( ^ω^)ブーンがアイドルマスターを目指すようです

36: 第25話 :2006/12/08(金) 02:21:45.71 ID:ClYVVGWP0
  

( ^ω^)「ツン、ここは早く逃げるお!」

ξ゚听)ξ「で、でも・・・あんた一人じゃすぐ死ぬわよ」

( ^ω^)「でも、ここで戦ったら二人ともやられるは時間の問題だお。ここであっさり全滅したら
アヤカやドクオにどんな顔して会うんだお?!」

ξ゚听)ξ「・・・わかった!」


 ツンが敗走をはじめる。それを追撃するかのように、頭に風船をつけたボロボロスーツの男が姿を現した。


マネージャーC「俺は・・・殺したくなんかないのにー!!」

( ^ω^)「あんたって人はー!」


マネージャーCに向かって走る走る。逃げるツンに気をとられていた男は油断していたのか、気づくと目の前にブーンがいた。



37: 第25話 :2006/12/08(金) 02:22:24.61 ID:ClYVVGWP0
  

( ^ω^)「終わりだお!」

アイドルC「ブーンさんが、ね」


 木から飛び降り、ブーンの背後に着地した少女は両手に携えたマシンガンを、その背中に乱射する。


( ^ω^)「あううっ!」

マネージャーC「な、なんで・・・」


 真っ赤に染まった服を確認し、Cは残る一人を狩るために装備を整理し始めた・・・・・・



38: 第25話 :2006/12/08(金) 02:23:14.72 ID:ClYVVGWP0
  

 そんな『ブーンがアイドルマスターを目指すようです』らしからぬ出来事のおよそ10分前、『ラウン寺』の駐車場に一台の車が到着する。
ルパン3世が乗っているような黄色のフィアット。運転席からは一眼レフを首にぶらさげた筋肉質の男、
助手席からは麦藁帽子をかぶった女が出てくる。最後、後部座席から眼鏡のヒョロ男が這い出て、うんと伸びをした。


(@e@)「つかれた・・・でも、無事到着」

(@e@)「(これでアヤカさんに会える・・・)」

晴香「本当に助かりましたよぉ。ラウン寺に行こうとしたらバスがエンスト起こすし・・・」

(@e@)「天海さんは審査員ですからね。行かないことにはどうしようもないですよ」

カメラマン「やっぱり僕の車のおかげですね」

(’e’)1「すみません・・・・・・」

3人「!!」


 車に近づいてきた人影におどろく三人。黄色いトリのかぶりものもそうだが、下に着ている迷彩服も死ぬほどそぐわない。



39: 第25話 :2006/12/08(金) 02:23:57.33 ID:ClYVVGWP0
  

(’e’)1「あ、私『ラウン寺』で修行しているものです。もしかしてアイドルオーディションの関係者ですか」

晴香「そうですけど・・・」

(’e’)5「って、ちょっとまって。もしかして“ムコナの10人”の天海春香さんですか?!」

春香「はい。そうですよ」

(’e’)6「すごい。はじめてナマで見たよ・・・」

(’e’)10「あ、覆面にサインおねがいできますか。“マーメイド春香”の名前で」

(’e’)11「ズルいぞ、抜け駆けは」

(’e’)8「私はそこまで多くを求めません。ちょっと踏んでもらえますか?」

春香「ちょ、ちょっと・・・・・・」


 集まってくるトリ頭に本格的にビビる春香。どう考えても普通じゃない展開である。


(@e@)「あの・・・・・・」



40: 第25話 :2006/12/08(金) 02:24:28.00 ID:ClYVVGWP0
  

 困っている春香を見かね、トンボが助け舟を出す。


(@e@)「オ・・・私達は『VIPPER’sオーディション』の取材に着たんです。天海さんは明日の審査員として。
スタッフの方に聞いてもらえればわかるんですが・・・」

(’e’)1「あ、すいませんね。別に疑っているワケではないですけど、雑誌名と記者さんのお名前をお願いできますか?」 


 トリはトンボから話を聞き、近くのテントへと入っていく。


(’e’)1『・・・こちらコードネーム王立ネコミミ学園。コードネームSOS団、どうぞ』

(’e’)3『・・・こちらSOS団。どうした、王立ネコミミ学園』

(’e’)1『・・・雑誌の記者さんが到着した。とりあえず、スタッフの人につないでくれ、どうぞ』

(’e’)3『・・・了解。どうぞ』

AD『・・・・・・はい、かわりました』

(’e’)1『・・・こちら王立ネコミミ学園、っていうか駐車場前本部です。天海春香さんが記者の人と来てますが・・・まっててもらいましょうか?
どうやら本殿は戦場のようですし』

AD『・・・あ〜。わかりました。今から死人待機中の子たちを連れて向かいます』

(’e’)1『・・・了解しました』



41: 第25話 :2006/12/08(金) 02:25:22.94 ID:ClYVVGWP0
  

(’e’)1「・・・おまたせしました。確認がとれましたよ。今、撮影中なので全員は集められませんが、とりあえず死人とADの
方だけ連れてきます」

カメラマン「・・・・・・はぁ」

(@e@)「(死人?)」


 テントの前で3人が待っていると、ほどなくして寺のほうから白い集団がやってきた。


カメラマン「(パナ○ェーブ?!!)」

(@e@)「(・・・アレは・・・・・・)」

(@e@)「アヤカさん!」


 そう、白づくめの先頭はアヤカだった。一瞬死装束かと思ったが、よくみたら白いロングのワンピースに三角巾を頭につけた
“ちょっと”奇妙なだけの格好である。三角巾に書かれた『死』の文字は、この際気にしない。
 ちなみに、男はおもいっきりただの死装束である。


从'ー'从「・・・・・・・・・・・・あっ、『アイドル出版』で受付をやっていた」

(@e@)「トンボです!覚えていてくれたんですね!!」

('A`)「(よく覚えてたなぁ・・・時間はかかったけど)」



42: 第25話 :2006/12/08(金) 02:26:03.18 ID:ClYVVGWP0
  

 少し遅れて野戦スタイルの男がトリ頭の一人に声をかけ、しばしテントに入った後春香達のほうにむかってくる。


AD「『月間アイ$』の記者に天海春香さん。きてくださってありがとうございます。よろしくおねがいします」

春香「こちらこそよろしくおねがいします。
あの・・・・・・ところで、何をやってるんですか?こんなおっきぃテントを張って」

AD「あぁ、サバゲーです」

(@e@)「へ?」

住職「サバイバルゲーム。略してサバゲーよ」

春香「きゃっ!」


 背後に現れた変態仮面に三度驚く春香。別に驚くためにここに来たわけではないのに、この仕打ちは何なのだろうか。
さっき『ちょっとパリまで行ってくる』とメールを送ってきた伊織をスルーしたからなのかも。春香はそんな事をふと考えた。


春香「ちょ、ちょっと何なんですか?!その格好は」

住職「はっはっはー。ようやく驚いてくれたわ。最近のアイドルはぁ、度胸がよすぎていかん」

春香「何ですか。まるで私がアイドルじゃないみたいな言い方して・・・」

AD「Exactry.(その通りでございます)」



46: 第25話 :2006/12/08(金) 02:27:54.49 ID:ClYVVGWP0
  

(’e’)7「みなさん、そろそろ決着がつきそうですよ」

从'ー'从「えっ、本当?」

(’e’)7「はい。ブーンさんとマネージャーCさんが倒れ、ツンさんとCさんの一騎打ちです」

('A`)「ツンが?!」

AD「見てみましょう。記者さんや天海さんもどうぞ、中へ・・・入れちゃってもいいですか?」

住職「バッチグーのグーのグーよ」



47: 第25話 :2006/12/08(金) 02:28:26.99 ID:ClYVVGWP0
  

 テント中央部に置かれた、何やらわけのわからない機械。9分割された巨大モニターが立てられ、現在はそのすべてに同じ映像が
流れている。


 朝までダンスで使われていた本堂。今はもはやその面影の半分も残していない。床は、木片が飛びちり、
刃物をつきたてたような傷跡がそこいらに見て取れる。迷彩色のフルフェイスヘルメットから双房の巻髪垂らした少女、
ツンが銀色の盾を地面に据えつけ、身をかがめる。ガガガガッと音がして地面に黄色の玉──削れたBB弾がバラバラと散乱した。
 モニターの視点がかわる。ツンにサブマシンガンを連射したCは、肩紐をはずし、傍らに立てかけておいた白く光る出刃包丁のような
刃物を持ち上げ、頭部を前にしながら突貫する。ツンも下がりながら単発式のモデルガンを発砲するが、服の内側に何か仕込んであるのか、
あたってもスピードをおとさずにCは距離を縮めてくる。
 二人の距離があと2メートル、といったところでCは大きく前にとび、刃物を大上段に構えて豪快に振り下ろす。その一撃を盾で受け、
よろめきながら右に流すツン。盾をはずして後退、退却。
 Cは地面に刺さった刃物を二、三度前後にずらして引き抜き、反撃に警戒するようにそろりそろりと彼女の後を
追いかけはじめた。



48: 第25話 :2006/12/08(金) 02:29:38.48 ID:ClYVVGWP0
  

春香「・・・これ、映画?」

从'ー'从「現実ですよぉ。二人ともすごいなぁ」

カメラマン「(ポリポリ)」

(@e@)「どうかしました?」

カメラマン「いや。なんだか喉が妙に痒くなってね・・・」



 その後、本堂屋根上の死闘の果てに決着。その後の取材も滞りなくおこなわれ、夜は春香達も交えて焼肉パーティ。
花火に肝試し大会、罰ゲームなんかもあり、山の夏を満喫する形で三日目は終了した。
 明日は最終日。いよいよ合宿の成果を見せるときである。


(@e@)「そういえば、冒頭の赤いのは何だったんですか?」

( ^ω^)「ズバリ、『血のり』ですお!」

【完】



戻る第25話までの登場人物紹介第26話