( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです
- 481: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:22 Dgbt1zI9O
4-chapter8
かつて友が使っていた青い光を帯びた刀。
それをモララーは今使おうとしていた。
( ・∀・)「サラマンダーの遠距離攻撃が通用しないのなら…接近戦ならどうだ!」
モララーは片手にクラーケンを構え間合いを詰めようとするが、これに気付いたジョルジュが止めに入る。
(;゚∀゚)「馬鹿、何やってんだよ! 死にたいのか!」
( ・∀・)「…え?」
だが既に遅かった。
(*゚∀゚)「はいはいストップですよー」
(; ・∀・)「なっ…瞬間移動だと!?」
先程までブーンを攻撃していたつーがすぐ目の前へ現れたのだ。
(*゚∀゚)「じゃ、君にはこれをプレゼントしようか!」
つーは右手に持つ大鎌をモララーへ振り下ろす。
( ・∀・)「そうやすやすとやられないからな!」
- 482: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:26 Dgbt1zI9O
モララーはクラーケンで大鎌を受け止めるが、普段接近戦用武器を扱わない彼に刀で攻撃することはおろか防御することすら容易ではなかった。
さらに相手は巨大な鎌なのに対しモララーは細身の刀。いくら霊刀であってもこれでは相性が悪い。
次第にモララーの表情は険しくなっていく。
(*゚∀゚)「どうやら接近戦の訓練を怠ってるようだね?
ここまで来た力は本物かな?」
( ・∀・)「うん、無茶はいけないね…
やっぱり僕にはこのやり方が一番合ってるよ!」
モララーは隠し持っていた光線銃を即座に構え、至近距離からつーを撃った。
それは確かに彼女に命中したはずなのだが
(*゚∀゚)「アヒャヒャ…面白い玩具だねぇ」
そこには笑いながらモララーを見下ろしているつーの姿。
(; ・∀・)「これはまずいな…全く効いてない!」
(*゚∀゚)「そんな玩具じゃ死神は倒せないよ?」
そう言いつつ彼女は再びロストをモララーに振り下ろす。
これ以上受け止めることは体力的に厳しいと感じたモララーはバックステップでそれを避け距離をとる。
- 483: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:28 Dgbt1zI9O
(*゚∀゚)「へぇー、避けるのは上手いじゃない。
じゃあこれはどうかな?」
つーは左手を掲げ、握る。
その瞬間、指と指の間には陰のように黒い、ナイフの刃のようなものが生成された。
そしてそれを宙高く放り投げると
(*゚∀゚)「『魔光刃』発動、全て前方の人間に刺され!」
その攻撃命令と同時に黒い刃は意志を持ったかのように前方の四人を襲う。
(*゚∀゚)「それは魔光刃といってね、命令通りに――!?」
( ^ω^)「僕を忘れてもらっちゃ困るお!」
突如背後からブーンがセラで殴りつけるようにつーを斬りつけたのだ。
- 484: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:32 Dgbt1zI9O
つーは先程ブーンを叩きのめし、暫くは反撃してこないだろうと油断していた。
実際それは行動にも現れておりモララーに攻撃を仕掛けた時などは全くブーンのいた背後を気にも留めていなかった。
(*゚∀゚)「あいたたた…乱暴な攻撃だねぇ…」
霊刀による渾身の一撃を受けてもなおつーは戦意を失っておらず、ダメージもあまり見られない。
(*゚∀゚)「(しかし私に攻撃を当てるなんて…その刀ただの刀じゃないね)」
(; ^ω^)「何て奴だお…それよりみんな大丈夫かお?」
( ゚∀゚)「おう、さっきの攻撃なら止めたぜ」
ξ゚听)ξ「かわしても何度でも戻ってきて厄介だったけど」
('A`)「俺とジョルジュが霊刀で攻撃したら掻き消えたよ」
( ^ω^)「なら安心…はまだ出来ないお」
- 485: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:35 Dgbt1zI9O
まだ相手は目の前に存在している。ならばそれを撃退するまで戦闘は終わらないのだ。
(*゚∀゚)「攻撃は大したことないのに防御は超一流じゃん!よくもまあ魔光刃を防いだものだよ!」
( ・∀・)「あれこそ玩具なんじゃないのか?」
いつもの毒舌。だが
(*゚∀゚)「だってあれはまだ序の口だし。あんなんでマジになっちゃってどうするの?」
(;゚∀゚)「な…あれでまだ本気じゃないと」
(*゚∀゚)「そういうこと。じゃ、次いってみよう♪」
つーはロストを真上へ高く放り投げ、その後両手をクロスさせ握る。
今度は両手の指と指の間に黒い刃。
両手になったことによりそれは先程よりも数を増し、そして―――
- 486: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:55 Dgbt1zI9O
(*゚∀゚)「すぐにここ一帯を血の溜まり場にしてあげるよ!」
両手の黒い刃を全て宙に放り投げると
(*゚∀゚)「『Blood Rose』…!」
先程とは違う言葉を発し、彼女は落ちてきたロストを右手でキャッチする。
(*゚∀゚)「戦いでもパフォーマンスってものは大事だよっ」
もはや彼女は命がけであるはずの戦いをも楽しんでいる。
(;゚∀゚)「お前…怖くないのかよ…?」
(*゚∀゚)「むしろいい気分だけど?
それより自分達の心配したら? 見てごらんよ、周りを!」
(; ^ω^)「…これは!」
ブーン達はすぐに身の危険を悟った。
先程宙に放り投げられた無数の黒い刃がブーン達を包囲しヒュンヒュンと風切音を鳴らしながら飛び回っている。
逃げられない状況だ。
- 487: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 11:59 Dgbt1zI9O
(*゚∀゚)「じゃ…殺っちまいな!」
命令が下された。
飛び回っていた黒い刃は動きを止めたかと思うと、ブーン達へ刃を向け一斉に襲いかかる。
(;'A`)「ちょ、どうすりゃいいんだ!」
( ゚∀゚)「馬鹿、かわせないなら壊すしかないだろ!」
高速の無数の刃に対抗出来るのは広範囲に渡り攻撃出来るサラマンダーが放つ炎とユニコーンが放つ真空刃のみ。
持ち主であるジョルジュと毒男は皆の守護を試みるがその数と速さに翻弄され攻撃が当たらない。
避けるにも避けきれず一つ、また一つとブーン達の身体の至る所に赤い線が走り、出血。
(;゚∀゚)「くそっ…これはまずいぜ…」
痛みがじわじわと効いてくる。
黒い刃は血で赤く染まり、それでもなおブーン達を襲う。
その様子はあたかも剣の舞だ。
- 488: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 12:05 Dgbt1zI9O
(*゚∀゚)「ほらほら、そんなんじゃ壊す前に出血多量で死んじゃうよ?」
対するつーは笑みを浮かべながらこの様子を眺めている。
すると
(*゚∀゚)「…ところで私さ、人間の血が大好物なんだよね」
(;'A`)「え…?」
いきなり何を言い出すのか。
(*゚∀゚)「それでさ、アンタらの血ってなかなか美味そうなんだよねぇ…
だからちょっと味見させてよ!」
そう言うと彼女は目を爛々とさせ、刃の猛攻に悪戦苦闘しているブーン達に近づいてくる。
ξ゚听)ξ「…!? 誰がアンタなんかに…」
( ゚∀゚)「全くだ、てめぇ気でも狂ったか!?」
(*゚∀゚)「はいはい、喋ってる暇なんてないはずだよ?」
ξ゚听)ξ「くっ…」
悔しいが、実際その通りだ。
無数の刃を相手にしている今、喋る余裕などない。
(*゚∀゚)「アヒャヒャ…もうたまらんよこの匂い! good smellだよ!
じゃ、いっただっきまーす♪」
つーは地面に流れ落ちている血に手を伸ばそうとする。
もはやそれは誰の流したものか解らない。
だがそんなことは彼女にはどうでもいいのだ。
自分の大好物を堪能出来る。
その瞬間が彼女は最高に好きなのだ。
- 489: ◆wAHFcbB0FI :02/07(水) 12:06 Dgbt1zI9O
―――と、その時。
(*゚∀゚)「!?」
何か危険を察したのか、つーは後退。
続いてカン、カン、と金属音が鳴る。
それと同時にブーン達を襲っていた刃が、全て叩き落とされた。
(; ^ω^)「一体何が起きたんだお?」
ブーン達にも、つーにも状況は解らない。
だが次の瞬間、皆は全てを理解した。
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