( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

709:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:21 EVZpnH6wO
  

4-chapter20


敵の消滅を確認すると、毒男とクーはブーン達の方を向き

('A`)川 ゚ -゚)「という訳で、悪の枢軸は討伐した」
(; ^ω^)(;゚∀゚)(; ・∀・)ξ;゚听)ξ「お…乙」

残りの者達は、まさか毒男とクーがあのような復讐的行動に出るとは全く想定していなかった為とても驚いていた。
故郷を荒らされたことに対する憤りが彼等を動かしたのだろうか。



710:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:24 EVZpnH6wO
  

そこへ

(*゚A゚)「二人とも凄いですわ。その勇気に あ る 意 味 尊敬したかもしれへん」

途中で戦線離脱し、後ブーン達と戦いを眺めていたのーも二人に拍手をしていた。

(*'A`)「え、mjd?
    …ってある意味?」
(*゚A゚)「それは化け物を倒したのとは別の意味の勇気に対してっちゅうことで…」
('A`)川 ゚ -゚)「…別の意味?」



711:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:28 EVZpnH6wO
  

気のせいか、嫌な予感がする。

(; ^ω^)「(志村ー! 後ろ後ろ!!)」


(* ∀ ) ( 'A`)川 ゚ -゚)  (^ω^ )


毒男とクーは恐る恐る振り返る。

(* ∀ )「アヒャヒャ…」

大鎌を構えて目を爛々と輝かせ、
いつ襲ってきてもおかしくない程の殺気を漂わせているつーがそこにいた。
その傍らではタカラが「俺、知らね」という様子で外方を向いている。

(;'A`)「どどど、どういうことだ!?」
(* ∀ )「最後のトドメ
     気分最高
     外野が横取り」

要は自分の獲物(と彼女が思い込んでいた相手)を勝手に倒されたことが気に障ったらしい。

川 ゚ -゚)「単なる逆恨みじゃないか。
     大体、これは私達にとっては遊びでは――」
(* ∀ )「私は楽しみを邪魔されるのが一番嫌い…
     アンタらがどう思おうが私にとって敵にトドメを刺す瞬間は最高にいい気分でさ…
     それを見てただけの奴に奪われたってなると納得出来ない訳だよ」
(;'A`)「ナンテコッタイ」



712:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:33 EVZpnH6wO
  

やばい。
異変の元凶が倒れたと思ったら今度はこれだ。
離れているブーン達も、モララエルに匹敵する程のおぞましい殺気を前に何も出来ずにいた。

(;'A`)「どうするよ!?」

毒男はタカラへ助けを求める。
だが現実は厳しかった。

( ^Д^)「毒男…許せ、俺には無理」
(;'A`)「ちょ…まだ何も言ってねえし」
( ^Д^)「つーが本気になると俺でも手が付けられねえ。
     …大体お前が俺の忠告聞かないからいけないんだぞ?」
(;'A`)「あ」

そういえばあのときタカラが自分に何か言っていた。
だが怒りで我を忘れていた為に全く聞き入れなかった。

( ^Д^)「今回ばかりはお前が悪い、頑張って耐えて生き延びろ」

他人事のようで、しかし言われてみれば最もな返答。

(* ∀ )「さーて…小便は済ませたか?
     神様にお祈りは?
     部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする準備はOK?」



713:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:40 EVZpnH6wO
  

\('A`)/「もうオワタ」
川 ゚ -゚)「諦めるな」

そう言ってクーは大剣へと変化させたキルサタンを構える。

(* ∀ )「へぇ…わかってるじゃん?」
川 ゚ -゚)「こうでもしないことには私や毒男の命が危ないのでな…
     どうしてもというならば来い」

『来い』という言葉と同時に、つーの興奮は頂点に達した。

(#*゚∀゚)「ア-ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
川 ゚ -゚)「ッ!」

大鎌が振り降ろされ、大剣がそれを受け止める。
部屋の中央が、再び修羅場と化した。

(;'A`)「…これって俺も防衛に出た方がいいよね?」

毒男も自問自答したかと思うとクーに加勢。
単純計算で1+1=2、よって現在2対1の状況だが、興奮のメーターが上がりきったつーはそれをチャラにする程であり
二人は大鎌を押さえることすらままならない。



714:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:44 EVZpnH6wO
  

(; ^ω^)「な、何か知らないけどやばいことになったお!」

残りの人間達もようやく我に返り、しかし慌てふためいていた。
だが

ξ;゚听)ξ「何とかして止めなきゃ!」

やはり最終的に止めなくてはならないという論が出る。

( ・∀・)「しかし、そうなると僕達にも命の保証はないな。
     それでもやるか?」
( ^ω^)( ゚∀゚)ξ゚听)ξ「……」

まるで時間が止まったかのように三人は動かなくなる。

( ・∀・)「……?」
(; ^ω^)(;゚∀゚)ξ;゚听)ξ「も、勿論!」
( ・∀・)「(何だよ今の間は…)」

何であれ、仲間を見殺しには出来ない。
例え相手が百戦錬磨の修羅であっても。

(; ^ω^)「とととと、という訳だから、いいい行くお!」
( ・∀・)「…そうか」

四人は意を決し、つーを止める為に戦場へと入っていった。



715:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:47 EVZpnH6wO
  

それを見ていた霊体二人組(仮称)

(*゚A゚)「…この場合どないすればええんやろ?」
( ^Д^)「さあ?」

どちらの味方をすればよいかわからないでいたこの二人だが―――

(*゚A゚)「止めた方がええやな」
( ^Д^)「…だよな。俺もあいつらに死なれたくないし」
(*゚A゚)「……」
( ^Д^)「…あーもうわかったよ、俺がやるからお前は(ry」
(*゚A゚)「ありがとうございまんねん。
    ほな頼みますわ」
( ^Д^)「いや、まいったね」

やる気があるのどうかはわからないが、それでもタカラは仲間の為(?)に行動を開始した。
こうして『死神』という修羅を止めるべく、五人の勇者達が立ち上がった。
―――それが最悪の事態を招くことになるとは知らずに。



716:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 08:52 EVZpnH6wO
  

(; ^ω^)「ききき君達、喧嘩はいいイクナイお」
(;゚∀゚)「そ、そうだ、もっと平和的にいこうや」
('A`)川 ゚ -゚)「……」(゚∀゚*)

ブーンとジョルジュは三人のそばまで行き説得するが、その声は震えている。
街で暴れている暴力団に一般市民が恐る恐る立ち向かうような光景を彷彿とさせる。

(; ^ω^)「……」
(;゚∀゚)「……」

先程の戦いでのつーの残忍な戦法に対する恐怖感が消えていないのだ。
勿論、今のつーにこれ程度の説得が通じることはなく

(*゚∀゚)「アーヒャヒャヒャ!」

ブーン達を無視し、再び毒男とクーへ襲いかかる。

(;'A`)「結局こうなるのかよ!」
川;゚ -゚)「まあ当然と言えば当然だがな」

毒男もクーも大鎌の連撃を防ぐことで精一杯だ。

( ・∀・)「こういうのは力尽くじゃないとどうかと思うけどな…」

モララーはそう呟いてみるものの、まともに戦って勝てるような相手ではないことは百も承知だ。

ξ゚听)ξ「…いずれにせよ、平和的解決は難しそうね」



717:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:24 EVZpnH6wO
  

やはり実力行使しかないのか?
何か考えなくては。
と、その時だ。

(# ^ω^)「いくら何でも無視は酷いお!」
(#゚∀゚)「俺達人間を舐めんじゃねぇ!」

自棄を起こしたのか、無視されたのが本気で気に障ったのか。
ブーンとジョルジュはキレた。

(# ^ω^)「無視するっていうのならっ!」
(#゚∀゚)「俺達も容赦しねえぞ!」

つーは一瞬攻撃の手を止め

(*゚∀゚)「五月蝿いなあ…アンタらの相手なら後でゆっくりしてあげるから今は寝ててくれない?」

言いながら二人を指差す。

(; ゚ω゚)(;゚∀゚)「!?」

突然二人の脳内に強い衝撃が走る。
二人はそのまま気絶してしまった。

ξ゚听)ξ「…私パス」
( ・∀・)「ですよねー」



718:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:28 EVZpnH6wO
  

駄目だ、奴は強すぎる。
目に見えない力を操る相手に、ただの人間が勝てるはずもない。

( ・∀・)「…けど、せめて気絶した二人は避難させた方がいいよね」

見ると、丁度タカラが修羅場へと向かっているところだ。

( ・∀・)「宝箱の妖怪ちょっと来い」

モララーの声に気付いたタカラは方向を変えモララーの方へ来る。

( ^Д^)「来たぞ。
     ついでに言うと俺の名は宝箱の妖怪じゃない」
( ・∀・)「わかっている。ちょっとふざけただけだから気にしなくていい」
ξ;゚听)ξ「ふざけたって…」

今はそれどころではないだろう、と敢えて突っ込む者はいなかった。



719:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:29 EVZpnH6wO
  

( ^Д^)「で、こんな時に何の用だ?」

面倒くさそうにタカラは聞く。

( ・∀・)「修羅場で寝ている二人の救助を手伝って欲しい」
( ^Д^)「そんなことかよ」
( ・∀・)「だって正直怖いし」
( ^Д^)「お前案外チキンだな」

そうは言いながらも、即席で結成されたレスキュー隊はブーンとジョルジュの救助へ向かう。



720:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:40 EVZpnH6wO
  

…だが。
部屋の中央へ進むにつれてモララーが持つクラーケンとタカラが持つバシリスクの光が自然と強くなっていることには誰も気付かない。
気絶している二人の持つ霊刀にも同じ現象が起きている。
これにも気付く者は皆無。

(;'A`)「ちょ…何かユニコーンの光が強くなってるぞ?」
川 ゚ -゚)「どういうことだこれは」
(*゚∀゚)「…覚醒するとか?」

毒男の持つ霊刀・ユニコーンも例外ではなかった。
霊刀を用いての防戦一方であった毒男とクー、その二人に攻撃を与えていたつーだけがこれに気付く。
その異様な現象を前に、三人は一時休戦。
呆然としてこの様子を見守っている。



721:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:44 EVZpnH6wO
  

( ・∀・)「何か様子が変だな…まあいいか」

やがてモララー達が気絶しているブーンとジョルジュを部屋の隅に運び込もうと近付く。

( ・∀・)「これは!?」

二人が持つ霊刀を見てモララー達もようやく異変に気付く。

ξ゚听)ξ「ねえ、これってどういう――」
( ・∀・)「まずい!霊刀を持つ者全員、霊刀を手放して避難しろ!」

部屋にいる者全員に聞こえるようにモララーは叫び、その後彼はクラーケンを放り投げた。

( ^Д^)「それって俺も?」
( ・∀・)「当たり前だ、早く!」

モララー達はブーンとジョルジュの持つ霊刀を地面に放り投げ、自分達諸とも安全な場所へ避難させた。



722:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:46 EVZpnH6wO
  

(*゚∀゚)「ねえ、今どんな状況なの?」
(;'A`)「少なくともやばいことは確かだ、俺達もいがみ合ってる場合じゃなさそうだぞ」
川 ゚ -゚)「とにかくモララーに言われた通りにしよう」
('A`)「把握!」

毒男達も部屋の中央は危険と判断。
毒男はユニコーンを手放し、クーと共にモララー達に合流。
一方つーは空間移動を用い、一瞬で消えたかと思うとタカラのそばへと移動していた。

723:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:51 EVZpnH6wO   

皆が安全な場所でこの様子を伺っていると、部屋の中央辺りに赤い線が浮かび上がり
それは徐々に数を増し形を作っていく。

( ・∀・)「あれは…魔法陣?」

ブーン達がこの部屋に入って地面を照らした時に目に入った線。
先程の戦いでのーが引き起こした小さな地割れによってその形状は失われたが、今再び形を取り戻している。
その魔法陣の中には、不気味なほどに輝きを増した五本の霊刀。

( ・∀・)「…となるとこれはもう駄目かもわからんね」

無表情のまま、しかし声は絶望的。

(;'A`)「まさか…」
( ・∀・)「…間違いない、大魔獣の復活の前兆だ」
川 ゚ -゚)「しかし、魔獣とやらの復活には魂が必要ではないのか?」

確かめるようにクーが聞くが、帰ってきた返答はさらに皆を絶望させた。

( ・∀・)「恐らくモララエルの馬鹿野郎だ。
     奴は消滅したと見せかけ、最期に自らの魂を魔獣の復活に捧げたんだろう」
ξ゚听)ξ「…もし魔獣が復活したら?」

モララーは深く溜め息をついた後
皆が予想した、しかしあってほしくない最悪のシナリオを呟いた。

( ・∀・)「…世界は破滅するね」



724:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 09:57 EVZpnH6wO
  

(;^Д^)「なあ、俺達何か悪いことしたか?」
(*゚A゚)「してないと思いまっせ」

ブーン達と少し離れた位置でタカラとのーは囁き合っている。

(*゚∀゚)「……」

そして、つーだけが無言で、しかし興味深そうに魔法陣を見つめていた。

( ^Д^)「おいつー、いつも五月蝿いお前が何故に黙ってるよ?」

彼女は数秒後、魔法陣の方を向いたまま

(*゚∀゚)「 w k t k 」
( ^Д^)「聞いた俺が馬鹿だった」



725:◆wAHFcbB0FI :03/23(金) 10:07 EVZpnH6wO
  

( ・∀・)「…畜生、あの野郎…!」

モララーは先程まで目の前に存在していた、自分の先祖を強く恨んだ。
だが、もう恨むべき者は存在しない。
それが残していったのは、世界を滅ぼす力を持つ存在。

( ∀ )「……」

やがて五本の霊刀は魔法陣の中央へ強い光を放った後、力を使い果たしたかのように跡形もなく砕け散った。
中央へ集まった白、青、黒、赤、緑の五色の光は轟音を立てながらゆっくりと魔法陣一帯へ広がっていき
魔法陣の外側はやがて見えなくなる。

そして五色の光が部屋を照らす。
暫しの発光を終え、後に現れたのは―――



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