( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです
- 492:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 18:26 m9klLucVO
4-chapter9
川 ゚ -゚)「……」
ブーン達の前にいたのは、黒いコートを身に纏った女性。
その右手には銀色に輝く刀。
見たところ普通の刀のようだが、何故か不思議なオーラが感じられた。
川 ゚ -゚)「…その刃は止めさせてもらった」
( ^ω^)「ちょ…アンタ誰だお?」
皆は彼女が何者か解らなかった。
…ただ一人を除いて。
('A`)「……お前、クーだな?」
川 ゚ー゚)「ふふ、覚えていてくれたか毒男よ」
クーと呼ばれたその女性は毒男の問いかけに一瞬笑みを浮かべた。
( ^ω^)「ちょwwww知り合いktkrwwwww」
('A`)「…詳しい話は後でな。しかしこんな危険な状況なのに何で…」
川 ゚ -゚)「話は後、だろう? 今は敵を撃退すること、それだけを考えろ」
- 493:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 18:37 m9klLucVO
そう言うとクーは、会話が終わるのを待ちかねていたようであるつーの方を向く。
川 ゚ -゚)「貴様…何者だ?」
(*゚∀゚)「また自己紹介しろと? 仕方ないねぇ…
私、死神
名は『つー』
楽しみを求める異端者」
川 ゚ -゚)「把握した。しかしいい度胸だ」
(*゚∀゚)「…にしても邪魔されちゃったなー。
せっかく血が飲めると思ったら…」
川 ゚ -゚)「貴様…随分と性格が悪いんだな」
(*゚∀゚)「また言われたよ! やっぱりそう言われると嬉しいねぇ!
…でもさ、楽しみを妨げるのは感心しないなー」
つーはロストを一振りすると
(*゚∀゚)「…だからさ、アンタその辺ちゃんと償ってよ!」
川 ゚ -゚)「いいだろう…ここから立ち去ってもらうにはそれが一番手っ取り早い」
クーもまた銀色に輝く刀を構える。
- 494:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 18:44 m9klLucVO
川 ゚ -゚)「こいつは私に任せろ。
皆は出来る限り傷を癒せ」
(;'A`)「よせ、そいつには並大抵の攻撃は…」
川 ゚ -゚)「解っている…
だからこそ、この刀の出番だ!」
クーは地を蹴りつーへと迫る。
速い。
走ることに自信のあるブーンよりも勝っていると言える。
人間でも訓練すればここまで身体能力を強化出来るのだろうか。
だがあと数歩という距離の所で、標的の姿が消えた。
川;゚ -゚)「むぅ…どこへ消えた…?」
再び現れた位置は、クーの背後。
(*゚∀゚)「ア-ヒャヒャヒャヒャヒャ!
人間にしちゃあ速いけど瞬間移動出来る私にスピードで勝とうなんて無理な話だよ!」
そう言いつつ彼女はロストをクーに振り下ろす。
だがクーは素早く振り返り刀で受け止めた。
川 ゚ -゚)「甘い…背後からの奇襲程度で私を倒せると思うな」
(*゚∀゚)「なかなかやるじゃん!
でもそんな細い刀で私のロストにどこまで持ちこたえられるかなぁ?」
- 495:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 18:53 m9klLucVO
相手は巨大な鎌、こちらは細身の刀。
先程のモララーの時と同じく、これでは防御が困難だ。
川 ゚ -゚)「…確かにこれは不利だな。
多少卑怯かもしれないが…こうさせてもらおう!」
クーはバックステップで距離をとる。
(*゚∀゚)「何? 逃げる気?」
川 ゚ -゚)「そんなことしないさ」
その場で刀を高く掲げた。
川 ゚ -゚)「退魔の器、古より伝わりし使命に従い力をみせよ!」
その命令と同時に銀色の刀は白い発光。
それは暗い村を明るく照らすほど眩かった。
やがて光が消える。すると―――
(; ^ω^)「な…何だおあれは!?」
(;゚∀゚)「刀が…変形した?」
- 496:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 18:55 m9klLucVO
クーの右手にあるのは先程までの刀ではなかった。
代わりに現れたのは、銀色の長い柄に中型の刃を持つ斧。
ハルバードと書くのが最も適切か。
川 ゚ -゚)「刀より扱いに慣れていないが、これならば互角に戦えるはず!」
(*゚∀゚)「へぇー、変形する武器とは面白いじゃないの」
川 ゚ -゚)「戯言は私を倒してから言うんだな!」
再びクーはつーへと迫る。
だが
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」
つーは高笑いを発し―――
(*゚∀゚)「ならこっちはこうだもんねー!」
川;゚ -゚)「何だと…!?」
その身体が、空高く飛び上がった。
- 497:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 19:00 m9klLucVO
空は暗く見えづらいが、彼女の背には烏の如く黒く、そして鷲の如く大きな翼が生えていた。
(;゚∀゚)「何なんだあの野郎…飛びやがった!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャ!
私ってこんなことも出来るんだよ! 凄いっしょ?
さあ、その斧で攻撃出来るものならやってみなよ!」
暗い上空で叫ぶつー。そして
(*゚∀゚)「…来ないならこっちからいくよ!」
つーは手に持つロストを掲げ、振り下ろす。
その血のように赤く、禍々しい刃から生み出されるのは同じく血のように赤い刃。
そして発射。
それは高速で一直線に下降。大気を裂き、さらに地上にいるクーを襲う。
もはや彼女は、標的をクー一人に絞って攻撃を繰り出していた。
川;゚ -゚)「(これは避けるしかない)」
間一髪、クーは回避。
クーが立っていた位置に赤い刃が深々と突き刺さる。
目の前で見ると本当に気分が悪くなりそうだ。
クーは思わず突き刺さっている刃から目を背けた。
- 498:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 19:07 m9klLucVO
(*゚∀゚)「よく避けたね。
でもそこからじゃ手も足も出ないっしょ?
どうするのかなー?」
川 ゚ -゚)「(奴は油断している…
ならばそこに意表を突いてやればいい)」
クーは再び武器を掲げた。
銀色のハルバードが再び発光。
そして次に現れたのは、銀色の大きなな弓。
(;゚∀゚)「また変形?
…すげぇ、マジックみてぇだ」
クーは弓を構える。
川 ゚ -゚)「…例え貴様がどこに身を置こうが無駄だ!」
(*゚∀゚)「へぇ、それで私を撃ち落とすっていうのかい?
かかっておいで♪」
手招きしながら様子を伺うつーにクーは弓を向け、引き絞る。
それと同時に、弓の中心に光の矢が生成された。
(*゚∀゚)「おー、凄いねぇ。
じゃ、私も」
つーは左手を掲げ、握る。
やはり指と指の間に黒い刃が現れる。
そして
川 ゚ -゚)「聖なる矢…禍々しき存在を浄化せよ!」
(*゚∀゚)「魔光刃発動、その女を八つ裂きにしな!」
ほぼ同時に双方の攻撃が放たれる。
光の矢と無数の黒い刃が空中で衝突。
そこから光が溢れ、そして―――
- 499:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 19:31 m9klLucVO
―――結果、光の矢が黒い刃を貫通し、さらに空中にいるつーを襲う形となった。
(;*゚∀゚)「!? 何なのさその矢は!」
川 ゚ -゚)「答える義務はない。
油断は死を意味する…ということだ」
(*゚∀゚)「ちっ…当たってたまるかぁ!」
つーはそれを回避。だがすぐに次の矢が数発放たれる。
彼女はそれらを全て回避するが、流石に焦りは隠せない。
(*゚∀゚)「(こりゃあ危ないね…魔光刃も通用しないし。
どうするよ…一時撤退? でもなぁ…)」
正直なところ、今退却するのは彼女のポリシーに反していた。
だが、後にさらに面白くなりそうな時に、この不利な状況で下手に戦って万が一消滅しては…とも考えた。
- 500:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 19:34 m9klLucVO
(*゚∀゚)「仕方ないなぁ…」
つーは戦いの手を止めた。
川 ゚ -゚)「(…何のつもりだ?)」
(*゚∀゚)「この先に祠があるんだよ。
先にそこにいるから後で絶対来なよ! 本当の勝負はその時までお預け!
それから…」
つーは黒い刃を一本生成し、投げつけた。
落下位置はブーンのすぐ目の前。
(; ^ω^)「スレスレだお…怖いお」
黒い刃は地面に突き刺さる。
そして
(*゚∀゚)「アンタらもだよ!
今度は本気でかかって来るんだね! ア-ッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
(; ^ω^)「ま、待つお!」
ブーンがそう言ったときには、彼女は既にその場からいなくなっていた。
- 501:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 20:13 m9klLucVO
今北村・祠最深部。
誰もいないはずの空間に、何者かの声が響く。
「ククク…この村の侵略は順調に進んでいるようだな。次は…」
その時、突然八本の黒い刃が出現、輪を描くかのように地面に突き刺さる。
そしてその中心の空間が歪み―――
(*゚∀゚)「ア-ヒャヒャヒャ! 魔界のアイドルファイターつーちゃん参上!」
「………」
突如現れたつーを相手は冷めた目で睨む。
つーはそれに気付き、慌てる。
―――別の意味で。
(*゚∀゚)「あー、やっちゃった!
ここ魔界じゃないじゃん! 失敗失敗」
「……あのな、お前」
(*゚∀゚)「これ魔界でやると拍手喝采なんだけどな…
…って何か用?」
沈黙が数秒続く。
雰囲気ぶち壊しです。本当に(ry
- 502:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 20:16 m9klLucVO
「…もはや何も言わん。外の様子はどうだ?」
(*゚∀゚)「それがねー…
ちょっと遊んで来ちゃった♪」
「何だと…? それは一体どういうことだ?」
相手は『遊んで来た』の彼女流の意味をよく理解出来ていないようだ。
(*゚∀゚)「まあここを目指してる人間が約数名ってとこだね」
「何…だがこの場所は解るまい」
(*゚∀゚)「残念、場所教えたから100%来るんだなこれが!
これから面白くなるよ!」
「貴様余計なことを…!」
(*゚∀゚)「まあまあ、怒らない怒らない。
それよりさ、何か凄いんだよ!」
つーは相手に自分の腕を見せる。そこには白い傷跡があった。
ブーンが一度だけ与えた、霊刀による攻撃で負ったものであり、これは霊的存在独特の傷跡のようだ。
- 503:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 20:17 m9klLucVO
(*゚∀゚)「白く光ってる刀で斬られてさ。
相手はただの人間。それなのに攻撃が当たったんだよね。
つまりさ、その刀に霊力か何かが込められてるんだよ!」
「白い刀、だと…!?」
相手はそれを聞いて何か引っかかるものを感じたらしい。
「まさか…その人間共は赤や緑の刀も持っていなかったか?」
(*゚∀゚)「そういやあったあった。
炎飛ばしたり真空刃起こしたりしてたけど私の手にかかれば…」
途端に、相手は声を上げて笑う。
「ハハハハハハ!!!
まさか向こうから来るとはな!
いいだろう! つーとやら、今からその刀を根こそぎ奪って来い!」
- 504:◆wAHFcbB0FI: 02/10(土) 20:28 m9klLucVO
だが
(*゚∀゚)「やなこった」
「……は?」
思わず間の抜けた言葉が漏れる。
つーはそれに構わずに続ける。
(*゚∀゚)「楽しみは最後まで取っておくものでしょ常識的に考えて…
理由とかは知らないけど、そんなにその刀が欲しいならそいつらがここに来てから奪うなりなんなりすればいいじゃん。
あくまで私は楽しみの為に単独で行動してるってことを忘れてもらっちゃ困るね」
「……まあよい。気長に待つとするか…」
そう言うと相手は何かを考えはじめたようだ。
それを見て、つーもまた先程のことについて思案しはじめた。
(*゚∀゚)「(奇妙な刀に変形する武器…人間って面白い生き物だなぁ。
でも一番気になったのはあの青い刀…あの刀からは何か懐かしいようなオーラを感じたんだよね…
けどそれが何なのか思い出せない…うーん…」
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