( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

646:◆wAHFcbB0FI :03/09(金) 23:36 c//9R4EWO
  

4-chapter16


それはクーを除いた者達にとって見慣れた存在だった。
外見は蓋の開いた宝箱の中から上半身だけが出ているようなスタイルで、その両手には武器。
特に、左手には先程まで唯一この場に存在しなかった霊刀・バシリスクがある。

( ^Д^)「よう! 元気か?
     お前等の危機を聞きつけタカラ様が久々に参上なんだぜ!」
(; ^ω^)「ちょwwwwお前かおwwwww
      てか誰から聞きつけたんだおwwwwww」

そんな中、彼のことを知らないクーは警戒心を抱く。

川 ゚ -゚)「また新たな敵か!?」
( ^Д^)「…え?」
川 ゚ -゚)「覚悟ッ!」

完全に勘違いしたクーはタカラを刀形態であるキルサタンで斬りかかる。

(;^Д^)「ちょ…おいおい!」

攻撃の矛先を変えたクーに毒男が慌てて止めに入る。

(;'A`)「あー待て待て違う!
    こいつ俺達の仲間、だから安心しろ。落ち着け!」
川 ゚ -゚)「む、そうなのか。
     毒男が言うのなら間違いないな」

何とかクーを説得し、毒男は安堵の溜め息。



647:◆wAHFcbB0FI :03/09(金) 23:43 c//9R4EWO
  

( ^Д^)「いきなりとはひでぇじゃねえか…」
川 ゚ -゚)「いや済まない。
     君のように異様な姿をしている奴はどうしても敵だと思ってしまうのだ」

まあいいってこった、とタカラは流す。

( ゚∀゚)「…で、何で来たのか知らんがとりあえず助太刀と考えていいんだな?」
( ^Д^)「そういうこった!」

いつものようで、しかし何かが違う。
そんなタカラに対しブーンの頭には疑問符が浮かぶ。

( ^ω^)「…思ったんだけど、今日のタカラは妙にテンション高くないかお?」

対し、タカラは

( ^Д^)「…やっぱりそう感じるか?
     ま、無理もないわな。ついさっき百五十年ぶりに魔界の悪友と再会したばっかだし。
     てか、寧ろこっちがデフォだ」
( ^ω^)「悪友…?」



649:◆wAHFcbB0FI :03/09(金) 23:50 c//9R4EWO
  

彼の悪友とは、一体?

('A`)「しかしお前の悪友って言われても考えにくいな」
( ^Д^)「まあ俺もそいつとは水と油なところが結構あるんだけどな。
     因みにそいつは今―――」

タカラは笑いながら何事もないかのように言った。

( ^Д^)「後ろの腐れゾンビ共と遊んでやがるぜ」
( ^ω^)「!」

皆ははっとして振り返り、無数のゾンビのいる域を向く。

今はいつそれらに襲われてもおかしくない状況。

(; ^ω^)「…あれ?」

――だが、それらのゾンビがブーン達を襲うことはなかった。
それもそのはず、それは今では無数のゾンビが『いた』域と化していたのだから。



650:◆wAHFcbB0FI :03/09(金) 23:54 c//9R4EWO
  

あれほどいたゾンビの殆どが上半身と下半身を真一文字に切り裂かれて倒れており、残っているのはほんの僅か。
そのいくらかのものはブーン達の目の前で次々と何かに切り裂かれていき
またあるものは突然何かで強く殴られたように肉片をばらまきながら砕け散っていく。

(;゚∀゚)「一体何が起きているんだ…?」

タカラを除き、皆は訳も分からずただ呆然。

( ・∀・)「恐らく何かが姿を消して猛攻を仕掛けているのだろう。
     しかしその悪友とやらは相当の戦闘能力を持っているな…」
( ^Д^)「ま、俺が宝箱で身を守りつつ戦う防御型で、奴は嵐のようにひたすら攻める攻撃型。
     結局俺と奴は互角ってところだけどな」

得意げに説明するタカラ。

ξ゚听)ξ「…思ったんだけど、それは一体どんな奴なの?」
( ^Д^)「ふふふ、それはな…お前等もきっと知っている奴さ」

その言葉を待っていたというようにタカラは言った。

(; ^ω^)「…mjd?」

さらに疑問符が浮かぶ。
タカラの魔界での悪友など、知るはずもないではないか。



651:◆wAHFcbB0FI :03/09(金) 23:57 c//9R4EWO
  

( ・∀・)「…ってやってる間にゾンビは全滅しちゃったしね」

次々にやられていくゾンビを眺めていたモララーがさりげなく言う。
彼の言う通りで、先程までゾンビで埋め尽くされていた場所にはモララエルのみが姿を残していた。
その状況で、今度はモララエルのものでもタカラのものでもない声。
それは―――

「アーヒャヒャヒャ! 死体合計798体斬りぃ!」
(; ^ω^)(;'A`)(;゚∀゚)(; ・∀・)ξ;゚听)ξ川;゚ -゚)「な…何という!」

声を耳にした瞬間正体が分かってしまった。

「内の58体は自分が叩き潰したんで差し引き740体でっせ」
「いやはや、計算ご苦労!
 そんでもってウォーミングアップ終了!」

そして狂気に満ちたその声の主がブーン達の前に改めて姿を現した。



652:◆wAHFcbB0FI :03/10(土) 00:04 eR9RgasnO
  

(*゚∀゚)ノ「ア-ッヒャッヒャッヒャ-!
      魔界のアイドルファイターつーちゃんカムバックー」

そう、いなくなったと思われていたつーだった。

(;゚∀゚)「またかー!?」
( ^ω^)「おっ!(うはwwwktkrwwwwww)」

反応はそれぞれ違った。

(;'A`)「…てか、タカラの悪友ってのは…?」
( ^Д^)「ああ、つーのことだけど何か?」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ…私はタカラの悪友でタカラはアンタらと友人
     it's miracle!」
( ^Д^)「日本語でおk」

皆揃って、信じられんという顔をする。

( ^ω^)「(突っ込み所満載だけどこの際何も言わないでおくお…)」



653:◆wAHFcbB0FI :03/10(土) 00:08 eR9RgasnO
  

( ゚∀゚)「それで? 今度は何しに来たんだ?
     見たところ俺達目当てじゃないようだが」

未だ警戒心を抱いてジョルジュがつーに訊ねる。
対し、つーは面倒くさそうに答える。

(*゚∀゚)「自分で撒いた種を拾いに来ただけ、アンタらの為じゃないよ。
     以上、質問とかはお断りね」
( ゚∀゚)「はいはいわかりましたよーだ」

荒っぽく返すジョルジュ。

( ^Д^)「…何かお前等あまり仲良くなさげな感じだけど、今は助っ人だと思ってくれや」
( ^ω^)「把握だお」

これこそ、人間と死神の呉越同舟(?)だ。



654:◆wAHFcbB0FI :03/10(土) 00:11 eR9RgasnO
  

…と、そこへもう一人の招かざる客。

(*゚A゚)「…先輩に人間はん達、お取り込み中悪いんやけどそろそろ戦いに戻った方がええんとちゃいますか?」

確かにこの流れではいずれ相手は痺れを切らして襲ってきそうだ。

( ・∀・)「適切な忠告をありがとう…ところで君は?
     今先輩とか言ってなかった?」
(*゚A゚)「自分はのーと言うんや。
    つー先輩にはお世話になってまんねん」
(; ^ω^)「な、何だってー!!」

これまた驚かされるばかりだ。

('A`)「つーの後輩…ってことは死神?
    見た目からしてとても信じられねえ。てか可愛いな…」
( ^Д^)「お前、何から何まで俺と同じ考えだな」

小声で言い合う毒男とタカラの声は幸い他の誰の耳にも入ることはなかった。



655:◆wAHFcbB0FI :03/10(土) 00:15 eR9RgasnO
  

(*゚∀゚)「んじゃ、そろそろ始めますかー」
( ^Д^)「そうだな。
     …てかあいつはブーン達が相手するのは結構きつそうだよな。
     俺達で何とかするから安心して休んでろ」
( ゚∀゚)「…それは何かお前等に悪くないか?」
(*゚∀゚)ノシ「はいはいノープロブレム!
     私それで問題なし!」

大鎌を振り回しながらつーは言う。

( ゚∀゚)「じゃあいっか」
ξ゚听)ξ「軽っ」
(#゚∀゚)「あいつらがいいって言ってんだからイインダヨ!」

何故かむきになって言い返すジョルジュ。

( ^ω^)「グリーンダヨ-。
      ということでバトンタッチだお!」
( ^Д^)「よっしゃ!
     揃って暴れりゃ魔王さんも黙る、俺達の力を見せてやろうじゃねえか! プギャー!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ!そうだなー!
     百五十年ぶりにやってやるよ!」

あれこれ騒ぎながら二人は動き出した。

(*゚A゚)「(あのテンションにはどうもついていけへんなぁ…)」

そう思いながらも、のーも二人の後に続く。



656:◆wAHFcbB0FI :03/10(土) 00:25 eR9RgasnO
  

川 ゚ -゚)「本当に大丈夫なのだろうか…?」

半ば不安げなクー。

( ^ω^)「大丈夫だお。
      つーは無論強いし、タカラもああ見えて結構頼りになるお。
      それにのーとかいう死神もきっとつーみたいに強い奴だお」
( ・∀・)「そうだね、今はタカラ達に頼るとしよう」

途端に、数秒の沈黙。

( ^ω^)「…思ったんだけど、モララーのゾンビを封印するアレ、何故にさっき通用しなかったんだお?」
Σ( ・∀・)「!」
('A`)「確かこの村一帯に効果があるって言ってたよな…
    それが効いてればもっと楽だったよなー」
( ・∀・)「それは…その…」
( ゚∀゚)「この事件終わったら反省会な」
( ・∀・)「ごめんなさい」


―――それはさておき。
揃って暴れれば魔王にさえも匹敵するという、この魔界の異端者達の力とは?



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