( ^ω^)ブーンが大仕事を成し遂げるようです

48: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 12:59 jQnzMXoAO

5-chapter7


村の遥か真上。
そこでは未だ戦闘が続いている。

( ^ω^)「さて…問題はどうやって奴の体力を削るか、だお」

翼を持たずして、しかし不思議な力で滞空を可能としているブーンは、フッサールからの攻撃をかわしつつ珍しく深く思案する。
もしこの場にモララーがいれば、間違いなく毒舌を喰らっていただろう。

(*゚A゚)「自分、難しいことはようわからへん。
    よって作戦とかそういうのはブーンはんに全部任せるわ」
(; ^ω^)「ちょ…」

正直な話、ブーンにも不死身である敵との戦い方など見当もつかなかった。



49: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:02 jQnzMXoAO

(; ^ω^)「うーん…」

悩むこときっかり三秒。
あまり思案に時間をかけていては危険だ。

( ^ω^)「…とりあえず僕達で戦って、出来ることなら奴を地に降ろして下の皆に一斉爆撃してもらうお。
      フッサールを封印するには、倒せなくても奴を攻撃して力を弱めないとだお」
(*゚A゚)「なら、自分達は猫さん殴れるだけ殴って大人しくさせりゃええんやな?」
( ^ω^)「言い方かなり酷い気がするけど、多分それでいいお。
      僕は隙を見て地道に攻撃するから、のーちゃんは鉄槌で叩くなりフルボッコにするなり自由に攻撃するお」
(*゚A゚)「把握や…(…アレ見てたんか)」



50: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:09 jQnzMXoAO

二人はフッサールへ目を向ける。

ミ,,゚Д゚彡「…やい、お前等いつまでそんなことを言ってやがる!」

攻撃をしてこない二人にしびれを切らしたのか、フッサールは再び唸る。

ミ,,゚Д゚彡「お前等がどんなに頭使っても、俺が倒されることはないから!」
(; ^ω^)「お前に言われたくないお…このチビ猫!」
ミ,,゚Д゚彡「黙れ」

言葉と同時に両腕から赤い発光。
次に出現するのは、全長十メートル程の二つの火炎竜。

( ^ω^)「この力は…サラマンダーかお!?」

一瞬戸惑うが、しかし慌てずに身構える。
ブーンはこの時、奴が五色霊刀の全ての力を保有し、そして使いこなすことを悟った。

ミ,,゚Д゚彡「ッ!」

火炎竜が放たれる。
その標的は双方ともブーン。
だが回避姿勢はとってある。

( ^ω^)「それくらいの攻撃を回避出来ない程、僕も頓馬じゃないお!」

直線的な攻撃が二つあっても、回避手段は変わらない。

( ^ω^)「おっ!」

ギリギリまで引きつけてから回避。



51: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:25 jQnzMXoAO

――だが

ミ,,゚Д゚彡「…それで終わるとでも?」

言葉と同時に火炎竜は大きく軌道を変え、挟み込むように再度ブーンに牙を剥く。

(; ^ω^)「しまっ――!」

再び回避しようとするが、間に合わない。
最初の攻撃を回避し、油断していたのが間違いだったか。


だが、そこに

(*゚A゚)「まあ、落ち着きましょうや。
    諦めちゃ負けやで?」
( ^ω^)「お!?」

突如ブーンの前にのーが現れ、そして茶色い光のバリアを展開。
それは二人を護るように包み、左右から飛び込んできた火炎竜を掻き消した。



52: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:31 jQnzMXoAO

(; ^ω^)「い…今のはどういう仕組みだお…?」

ブーンは訳がわからず、のーに訊ねる。

(*゚A゚)「対自然結界…これで冷気と風、それから火や雷も防げるんよ」
( ^ω^)「なんと、それは凄い力だお!」
(*゚A゚)「ま、自然は自分の友達やから同時に防衛手段もあるっちゅうことかな。
    …あ、火は木を燃やすから嫌いやけど。因みに自分、魔界では森の管理させてもらってますわ」
( ^ω^)「(お…優しいお)」

つーとは偉い違いだ、と言いそうになるが、しかし止める。

(*゚A゚)「本当に優しけりゃ武器持って戦ったりなんかせえへんよ。
    とりあえず――」
ミ#,,゚Д゚彡「お前等…ぜってぇ引き裂くッ!」

言葉が終わらない内に、フッサールが爪を振り上げ二人に接近してきている。

(*゚A゚)「…汚らしい戦いの始まりやな」
( ^ω^)「お…」



53: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:36 jQnzMXoAO

途端に二人は離れ、戦闘態勢をとる。

ミ#,,゚Д゚彡「……」

フッサールは辺りを見回す。
ちょうど、ブーンとのーがフッサールを挟むような状態で位置していた。

ミ,,゚Д゚彡「…人間と魂だけの存在で何が出来ると?」

両腕からは黒い発光。

( ^ω^)「あれは――!」

次に生み出されたのは、翼を生やした黒光の蛇。
しかも同時に三体。

ミ,,゚Д゚彡「ガルルッ!」

雄叫びと同時にそれらは動き出す。
一匹はブーンへ向かい、残りの二匹はのーへと牙を剥く。

(*゚A゚)「ふーん…先にこいつらをしばけと?」

クラッシュで蛇を払いのけるのー。
だが、タカラが使っていたバシリスクの力と同様にこの蛇は耐久性が高く、そしてしぶとい。

(*゚A゚)「厄介やなぁ…」

たとえ破壊力のあるクラッシュを以てしても、一撃で消し去ることは出来ずどうしても手間取ってしまう。

ミ,,゚Д゚彡「この程度か…」

人間よりも強い存在と思われる奴ですらあの様だ。
ならば人間の方はさらに手間取っているか、或いは既にくたばっているに違いない―――



54: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:38 jQnzMXoAO

( ^ω^)「おっおっお…何がこの程度なんだお?」
ミ,,゚Д゚彡「な…!?」

フッサールの前に、今まさに斬りかからんと刀を正面に構えたブーンが姿を現す。

( ^ω^)「っ!」

そしてブーンは素早い動作で二回に渡る斬撃を放つ。

ミ,,゚Д゚彡「そんなものが効くか…!」

それはフッサールの両腕によって阻まれるが――

( ^ω^)「毒男に剣術習ったのは伊達じゃないお!」

反撃の隙を見せず、次々とフッサールに斬りかかる。
だが、それらは全てガードされ効果を出さない。

(; ^ω^)「流石は魔獣…だお」
ミ,,゚Д゚彡「五月蝿ぇ」
( ^ω^)「!」

突如フッサールが右腕を振るい、反射的にブーンは身を退く。



55: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:43 jQnzMXoAO

ミ,,゚Д゚彡「…やるな」

爪による攻撃を空振りしたフッサールは何かを悟ったかのように小さく笑う。
だがそれはすぐに歪み――

ミ,,゚Д゚彡「…殺すッ!」

再び距離を縮め、ブーンへ左腕を振り上げる。

(; ^ω^)「おっ…!?」

銀色の刀で攻撃を押さえるが、すぐに押し返されそうになる。

ミ,,゚Д゚彡「馬鹿が…俺の力を人間と一緒にするな」
(; ^ω^)「くっ…」

長い世紀に渡る封印により幾らか力を失ったとはいえ、その戦闘能力は人間のそれを軽く凌駕している。
むしろ押さえることが出来たということが不思議だ。
だが、ブーンは退かない。
そして

( ^ω^)「…お前の弱点は考えが浅いこと、お前は僕以上に馬鹿だお!」



56: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 13:50 jQnzMXoAO

次の瞬間、フッサールの頭部に茶の色が落ちる。
正体は先程よりも若干大きくなったクラッシュだ。
腕等に比べて防御力の薄い頭部に、重量を増した破壊の鉄槌が下った。

(*゚A゚)「あはは…蛇しばくの手間取ってもうたけど、こんなんでええのかな?」
( ^ω^)「OKだお!」

クラッシュを元のサイズに戻して自信なさげに呟くのーに対し、ブーンはフォローを入れる。
だが下方を見ると、そこには倒れる気配も見せずフッサールが存在している。

( ^ω^)「そんな…あんなに強い一撃でも…」

やはり、しぃの忠告は正しかったようだ。
奴は不死身で、しかも頑強な身体を持っている。
だが、硬化しているのは四肢だけらしく、今の攻撃で頭部を狙えば良いとわかった。



57: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 14:04 jQnzMXoAO

(*゚A゚)「にしてもあの黒い蛇は厄介や。どうやったら簡単に振り切れるんや?」

どうやらのーは、あの黒光の蛇を片付けるのは苦手な様子。
対し、ブーンは

( ^ω^)「それは、これだお!」

刀状のキルサタンを見せる。

( ^ω^)「この武器があれば、闇の力とかそういうのは怖くないんだお!」

バシリスクに封じられていた能力は、持ち主自身の魔力を黒光の蛇に変換する力。
しかし『邪黒刀』の異名もあったがゆえに、それは邪悪なる力を持ち、人間には扱えない存在であった。

フッサールにその力が戻った今、生み出される蛇は空中戦でも使用可能になってはいるが、本質的に大きな変化はない。
禍々しき存在であったつーに対して効果抜群だったように、魔力変換によって生成された黒蛇にも退魔の器ことキルサタンは絶大な力を発揮したのだ。

(*゚A゚)「ええなぁ…クラッシュと交換して言うたら?」
(; ^ω^)「丁重にお断りするお」
(*゚A゚)「冗談や。クラッシュは自分にしか扱えへんし、
    大体そんな眩しいモン持ったら魂がやめろ言うてくるわ」

心優しい性格とはいえ、彼女も『死神』という名の禍々しき存在。
やはり神聖な力は大の苦手で、キルサタンには触れることすらままならない。



58: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 14:09 jQnzMXoAO

さておき、こちらの攻撃があまり意味をなさないと言えども、さらなる有効な攻撃手段を探さなくてはならない。
対し、相手は常識を越えた体力を持ち
今までブーン達が扱ってきた五色霊刀の力を意のままに操ってくる。

( ^ω^)「しかも…僕達が使っていた時よりも性能が上がってるお」

霊刀に封じられていた霊力や魔力は、本来フッサール特有の力。
それらは他の者にも扱えるよう圧縮されて刀に収められたが故に、霊刀として扱われていた時には何かしらの制約や威力の抑制があった。



59: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 14:11 jQnzMXoAO

例えば

( ^ω^)「力を解放する度に、持ち主である僕の体力をも削ったセラ…
      フッサールは何の代償もなしにその力を使ってるお」

それだけではない。
バシリスクによって生成された黒光の蛇は地を這うことしか出来なかったが、フッサールが放てばそれは飛行し―――
つまり相手がどこに身を置こうが攻撃が可能。

サラマンダーが放っていた火炎竜も火力を増し、フッサールはそれを同時に複数放っている。

(*゚A゚)「自分にはようわからんけど…早い話、気い付けろっちゅうことやな?」
( ^ω^)「そうだお…」

全くその通り。
自分達が使っていた時と同じように視ては駄目だ。



60: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 14:51 jQnzMXoAO

だが、こちらにも対抗手段はある。

(*゚A゚)「猫さんが今までしてきたモンの内、火と風と氷と雷は結界で防げるんよ? どないする?」

のーはブーンに提案してくる。

( ^ω^)「そうだお!」
(*゚A゚)「…え?」

彼女はフッサールの攻撃の大半を無力化し、しかも何だかんだで戦闘能力は高い。
誰かさんのように少し呑気だが、それでも十二分に強力な存在と考えていいだろう。

( ^ω^)「…そんでもって、今僕が持ってるキルサタンは蛇を一撃で消せる……ん?」

ブーンはふと考える。
白、青、赤、緑を茶の結界が打ち消し
邪悪なる黒は聖なる器によって破られる。

それはつまり――

( ^ω^)「僕達二人でフッサールの攻撃はほぼ完璧に防げるお!」
(*゚A゚)「…何や、えらい簡単なことやないか!」

呑気者同士が導き出した結論は最もらしく、そして強き相手が目の前にいるというのに何とも楽観的だ。
この呑気な判断が吉と出るか、凶と出るかはいずれ解ることだろう……



61: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:14 jQnzMXoAO

( ・∀・)「さて、とりあえず撃てるようにはしたが」

一台目の戦車砲台の修理を終えたモララーが、外に出てきてギコ達に告げる。

( ,,゚Д゚)「早いな…信用していいんだな?」
( ・∀・)「不発したら〇ックのダブルチーズバーガー五十人分奢る」
( ,,゚Д゚)「…よし、よくわかった。いくぞ」
((゚∀゚∩「はあく!」

五十人分も食えるか、などと突っ込む者は不思議といない。

さておき、入れ替わりにギコと一匹のなおるよが戦車内に入る。
内部の様子を見て、

( ,,゚Д゚)「確かに直ってる気がするな」

さらによく見ると、手榴弾も発射出来るように砲台が改造されていた。

( ,,゚Д゚)「よし、弾薬もあるな…」

ギコは深呼吸し、そして次なる言葉を発する。

( ,,゚Д゚)「撃って…よし!」
((゚∀゚∩「りょうかいだよ!」



62: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:18 jQnzMXoAO

ブーンとのーは再び隣り合い、フッサールへと目を向け油断なく各々の武器を構えた。

ミ,,゚Д゚彡「…死ぬ準備は出来たか」
( ^ω^)「どこからでも、かかってくるお」
(*゚A゚)「やられるのはそっちやけどな」
ミ,,゚Д゚彡「…何度言えばわかる!」

右腕からは黒い発光、左腕からは青い発光。
そして次の瞬間、黒光の蛇と凄まじい冷気を放つ巨大な氷柱が出現し―――

( ^ω^)「ところがどっこい、そいつは効かないお!」
(*゚A゚)「いきまっせー!」

ブーンの合図でのーが結界を展開し、氷柱を打ち消す。
そして結界の干渉を受けずに迫る蛇を、ブーンが持つ銀色の刀が斬り裂いた。



63: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:21 jQnzMXoAO

ミ,,゚Д゚彡「どういうことだ…?」
( ^ω^)「こういうことだお、あんまり僕達を嘗めるんじゃないお!」

得意げに言い放つブーン。
さらに、二人にとって追い風となる事態が発生する。

ミ,,゚Д゚彡「ッ!?」

突如、ブーンの前方―――フッサールのいる地点が爆発した。

(; ^ω^)「な、何事だお!?」

ブーンも、心当たりのない爆発に戸惑う。
だが、その拡散する爆風の色や威力には見覚えがあった。

( ^ω^)「…モララーの手榴弾?」

しかし、彼が今この場にいる訳がない。

では、何故?



64: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:26 jQnzMXoAO

疑問に思う内に、未だ煙と爆風が収まっていない前方でさらなる爆発。

(*゚A゚)「おっかないなぁ…これは味方と視てええんか?」
( ^ω^)「うん、それは確かなんだけど…」

あまりの速度であろう飛来に、手榴弾そのものが全く目視出来ない。
そこでブーンはようやく理解する。
これを放っているのはモララーではないのだと。

( ^ω^)「もしかして…戦車?」



65: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:30 jQnzMXoAO

( ,,゚Д゚)「っしゃあ! 爆発したってことは当たってるってことだよな?」

戦車の頭頂部の出入口から顔を出し、双眼鏡で爆発を確認するギコ。

( ^Д^)「あー、当たってんじゃね?」

対し、外から他人事のように言うタカラ。

( ,,゚Д゚)「敵は不死身なんだってな。けど痛みは感じるみたいじゃねえか。
      だったら俺達の微力な攻撃だって少しは意味がある! 続きいくぞ!」

ギコは頭を戦車内に引っ込める。
この男、意外にも相手の力をすんなりと受け入れているようだ。



66: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:36 jQnzMXoAO

( ^Д^)「にしても爆発を引き起こす球に、それをぶっ放すでっけぇ何か…
     やっぱり人間って面白いよな」

ふと、タカラは呟く。

( ><)「今更ながら…そういう君は一体何なんですか? 人間ではないことしかわかりません」
( ^Д^)「あー、お前等には言ってなかったな。
     俺はこの世界の住人じゃねぇ。元々人間とは無関係のならず者さ」
( ><)「じゃあ、何で今ここに?」

そいつは簡単だ、とタカラは言い、続けて―――

( ^Д^)「現世に愛着が湧いたから」



67: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:46 jQnzMXoAO

約二百年前に、タカラは魔界にその存在を刻み込んだ。
つーと出会ったのもその時。
当時は二人して度々魔界で騒ぎを起こしていたが、そこは一部を除いてならず者達が集う世界。
そんな魔界の住人達にとっては大迷惑な存在であったが、同時にその強さゆえに彼らから人望も集めていた。

だがそれから五十年経ったある時、タカラは魔界から出ずに過ごす生き様に物足りなさを感じ、現世へと姿を現した。
その後彼は殺戮目的で同じく現世に来た弟と適当に放浪し、やがて見つけたのが当時から廃墟と化していた洋館だった。

( ^Д^)「…で、俺はそこで弟とは呼びたくなかったクソ野郎と百五十年ぐらい暮らしてた。
     ブーン達と出会った場所もそこだ」

首を傾げて話を聞いていたわかんないですだが、やがて再び口を開く。

( ><)「…よくわかりませんが、要は長い間故郷から離れている訳ですね」
( ^Д^)「まあ、少し前に戻ったけどな。
     弟…あの馬鹿が消滅した今、俺には家族なんかいねえし、元々親ってモンもいなかった。
     だからこそ元の住処から長い間離れてられたんだと思う」



68: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:48 jQnzMXoAO

その時。

( ・∀・)「もう一台の方も修理終わったよ。後は好きにやってくれ」

二台目の戦車を修理・改良したモララーが戻ってくる。
それに気付いたわかんないですは話を中断する。

( ><)「…ありがとうございます!
     じゃ、早速いきますか!」
∩゚∀゚))「りょうかいだよ!」

わかんないですともう一匹のなおるよも、砲撃準備に入った。



69: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 15:51 jQnzMXoAO

残されたモララーは腕を組んで二台の小型戦車を見守り、タカラはただ黙っていた。

( ^Д^)「(こっちの世界は言わば第二の故郷…
     こう思うようになったのもあいつらの影響だな)」

やはり、自分にとって現世は切っても切れぬ存在なのだ、と悟る。

( ・∀・)「…さて、僕達も撃つのを手伝った方がいいかな?」

ふと、モララーが提案する。

( ^Д^)「けど、あれってこれ以上入れるのか?」

自分も何かしてやりたい。
第二の故郷である、現世のために。
だが、今の自分に出来ることなどない。

( ・∀・)「無理だね…せめてブーンのサポートぐらいはしたいものだが」



70: ◆wAHFcbB0FI :05/26(土) 16:13 jQnzMXoAO

と、その時。

( ^Д^)「(ん…?)」

タカラは、地に何かがあることに気付く。
夜の闇でわかりにくいが、確かに黒く不気味に輝く宝石らしきモノがそこに落ちていた。

( ^Д^)「これは…?」

指輪でもペンダントでもなく、宝石だけの形で存在していた。
御守りか何かだろうか。

そう思いつつタカラはそれを拾い、手にとる。
だが、途端に彼の表情が変わった。

(;^Д^)「げっ……何故これが?」

疑問に思いながら、タカラはそれをじっと見つめる。

( ・∀・)「…どうしたんだ?」
( ^Д^)「あ、いや…何でもない」


タカラはとりあえずそれを、身体ともいえる宝箱へ放り込むのだった。



戻るchapter8