みをスルーし、同情するようにタカラは言う。
ショボンを殺した自分もその気持ちが痛い程わかるからか、或いは腐れ縁というやつか。
- 598:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 16:25 L05oYBs+O
続けてタカラは一気に吐き捨てるかのように言う。
( ^Д^)「大体お前、いつもいつも腐りきった魔界のチンピラ共をでっけえ鎌でばっさばっさと辻斬りしておいて、今更可哀想とか思ったりしねえよな?
性悪で、悪戯好きで、泥沼のように醜い戦いが好きで、人間の汚らしい血が好物で、残忍なつーちゃんはどこ行ったんですかぁ?って話だよ」
(;*゚A゚)「(それちょっと言い過ぎとちゃう?)」
最悪な言葉ばかり並べるタカラだが、その口調に悪意は感じられない。
(*゚∀゚)「…言ってくれるじゃん。
アンタに励まされるようじゃ終わりだと思うけどさ、やっぱり同類なんだね」
( ^Д^)「まあ…一応俺も妖怪だしな。
失敗したことはしないよう心掛けて、辛いことはもう水に流しちまえよ。俺もそのことは流すから」
(*゚∀゚)「…サンキューな」
つーは大きく背伸びすると同時に背に隠した漆黒の翼を広げ、一度大きく羽ばたいた。
- 599:◆wAHFcbB0FI: 03/02(金) 16:32 L05oYBs+O
(*゚∀゚)「さて…これからどうするかな?」
( ^Д^)「俺はブーン達を追う。
…立ちはだかる為ではなく、助太刀の為にな。つまり異変を起こしたとかいう傍迷惑な野郎をぶっ叩きに行くっつーことだ」
いつの間にか、タカラは右手に鋭い鉄の爪のような武器を、左手に黒く光る刀・バシリスクを装備していた。
恐らく自分の身体の下半身である宝箱に入れてあったのだろう。
(*゚∀゚)「ふーん…結局あの人間達とは仲間とかいう関係なのかい?」
( ^Д^)「そうだ。まあ内の10%は楽しみ目的だけどな。
…で、お前はどうするんだ? てかこの異変はお前にも責任あるよな?」
(*゚∀゚)「まあ…一応」
( ^Д^)「放置して現世の終わりを見届けるか、あいつらに協力して事を償うか……その辺りは好きに決めな」
乱暴な口調でタカラはそう言った。
(*゚∀゚)「……」
彼女は考える。
もし自分の行いが現世を破滅に導く原因の一つとなったりしたら―――
それも、動機は自分自身の楽しみの為という、自己中心的で非常にくだらないことだ。
(*゚∀゚)「…私は―――」
彼女が下した判断は―――
戻る/chapter14