( ^ω^)ブーンは大人嫌いのようです。
- 47: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 08:52:09.99 ID:eGc6lE/Q0
- 【( ^ω^)ブーンは大人嫌いのようです。番外編?】
今日は成人式だ。久し振りに昔の友達と会える。
楽しみで楽しみで、前日はほとんど眠れなかった。
スーツに着替え、会場に向かう。
( ´;゜;ё;゜;)「プーン!」
スーツには慣れないので動きにくかったけど、気にせず全力で走った。
道の途中で、覚えのある後姿を見かけた。中学生の頃に同じクラスだったツンちゃんだ。
着物を着ていて、髪型も昔とは違っている。
でも見間違えるはずは無い。何と言ってもツンちゃんはボクの初恋の人なのだから。
- 48: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 09:06:50.85 ID:eGc6lE/Q0
- ( ´;^;ё;^;)「やっほーwww」
懐かしくなり、ボクは笑顔で挨拶をした。
ξ゚听)ξ「き、きもっ!!」
ツンちゃんは引きつった顔をして全速力という感じで去っていった。
その照れ屋なところ、変わっていないな。
ボクは嬉しくなってツンちゃんの後を追った。
( ´;゜;ё;゜;)「プゥゥゥゥゥン!!」
ξ゚听)ξ「嫌ぁああぁ!!」
ツンちゃんは持っていた鞄を力一杯ボクの顔面に叩き付けた。
ばしぃ、と物凄い音がして、ボクは耳が痛くなった。
ふらつきながら顔を押さえると、手には血が付いていた。鼻血が出ている。
( ´;゜;ё;゜;)「酷いな、もう」
ボクはツンちゃんが居た方に視線を向ける。
しかしそこにはツンちゃんの姿は無かった。
先に走って行ってしまったのかな。
ボクは諦めて歩き出した。
- 49: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 09:13:40.53 ID:eGc6lE/Q0
- 会場に着くと、既に大勢の人が集まっていた。
知っている人の姿も何人か見付けた。
( ´;゜;ё;゜;)「みんなー」
( ,,゚Д゚)「げっ、プーンの奴も来てやがる……」
(-_-)「最悪だな」
( ´∀`)「向こう行こうぜ」
ボクが駆け寄ると、みんなはボクから視線をそらしてどこかへ行ってしまった。
何か急用でもできたのかな。
- 51: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 09:20:42.98 ID:eGc6lE/Q0
- ( ^ω^)「あ、プーン! 久し振りだお」
( ´;゜;ё;゜;)「ブーンじゃないか! 元気だった?」
ブーンが手を振り、近付いてくる。
ブーンとは小学生の頃からの友達だ。
こいつはいつも笑顔で、本当にいい奴なんだ。
( ^ω^)「元気だお。プーンも元気そうで良かったお」
( ´;゜;ё;゜;)「あぁ。あれ? お前、今日は一人なの?」
( ^ω^)「違うお。兄ちゃんと一緒に来たお」
( ´;゜;ё;゜;)「お前まだ兄離れ出来てないのかよwww」
( ^ω^)「うるさいおwwwww」
ブーンも昔と変わっていない。ボクは安心した。
- 55: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 09:39:47.18 ID:eGc6lE/Q0
- ('A`)「おーい、ブーン! 式始まるぞ」
遠くからブーンのお兄さんのドクオさんが呼んでいる。
( ^ω^)「今行くお! じゃあ、先行ってるお、プーン」
ブーンは嬉しそうにドクオさんの元へと駆けていった。
全く、いつまで経ってもガキだなぁ。
そういえばボクも昔は何度かドクオさんに遊んで貰ったっけ。
あの頃のドクオさんはニートだったのにな……。
今は就職して立派に働いているらしい。
- 56: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 09:53:55.74 ID:eGc6lE/Q0
- 休日は、ブーンとドクオさんが一緒に居る姿をよく見かける。
大人になった今でも凄く仲良さそうで、羨ましかった。
ボクなんて休日はずっと一人だし。
二人に声をかけて邪魔するのも悪いので、いつも隠れて二人の姿を見送っていた。
ボクは暇なので、電柱の陰とかに隠れて二人を付け回した事だってある。
何度か二人に気付かれそうになったけど、その時のボクはサングラスとマスクで変装していたからばれるはずは無い。
二人の幸せそうな空間にボクも混じりたい。
あぁ、付け回すだけじゃ満足出来ないよ。
ボクも仲間に入れて! 早くボクを誘いにきて! ブーン、友達だろう? 何をしているんだ、早く、早く!!( ´;゜;Д;゜;)ハァハァ!!
- 58: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 10:05:07.55 ID:eGc6lE/Q0
- いやまぁ、自分から誘いに行けばいいんだろうけど、内気なこのボクにそんな勇気は無い。
だから誘いに来てくれるまでは付け回し続けてやる!
ボクを差し置いて二人だけで楽しそうにするなんて許せない!!
醜い嫉妬なのは分かっている。でもボクを誘いに来ないブーン達が悪いんだ。
ボクが毎日どれだけ( ´;゜;Д;゜;)ハァハァしながら誘いを待っているのか分かってくれ!
- 59: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 10:08:52.94 ID:eGc6lE/Q0
- そんな事を考えながらトイレにこもっていると、式が終了したとの放送が流れた。
やっと終わったか。
ボクは初めから式の事などはどうでも良かった。出たってきっと退屈なだけだ。
ボクは友達に……ブーン達に会えればそれで満足だったんだ。
なんと今日はブーンと会話までしてしまった。
これでブーンの中でボクへの好感度が急激に増した事だろう。
次の休日が楽しみだぜ。ふっふっふ。
- 62: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 10:21:10.61 ID:eGc6lE/Q0
- ( ^ω^)「あれ? プーン、式出なかったのかお?」
( ´;゜;ё;゜;)「式とかだるいし」
( ^ω^)「ちょwwwお前何しに来たんだお」
トイレから出ると、ブーンと会った。ついているな。
ブーンの隣にはドクオさんも居る。
('A`)「プーン君……」
( ´;゜;ё;゜;)「は、はい!?」
ドクオさんがボクの名前を呼んでくれた!!
ボク、驚いてきょどっちゃったけど変に思われなかったかな。
('A`)「ちょっと、こっちへ」
ドクオさんはボクの背中を押して隅へ連れていった。
何だろう。ついに遊びの誘いか?
成人式も終わった事だし、これから一緒にどこか遊びに行かないか? なんて?
ひひひひひひひひwwwwwwwwww
- 66: ◆NoxMiNDgA2 :2006/10/15(日) 10:39:11.09 ID:eGc6lE/Q0
- ('A`)「あの……言いにくいんだけど」
( ´;゜;∀;゜;)「な、何ですか? ひひひ」
('A`)「あまりブーンに近付かないでくれないか」
( ´;゜;ё;゜;)「えっ!?」
('A`)「あと、休日に後を付けてくるのも……困るよ。ブーンは気付いてないけどな」
( ´;゜;ё;゜;)「…………」
ばれていたらしい。
( ^ω^)「どうしたんだお? 内緒話はずるいお。僕も入れてお」
('A`)「い、いや、何でも無い。とにかくそういう事で頼むよプーン君」
言って、ドクオさんはブーンと共に小走りで帰っていった。
ボクは一人残され、涙が滲んだ。
ブーン、ドクオさん、休日のボクの楽しみ。何もかも失ってしまった。
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