( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです

8: 17話 :2006/11/17(金) 23:55:02.60 ID:A6NdrZwj0
  


 夏。学生の夏休みは長い。アヤカ・ワタナベが平均点並みの成績表を、
ツンが学年トップの成績表をもらって学生を休業した二日後。



 暑い熱い、アイドルの夏がはじまる。



9: 17話 :2006/11/17(金) 23:58:23.51 ID:A6NdrZwj0
  

  〔『ニュー速プロ』事務所・日曜日・午前06:30〕


( ^ω^)「絶好調だおー!今なら空もとべるはず」

从'ー'从「朝から元気ですね、ブーンP」

( ^ω^)「あたりまえだお!今日はついに初オーディション。ブーンは朝4時に起きて、
いてもたってもいられなくてここまできてしまったお!」

从'ー'从「あたしなんか3時ですよ。緊張はないですけど、不思議な気持ちです」

( ^ω^)「そうだお。このテンションを維持するためにランニングしてくるお」

从'ー'从「お供します!」

(´・ω・`)「・・・・・・朝から元気だな、二人とも」



11: 17話 :2006/11/17(金) 23:59:21.90 ID:A6NdrZwj0
  

 事務所の扉の前ではしゃいでいた二人にショボンが言う。手には木桶に石鹸手ぬぐい。
どうやら朝風呂に行っていたらしい。


(´・ω・`)「こんな朝から騒いでいたら迷惑だよ」

( ^ω^)「あ、おはようございますお」

从'ー'从「おはようございます、ショボン社長」

( ^ω^)「すみませんが鍵を開けてほしいですお」

(´・ω・`)「・・・アヤカ君はともかく、ブーン君には鍵を渡さなかったかな?」

( ^ω^)「忘れましたお!」

(´・ω・`)「・・・・・・わかった」


 2時間後、出勤してきたマーヤはカーキ色のソファに寝ているアヤカと、机に突っ伏しているブーンを見つけることになる。



12: 17話 :2006/11/18(土) 00:01:21.67 ID:LTwaOWTZ0
  

( ^ω^)「・・・・・・いいにおいですお・・・」


 顔をあげるとそこは自分の部屋ではない。白い壁、芳醇なコーヒーの香り。目の前にはマーヤ。


川`・−)「おはよう」

( ^ω^)「・・・・・・おはようございますお」

川`・−)「コーヒー淹れたけど、ブーン君もいる?」

( ^ω^)「いただきますお」

川`・−)「じゃあ淹れてくるわ。そろそろアヤカちゃんを起こしてあげて。あんなところで寝てたら体を痛めるわ」


 アヤカの肩を揺らしていると、やがてマーヤが戻ってくる。御盆にはコーヒーが3つとココアがひとつ載っている。


从'ー'从「・・・あ、マーヤさん。おはようございます」

川`・−)「おはよう。とりあえずココアを飲んだら美容院に行きましょう。
ブーン君はその間、一回帰ってらっしゃい」

( ^ω^)「何でだお?」

川`・−)「さすがにステテコはマズいわ」



13: 17話 :2006/11/18(土) 00:02:45.04 ID:LTwaOWTZ0
  
 ブーンがスーツに着替え、アヤカも髪を整えてもらった。クーも事務所にやってきて、二人ともジャージに着替えている。
 それぞれ1時からの本番にむけて余念がない。ドクオもいつもより遅めに出勤し、その様子をながめていた。


('A`)「ジャージでいいんですか、オーディションなのに」

川`・−)「動きやすい格好って書いてあったでしょ。最終審査のステージみたいな場合ならともかく、
一次審査だとみんなそんなものよ」

川 ゚ -゚)「なるほど・・・・・・」


从'ー'从「♪恋を夢見るお姫様は〜いつか〜素敵な王子様にめぐり合える〜♪」

(´・ω・`)「別に歌う必要はないが、なかなか様になってるね。アヤカ君」

从'ー'从「ありがとうございます」

( ^ω^)「この二日間、がんばって練習しましたお。ギッコ先生やツンも手伝ってくれたし・・・」

ショボン「うむ。立ち位置やカメラ番号を覚えないでいいのが幸いしたね。本番ステージみたく
行うオーディションだと難易度は段違いだ」

川 ゚ -゚)「最終審査だと、やはり必要ですか?」

(´・ω・`)「それもそうだが・・・何、まだ時間はある。それよりもまずは今日だ」

从'ー'从「そういえばドクオP。ツンちゃんは今日どうしたんですか?」



14: 17話 :2006/11/18(土) 00:04:48.03 ID:LTwaOWTZ0
  

('A`)「昼間から『ビジュアルリプレッセント』、夜は『Vocal Style』の個人レッスンに
行くことになってる。
アヤカちゃんとの差を広げてやる、って意気込んでたよ」

从'ー'从「そっかぁ・・・・・・」


( ^ω^)「11時・・・そろそろ行ったほうがよくないかお?」

川`・−)「そうね。途中でいくつか買い物していきましょうか」

川 ゚ -゚)「いよいよ、か・・・・・・よし」

从'ー'从「じゃあ行ってきます」

(´・ω・`)「うむ。がんばってきたまえ」

('A`)「がんばって」

从'ー'从「(・・・・・・ツンちゃん・・・)」


从'ー'从「(もう一回、お礼言いたかったな・・・・・・)」



16: 17話 :2006/11/18(土) 00:07:05.60 ID:LTwaOWTZ0
  




ξ゚听)ξ「・・・・・・おはよ」

从゜ー゜从「ツンちゃん」


事務所から降りたところでツンが待っていた。



17: 17話 :2006/11/18(土) 00:10:53.58 ID:LTwaOWTZ0
  
( ^ω^)「おはようだお」

ξ゚听)ξ「おはようございます・・・いよいよね、アヤカ」

从'ー'从「うん。ツンちゃん、本当にありがとう。わたし達だけじゃあんなにうまく踊れるようには
ならなかったよ。ツンちゃんが一緒に練習してくれたから・・・」

ξ゚听)ξ「貴重なアタシの時間を奪ってくれたんだから、ゼッタイ合格してきなさいよ」

( ^ω^)「はいだお!」

川 ゚ -゚)「(何でブーンPが答えるのだろう・・・)」

从'ー'从「うん!」


ブロロロロ・・・

 マーヤが車をガレージから出してくる


川`・−)「さ、行くわよ」

( ^ω^)「はいですお」

ξ゚听)ξ「ほら、行ってらっしゃい。クーさんもがんばってください。ダブル合格ですよ」

川 ゚ -゚)「・・・・・・わかった。じゃあ行ってくる」



18: 17話 :2006/11/18(土) 00:15:13.28 ID:LTwaOWTZ0
  
从'ー'从「合格通知おみやげに帰ってくるからね」

ξ゚听)ξ「待ってる」

川`・−)「ツンちゃん・・・ありがとう」

ξ゚听)ξ「いえ。それじゃあアタシはあがります。ドクオも待ってるだろうし・・・」


ツンが階段を上がっていくのを見届け、マーヤはサングラスをかける。


( ^ω^)「サングラス変えたんですか?」

川`▼−▼)「ええ。それじゃあいくわよ」


 シートベルトを確認し、マーヤはアクセルを踏み出した。


【続く】

春香「とみせかけてまだオマケ続くんだよね〜って、私これが初セリフじゃないですか!
本編に出してくださいよぉ・・・・」



21: 17話・おまけ1 :2006/11/18(土) 00:18:25.42 ID:LTwaOWTZ0
  
 〔11時10分・『ニュー速プロ』事務所〕

ξ゚听)ξ「おはようございます」

('A`)「あっ、おはよう」

(´・ω・`)「おはよう、ツン君。さっきクー君やアヤカ君が出て行ったよ」

ξ゚听)ξ「知ってます。挨拶してきましたよ・・・それより社長。
ちょっと踊ってみます。着替えるので社長室借りますね」

(´・ω・`)「うむ。ツン君は『そうだ We’re ALIVE』だったね」

ξ゚听)ξ「はい。ちょっと着替えてきます。あとドクオ、お腹すいたんだけど・・・
パンくらい常備しておきなさいよ」

('A`)「う、うん・・・」


 ドクオの机の下から紙袋に入ったジャージをとりだし、ツンは社長室へと入ってゆく。


(´・ω・`)「・・・・・・たいしたモノだな、彼女の行動力は」

('A`)「そうですね・・・」

(´・ω・`)「・・・君も大変だな、ドクオ君」

('A`)「・・・・・・」



23: 17話・おまけ2 :2006/11/18(土) 00:20:49.24 ID:LTwaOWTZ0
  
⌒*(゚〜゚)*⌒「・・・エチゼン。このオーディションって、受かっても十派一からげなのですよね」


 黒塗りのリムジンが走る。運転手を除いて中には二人。
ゴシックなエプロンドレスに身をつつんだ少女が、対面に座る老紳士に尋ねる。


エチゼン「そうでございます。事務所の社長の話によれば、これがアイドル業界で
成り上がっていく最短の道、とのことですが・・・」

⌒*(゚〜゚)*⌒「私(わたくし)としてはソロがいいのですけど・・・事務所の方針なら仕方ないですわね」

エチゼン「お嬢様ならきっと他のアイドルの方々と一緒でも大丈夫でございます」

⌒*(゚〜゚)*⌒「当然ですわ。それよりエチゼン、あとどれくらいかしら?」

エチゼン「・・・30分、といったところでしょうか」

⌒*(゚〜゚)*⌒「では少し寝かせてもらいます。会場に着きましたら起こしなさい」

エチゼン「承知いたしました。おやすみなさいませ、お嬢様」


 足を曲げずに車で眠ることのできる少女、カレハ・コノハ。
彼女が登場するのは次回の話である。



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