( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです
- 6: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:29:13.51 ID:pYuWQtxs0
- 『スーパーさいたま人セール3』から数週間。『ニュー速プロ』に特に大きな動きはなかった。
それなりにレッスンし、それなりにあいさつ回り。先輩アイドルの舞台ビデオを鑑賞したり
声優の仕事に出かけたクーに同伴させてもらったりしていた。
しいて変わった事といえば、ドクオのアパートが火事で全焼したことくらいだろうか・・・
从'ー'从「って、結構大きなニュースじゃないんですか?それ・・・」
( ^ω^)「大丈夫かお、ドクオ・・・」
('A`)「一週間たってから言われてもなぁ・・・ボクも含めて、アパートの人は全員無事だったよ」
(´・ω・`)「しばらくここに泊り込んでたのに知らなかったのかい?」
川 ゚ -゚)「汚らしい寝袋がおいてあると思ったら、そういう事だったんですか」
('A`)「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「で、あんたは今もホームレスしてるの?」
('A`)「今日、引っ越すことになったよ。ショボン社長が見つけてくれたんだ・・・」
(´・ω・`)「という事でみんな、今日はドクオ君の引越しの手伝いに来てくれてありがとう」
( ^ω^)「ちょwwww」
- 7: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:33:47.65 ID:pYuWQtxs0
从'ー'从「いつもより早めに集合かけたのはこのためだったんですね」
(´・ω・`)「うむ、焼きだされたから荷物はおもったより少ない。昼までに終わらせれば
夕方からのレッスンには十分間に合うハズだ」
ξ゚听)ξ「しょうがないわね。全く、なんであたしが・・・」
('A`)「ご、ごめん・・・」
ξ゚听)ξ「あやまって済む問題じゃないわ。ならさっさとやっちゃいましょう」
('A`)「う、うん。ありがとう・・・」
从'ー'从「ツンちゃん、やる気マンマンだね」
ξ゚听)ξ「べっ、別にドクオのためにやるんじゃないんだからね。
マネージャーが宿無しだなんて知れたらあたしのイメージにも関わるもの」
- 8: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:36:57.60 ID:pYuWQtxs0
事務所の下に止めてあった軽トラと事務所のバンで行く事5分、淡い壁のマンションの前で車は止まった。
オートロックもついた、かなりきれいな6階建ての賃貸マンション。
(´・ω・`)「ここだ、二階の奥部屋」
川 ゚ -゚)「広いな」
从'ー'从「きれいですね」
バスにキッチン、エアコンまで完備な全面フローリングの3LDK。独身男の一人暮らしにしては異様に大きな部屋だった
( ^ω^)「しかし、ここ高そうだお・・・ドクオ、大丈夫なのかお?」
('A`)「それなんだけど・・・」
- 10: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:39:35.33 ID:pYuWQtxs0
(´・ω・`)「敷金礼金ナシ、月々の家賃が5万円。そのうちの3割を事務所が負担することになっている」
( ^ω^)「安ッ!!」
从'ー'从「穴場ですね・・・」
川 ゚ -゚)「何かいわくつk」
(´・ω・`)「さぁ、無駄口たたいてないではじめようか」
ショボンがどこからかもらってきた本棚やタンス、折りたたみベッドなどの大物をブーンやドクオが
いくつかのダンボールをツンやアヤカ達が運ぶ。あらかじめドクオが掃除していたこともあって順調に進む。
昼前にはほとんど完了し、出前の寿司が到着していた。
从:ー:从「わっ・・・ワサビ入りなんて・・・う〜〜ううう・・・あんまりだ・・・
あアアァんまりだアァァァァ!!」
- 11: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:43:14.59 ID:pYuWQtxs0
ガリを貪りながらアヤカが泣いている。
( ^ω^)「アヤカはまだまだ子供だお」
川 ゚ -゚)「ガリは大丈夫なのにワサビがダメ、ってのも変ですね」
(´・ω・`)「まぁ、人の好みはそれぞれだが、旨い寿司を食べたければワサビくらい食べれるようになったほうがいいな」
从:ー:从「だってぇ・・・」
川`・−)「ほらほら、お茶」
从:ー:从「うぅぅ・・・ありがとうございます」
ξ゚听)ξ「泣くことはないじゃない」
('A`)「あれ、ツン・・・目尻に・・・・・・」
ξ゚听)ξ「なっ、泣いてない。泣いてないもんね・・・頂きっ!」
('A`)「あっ!」
(´・ω・`)「(仲良きことはよきことかな・・・」
- 13: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:48:53.80 ID:pYuWQtxs0
〔夕方・『ダンスのギッコ』・第一練習室〕
( ,,゚Д゚)「オレがこの『ダンスのギッコ』の指導長、ギッコ・ワタリだ」
ξ゚听)ξ「ギッコ先生、どこ向いてしゃべってるんですか」
( ,,゚Д゚)「そんなもんオレの勝手だろうがゴルァ!」
ツン達含め、6人の新人アイドルを相手にギッコがツバを飛ばす。
( ,,゚Д゚)「ったく、お前らときたら・・・そろそろ教えて6週間だっていうのにそろいもそろって・・・
まぁいい。今日もはじめっぞ!」
新人アイドル達「はい!」
口は悪いがギッコの教え方はその実丁寧である。そうでなければ新人アイドルをグループ単位で
週二回教えることなど無理だろう。アヤカのような落ちこぼれからツンのように飲み込みの速い生徒まで
すべての面倒を見るのは並大抵のことではない。その実力は業界でもそれなりに話題になっており
アイドル達からの信頼も厚かった。
- 14: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:51:41.20 ID:pYuWQtxs0
('A`)「今日も今日とて、熱い指導だね・・・」
( ^ω^)「ドアの外でも十分聞こえるお・・・あっ、転んだ」
開始30分ではやくも二桁転倒したアヤカのもとにギッコが疾風のごとくかけつけ、怒声をあびせている。
彼の指導は熱い。「この程度の文句で泣き出すヤツは到底アイドルになんかならない」とはギッコの弁である。
そのため、最初のレッスンでショックを受け、再起不能になるアイドルの卵もけっこういるのだが
老舗芸能プロの社長クラスの年齢層には、妙にこの根性論めいた話のウケがいい。
彼がここの指導長を任せられている理由はこのあたりにあったりする。
('A`)「それでも、二人ともこの6週間でどんどん上手になってるよ・・・」
( ^ω^)「そうだお!これならきっと2人ともアイドルとして」
( <●><●>)「・・・・・・うるさいなぁ、もう」
- 15: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:53:52.64 ID:pYuWQtxs0
ブーン達の後ろに座っていた男が不満げに声をかける。
ピシッとした黒のスーツに紺のネクタイ。金色に染めた髪を逆立てている。マーヤとおなじように
サングラスをかけていたが、この若者の場合、それはただの威圧アピールの道具にしか見えなかった。
( <●><●>)「あなたたち、『ニュー速プロ』さんとこのマネですよね?」
( ^ω^)「違うお。職業は“マネージャー兼プロデューサー”で、表記は統一して“プロデューサー”だお。
もっかいまとめサイトでイチから読み直してこいお!」
('A`)「もちついて。ネタなのか宣伝なのかよくわからない」
( <●><●>)「・・・毎回毎回、たかだか二人の新人についてきてギャーギャー騒いで・・・
所詮は新興の芸能プロダクション。マネージャーもマネージャーですが、新人も新人ですね」
- 17: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 00:58:00.40 ID:pYuWQtxs0
男はふたりのほうをに歩いてくるとちらと練習風景を一瞥し、アヤカを見て鼻で笑う。
( <●><●>)「何ですか、あのウンチ(運動音痴)は。あれじゃあ他の新人の足かせにしか・・・」
( #゜ω゜)「黙るお!」
( <●><●>)「おぉ、こわいこわい」
気持ちいいくらいに嫌味ったらしく、男は肩をすくめた。
( <●><●>)「ともかく、同じ時間に複数で来てさわがれても迷惑です。それに・・・っと。
暴力沙汰はお互い困るでしょうし、私はあちらで待つことにしましょうか」
( #゜ω゜)「・・・くそったれ、だお」
- 19: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 01:02:06.68 ID:pYuWQtxs0
それから十分ほどして休憩になったのか、三々五々練習生達が廊下へと出てくる。
('A`)「お疲れ様」
怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒
( #゜ω゜)「おつかれさまだお」
怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒 怒
从汗'ー'从「どっ、どうしたんですかブーンP。そんなジョジョみたいな擬音出して・・・」
( #゜ω゜)「何でもないお・・・お疲れ様だお・・・」
なんだか釈然としないまま、休憩が終わって二人は練習室へと戻っていった。
後半の練習が終わってもブーンの不機嫌オーラは直らなかった。アヤカもツンも話をいいだせず、車内は終始無言のままであった。
一度『ニュー速プロ』に戻り、アヤカ達はドクオの運転する車に乗って帰宅する。
- 20: 第12話 :佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 01:05:25.78 ID:pYuWQtxs0
アイドルのいなくなった事務所。ブーンは無言のまま、社長室のドアを叩いた・・・
( #゜ω゜)「失礼しますお・・・・・・」
【続く】
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