( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

605:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 12:29 kjQnDuwJO
  

4-chapter14


( ^ω^)「…にしても長い階段だお」

現在、ブーン達は扉の先で発見した下りの螺旋階段を降りている。

( ゚∀゚)「どうやら後はボスを叩くだけっぽいな」

不気味な気配を感じるものの、やはり外とは違い襲いかかってくるものはない。
単に統率者のような者が油断して守りが手薄になっているだけなのか、或いは何かブーン達を招くような意図があるのか?



606:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 12:35 kjQnDuwJO
  

( ・∀・)「…さあ、これがきっと最後の扉だ」

階段を降りること数分、ブーン達は扉の前に立っていた。
そばには文字がかかれた看板が立ててあり、モララーが解読したところ『この先、何人たりも立ち入ることを禁ず』と書いてあるようだ。
扉には五つのガラス玉が埋め込まれており、それらは魔法陣のように線で結ばれている。
そのガラス玉の色は、白、青、黒、赤、緑。

( ・∀・)「(霊刀と同じ色?
     まさか…偶然だといいけど)」
川 ゚ -゚)「どう考えても何かあるな…」

例え立入禁止と言われようが、問題の相手がこの先にいるのだ。

('A`)「どんなものが待ち受けていようが、ここで引くわけにはいかない」
( ゚∀゚)「そういうことだ。じゃあ行くかー」

ジョルジュは扉を力一杯押す。
重い音をあげながらも、意外と簡単に扉は開いた。



608:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 12:42 kjQnDuwJO
  

扉の奥に広がっていたものは、闇。
他の者だけでなく自分の位置すらも把握出来ないほどの闇だ。

( ゚∀゚)「子供だったら間違いなく小便漏らして泣き出すだろうな…
     …それはさておき、こう暗くちゃどうにもならねえな」
( ・∀・)「とりあえず自分達の位置だけでも確認しよう」

モララーは懐中電灯を人数分取り出し、皆に分け与える。
そして電源を入れて足下を照らした途端

ξ゚听)ξ「…何か地面に書いてあるわよ」
( ^ω^)「こっちにもあるお!」
('A`)「地上絵か何かか?」

直線。それが幾つも地面に描かれていることをブーン達は知った。
だが、まだ暗いこともあり何を目的としたものかは一向にわからない。



609:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 12:58 kjQnDuwJO
  

( ・∀・)「実に興味深いな…一体何だこれは?」

その時だ。

「…人間の分際でこんな所まで来るとはな」

闇の中から、厳かな男の声。

川 ゚ -゚)「!」
「それも過去に我を滅ぼした者共…」
('A`)「この声…」
( ・∀・)「…そうか、あいつはまだ懲りてないわけか」

ブーン、毒男、ジョルジュ、モララー
この四人には確かに聞き覚えがある声。
「この空間は強大なる存在の眠りし域。
 ――そして貴様等の墓場だ」
( ゚∀゚)「やっぱり懐中電灯じゃ暗くてわかんねえ!
     サラマンダー…炎を起こせ!」

ジョルジュはサラマンダーを振りかざす。
刃先から長く、そして明るい炎が飛び出し辺りを飛び回る。
薄暗くなった空間に浮かぶは―――

/ ( ・∀・ ) \「再び我が子孫やその仲間と対峙することになるとはな!」
(; ^ω^)「お前は…」

半透明の身体に、八枚の白い翼。
幽霊のようであり、また天使のようでもあるその姿は、翼と半透明な部分を除いてモララーと瓜二つだ。
かつてブーン達が古びた洋館で戦ったモララーの先祖の霊・モララエル。
ブーン達に敗れて掻き消えたはずなのだが―――



610:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 13:03 kjQnDuwJO
  

( ゚∀゚)「て め ぇ か」
( ・∀・)「…そらきた」

ハイそうですか、という風にしか思っていないモララー。

ξ゚听)ξ「あれは…幽霊?」
川 ゚ -゚)「…どうやら高位の霊体のようだ。それも見たところ、モララーの先祖のようだぞ」

相手のことを知らないツンとクーも瞬時にブーン達と相手との関係を理解。

/ ( ・∀・ ) \「この地に足を踏み入れた愚かな人間共よ!我が大いなる計画は全てが上手く進んでいる!」
( ・∀・)「…人様の村を侵略することがお前の計画なのか」

いつも以上に皮肉を込めてモララーは言い放つ。

/ ( ・∀・ ) \「こんな村などついでに侵略したまで。
         我が望は世界を暗黒で覆い尽くすことだ!」
( ・∀・)「…また始まったよ。
     世界征服とかいう、今時誰も考えない実におめでたい野望が」

こいつはまだそんなことを言っているのか。
『喉元過ぎれば熱さ忘れる』とはまさにこのこと。一度敗れたことに全く懲りていないようだ。



611:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 13:10 kjQnDuwJO
  

( ゚∀゚)「一度俺達が消し去ったはずのてめぇが再び現れたのも、
     そのくだらない執念が生み出した魔力とかそういう類か」
('A`)「それで再び復活して取った行動が今北村侵略、と。
    お前ってゴキブリ並にしぶとくてうぜぇな」

故郷を荒らされたことに対する憤りを静かにぶつける毒男。

/ ( ・∀・ ) \「何とでも言うがよい。
         …だが世界を支配とは別にもう一つの計画もある。それにはあるものが必要不可欠でな…」

それとは―――

/ ( ・∀・ ) \「貴様等が持つ刀だ!」
( ^ω^)「霊刀…?」



613:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 13:12 kjQnDuwJO
  

/ ( ・∀・ ) \「我は貴様等に敗れ、再び蘇った後に霊刀のあらゆることについて調べ上げた。
         …そうして全てを知ったのだよ。霊刀は五本あること、さらにそれらは古の大魔獣の力を封じ込めたものであること
         そして…」

モララエルは静かに笑い出す。

( ・∀・)「まさか―――」

モララーが考えた最悪の予想は的中。

/ ( ・∀・ ) \「…大魔獣の封印を解く方法もな!」
(; ^ω^)「な、何だってー!!」



614:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 13:20 kjQnDuwJO
  

( ゚∀゚)「何なんだよその方法ってのは」
/ ( ・∀・ ) \「冥土の土産に教えてやろう…五色の霊刀全てとさらに魂を一つ、とある場所へ供える。
         この儀式を行うことにより封印は解け大魔獣は蘇る!」
( ・∀・)「まずいな…『とある場所』というのは恐らくここのことだ」

モララーが言わずとも皆、それはわかってしまっていた。

/ ( ・∀・ ) \「その通り。そして今、五色霊刀も我の目の前の貴様等が持っている!
         世界を支配した後でゆっくり集めようと思っていたが、まさか向こうから来るとはな!
         世界を支配した上でさらに破壊の限りを尽くす、それこそが我が喜び!」

外見とは裏腹に悪魔のような笑いをあげるモララエル。
まさに、堕天使―――

/ ( ・∀・ ) \「魂は一つで十分だが…誰一人として生きては返さん!」

モララエルはレイピアのような漆黒の剣を取り出し、構える。



615:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 13:24 kjQnDuwJO
  

( ゚∀゚)「なるほどな…俺達にバシリスクとられたから代わりの武器用意したわけか」
/ ( ・∀・ ) \「そうだ…だがすぐにでも奪い返し―――」

と、その時だ。

( ・∀・)「はい、ここで残念なお知らせがありまーす」
(; ^ω^)「ちょwwwwおまwwwww」

途端に雰囲気をぶち壊す口調でモララーが口を挟む。
同時に、居合わせた全員が肩すかしを食らったかのように拍子抜け。
その内容とは

( ・∀・)「僕達バシリスク持ってませんが、何か?」
/ (; ・∀・ ) \「な…何だと!? 貴様等あれを一体どうしたんだ?」
( ・∀・)「ageた」
('A`)「あー、そういやそうだったな」

モララエルはあの後もブーン達がバシリスクを持っていると思っていたのだが、ブーン達は魔力の強いバシリスクを扱えないが故に
直後に出会った妖怪タカラへと譲ってしまっていた。
つまり―――

( ・∀・)「今ここに霊刀は全て揃っておらず、よって魔獣も復活しないよ」



616:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 14:38 kjQnDuwJO
  

同時にブーン達は笑い、騒ぐ。

( ゚∀゚)b「アウトーwwwww」
( ^ω^)('A`)「もうね、アホかと、馬鹿かと」
川 ゚ -゚)「…よくわからないが敢えて言わせて戴く、腑抜けとはまさにこのこと」
ξ゚听)ξ「全くね」

詳しい事情を知らないツンやクーでさえもこの御様子。

/ (# ・∀・ ) \「……」

対するモララエルは怒りを露わにしながら

/ ( ・∀・ ) \「…それでも構わん。いずれにせよ貴様等が持っている霊刀は全て戴く!」

今すぐにでも襲ってきそうな状況だ。



617:◆wAHFcbB0FI: 03/04(日) 14:42 kjQnDuwJO
  

それを察知した皆は表情を引き締め―――

( ゚∀゚)「なら俺達はてめぇを今度こそ地獄送りにしてやる!」

ジョルジュはサラマンダーを構え、準備運動をするかのように軽く炎を起こす。

('A`)「俺の故郷を侵略した罪はデカいんだぜ?」

毒男はユニコーンを鞘から抜き、肩に担う。
半ばやる気なさげな格好だが、しかしその目には強い意志が伺える。

川 ゚ -゚)「全く同感だ」

クーは鞭形態のキルサタンをブーン達と初めて出会った時の刀へと変化させ、構える。

( ・∀・)「(奴はあれでも霊力や魔力を用いた攻撃以外は通さない…)
     役に立てるかどうかはわからないが、出来る限りのことは尽くそう!」

モララーは小さく舌打ちし、まだ使いこなせていないクラーケンを一振り。
それを見て、ツンも自分の役割を判断。

ξ゚听)ξ「(モララーが光線銃や爆弾を使おうとしない…ってことは私の武器は使い物にならないわね…)
      なら皆のサポートに回ればいいのよ!
      ここまで来てお荷物や蚊帳の外なんて絶対ごめんなんだから!」

皆を援護する為の道具を、すぐにでも使えるようにいくつか取り出す。

( ^ω^)「いくお…!」

ブーンはセラを鞘から引き抜く。
刃の周辺だけが白い光で照らされる。

/ ( ・∀・ ) \「かかってくるがよい…愚かな人間共よ!」


そして―――

人間対堕天使の、二度目の戦いが始まった。



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