( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです
- 664:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:10 +mekNZWrO
4-chapter17
薄暗い部屋にて、奴等は対峙している。
一体の妖怪に二人の死神。
それらに対するは、常の姿を捨てた堕天使。
ブーン達はそれを少し離れた位置で見守っており
ジョルジュは念のためと言って、未だサラマンダーから炎を出して自分達の周辺を照らしていた。
- 665:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:15 +mekNZWrO
(*゚∀゚)「おーっす、待たせたな!」
今から戦おうという相手に対し、まるで友人に挨拶するような軽い口調で接するつー。
「貴様…どういうことだ?」
(*゚∀゚)「気が変わっただけだよ?
私ってすっごく気まぐれだからさぁ、その辺りは仕方ないことなんだよ」
悪びれる様子もなく、彼女はただ喋る。
(*゚∀゚)「大体…私、アンタに忠誠誓った覚えなんかないし」
「……」
不覚にも言葉が詰まる。
つーはあくまで自分自身の意志で好き勝手に行動していた為、同志という訳ではなかったのだ。
- 666:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:23 +mekNZWrO
「まあよい…そして」
モララエルは矛先を変え
「…宝箱の物の怪よ、よもやまた会うことになるとは思わなかったぞ」
( ^Д^)「モララエルだっけ?…そういやそんな時期があったな。
因みにお前が持ってたバシリスクなら俺が今持ってたりするぜ」
「!」
タカラは手にしている黒き刀を見せびらかすように縦に構える。
途端にモララエルの心に、再び狂気が芽生え―――
「それだ…全ての霊刀が今、ここに!
その刀を…バシリスクを我に寄越せ!」
対し、タカラはその狂気を逆撫でするかのように
( ^Д^)「だが今は俺のものだ。
奪い返してみるがいい。
…奪い返せるものなら、なんてな! プギャー!」
挑発し、嘲り笑うタカラ。
「そうか…ならば我に背いたことを後悔するがいい!」
- 667:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:32 +mekNZWrO
この世のものとは思えないほどのおぞましい雄叫びをあげる。
続いてその大蛇の全身から足が竦む程の強い殺気が感じられる。
だが三人は全く恐れることはない。
彼ら(特につー)は本来、戦いを享楽として生きてきた者なのだから。
( ^Д^)「来るぞ…」
(*゚∀゚)「wktk」
(*゚A゚)「……」
タカラは両手に持った武器
つーは大鎌・ロスト
のーは瞬時に現れた巨大な鎚
各々の得物を構える。
( ^Д^)「(…っておい! のーの奴そんなもの使うのかよ!
けど、どんな風に戦うのかある意味楽しみだな)」
- 668:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:38 +mekNZWrO
「…死ねぇぇぇ!」
先に攻撃を仕掛けたのはモララエル。
その蛇の巨体がつーめがけて突進。
(*゚∀゚)「おっとー!」
だが彼女は一瞬でその場から離れ、突進を難なく回避。
現れた位置はモララエルの背後。
(*゚∀゚)「遅いよー?
あんまり遅いからいきなり狩っちゃうよっ」
ロストを振り下ろす。
「…ッ!」
が、それはモララエルの背から発生した触手により阻まれる。
(*゚∀゚)「私のロストをそんな簡単に防ぐなんて…やるじゃん!」
「そうやすやすと滅ぼされはせぬ…」
(*゚∀゚)「あー、それもそうだよね。
でもその方が狩りがいあって面白いし、私としちゃどんと来いって感じだよ。
…けどやっぱりそれはちょいとばかり邪魔だなー」
そう言ってパチン、と指を鳴らし
(*゚∀゚)「のー、この悪趣味なうねうねの粉砕よろしくー」
(*゚A゚)「承知でっせー!」
- 669:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:43 +mekNZWrO
威勢良く返事をすると、のーはモララエルめがけて飛び込んでいく。
「馬鹿め…同じことだ!」
(*゚∀゚)「そうかな?
私は『粉砕』するようのーに言ったんだよ?
あいつは一度承知したら絶対やる奴なんだよ?」
(*゚A゚)「その通りでっせ!」
のーは手に持った巨大な鎚を振りかぶる。
無論それを触手が阻もうとするが
(*゚∀゚)「さあ、アンタの力を見せてやりな!」
(*゚A゚)「いきまっせー!
百 万 馬 力 解 放 !」
渾身の力を込めて繰り出された鎚の一撃と数本の触手が接触。
ガラスが割れるような音。
「な…何だと!?」
(*゚A゚)「…自分の勝ちや」
結果、鎚の一撃が数本の触手を文字通り『粉砕』した。
(;^Д^)「おいおい…あいつ、見かけによらずとんでもないことしやがるな…」
(*゚∀゚)「まあ、あいつの怪力には凄まじいものがあるからな。
力じゃ私でもかなわない」
- 670:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:46 +mekNZWrO
(*゚A゚)「ほな、片っ端からぶっ叩いてやりまっせー」
鎚を片手で振り回しながら余裕な表情でのーは言う。
対し、モララエルは唸り声をあげていたが
「…小賢しい!」
雄叫びと同時に再び地の底からゾンビが現れる。
(*゚A゚)「あー、流石にこれは自分一人じゃしんどいですなぁ」
急に弱気になったのーに、タカラが助け舟を出す。
( ^Д^)「よし任せろ!」
タカラは何やら瓶のようなものを宝箱から取り出し―――
(*゚∀゚)「え…アンタまさかアレを…」
( ^Д^)「そう、アレをやるぜ!」
中身を一気飲みした。
- 671:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:51 +mekNZWrO
( ^Д^)「燃料補充完了、いくぜ!」
その後身を宝箱へと引っ込めるが、しかし蓋は開いたまま。
それはゾンビ達の方へ身を傾けたかと思うと、開いている蓋をさらに大きく開き灼熱の炎を吐いた。
炎は一瞬で群を包み込み、その身を焦がす。
地獄の業火とも言える程のそれが消えた後にはゾンビ達は全て灰と化していた。
(*゚A゚)「酒ですかそれ? 凄いですなぁ」
( ^Д^)「まあ、サプライズやパフォーマンスというものを兼ねた奥の手ってとこかな。
俺は酒飲んでも酔わないからそこは安心しろ」
感心するのーに対し、攻撃を終え再び上半身を宝箱から出したタカラは言うが
同時に何かの臭いも漂ってくる。
アルコールのような、強い刺激臭だ。
- 672:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 21:59 +mekNZWrO
その臭いに耐えかねた、意外な人物が一人。
(*゚∀゚)「臭いって!
それ臭いから! もう酒で火を噴くのはやめろ!」
つーは非難の言葉を浴びせる。
どうやら彼女、酒が大の苦手らしい。
( ^Д^)「五月蝿ぇ!
俺からしてみれば人間の血なんかを好んですするお前の味覚が理解出来ねえよ!」
タカラも負けずに言い返す。
彼は逆に血が嫌いなようだ。
(*゚∀゚)「人間の血はそんな臭いしないよ、この糞アル中が!」
( ^Д^)「糞じゃねえよ!
そしてこの時点でお前は酒好き全員を敵に回した!」
悪言雑言を交えた口論が始まってしまい、そばにいるのーは勿論、
少し離れて様子を見ていたブーン達までもが唖然としてそれを見守るだけだ。
- 673:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:13 +mekNZWrO
(; ^ω^)「何か凄いことになってるお…別の意味で」
川 ゚ -゚)「全くだな…
戦いの最中というものの緊迫感を感じていないというか…」
ブーン達は呆れてこれをみていた。
彼等もまた、タカラやつーがそう簡単にやられるとは思っていない故にそこまで慌ててはいないようだ。
( ゚∀゚)「ま、大丈夫と信じよう。
そうだよな、モララー」
( ・∀・)「……」
返事がない。
(;゚∀゚)「…どうしたんだ? ただの屍になってるんじゃなかろうな?」
( ・∀・)「あ…いや…
ねーよwwwwwww」
わざとらしく笑うモララー。
( ゚∀゚)「ビビった…けど今のお前、どう見ても普通じゃなかったぞ?」
- 674:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:22 +mekNZWrO
しばらく考えた後、モララーは再び口を開く。
( ・∀・)「…ちょっとまずい、と思ってしまってね」
( ゚∀゚)「何がだ?
お前まさか、タカラがあんな奴にやられると思ってるのか?」
モララーは首を横に振る。
( ・∀・)「そんなことじゃない。
霊刀のことだ」
( ゚∀゚)「霊刀…」
( ・∀・)「バシリスクを持つタカラがこの部屋に来てしまった為に、今この場に全ての霊刀が揃ってしまっている」
つまり
( ・∀・)「彼等がモララエルを倒したとしても、それで必ずしもこの戦いに終止符が打たれるとは限らない。
…いや、むしろ―――」
- 675:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:35 +mekNZWrO
再び戦いへ場面を戻す。
(;*゚A゚)「(二人とも敵の存在忘れてしまっとるがな…
てかタカラはんアル中否定せんでええんやろか…)」
二人がなかなか戦闘に復帰しないことに対し苛立っていたモララエルだったが、
逆に言えば現在まともに戦闘に参加している相手がのーだけということも見逃すことはなかった。
「…ふん、所詮こんなものだ。
先に貴様を闇の底へ葬ってやろう…!」
(*゚A゚)「!」
モララエルはのーへ漆黒の波動を放つ。
(*゚A゚)「おーっと危ない」
鎚をバットのように構え波動の中央に狙いを定めて横に振り、波動と鎚が激突。
四肢と羽を持つ大蛇は立て続けに波動を放ち、対する小柄な死神はそれを鎚で受け止めていく。
しかし破壊力は明らかに後者の方が強い。
そのまま押し切り、波動は弾き飛ばされる。
- 676:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:37 +mekNZWrO
(*゚A゚)「あまり自分を舐めない方がええでっせ」
「…その鎚の破壊力は凄まじいが、無数ある我が手は幾ら破壊されても実質尽きることはない…
貴様一人に何が出来るというのだ?」
軽蔑するようにモララエルは意志を表す。
それに対し、のーは目の色を変える。
(*゚A゚)「…言うたな?
確かに自分は未熟者や。けどな、先輩に頼らんでもあんさんぐらい叩きのめしたるわ!」
馬鹿にされたことに憤りを覚えたのか、彼女からは先程までにはなかった殺意というものが感じられる。
- 677:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:41 +mekNZWrO
「…ならばやってみるがいい。
そして後悔するがいい」
モララエルは全身から出た無数の触手を一斉にのーめがけて伸ばす。
それは千本以上の槍が一人を襲う光景といっても過言ではない。
だがのーはそんな状況でもうろたえることはせず、
(*゚A゚)「…しばいたるわ。
もうリミット解除や、『クラッシュ』」
言葉に反応するかのように、手にした鎚が茶色の光に包まれ―――
- 678:◆wAHFcbB0FI :03/12(月) 22:45 +mekNZWrO
「何だと…?」
(*゚A゚)「自分の切り札や…滅多に使わへんけど」
発光の後に現れたのは、使い手であるのーでさえもよろけそうになる程の重量を持つ、さらに巨大化した鎚。
(*゚A゚)「っとと…こいつ重いから一発で決めたる!覚悟せい!」
「そんなまともに扱えぬ武器でどう切り抜ける?
…終わりだ」
無数の触手が迫る。
(*゚A゚)「どう切り抜けるやと?簡単や」
彼女は巨大化した鎚を危なっかしく振り上げ―――
(*゚A゚)「ただ叩くだけや!」
―――振り下ろした。
戻る/chapter18