( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです
- 27: 18話 :2006/11/18(土) 00:31:28.74 ID:LTwaOWTZ0
〔日曜日・午後0時30分・車内〕
( ^ω^)「おっおっおーおおー おっおっおーおおー」
川 ゚ -゚)「だっだだだだっだー」
( ^ω^)「おっおっおーおおー おっおっおーおおー」
从'ー'从「真っ赤なー誓いー」
( ^ω^)「おっおっおーおおー おっおっおーおおー」
川 ゚ -゚)「だっだだだだっだー」
( ^ω^)「おっおっおーおおー おっおっおーおおー」
从'ー'从「真っ赤なー誓いー」
川`▼−▼)「(・・・無限ループって怖いわね。しかしブーン君、すごい音痴・・・っと)」
川`▼−▼)「そろそろつくわよ」
从'ー'从「!!」
- 30: 18話 :2006/11/18(土) 00:34:11.22 ID:LTwaOWTZ0
川 ゚ -゚)「あれが『VIPカルチャーホール』か・・・」
川`▼−▼)「一昨年改装したばかりだから綺麗でしょ。手前の第一棟が会場よ」
( ^ω^)「・・・・・・」
从'ー'从「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・アヤカ、今からそんなに緊張してたら本番はとても無理だ。リラックスリラックス。
ブーンPも少し落ち着いたほうがいいです」
从'ー'从「わ、わかってますけど・・・」
( ^ω^)「わ、わかってるお・・・」
川 ゚ -゚)「二人とも震えてる」
从'ー'从「こっ、これはアレです・・・武者震いですよぉ」
( ^ω^)「そっ、そうだお。これは・・・人間バイb」
川#`▼ω▼)「ぶち殺すぞ」
- 33: 18話 :2006/11/18(土) 00:38:16.64 ID:LTwaOWTZ0
素でキレかけたマーヤをなだめ、なんとかホールの駐車場に車をつけさせる。
川`▼−▼)「あのギャグは笑えないわね」
( ;^ω^)「すみませんでしたお・・・」
荷物をおろして4人は駐車場から出る。会場の近くまで来るとアヤカやクーと同じような年頃の女の子
──おそらく、おなじオーディションを受験するであろうアイドル達がちらほらとあちこちに見て取れた。
( ^ω^)「あの女の子たちはオーディション終わったのかお?」
川`▼−▼)「まだだとおもうわ。ほら、あの子緊張してる。早すぎるのはまずいわね。
ただでさえこのオーディションが初めて、という子も多いでしょうに・・・」
- 35: 18話 :2006/11/18(土) 00:46:06.44 ID:LTwaOWTZ0
从'ー'从「12時40分かぁ・・・あと20分・・・・」
川 ゚ -゚)「アヤカ。まだ20分もあるのに、それじゃあ持たない」
从'ー'从「く、クーさんは落ち着いていますね」
川 ゚ -゚)「慣れだよ。声優時代、何回もやってきた。むしろ清々しい」
( ^ω^)「そうだったお・・・確かそんな設定もあったお・・・」
从'ー'从「・・・ひ、人という字は・・・」
川`▼−▼)「・・・もう伏目がちな昨日なんていらない♪」
从'ー'从「・・・?」
川`▼−▼)「♪もう伏目がちな昨日なんていらない
今日これからはじまる私の伝説♪」
( ^ω^)「この曲は・・・・・・」
- 37: 18話 :2006/11/18(土) 00:48:46.10 ID:LTwaOWTZ0
マーヤが口ずさむこの曲、『THE IDOLM@STER』。“ムコナの10人”が歌いはじめた曲である。
シングルでこそ出ていないが、その人気は地味に高い。今回は違うが、アイドルオーディションの課題曲としては
1,2を争う有名な歌である。
アイドルを志す少女の曲、という歌詞のイメージは奇しくも現在のアヤカにピッタリだった。
川`▼−▼)「♪今日これからはじまる私の伝説♪」
川`▼−▼)・川 ゚ -゚)「♪きっと男がみれば 他愛のない過ち 繰り返してでも
うぬぼれとかしたたかさも必要♪」
川`▼−▼)・川 ゚ -゚)・从'ー'从「♪そう、恥じらいなんて時には邪魔なだけ
一歩を大きく 進もう毎日夢に向かって♪」
( ^ω^)「泣きたい時には涙流して」
川 ゚ -゚)「♪ストレス貯めない♪」
クーのチョップが決まり、流れをぶちこわしたブーンは押し黙った。
- 39: 18話 :2006/11/18(土) 00:54:17.84 ID:LTwaOWTZ0
从'ー'从「♪女なら耐えられます 強いから〜♪」
( ^ω^)「(ふるえがとまってるお。いい感じだお〜)」
妙に荒れた雰囲気のあった玄関を通り、会場が5階のクー達とエレベーターでわかれ、
二人は4階の廊下を歩いていた。
( ^ω^)「えっと、409号室は・・・」
从'ー'从「ここが405、反対が406・・・・・・あっちかな?」
( ^ω^)「あっ、アレだお!」
ふたつ先の部屋に『409号室』と出ている。傍には男がひとり立っていた。携帯電話を見ると12時50分。
早くもなく、おそくもなく、ちょうどいい時間帯。
男に名乗ると待つように言われ、二人はそばのベンチに腰掛ける。
正面のベンチには老人とゴシックドレスを着た少女が座っていた。
- 41: 18話 :2006/11/18(土) 00:57:09.34 ID:LTwaOWTZ0
( ^ω^)「・・・・・・」
エチゼン「・・・・・・」
⌒*(゚〜゚)*⌒「・・・・・・」
( ^ω^)「ヒソヒソ(あのおじいさん、デスノートのワタリに似てないかお?)」
从'ー'从「ヒソヒソ(やっぱり思います?)」
⌒*(゚〜゚)*⌒「・・・・・・ちょっと」
从'ー'从「ヒソヒソ(それにあの子、かわいいですね)」
( ^ω^)「ヒソヒs(でも、あの服はどうしたんだお・・・あのおじいちゃんが変な趣味を持って)」
⌒*(゚〜゚)*⌒「・・・あなた!橙のジャージのあなた!」
子供の怒声に話をやめ、きょろきょろアヤカがあたりを見回した。誰もいないのを確認して、
おずおずと指を自分に向ける。
- 42: 18話 :2006/11/18(土) 01:02:58.06 ID:LTwaOWTZ0
从'ー'从「・・・わたしですか?」
⌒*(゚〜゚)*⌒「他に誰がいるのですか。あなた、アイドルですわね?」
从'ー'从「は、はい。新人ですけど・・・」
( ^ω^)「サインならブーンを通してk」
⌒*(゚〜゚)*⌒「ここにいる、って事は『VIPPER’s』のオーディションですわね。ここにくるまで誰もいなくて
言う相手がいなかったのですが・・・・・・」
少女は上から下まで値踏みするようにアヤカを観察する。そして隣のブーンに視線を移して・・・1秒で戻す。
⌒*(゚〜゚)*⌒「まぁ、あなたでいいですわ」
从'ー'从「?」
- 45: 18話 :2006/11/18(土) 01:06:17.32 ID:LTwaOWTZ0
ブーンの無意識のボケ、きょとんとした顔のアヤカを気にせず、立ち上がると少女は言い放った。
⌒*(゚〜゚)*⌒「私(わたくし)はアイドル、名前はカレハ・コノハ。本日、あなたを倒して合格させていただきます」
- 47: 18話 :2006/11/18(土) 01:08:02.38 ID:LTwaOWTZ0
- カレハ「────」
二の句を告げない目の前の新人アイドルと(ニヤケ顔の屑)を見てカレハは黙って座った。
別に威嚇のつもりはない。事務所に入所するときなど、図らずしてその意味を持ってしまうこともあるが、
本質的にはただの戦意向上の名乗り口上。昔から代々つたわる、コノハの家の戦闘儀礼。
从'ー'从「・・・・・・」
从'ー'从「・・・・・・かわい〜」
⌒*(゚〜゚)*⌒「へ?」
- 49: 18話 :2006/11/18(土) 01:09:50.51 ID:LTwaOWTZ0
カレハの座っているベンチまでくると、アヤカはしゃがみこんで目線をカレハとあわせてくる。
⌒*(゚〜゚)*⌒「な、何なのですか?!」
从'ー'从「カレハちゃん、って役者さん?こんなに小さいのに、すっごく上手いなぁ。
ブーンP、もしかしてこれも試験の一種ですかね?」
抵抗するカレハの頭をなでながらアヤカはなおも話しかけ続けている。そんな彼女を見ながら
ブーンは傍らの紳士に尋ねた。
( ^ω^)「・・・ワタリさん」
エチゼン「私のことですか?私はワタリではなく、エチゼンと申します」
( ^ω^)「・・・あの子、いくつですかお?」
エチゼン「カレハお嬢様は当年とって14歳、私立ツンデレ学園中等部に在籍なさっている中学二年生にございます」
( ^ω^)「(どうみても小学生です。本当にありがとうございましたお・・・)」
【続く】
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